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最終更新日 2026年10月30日

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区長記者会見(令和8年10月26日)

令和8年10月26日(月曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。

会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。(PDF:10,225KB)


記者会見の様子

区長あいさつ

はじめに、住宅宿泊事業法及び旅館業法に関する条例改正素案の一部見直しについてご説明します。

本年9月にまとめた条例改正素案では、旅館業及び住宅宿泊事業において、不適正な運営を行う事業者には厳格に対応するとともに、事業者の運営実態を把握し、継続的な助言や指導を行うことで、区民の安全・安心を確保し、静穏な住環境の維持を図ることを基本的な考え方としていました。

この間、区議会での議論や、実施した区民意見募集を通じて、多くの区民が住宅宿泊事業等に対し不安や懸念を抱いていることが改めて明らかになりました。

特に、治安・防犯、騒音、ごみ対策などについての意見が大変多く寄せられました。

また、住居専用地域における家主居住型等の営業について、一定の要件を満たした場合に、現状の年間120日から法律上の上限である年間180日まで認めることに対しては、反対意見が多く寄せられました。

区としては、これまで制度の趣旨や条例改正素案の内容の周知に努めてきましたが、区民意見募集の結果や区議会での議論を踏まえ、改めて素案をより厳しい内容に見直すこととしました。

見直しのポイントは、大きく3点です。

1点目は、住居専用地域における新規開設を原則として禁止することです。

住居専用地域では、家主不在型の住宅宿泊事業を認めず、家主居住型のみを認めることとします。

2点目は、家主居住型等の営業日数の見直しです。

一定の条件を満たし、違反がなく、ルールを遵守してきた事業者については、年間の営業日数を現状の120日から180日まで認めるとしていた素案を見直し、住居専用地域では、土日祝のみ、120日に戻します。

3点目は、不適正な運営への対応強化です。

平日営業の承認の取り消しに加え、違反事業者名の公表、法に基づく業務停止や廃止命令、罰則の適用を行います。

こちらは、9月時点の条例改正素案と、今回の見直し後の内容を比較したものです。

見直し後は、先ほど申し上げたように、住居専用地域での新規開設を原則として禁止するとともに、家主居住型等の営業日数の上限を年間180日まで延長するという考え方を改め、現状どおり土日祝日のみ、年間120日に戻します。

また、平日営業については、年間120日の範囲内であっても、一定の要件を満たし、適正な運営実績を確認できる場合に限って承認することとし、要件をさらに厳しくします。

不適正な運営が確認された場合には、その承認を取り消します。

さらに、違反事業者名の公表を新たに追加しました。

これまで、違反事業者名を公表する仕組みはありませんでしたが、新たに導入します。

また、家主不在型の住宅宿泊事業についてはビデオカメラの設置を義務化し、既存の施設にも適用する予定です。

住宅宿泊事業及び旅館業に共通して、現行の素案でお示しした規制強化の内容については、引き続き進めてまいります。

素案にも、この規制強化について盛り込んでいました。

まず、届出や許可申請を行う前の周辺住民への事前周知や説明会の開催を義務付けるとともに、地域のルールやマナーを多言語で周知します。

また、懸念や苦情の多い廃棄物・ごみの管理についてルールを定めるほか、緊急時の駆けつけ体制や標識の設置についても定めます。

新たな内容として、本人確認を強化するため、家主不在型の住宅宿泊事業についてもビデオカメラの設置を求め、旅館業と取扱いを統一します。

また、民泊や旅館業に関する相談窓口が分かりにくいのではないかというご意見があります。現在は保健所で対応していますが、区民により分かりやすい総合相談窓口を開設します。

今後のスケジュールです。

世田谷区では、住宅宿泊事業及び旅館業の今後の制度設計について、協議会で複数回にわたって議論してきました。

来月、この協議会に、素案の考え方を変更することを報告し、改めて議論していただきます。

令和9年2月には、区民意見募集の結果を公表するとともに、見直した条例案などを区議会に提案します。その後、区議会での審議、議決を経て、4月に新しい条例を施行する予定です。

今回の見直しは、区がこれまで議論してきた「地域との共生」という考え方を変えるものではありません。

適正に運営される旅館業や住宅宿泊事業は、地域の方々との交流や地域資源の活用につながる可能性があります。

また、災害時などに実際に協力していただく仕組みの構築についても、今後取り組んでいきたいと考えています。

不適正な運営には厳しく対応しながら、区民の安全・安心と静穏な住環境を前提として、事業者による適正な運営と地域との共生のあり方について、引き続き検討を進めます。

今回、区民の皆様からいただいたご意見を真摯に受け止め、考え方を変更した上で、改めてこの課題に取り組んでいきたいと思います。

次に、中学生平和学習広島派遣事業についてです。

世田谷区では今年度から、全区立中学生を対象とした広島市への中学生派遣事業を実施しています。

区立中学校のそれぞれの学校から代表者を1人ずつ選び、合計30人の中学生を広島に派遣しました。

この事業は、単に広島を訪問するだけでなく、事前・事後学習にも力を入れています。

現地では、被爆を体験された語り部の方からお話を伺いました。

また、映画監督の石田優子さんは、広島の被爆樹木について詳しく取り上げていらっしゃいますが、そうした方から背景についてお話を伺い、実際に被爆樹木と出会う体験もしました。

私も、派遣された中学生たちの発表を聞きました。

広島への原子爆弾投下による一瞬の破壊と殺りく、その後も長く続いた被害、原爆がもたらした恐怖と残酷さ、そして二度と繰り返してはならないという思いを、80年という時間を超えて、非常に深く共有していました。

また、自分たちは広島を訪れて多くのことを感じたが、広島を訪れていない周囲の中学生や大人の世代、自分たちよりも年下の世代に、どのように伝えていけばよいのかということも、真剣に議論していました。

そして、その成果を素晴らしい発表として示してくれました。

発表を聞いた後、私から生徒一人ひとりに対して、世田谷区の平和大使として、その思いを実現する担い手になってほしいという願いを込め、任命状をお渡ししました。

戦後80年が経過し、広島・長崎での被爆体験の風化が指摘されています。

中学生たちの言葉にもありましたが、自分たちが被爆された方から直接体験を聞くことのできる最後の世代かもしれないという思いを強く持ち、そのお話を受け止めてくれました。

また、広島市の中学生や高校生がボランティアガイドとして、広島における被爆の実相を案内していることにも、非常に強い感銘を受けたと話してくれました。

大変手応えを感じる報告会でした。

次に、ふるさと納税についてです。

世田谷区には工業製品などが少ないため、いわゆる返礼品も非常に限られています。

そこで、区内の池尻にある「国立(くにたち)音楽院」の協力を得て、音楽に関する体験型の返礼品を用意しました。

国立音楽院は、クラシックからジャズ、日本の伝統音楽まで幅広く扱う、日本でも珍しい音楽の総合教育機関です。

演奏家や楽器製作者の育成にも力を入れ、さまざまな音楽文化を支える人材を輩出しています。

まず、「音楽演奏家によるおうちコンサート体験」です。

プロの演奏家が寄附者のご自宅などを訪問し、生演奏をお届けします。

ホールではなく、リビングや居間などの生活空間で、ご近所の方々も含めて生のコンサートを楽しんでいただけます。

ぜひ、ご家族やご友人と一緒にご利用いただきたいと思います。

他にも、「お好きな楽器のキット製作体験」、「楽器の修理・製作を学べる体験」、「国立音楽院でのプライベートコンサート開催体験」、「オリジナル曲でミュージシャンデビュー体験」と全5種類の体験型返礼品を用意しました。

全国のどこでも実施できるものではなく、世田谷区に音楽専門の学校があるからこそ可能となった企画です。

下北沢で音楽祭なども開催されている、音楽のまち世田谷ならではの企画として、全国へ発信していきます。

続いて、「KAiGOPRiDE@SETAGAYA 2026写真展」についてです。

介護現場では人手不足が続き、働き手の確保が大きな課題となっています。

その要因の一つとして、介護の仕事は社会にとって必要不可欠であり、誰にでもできるものではなく、高度で人間性にあふれた仕事であるにもかかわらず、それに見合った社会的評価がまだ十分に高くないことが挙げられます。この状況を変えていこうという取組みです。

介護現場で働く方々のポートレートを、プロのカメラマンが撮影しました。

一人ひとりの内面的な魅力を、一枚の写真から浮かび上がらせるような作品です。

今回で2回目となる「KAiGOPRiDE」の写真展で、こうした作品を展示しています。

10月7日(水曜日)から20日(火曜日)までは、玉川髙島屋で展示しました。

今後は、うめとぴあにある世田谷区立保健医療福祉総合プラザをはじめ、東京都庁、世田谷区役所、昭和女子大学、北沢タウンホールなど、各所で展示していきます。

この写真展を通して、介護の仕事にこれまでとは異なる光が当たり、現場で活躍する人々への理解が深まることを願っています。

そして、次の世代を含め、介護の仕事を担おうとする方々の裾野が広がっていくことを期待しています。

続いて、「第33回キネコ国際映画祭」についてです。

キネコ国際映画祭は、アジア有数の子ども国際映画祭です。

10月30日(金曜日)から11月3日(火曜日・祝日)まで二子玉川を中心に開催され、今年は、イーグレットホールにおいて初めてオープニングセレモニーを開催します。

オープニングセレモニーでは、ホールのエントランスにある大階段を活用し、レッドカーペットをイメージした演出のもと、ゲストをお迎えする予定です。

本映画祭は、世界各地で制作された子ども向けの映画やアニメーションなどを上映し、子どもたち自身が審査員となって、作品に対するさまざまな賞を選定します。

この映画祭には、世界でも珍しい特徴があります。

映画の映像に合わせ、各国の言語を日本語に翻訳して台本を作り、声優がその場で吹き替える「ライブ・シネマ」です。

例えば、アジアやインドの映画で使われている言葉を日本語に翻訳し、映像に合わせて声優が生で演じます。

本年は、世田谷フィルハーモニー管弦楽団の生演奏とプロの声優による演技を組み合わせ、映像と一体化した作品を楽しんでいただきます。

これが、この映画祭の大きな特徴です。

世田谷区は、「子ども・子育て応援都市」を掲げています。

今後も、このイベントを積極的に応援していきたいと考えています。

次に、来月、第21回世田谷246ハーフマラソンを開催します。

大会当日は、午前8時5分から10時25分まで、国道246号をはじめとするコース周辺の道路で交通規制を行います。

地域の皆さんにはご迷惑をおかけしますが、約2,000人のランナーが安全に走れるよう、警察、消防、バス会社などとの連携を深めてまいります。

この大会は、日本陸上競技連盟の「公認競技会」、ワールドランキングや国際大会の参加標準記録の対象大会となっており、区内外から競技性の高い大会としても関心を持っていただいています。

世田谷246ハーフマラソンに合わせ、大会を盛り上げる物産展を駒沢オリンピック公園の中央広場で開催します。

特設ステージでは、バトンやフリースタイルフットボールのパフォーマンスなどを行います。

また、第二球技場では、東京ヴェルディの協力による「インクルーシブスポーツフェスタ」を開催し、障害の有無や性別、年齢を問わず、誰もがスポーツを楽しめるプログラムを用意します。

発表項目

(仮称)世田谷区いじめの予防及び解消を実現するための子どもの学びと育ちを支える条例(素案)について

ここから発表項目に入ります。

まず、「(仮称)世田谷区いじめの予防及び解消を実現するための子どもの学びと育ちを支える条例」の素案についてです。

学校生活に対する不安として、「いじめに遭うのではないか」「いじめに巻き込まれてしまうのではないか」ということは、今も子どもにとって大きな悩みであり、保護者にとっても心配ごととなっています。

いじめによる重大事態が社会問題となる中、国の動きとしては、平成25年に「いじめ防止対策推進法」が制定されました。

この法律では、いじめの未然防止、早期発見、早期対応を進めるとともに、国、自治体、学校、家庭、地域が連携して取り組むことを求めています。

その後、東京都においても、平成26年に条例が制定されています。

世田谷区では、こうした動きを受け、いじめ防止基本方針の策定・改定や、世田谷区いじめ問題対策専門委員会の設置などの取組みを進め、令和7年には、「世田谷区子どもの権利条例」を施行しています。

世田谷区は、いじめを子どもの人権や尊厳に関わる極めて重大な問題であり、子どもたちの安全・安心を脅かす、決して許されない行為であると捉えています。

一方、いじめは特別な場所や特別な子どもたちの間だけで起こるものではありません。

学校内だけでなく、放課後、部活動、SNS上のやり取り、塾、習い事、スポーツクラブ、友人関係など、さまざまな場面で起きており、どこでも起こり得ます。

いじめを決して起こしてはならないという姿勢は当然必要です。

しかし、実際にいじめを一切起こさないことは容易ではありません。

どの子にも、いじめに関わる可能性があるものと捉え、その認識を共有することが大切だと考えています。

いじめが深刻な結果に至る場合であっても、その多くは、最初は小さなトラブルやすれ違い、誤解などから始まります。

いじめが始まりつつある段階や、始まった直後に放置せず、最悪の状態にまで拡大させないことが重要です。

いじめに関する条例は、全国に多数あります。

ただし、大人の視点から「いじめはいけないから、必ず根絶させる」と一方的に示すだけでは、十分な効果は期待できないと考えています。

今回の条例素案を支える考え方があります。

1つ目は、世田谷区子どもの権利条例でも明確に示しているとおり、「子どもの最善の利益を最優先すること」です。

いじめの被害を受けた子どもを放置せず、何よりも先にケアを始めます。

同時に、いじめを行った子どもにも、さまざまな背景があります。

その子どもからも丁寧に話を聞き、向き合うことが大切です。

2つ目は、「予防と早期支援」です。

先ほど申し上げたように、問題が大きくなる前に対応することを基本とします。

3つ目は、「子どもの声を尊重すること」です。

4つ目は、「すべての子どもの成長を支えること」です。

被害を受けた子どもだけでなく、いじめを行った子どもや、周囲で傍観していた子どもも含め、関係する子どもたち全員が、いじめを繰り返さない関係をつくっていくことを目指します。

5つ目は、「地域全体で支えること」です。

学校だけではなく、家庭、地域、関係機関が連携して対応します。

世田谷区子どもの権利条例でも、差別されない権利、子どもにとって最もよいことを考えられる権利、生きる・成長する権利、そして自分に関わることについて意見を表明する権利を定めています。

今回、いじめ防止等に関する条例を検討するにあたり、できる限り子どもたちの意見や声をしっかりと聴くことを重視しました。

体験型ワークショップや総合教育会議、区民シンポジウムなどを通じ、繰り返し子どもたちから意見を聴きました。

中でも、子どもたち自身がいじめをどのように感じているかを把握するため、区立小中学校の児童・生徒を対象にアンケート調査を行いました。

非常に多くの子どもたちから回答があり、この調査を通じて、子どもたちを取り巻くいじめの実態や環境を把握することができました。

寄せられた声をもとに、条例を制定したいと考えています。

子どもたちの声を、いくつか紹介します。

実態把握アンケートからは、およそ5人に1人が、いじめに関わる体験をしていることが分かりました。

最も多かったのは、悪口やからかいなど、いじめの初期段階にあたる行為です。

週に何回もこうした言葉を投げかけられ、嫌な思いをしている子どももいます。

そのうち、実際に誰かに相談した子どもは3割程度にとどまっており、なかなか相談できない状況も明らかになりました。

相談しなかった理由としては、「言いづらい」「心配をかけたくない」といった声がありました。

また、子どもたちが求めているのは、安心して話せる場所があることや、秘密が守られる環境だということが分かりました。

体験型ワークショップでも、子どもたちから多くの意見が寄せられました。

「学校に安心して過ごせる居場所が必要である」こと、「先生が一人で抱え込まないように先生を支える仕組みも必要である」こと、「安心して相談できる場所がほしい」こと、「話を最後まで聞いてほしい」ことなどです。

「話を最後まで聞いてほしい」というのはシンプルな意見ですが、大切なことです。

子どもが話している途中で、「分かった」「そうなんだね」と話を打ち切るのではなく、最後まできちんと聞いてほしいということです。

「秘密を守ってほしい」という声もあります。

また、いじめに関して、子どもの思いを考えずに、すぐに謝罪を求めたり、仲直りをさせたりしないでほしいという意見もありました。

一方で、「困っている友達がいたら声をかけられるようになりたいので、サポートしてほしい」「子ども自身も、問題解決に参加できる仕組みがあるといい」といった意見もありました。

子どもたちが望むことに対して、大人がどのように支援するのかを考える必要があります。

子ども自身が、集団の中で関係を修復する力を育むことも大切です。

いじめが起きても、大人たちが問題から逃げないことが重要です。

「いじめが起きても、大人たちは逃げずに対応してくれる」と、子どもにも保護者にも受け止めてもらえる、安心できる環境や体制をつくる必要があります。

一方、いじめの事実確認を行う調査には時間がかかります。

いじめ重大事態について調査を始めると、1年半から2年、場合によっては、それ以上の時間を要する例もあります。

事実の認定だけを最優先すると、いじめを受けた子どもや、いじめの関係そのものが変わらないまま、手続きだけが進んでいくことがあります。

その結果、いじめを受けた子どもがさらに苦しみ、学校に通えなくなってしまうこともあります。

そのため、事実確認の調査を行うことはもちろん、その過程でも子どもの安全確保と関係の修復に取り組むことを条例に盛り込んでいます。

子どもからの相談を受動的に待つのではなく、休み時間にも教員がクラスの様子を見るなど、相談しやすい体制を整える必要があります。

また、子どもと保護者の思いが異なることも、実際には多くあります。その場合には、子どもの意見を尊重していくことが必要です。これまでの総合教育会議やシンポジウムなどでも、こうした意見が出されました。

今後の予定ですが、来月の世田谷区総合教育会議で条例素案の内容を説明し、議論します。

その後、令和9年2月の第1回区議会定例会に条例案を提案し、4月の施行を目指して検討を進めます。

今回の条例には、いじめを子どもの視点から捉え、いわゆる事実認定だけを優先するのではなく、いじめを受けた子どもを放置せず、適切にケアすることを重視するという特徴があります。

さらに、関係を修復し、いじめが繰り返されない学校をつくっていきます。

非常に高い理念と理想を掲げる条例ですので、実現するためには、学校現場の教員や学校だけに対応を求めるのではなく、区としても必要な人員を配置し、しっかりと支援しなければならないと考えています。

この条例によって、区立学校では、いじめが起こり得るとしても、決して放置されることはないと子どもたちに認識してもらいたいと思います。

そのように学校や地域を変えていくことができればと考えています。

私立小・中学校等学校給食費相当額給付金の支給及び区立小・中学校における長期欠席者に対する学校給食費相当額の支給について

区立小・中学校では学校給食費を無償化していますが、今回は、その対象となっていない私立学校などの児童・生徒に対する給付金と、不登校などにより給食を食べていない児童・生徒への学校給食費相当額の支給についてご説明します。

まず、令和8年度に東京都が開始した補助事業を活用し、私立学校や国立学校など、区立小・中学校に在籍していない児童・生徒の保護者を対象に学校給食費相当額を支給します。

対象は約16,900人を見込んでいます。

支給額は、月額で小学生が6,700円、中学生が8,100円です。

歳出予算は約14億5,500万円、歳入予算は約5億7,700万円で、東京都の補助を活用します。

次に、病気や不登校などにより長期欠席している児童・生徒の保護者を対象に、学校給食費相当額を支給します。

対象者は約1,600人を見込んでいます。

支給額は、給食を食べることができなかった日数に、学校給食の1食当たりの単価を乗じて算出します。支給開始時期は、令和9年2月からを予定しています。

予算は、歳出予算が約6,730万円、歳入予算が約2,450万円です。

歳入予算については、国・東京都それぞれから補助を受けます。

これまで学校給食費の無償化を進めてきましたが、その枠の外にあったご家庭に対する支援も充実させていきたいと考えています。

世田谷区新本庁舎に参加と協働による自治の拠点「(仮称)協働プレイス」オープン

最後に、世田谷区新本庁舎に開設する、参加と協働による自治の拠点「(仮称)協働プレイス」のオープンについてご説明します。

9月18日(金曜日)、区役所本庁舎2期棟が完成しました。

新本庁舎には、区民が自由に集まって交流、協働する市民活動支援の拠点、「(仮称)協働プレイス」をオープンします。

11月3日(火曜日・祝日)からは、オープニングイベントとして「はじまりフェス」を開催します。

開催期間は3週間です。

現在は仮称として「協働プレイス」と呼んでおり、「出会う、つながる、動き出す」をコンセプトに、市民団体、企業、大学、行政など様々な主体が混ざりあう「まちの汽水域」を目指します。

今後、この場所で多彩なイベントを実施します。

特徴の一つは、スタッフが常駐することです。

交流の場をつくるほか、市民活動を始めたい方へのスタートアップ支援なども行います。

汽水域とは、海と川の境目で、海水と淡水が交わる場所のことです。

「まちの汽水域」には、さまざまな人や組織が交わり、新たな価値を生み出していこうという意味を込めています。

「出会う、つながる、動き出す」というコンセプトのもと、単なる貸しスペースとして、予約されたプログラムを実施するだけの場所にはしません。

様々な活動をしたい区民が訪れ、そこで出会った人たちと話し合い、知り合い、新しい動きをつくり上げていく。そのような活動を生み出す場所として、運営していくイメージです。

「やってみたい」という思いを活動につなげる場所でもあります。

にぎわいを生み出すさまざまな企画を提案し、「何かをやってみたい」と考えている方々に参加していただきます。

常駐スタッフが、市民活動や自発的な区民活動を始めたい方を支援します。

また、地域や社会の課題解決を目指す実証実験などの場としても活用したいと考えています。

区役所は、本来、自治の拠点であり、市民・区民活動の拠点であるべきです。

そうした活動を生み出し、支援する場所となるよう運営します。

主な予定ですが、「はじまりフェス」では、世田谷区子どもの権利をテーマにしたイベントから始まり、防災パーク、ふれあい乗馬会、国際メッセ、グルメマルシェ、世田谷区本庁舎整備の15年間の歩みを語るシンポジウムなど、さまざまな催しを連日開催します。

このような場ができたことを、ぜひご案内いただければと思います。

区役所の本庁舎は第3期工事を残しているため、まだ完全に完成したとは言えません。

ただし、全体の7割程度が完成し、区民が利用できる部分については、その9割以上が姿を現し、利用できるようになりました。

参加と協働を基調とした交流型の活動を包み込む新しい庁舎の始まりとして、ぜひ取材していただければと思います。

質疑応答

  • 記者
    民泊について、3点伺う。
    1点目は、条例のルールの見直しについて伺いたい。
    民泊のルールをめぐっては、23区全体で厳格化に向けた議論が進んでいる。
    周辺区には強硬な姿勢を示している区もある中、世田谷区の当初のルールでは対応が甘いという声も出ていた。
    当初案をこのような内容とした理由と、そこから方針を転換し、家主居住型に限って認め、年間120日以内であれば営業可能とした理由や背景を教えてほしい。
    2点目は、旅館業法との関係について伺いたい。
    民泊に対する規制を厳しくした分、営業日数に制限のない旅館業へ事業者が流れる可能性もある。
    区として、その対策をどのように担保していくのか。
    3点目は、区長選挙との関係について伺いたい。
    民泊ルールの厳格化に関しては、来年の区長選挙との関係を指摘する声もある。
    方針を転換し、厳格化に動いた背景には、区長選挙の存在もあるのか。
     
  • 区長
    民泊に関する私の基本的な立場は、中立的なものである。
    もともと、どちらかといえば慎重に取り組み始めたと言った方がよいと思う。
    世田谷区では、例えば新宿区で見られるような、1,000件を超える苦情が寄せられているという実態はない。
    同時に、世田谷区では、議論を積み重ね、話し合いによってルールを決めていくことを重視している。
    このため、民泊に対して厳しい意見をお持ちの方、町会・自治会、商店街、民泊を運営している事業者などに参加していただき、協議会で議論してきた。
    協議会では、家主居住型について、法律上の上限まで営業を認めてもよいのではないかという意見が出た。
    それを受け、区の方針として、年間180日まで認める案が提案されたという経緯がある。
    ただし、当初の素案が全面的に民泊を自由化する内容だったというのは、全くの誤解である。
    先ほども説明したように、当初の素案にも規制を強化する内容は盛り込んでいた。
    今回、年間120日から180日に拡大する部分については、規制強化に逆行しているのではないかという意見があった。
    実際に、パブリックコメントでも、そのような意見が多数を占めた。
    これほど不安が広がっているのであれば、区としてこれまでさまざまな説明をしてきたとしても、その声を重く受け止める必要があり、その部分については見直そうと判断した。
     
  • 世田谷保健所長
    旅館業については、従来型の大規模なホテルとは異なり、住宅を活用して営業する形態が増えている。
    従来型のホテルであれば、施設の存在が住民の方々に周知され、必要な設備も整えられている。
    一方、住宅宿泊事業法の施行に合わせるように、現在は、いわゆる「1室旅館」の営業も可能となっている。
    住宅宿泊事業法と旅館業法は、国の所管省庁が国土交通省と厚生労働省に分かれていることもあり、制度上、十分に整理されないまま残された部分がある。
    例えば、これまでは当然行われるものと考えられていた住民への周知についても、現在の小規模な旅館業施設は、外見上、民泊との区別がつかないこともあり、さまざまな課題が生じている。
    23区全体では、住宅宿泊事業に関して国に意見を出そうという動きもあったが、その中に旅館業は含まれていなかった。
    世田谷区では、旅館業についてもバランスを取りながら、適切に規制を強化し、住民の方々に説明することを重視している。
    先ほど区長が申し上げた協議会においても、当初から住宅宿泊事業と旅館業の双方に関するデータを示し、一体的に検討してきた。
    今後も、事業者の動向を継続的に把握していく。
    規制強化の内容が適切に守られているか、また、住民の方々に十分な説明を行い、理解を得るための働きかけをしているかについても、所管として確認していきたいと考えている。
     
  • 区長
    そもそも、民泊の解禁や旅館業の規制緩和は、国の方針によるものである。
    東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、宿泊施設が絶対的に不足しているという認識から始まった。
    したがって、現在の状況は、インバウンドをどれだけ呼び込めるかという考え方のもとで、制度が組み立てられてきた結果でもある。
    特に、1室でも旅館として届け出ることができる制度は、明らかに行き過ぎた規制緩和である。
    ただし、そもそもそのような制度設計を行ってきた国の政策方針自体が問われるべきだと思う。
    それが問題であるというのであれば、訪日外国人旅行者数6,000万人という目標についても見直しの議論につながっていくはずである。
    区長選挙の争点になるかということについて、私は先ほど、自分の立場は中立的だと申し上げた。
    国の法律や規定に従いながら、世田谷区として丁寧に意見を聞くプロセスを経て、取り組んできた。
    このため、私は区長選挙の争点になるとは考えていないが、何が争点になるかは、最終的には区民の皆さんが決めることだと思う。
    ただし、パブリックコメントなどでこれほど多くの意見が寄せられたことは、受け止めざるを得ない。
    これは選挙とは無関係である。
    これだけ多くの意見が出た以上、一度立ち止まり、改めて実現可能な道筋を組み立て直す必要があると考えたことが、今回の見直しの理由である。
     
  • 記者
    これまで区長は、民泊は地域資源にもなり得るという趣旨の発言をされてきたと思う。
    区長が考える、民泊と地域が共存する姿とは、どのようなものか。
    また、どのような形であれば、民泊を地域資源として生かしていけると考えているか。
    適正に運営されている事業者を守りつつ、規制を厳格化するための具体的な策について、現時点で考えがあれば教えてほしい。
     
  • 区長
    保健所からの提案については会見中にも触れたが、まず、世田谷区内の民泊利用者のうち25%は日本人で、外国人は75%を占めている。
    浸水被害などの自然災害が発生した際、避難先や、救援のために駆けつけていただいた方々の宿泊場所として、こうした施設を活用できないかということがある。
    世田谷区にはホテルがほとんどないので、そうした活用は今後の課題だと思う。
    また、民泊を始める動機はさまざまである。
    これまで国際交流に取り組んできた方が、その活動の延長として民泊を始めるケースもある。
    協議会でもこうした議論があったと思う。
     
  • 世田谷保健所長
    協議会でも紹介されたが、現在、町会などでは担い手が不足している。
    そのような中、地域の担い手として活躍している民泊事業者もいる。
    また、能登や熊本でも実際に活用されているが、災害が発生した後、中期的な支援の段階で、地域外からの支援者が週末ごとに訪れることがある。
    そうした方々の受け入れ先としての活用も考えられる。
    区内には、国立のナショナルセンターなどの医療施設もある。
    入院している方のご家族からは、ホテルでの長期滞在は非常に負担が大きく、何かあったときに短時間で駆けつけられる場所に滞在したいというニーズもある。
    また、先日のアジア大会では、選手などの宿泊先として活用された事例もあり、非常に意義のある取組みが行われた。
    このように、地域に溶け込み、地域の一員として民泊事業を有効に活用している事例がある。
    協議会などを通じて、こうした優良な取組みを広げていきたいと考えている。
    一方で、事業の質は必ず確保しなければならない。
    地域資源としての活用と、運営の質の確保を両輪として進めていく考えである。
     
  • 記者
    民泊をめぐるトラブルについては、物件を掲載し、利用者と事業者を仲介するプラットフォーマーにも一定の責任があるのではないかと感じている。
    例えば、世田谷区への転居を検討している方が、民泊をめぐるトラブルがあることを事前に知った場合、転居や居住をためらう可能性もあると思う。
    プラットフォーマーや事業者に対する要望など、区長の考えを教えてほしい。
     
  • 区長
    民泊を単なる投資対象と捉え、できるだけ収益性を高めるために、手間や人件費を省くような運営が行われれば、当然、トラブルは放置され、近隣との問題も大きくなると思う。
    世田谷区でも、そうした悪質な事業者に対する苦情は、これまで寄せられてきた。
    ただし、苦情件数は2桁であり、1,000件を超えるような自治体とは状況が異なっていた。
    持続可能な仕組みにしていくために、私たち自治体は、世論の風向きが変わったからといって、これまで認めていたものを突然禁止することはできない。
    国の法律に基づき、説明会などを通じて「このようなルールである」と説明した上で、そのルールに違反すれば、当然、厳しく対応する。
    処分や事業者名の公表、罰則など、さまざまな対応が考えられる。
    一方で、これまで定められたルールに従って運営してきた事業者もいる。
    また、ルールから大幅に逸脱することなく運営してきた事業者もいる。
    私たちは、そのような適切な運営を求めている。
    しかし、民泊事業者の中に、利益を最優先し、自らの事業が地域にどのような影響を与えているのかを、あまり認識していない事業者が増え始めていることは、世田谷区だけでなく、東京都内全体で大きな問題になっていると思う。
    地域への影響をしっかりと認識し、適正に運営できる事業者に変わってほしいと考えている。
     
  • 世田谷保健所長
    スライド資料5ページに記載しているとおり、規制強化の主な内容として、周辺住民への事前周知や説明会の開催を義務付ける。
    また、地域のルールやマナーの周知にも、適切に取り組んでいく。
    さらに、区の総合相談体制の整備を掲げている。
    現在も保健所に相談窓口を設けているが、区民の皆さんに不安や懸念がある場合、それを適切に受け止め、対応できるよう、総合相談体制を整備し、強化する予定である。
     
  • 生活保健課長
    民泊のプラットフォーマーは、民泊施設と利用希望者をつなぐ仲介事業者である。
    Airbnbをはじめとする大手プラットフォーマーも、民泊に対する社会の目が厳しくなっていることを認識し、さまざまな対策を講じている。
    今後、条例改正案が可決され、区が規制を強化していく際には、こうしたプラットフォーマーとも連携していく。
    例えば、区が業務停止命令を出した施設について、予約サイトへの掲載を確実に削除していただくことなどが考えられる。
    また、プラットフォーマー側でも、災害対策や地域との共生について、さまざまな取組みを検討している。
    今後、区としてもプラットフォーマーと連携し、世田谷区らしい地域との調整のあり方を考えていきたいと思う。
     
  • 記者
    民泊について、2点伺う。
    1点目は、地域との共生についてである。
    8月ごろから、保健所からも具体的な話を伺っている。
    例えば、災害時の受け入れなどについて、条例ではなく要綱に努力義務として書き込むなど、現時点で方向性が固まっているものがあれば教えてほしい。
    2点目は、民泊に対する批判について、区長の基本的な認識を伺う。
    民泊批判の中には、外国人に対する排外的な感情も強く表れているように感じる。
    「アジア人がどうだ」「中国人がどうだ」と公然と発言する人もいる。
    この点について、区長がどのように認識し、受け止めているのか、考えを教えてほしい。
     
  • 区長
    まず、地域との共生を条例などに盛り込むかについて、記者会見でも繰り返し申し上げたとおり、地域との共生を重視する考え方は変わらない。
     
  • 世田谷保健所長
    具体的にどのように位置付けるかについては、まだ検討中である。
    また、地域資源としての活用についても、先ほどいくつかの事例を紹介したように、さまざまな形がある。
    これまで話してきた協議会などを通じて、どのように位置付けていくのかを検討する。
    行政から地域に提案するものもあれば、地域から「このような取組みもできるのではないか」とボトムアップで提案されるものもある。
    今後、ある程度類型化されていくものと考えている。
    現時点では、防災や地域交流など、大きな枠組みで整理している段階である。
    今後、内容を具体化し、必要に応じて要綱やガイドラインに定めるのか、あるいは、他の自治体で導入されている認証制度のような仕組みを設けるのかについて、検討を深めていきたいと考えている。
     
  • 区長
    排外的な感情が、どの程度、どのような形で広がっているのかについて、寄せられた反応だけから読み取ることは、なかなか難しいと思う。
    かつては、日本人が海外旅行に行き、「随分物価が安い」と感じていた国々があった。
    しかし、現在は円の価値が大きく下がり、円安が続く中、反対にそうした国々から多くの観光客が日本を訪れているという事実がある。
    外国人を排斥したり、感覚的に「嫌だ」と感じたりする意識は、一度形成されてしまうと、解消するのは容易ではない。
    実際に海外出身の友人ができ、交流が始まるといった経験がなければ、そうした意識を乗り越えることは難しいのかもしれない。
    区としては、民泊の制度が設けられ、一定のルールのもとで事業が始まっている以上、必要に応じてルールの見直し・厳格化は行うが、感情的に民泊を全面的に廃止すべきだという議論に傾いていくことについては、問題があると考えている。
     
  • 記者
    子どもに関する条例について伺う。
    民泊の条例以上に、これをどのように条文化するのかという点が気になる。
    特に、実際に条例の条文や要綱にできるのか。
    どのような形をイメージしているのか、漠然とした回答になるかもしれないが、教えてほしい。
     
  • 区長
    現在、条文案を作成しているところである。
    重要な点の一つは、国のいじめ防止対策推進法との関係である。
    私自身も国会議員時代に経験したが、この法律は議員立法である。
    例えば、大津市で起きたいじめ事件では、市と教育委員会の間で、いじめがあったのか、なかったのかという事実認定をめぐり、見解に大きな隔たりが生じた。
    こうした出来事も踏まえて、法律が成立したものと認識している。
    この法律の特徴は、学校や教育委員会だけで問題を抱え込むのではなく、第三者を入れ、いじめがあったのか、なかったのか、あったとすればどのようなものであったかを調査し、事実を認定することに大きな重点を置いている点である。
    この法律に基づいて事態の打開を図るためには、保護者等からの申立ても踏まえながら、いじめ重大事態の疑いがある事案について調査を行い、第三者の視点も取り入れながら事実認定を行うことになる。
    法律の制定当初には、そこまで想定されていなかったのかもしれないが、実際の運用では、多くの自治体で調査が完了するまでに1年半から2年程度を要する事例が見られる。場合によっては、それ以上の時間がかかることもある。
    一方で、いじめが起きた直後、当事者である子どもの安全確保や関係修復をどうするのかという具体的な対応について、十分に規定されているとは言えない。
    そのため、今回の条例では、まず子どもの保護とケアを重視する。
    いじめが起きたときに、いじめが繰り返されたり、さらに金銭を要求されたりするような危険から子どもを守る義務を、私たち自身に課すことを、新しい内容として強調したいと考えている。
    事実認定は、事実認定として進める。
    しかし、いじめは、いまこの瞬間の課題でもある。
    子どもが明日、明後日、安心して学校へ行けるのか、学校の環境が改善されるのかという点に着目し、即効性のある対策を行える体制をつくることを、この条例で明確にする。
    学校の教員が過重労働の状況にあることも踏まえる必要がある。
    いじめを受けた子ども、いじめを行った子ども、周囲で傍観していた子どもなど、関係するすべての子どもに対して、それぞれどのように働きかけていくのか。
    そのためには、労力、人員、専門的な力量が必要である。
    学校の外からも支援を行い、世田谷区におけるいじめが一定の段階で解消され、深刻化しない仕組みを、これからつくっていく必要がある。
    同時に、子どもたち自身が、いじめによって生じたねじれた関係を修復していくことにも着目している。
    そのことを促せるような学級や学校の環境をつくっていくことを目指す。
    これが、全国にさまざまないじめ防止条例がある中で、世田谷区が新たに掲げようとしている特徴である。
    ご指摘のとおり、こうした内容を条文にすることは簡単ではない。
    しかし、これは子どもにとって最も切実なことであり、保護者にとっても最も強く願っていることである。
    ぜひ実現したいと考えている。
    条例を制定したからといって、すぐに状況が改善するほど簡単な問題ではない。
    学校の外から支援する仕組みについても、これから具体的に検討していく。
    ただし、基本的な考え方を明確に打ち出すことは、今回の条例において非常に重要だと考えている。
     
  • 記者
    この条例を所管するのは教育委員会ではないのか。
     
  • 区長
    教育委員会が所管する。
    ただし、例えば「せたホッと」という子どもの人権擁護機関は、教育委員会と区長部局が共同で所管している。先ほど資料でも示したとおり、今回の条例が主な対象とするのは学校生活であるため、教育委員会が中心となる。
    一方、子どもの居場所は学校だけではない。
    区長部局が所管する児童館をはじめ、さまざまな場所がある。
    そのため、教育委員会と区長部局が力を合わせて取り組むことになる。
    また、人員や予算をどのように確保するのか、いじめをどのように早期に解消していくのかについては、教育委員会と十分に議論し、実効性のある仕組みをつくりたいと考えている。

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