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最終更新日 2025年8月12日

ページID 27179

区長記者会見(令和7年8月1日)

令和7年8月1日(金曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。

会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。(PDF:7,207KB)


記者会見の様子

区長あいさつ

令和7年度第4回定例記者会見を始めます。

まず最初にお詫びがございます。昨年、新庁舎に移転しましたが、その移転の渦中に発生したと思われる、応接室に掲げてあった歴代区長の肖像画が滅失するという事案が発生しました。

移転に際し、旧庁舎から新庁舎へ移転する物品には、移転先を記入したラベルを貼り、ラベルのないものは廃棄処分とする取り決めを引っ越し事業者としておりました。しかしながら、壁に掛かったままとなっていた肖像画にはラベルが貼られていなかったため、廃棄対象の扱いとなり、そのまま廃棄ルートにのってしまうこととなりました。今回の事態は事業者によるものではなく、区の点検ミスによるものでした。誠に申し訳ありませんでした。

今後、過去の歴代区長をどのように顕彰できるか、ご遺族にもご連絡を開始しており、ご相談しながら検討してまいりたいと考えております。改めてお詫びいたします。

次に、戦後80年を迎えるにあたり、区では記念シンポジウムを開催しました。

7月16日(水曜日)、ノンフィクション作家であり昭和史研究の第一人者である保阪正康氏をイーグレットホールにお招きし、ご講演いただきました。平日の昼間にもかかわらず、約600名という大変多くの方々にご参加いただきました。

ご来場者の方々には、戦後70年を期して開館した世田谷未来の平和館の10周年記念誌をお配りしました。この記念誌は、世田谷未来の平和館でもお渡ししています。

講演では、「旧軍人など4,000人から話を聞いたが、戦争体験を聞くことは日本では簡単ではない。様々な戦争体験があるが、戦場体験が中心になるべき」と述べられました。非常に苦しく誰にも言えなかったというところを、時間をかけて聞き取る作業をされたとのことです。

また、「日本軍が正常に機能していたらどうだったかを考えることが大切。調べれば調べるほど、矛盾、ごまかしに出会う。実はそのことを旧軍人は皆知っていた」「軍隊を持つならば、ここを総ざらいする必要があると、良心的な旧軍人は言っていた。結局、責任追及をされないために書類を全て燃やしてしまったということ。隠そうとしたということだ」「戦争はある日突然起きるわけではない。13や14の段階があることを知っておく必要がある。新しい戦争論、平和論が必要になっている。」とお話しされました。

そして、今日の世界情勢において、日本は江戸時代の200数十年間、そして第二次世界大戦後の80年間、戦争をしないという立場にあったことから、独自の役割を担えるのではないか。若い人に対しては、戦争は、平常時の常識が逆転するような残酷さ、正義が逆転する大変恐い状況だということを自覚してもらうことが大事であるというようなお話もしていただきました。

私の感想も含めて一言添えたいと思いますが、戦争終結から80年。戦場体験を持つ旧軍人の方々はますます少なくなっています。長年聞き取り調査を続けられている保阪正康氏からは、自治体が平和資料館を運営することの意義を高く評価していただきました。

シンポジウムでは、戦争犠牲者の中で、旧軍人・軍属が恩給で支えられてきた反面、原爆を除く空襲被害など非戦闘員については、「受忍論」という枠組みの中で耐え忍ぶことが求められ、放置されてきたという問題提起がありました。

令和7年の通常国会でも、超党派の空襲議連が作成した救済法案について審議されました。一時金50万円という、かつて議論された金額とは格段に少ないものではありますが、怪我や火傷、心的外傷を負った被害者に支給する内容、そして、改めての調査と追悼施設の設置が含まれていました。しかしながら、通常国会での審議は、期待されたものの進展はありませんでした。

この補償を求める裁判の原告の皆さんも多くの方が亡くなられ、頑張ってらっしゃる方も大変高齢になられています。改めて、この問題が未解決のまま風化していくことを認めるわけにはいかないと私は考えています。

負傷された方、心の傷を抱えていらっしゃる方、同時にシベリア抑留の関係者や引揚者、戦災孤児など、心身に傷が残り、長期にわたり苦痛に悩まされている方々がいらっしゃいます。戦後80年という節目を迎え、この問題もぎりぎりの状況に来ています。世田谷区としては、戦後80年を期して、この国会での立法の動きを後押しする思いを込め、区としての支援策のあり方を検討していきたいという趣旨のお話をシンポジウムでもさせていただきました。保阪正康氏からは、80年という期間を経てではあるが、そのようなコミットメントが重要ではないかというお話をいただきました。

次に、豆記者の訪問についてです。

7月31日(木曜日)、沖縄の豆記者が世田谷区を訪問してくれました。この交流は60回も続いており、沖縄が復帰する前から行われています。世田谷区の教職員の方々が、沖縄の子どもたちを招く架け橋となりたいという熱意を持って始められた事業です。

質疑応答などを行い、子どもたちの今後の活躍を激励しました。引き続き、交流を続けていきたいと思います。

次に、世田谷区子どもの権利擁護機関「せたホッと」についてです。

7月31日(木曜日)に活動報告会が開催されました。区では、子どもの権利を擁護し、救済を図るため、区長と教育委員会が共管する附属機関・相談機関として、「せたがやホッと子どもサポート」、略称「せたホッと」を設置しています。

せたホッとに寄せられる主な相談内容は、対人関係の悩みやいじめなどです。解決するまで何度でも相談に応じる体制をとっています。令和6年度の新規相談は362件でしたが、相談者の電話が1回で終わるとは限らず、1回のみで終わる相談は111件と少数です。半数以上である200件が、同じ人から継続して2回から9回の相談を受けており、、10回以上の相談を受けた件数が51件ありました。このように、子どもに寄り添って話を聞き、児童相談所などの関係機関と連携して調査やいじめ問題の解決を図る役割を担っています。

子どもの人権を守るための学校や児童相談所などとの連携が非常に多くなっており、学校との連携が386回、児童相談所等との連携が211回、子ども家庭支援センターとの連携が67回と、子どもを取り巻くネットワークと連携しながら相談活動を行っているという報告がありました。

子どもがいじめや暴力に悩んだ際に相談できる機関は全国に多数ありますが、せたホッとの大きな特徴は、子どもたち自身からの相談が非常に多いことです。近年、当初は電話相談から始まりましたが、はがきでの相談が、特に小学生のお子さんたちから大きな反響を得ています。意外なことに、相談方法として最も多いのがはがきで、電話相談の倍近くに達しています。近頃の子どもたちは、はがきを書く機会や年賀状のやり取りも少ないため、初めてはがきで相談するという子もいます。中には深刻で緊急を要すると思われる内容も書かれており、すぐに調査を行うこともあるということです。

また、毎年配布しているカードを必ず持っているという子どもたちも多くいます。子どもからの相談が全体の77.7%、約8割を占める相談機関というのは、子どもたちによく知られている相談機関であるといえます。

学校からは、いじめや暴力について連絡があることが多いのですが、せたホッとが始めた「いじめの授業」についても発表会で報告がありました。この授業は、本質的に、なぜいじめが悪いのか、いじめは人権問題であり、命を奪うことすらあるのだということを含めて、子どもたちと共に考えていくという内容です。昨年は8校の小学校で実施され、今年度はすでに6校の小中学校で行われています。

せたホッとの活動について、毎年報告書も公表していますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

次に、15歳から24歳の女の子たちのための居場所「ゆうカフェ」についてです。

高校生世代から24歳以下の若年女性が気軽に立ち寄り、安心して過ごせる居場所を作り出し、日頃の悩みや女性に特化した相談対応などを行うもので、「ゆうカフェ」の名称で本日8月1日(金曜日)に開設します。

困難な問題を抱える女性への支援法が施行され、若い世代の女性が抱える特有の悩みや苦痛、ストレス、重圧について支援する窓口の必要性について、区の基本計画審議会でも指摘されていました。そして、世田谷区地域保健福祉等推進基金を活用した補助事業として、いよいよ実施に至ったものです。

「ゆうカフェ」は、プロポーザルで選定された公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンが運営し、15歳から24歳の女の子たちが、木曜日と金曜日の週2日、13時から19時まで利用できます。場所は、交通の便が良い下北沢駅から徒歩5分の「COS(コス)下北沢」という、地域に開かれ様々な団体やグループが活動に利用している地域共生の家を利用しての開設です。「ゆうカフェ」では、一人でスマートフォンを見たり、スタッフと気軽に話したり、勉強したりできるほか、日頃の悩みや進路、その他様々な悩みについて相談できます。常駐する社会福祉士に加え、月に1回、助産師や心理士による個別相談も実施し、若い世代の女性の抱える悩みを早期にキャッチして、共に解決策を考えていく場を提供します。また、LINEによる利用者の相談対応も行います。詳細は区のホームページに掲載しており、現在準備中ですが、8月上旬にはプラン・インターナショナル・ジャパンによる専用ホームページも開設予定です。

次に、「せたがや子どもFun!Fan!ファンディング事業」です。

この事業は、子どもたちが地域の中で、仲間や地域の人たちと一緒にやってみたい企画を提案し、その企画を公開審査会で子どもたちが中心となって審査し、採択された提案について、その活動費用を子ども・若者基金で応援するものです。

6月29日(日曜日)に公開審査会を開催しました。7つの団体が参加して、地域の清掃活動やまちの人たちとの市民劇団、食品ロスや地元農産物にスポットを当てたイベント、動物との共生をテーマにした活動など、様々なプレゼンテーションがありました。子ども審査委員5名、若者審査委員2名、大人審査委員3名の計10名の審査員が真剣に耳を傾けて審査し、7つの団体全てが補助団体として決定しました。7月下旬以降、それぞれの活動が既に始まっています。令和8年1月末までに活動を終え、3月には報告会を予定しています。本事業の詳細は特設サイトでご案内していますので、ご興味のある方はご覧ください。

次に、「せたがや若者ファンディング」事業についてです。

こちらは令和7年4月からスタートした「世田谷区子ども・若者総合計画(第3期)」に基づく事業で、若者たちが地域活性化や課題解決に向けて、若者ならではの感性を活かし、自分たちが地域社会の真ん中にいるという実感を得ながら、地域を舞台に何か「やってみたい」ことを実現するための活動費用を、「子ども・若者基金」から助成するものです。

7月12日(土曜日)に補助団体を採択する合同審査会を開催し、若者審査員3名と大人審査員2名の計5名の審査員による審査を行いました。7つの団体が、それぞれ熱のこもったプレゼンテーションを行い、7団体すべての活動が採択されました。いずれの団体も、「イベントを実施して地域を盛り上げたい」、「環境問題などの様々な問題を皆に知ってもらい、解決につなげたい」など、若者たちの思いが込められており、今後の活動が非常に楽しみな内容でした。今回、採択された団体は、令和8年1月末までの間に事業を実施し、3月に活動報告を行う予定です。

続いて、子どもたちの思いを受け止める「キミのためのイマ・ミライ コンテスト」についてです。

区では、子どもの権利条約を受けて、23区で最も早くに「世田谷区子ども条例」を制定しており、令和7年4月には「世田谷区子どもの権利条例」としてバージョンアップして施行してます。条例の名前に「権利」という文言を明確に書き込み、具体的な子どもの権利を明記することで、子どもの権利が当たり前に保障され、子ども自身が子どもの権利を実感できる地域社会をつくり出し、発展させていくことが目的です。

このため、「子どもの意見表明の場」や、「子どもが参加・参画できる機会」を作ることが必要不可欠と考えており、今年度より「ユースカウンシル事業」もスタートしていきます。

今回、令和6年度よりスタートした区の最上位計画である「世田谷区基本計画」を題材に、子どもたちの思いを受け止める「キミのためのイマ・ミライ コンテスト」を実施することとしました。9月15日(月曜日)までを募集期間として、受付を開始しています。このコンテストでは、子どもたちが置かれている「イマ」と、思い描く「ミライ」を、動画や作文、絵で表現してもらい、子ども自身の目線で語ってもらうことで、未来の世田谷の姿は、与えられるものではなく自分たちが作り出していきたいという思いを、ぜひ提出していただきたいと思います。

さて、東京2020大会の際、区立総合運動場において、アメリカ合衆国選手団がキャンプを行ったことから、区はアメリカ合衆国のホストタウンとして登録されています。アメリカ陸上競技連盟より、9月13日(土曜日)から開催される世界陸上競技選手権大会の練習場として区立総合運動場陸上競技場の利用希望があり、アメリカ選手団のキャンプ受け入れを行うことを決定しました。9月2日(火曜日)から20日(土曜日)までの合計19日間の受け入れを予定しています。

アメリカのトップアスリートが世田谷でトレーニングを行うということで、前回のオリンピック時には、区民との交流を掲げながら、コロナ対策のため全く実現できなかったという残念な思いがありましたので、今回は、9月6日(土曜日)・7日(日曜日)に練習の見学会や選手との交流を予定しています。一流のアスリートを間近に見て交流できる、非常に貴重な機会を区民の皆さんに提供してまいります。

なお、この期間はアメリカ陸上競技の選手が施設を利用するため、運動場の一部施設において区民利用を休止いたしますので、ご迷惑をおかけしますが、ご理解ご協力をお願いいたします。

発表項目

区内大学等応援補助事業の実施について

今回、ふるさと納税を活用した「区内大学等応援事業」の開始についてご説明します。

区には17の大学・学部があり、これまでも教育や災害対策、生涯学習、地域コミュニティなど多岐にわたる事業で連携するとともに、毎年、学長懇談会も実施してきました。それぞれのゼミ単位でも、地域社会や学校などと、様々な社会活動、教育研究活動が行われてきた実績があります。そして、この学長懇談会において、世田谷に17もの大学・学部があるという資源を有効に活用し、ふるさと納税による区民税の流出対策や、少子化の中で経営の厳しさに直面している大学を支援できないかという議論がありました。

区内大学の専門性を活かした教育研究活動のさらなる発展・活性化を図るため、ふるさと納税の仕組みを利用した大学等の応援補助事業を実施します。区内大学が実施する公益的事業に対して寄附を募り、そのうち7割を上限に区から大学へ補助金として交付します。3割は区に残り、関連事務費用を除いた約2割が区の財源になります。

実施のメリットとして、幅広く周知できること、寄附者にとって、大学に直接寄附するよりも住民税控除が大きいことなどがあげられます。今後のスケジュールとして、10月から12月にかけて、応援したい大学を指定して寄附していただき、令和8年4月から補助金を交付します。

世田谷区脱炭素化プロジェクトについて

92万区民の世田谷区における脱炭素政策として、「電気の地産地消」を打ち出しています。

電気を長距離送電するとロスが生じるため、区内の太陽光発電などで発電した余剰電力を地域にプールし、その電力を地域で使うという、地産地消ができないかと考えた取り組みです。

23区において、世田谷区は太陽光パネル設置数が約9,000棟と最大規模で、FIT制度で作られた太陽光パネルがその期間を終える「卒FIT」を迎えている住宅が5,000件を超えており、FITではない余剰電力を買い取って地域内で融通していくことを目指します。

まず、住宅用太陽光電池の余剰電力を活用した実証事業を7月から開始しました。区民参加型の実証事業で、再エネについて経済性と環境性の両立を目指し、住宅都市における新たな電力ネットワークとしての検証としてエネルギーの地産地消を目指すものです。特に経済性と環境性の両立、そして太陽光発電の余剰電力を無駄にせず、地域で活用するというコンセプトで様々な事業を組み立てていきます。

7月1日より、電気の買い取りサービス「せたがやシェア」を開始しました。これは、卒FITを迎えた方などで、余剰電力を売りたいという方を売り手とし、電気利用者向けの電気プランを「せたがやでんき」として提供するものです。これは、未来のでんきネットワーク実現に向けた第一歩となります。「お手軽プラン」と「CO2フリープラン」があり、「CO2フリープラン」を選んでいただいた方にはせたがやPay15,000ポイント、「お手軽プラン」を選んでいただいた方には5,000ポイントを付与します。これらのプランの電気料金は、一般の電気料金と比較しても遜色ない水準となっています。

また、区の施設をこれまでにないユニークな形で活用する試みとして、産業活性化拠点「HOME/WORK VILLAGE」の屋上に、リユースの太陽光パネルを設置しました。これは、一度使用済みのパネルを再び利用する、リサイクル太陽光パネルです。区内の小売電気事業者の独自サービスの世田谷版として展開するもので、例えると、太陽光パネルを貸し農園のように区民が区画を購入し、発電された電力を優先的に供給されるという、地産地消の仕組みの一つとして進めていきます。

続いて、区全域でカーボンニュートラルを実現するためのプロジェクトをご紹介します。住宅都市である世田谷区においてCO2ゼロを実現するためには、一人一人の意識と行動の転換が必要です。脱炭素について、身近な場所で、できることからアクションを起こしていこうという新たなプロジェクト「UCHIKARAプロジェクト」を立ち上げました。区は、2030年までにCO2を57.1%削減するという目標を掲げており、電気を再生可能エネルギー由来に転換することで、この目標達成が可能になると考えて力を入れて取り組んでいきます。

その取り組みの一つとして、利用する電気を再生可能エネルギーに切り替えるキャンペーンを小売電気事業者と連携して実施します。CO2排出量がゼロの再エネ由来の電力に切り替えていただくことで、設備投資などの初期費用も不要で、集合住宅にお住まいの方も取り組みやすいのが特徴です。各事業者が区民向けに1万5,000円分の還元と独自のキャンペーンを展開し、区としても広く再エネへの転換を呼びかけていく予定です。

二つ目の取り組みは、事業者との連携で新たな技術・サービスや社会実装を目指した実証事業についてです。「でんきを見える化する実証事業」は、最新の機器を用いて、電力使用量の見える化や家電制御による省エネに関して実証します。「既存住宅へのフレキシブルモジュール導入実証事業」は、「フレキシブルモジュール」と呼ばれる、薄くて曲げられる太陽光パネルを、築年数の古い住宅などに設置して実証する事業です。発電効率は従来のパネルと変わらず、軽量であるため、重量が課題となり太陽光パネルの設置が難しかった住宅への導入も期待されます。

三つ目の取組みとして、特定サイトでもキャンペーン情報を積極的に発信していきます。

総合教育会議について

最後に、世田谷総合教育会議についてです。

総合教育会議は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」に基づき設置された会議です。区では平成27年度から毎年、自治体の長である私と、教育長、教育委員の皆さんとともに、世田谷の教育テーマについて議論しています。毎年、多面的に、特にこれからの学力に必要な転換、学びの質の転換、新学習指導要領、環境教育、インクルーシブ教育など、様々な重要な視点について公開の場で議論を重ねてきました。

このような会議を公開の場で行い、教育委員、区議会議長、区民も参加する中で、教育大綱という新たなビジョンを作成したり、教育の方針を組み立てたりしており、なかなか稀有な例ではないかと思います。

令和7年度は、8月30日(土曜日)に、「子どもに魅力ある学校づくりの取組み」をテーマに開催予定です。学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の先駆けである八王子市の「高尾山学園」で校長を勤められ、現在は文部科学省学びの多様化学校マイスター、豊島区不登校対策スーパーバイザーもされている黒沢正明氏に講演していただきます。

令和8年4月には、学びの多様化学校「北沢学園中学校」が開校予定で、そこではほっとスクールも併設します。新たな出発に向け、今回の総合教育会議でしっかりと議論をしていきたいと考えています。

質疑応答

  • 記者
    歴代区長の肖像画は何人分を廃棄したのか。
     
  • 区長
    熊本元区長、大場元区長、佐野元区長、長島元区長、田村元区長の5人分である。
     
  • 記者
    ご遺族の方に連絡していると言っていたが、新しく作り直すなど、新たな顕彰の方法を考えるのか。
     
  • 区長
    区長公選になってからの区長は2名であり、それ以前の方のご遺族の連絡先がまだ十分に分かっていないが、何らかの形で顕彰する方策を現在検討している。
     
  • 総務部長
    現在、大場元区長と熊本元区長のご遺族とは連絡が取れているが、それ以前の区長のご遺族とはまだ連絡がついていない。
     
  • 区長
    現在、連絡を取ろうとしている状況である。
    名誉区民などは、以前は肖像画で顕彰していたが、現在は写真を肖像画のように額装して世田谷区民会館に飾っている。どのような方法が良いかについてはご遺族の意向もある。区としても、歴代区長の存在をしっかりと刻み、残していくことは当然必要なことである。今回の事態は本当に申し訳なく、関係者やご遺族、ご子孫の意見も伺いたいと考えている。
     
  • 記者
    この件はいつ、どういった経緯で判明したのか。
     
  • 総務部長
    毎年、保有備品の調査をしており、令和7年6月に現在の保有備品の状況を確認した際、当該肖像画が存在しないことが判明した。
     
  • 記者
    区内大学等応援補助事業について、大学にとっては、寄附者が大学に直接寄附した方が良いのではないかと感じるが、区が仲介する意味やメリットを、寄附者と大学それぞれの点で伺いたい。
     
  • 政策経営部長
    本制度により、区にふるさと納税した方が、寄附者から大学への直接寄附より税制控除が高くなるため、寄附者にとって税制上のメリットがある。寄附者は区に寄附し、区から各大学の地域貢献を伴う事業に対して補助金を交付する仕組み。ふるさと納税を単に大学に回すのではなく、あくまでも、ふるさと納税は区民等へ還元できる公益的事業に対して補助金を交付するという流れになる。区民に還元する例として、大学が行う公開講座や無料で開放している場所の経費に充てて活用いただくことなどを想定している。
    大学側としては、卒業生などに寄附を募ることが多い中で、本制度による寄附だと控除額が大きくなるため、税制上のメリットを伝えやすくなる。また、大学による公益的事業を踏まえて、区民の方などにも広く寄附を呼びかけることができる。大学側としては、金額は一部差し引かれた形で入ることとなるが、より多くの方から寄附を受けられるという可能性がある。
     
  • 記者
    大学は、直接寄附があれば全額を受け取れると思うが、この制度だと受け取れる金額は7割になるということか。
     
  • 政策経営部長
    そのとおりである。ただし、全額を受け取れるものの、寄附者としてはふるさと納税より控除額が低いため、寄附を募っても集まりにくい可能性がある。トータルの金額としては、本制度でより多くの方から寄附が集まる可能性があるため、大学の収入としては多くなるのではないかと期待している。
     
  • 区長
    毎年11月に開催している学長懇談会の中で、ふるさと納税の話題が出たことがきっかけでこのアイデアが生まれた。大学への寄附については既に実施している自治体もあるため、区でもできないかと大学側から提案があった。様々なアイデアを出し合い、大学側からも積極的に広げてほしいという意向があり、比較的早く実施が決まった。
     
  • 記者
    昨日、総務省がふるさと納税の金額を発表し、1兆2,000億円超という数字で、前年から1,000億円以上増えた。流出額で区は5位だったが、改めて受けとめを伺いたい。
     
  • 区長
    この制度はやはり限界に来ているだろうと考えている。直近の数字は分からないが、確認しているところでは、本来、それぞれの地方のニーズに基づいて活用するはずの地方交付税財源から、4,000億円近い補填金が支出されている。本区は受け取っていないが、大都市部であっても交付団体が多い状況である。例えば4本のワインが購入された場合、そのうち3本分の税収は国が負担するという仕組みになっている。これは、普段ふるさと納税を利用しない国民も強制的に参加させられているようなものであり、所得再分配どころか、むしろ課税額が多いほどバックが大きいという制度のため、利用しない方がおかしいという状況になっている。ふるさと納税は、収入の高い層になるほど利用されており、税理士の方などと話すと、顧客からふるさと納税について提案しないと非難されるという話も聞いている。そうなると結局、どこのふるさとを応援するかという趣旨とは異なり、自治体はどこでも構わないから、控除された上で、良い返礼品を選ぼうという行動になってしまう。これは官製通販以外の何物でもない。
    しかし、そこで問題なのは、地方でも格差が生じているということ。都市部だけでなく、魅力的な返礼品を用意できない地域では、ただでさえ少ない歳入の中から、住民税の相当分が流出してしまう。地方交付税による補填で75%は戻ってくるが、25%は流出してしまっているわけで、そのバランスに配慮が足りていない。ふるさと納税制度はこれだけ定着し、当たり前のようになっているため、まず大きな是正としては、上限を設けるべきだと考える。総務省も様々なルールを厳しくしているが、現状では実効性のある対策にはなっていないと感じており、根本的に見直すべきではないか。地方交付税不交付団体には、減収額の75%を補填しないということも、これだけ流出している状況を考えると理にかなわない面もある。ただ、これも補填していくとなると、さらに財政が膨らみ、その財源が果たして適切なのかという問題も生じるため、財政上も非常に問題があると思う。

お問い合わせ先

政策経営部 広報広聴課 

ファクシミリ:03-5432-3001