令和8年10月の「区長の談話室」(ゲスト:濱下博文氏)
令和8年10月の区長の談話室
令和8年9月放送(10月4日・11日) 区長の談話室「世田谷区立保健医療福祉総合プラザ 、うめとぴあを知っていますか?」
※10月11日は、10月4日の再放送です。
今月は、「世田谷区立保健医療福祉総合プラザ 、うめとぴあを知っていますか?」をテーマにお送りしました。今回は、世田谷区立保健医療福祉総合プラザの統括責任者・濱下博文さんをゲストに迎え、施設の成り立ちや役割、地域に開かれたイベントの魅力、そして10月17日に開催される「うめとぴあフェスタ」について伺いました。
テーマ・ゲスト紹介
- パーソナリティ:保坂区長、今日もよろしくお願いします。
- 区長:よろしくお願いします。今日は「世田谷区立保健医療福祉総合プラザ、うめとぴあを知っていますか?」というテーマでお送りいたします。では、ゲストの方をご紹介しましょう。世田谷区立保健医療福祉総合プラザの統括責任者、濱下博文さんです。
- パーソナリティ:濱下さん、よろしくお願いいたします。
- 濱下さん:よろしくお願いいたします。
うめとぴあ誕生の経緯と施設の役割
- パーソナリティ:今日のテーマは、世田谷区立保健医療福祉総合プラザ、うめとぴあです。こちらは令和2年4月1日に、保健医療福祉の拠点としてオープンし、愛称「うめとぴあ」としても親しまれていますね。すでに多くの方が利用されているかと思いますが、区長、改めてこの施設をオープンした目的はどのようなところだったのでしょうか。
- 区長:そうですね。今からさかのぼること、もう15年ほど前になるでしょうか。東日本大震災の直後ぐらいに、都立梅ヶ丘病院跡地を世田谷区で購入するかどうかということが、大きな課題になっていました。やはりここを保健医療福祉の拠点として整備していこうと考え、世田谷区が東京都から購入することになりました。ほとんどの土地を世田谷区で購入し、2つの建物が整備されました。1つは東京リハビリテーションセンターで、こちらが先にできました。そして2020年、令和2年、本当にコロナ禍が始まった時期に、この複合棟が完成しました。今や「うめとぴあ」といえば、まず区民の皆さんは「ワクチンを打ちに行った場所」という印象を持つ方が多いかもしれません。ただ、実はたくさんの機能が入っている施設ですので、今日はその魅力をご紹介いただきたいと思っています。
- パーソナリティ:濱下さん、まさに今、区長のお話のように、皆さんが安心して暮らし続けることができる拠点となる「うめとぴあ」かと思いますが、改めてどのような施設が入っているのでしょうか。
- 濱下さん:うめとぴあの中には、保健センター、福祉人材育成・研修センター、認知症在宅生活サポートセンターなどがあります。そのほかにも、区民向けの会議室や初期救急診療所、休日夜間薬局、そして皆さんがほっと一息ついたり交流したりできるカフェもあります。また、10月17日の土曜日には、うめとぴあの施設や関連団体の皆さんと一緒に「うめとぴあフェスタ」を開催いたします。今回で4回目の開催となりますが、たくさんの方が訪れる、とてもにぎやかなイベントになっています。
建築の魅力と日常のにぎわい
- パーソナリティ:区長、まさに活気あふれる拠点、居場所になっているのですね。ここに来れば、健康づくりから医療、福祉、そして地域活動までつながる場所なんですね。
- 区長:そうですね。実は建物としても大きな特色があります。階を上がるにつれて、少しずつ段状になっているんですね。これは「グリーンインフラビル」といって、水を蓄えながら少しずつ下水に流していく造りになっています。経済産業省のグッドデザイン賞も受賞しています。設計は、平賀さんというランドスケープデザイナー・建築家の方が手掛けています。それから、ホワイエが本当に広いですよね。いつも多くの人でにぎわっていて、勉強をしている子がいたり、おしゃべりしている方がいたり、ちょっと軽食を取っている方がいたりします。認知症の在宅生活支援に関する講座や、福祉に関わる職員・委託機関向けの研修会なども活発に開かれています。最近の広報を見て改めて知ったのですが、子ども向けの催しや、高齢の方向けの朗読会、ものまねコンサートなど、本当にたくさんの面白い企画が始まっているんですね。
「楽しい」の先に健康がつながるイベントづくり
- 濱下さん:はい。うめとぴあはコロナ禍の2020年にスタートしました。私自身、その前は別の世代向け施設に勤めておりまして、そのときに感じたのは、例えば体操をしに来る方というのは、どうしても限られてしまうということでした。でも、うめとぴあの近くに住んでいる方もいれば、少し遠くから来る方もいます。そこに来ること自体が健康につながるんですよね。電車に乗ったり、バスに乗ったり、歩いてきたり、自転車で来たりすることも含めて健康づくりになるわけです。コロナ禍では外に出られない時期が続き、高齢の方から「足腰が弱くなった」という声も聞きました。ですから、私としては医療の専門家ではありませんが、楽しいイベントを企画することで、皆さんが足しげく通ってくださる施設にしたいと考えました。世代ごとに、お子さん向けのもの、中高年向けのものなど、いろいろ工夫しています。若い人は自然と元気に動き回りますが、中高年の方々にこそ、楽しみながら通っていただきたい。そういう思いでイベントを位置づけています。
- 区長:その手応えや反応はいかがですか。
- 濱下さん:私自身も中高年世代なんですよね。本来ならもうリタイアしていてもおかしくない年齢ですが、まだまだ元気でお仕事をさせていただいています。私が楽しいと思うことは、多くの方にとっても楽しいことなんです。ですから、ビートルズの企画や、ものまね、松田聖子さんの楽曲をテーマにした催しなど、私たちの世代に響く企画を、いろいろなつてを頼って実施しています。
生バンドで盛り上がるディスコパーティー
- 区長:最近はディスコパーティーもやられているそうですね。
- 濱下さん:そうなんです。私はまさにディスコ世代でして、最初に区の職員の方からそんな話をいただいたときは、「えっ?」と思ったのですが、よく考えると、ちょうど自分たちの世代そのものなんですね。これは面白いかもしれないと思いました。ディスコといえばDJが定番ですが、DJ形式だとほかのディスコイベントと同じになってしまう。私にはちょっとへそ曲がりなところがあって、同じものはやりたくないんです。そこで考えたのが、うめとぴあの強みである「生バンド」でした。
- 区長:生バンドですか。
- 濱下さん:はい。プロのミュージシャンによる生バンドに、歌手も加わっていただきます。さらに、レビューショーに出演されているダンサーの方にも来ていただいて、分かりやすい振り付けを見せながら皆さんと一緒に踊る、という企画です。
- 区長:集まりましたか。
- 濱下さん:集まりました。130人くらいです。
- 区長:すごいですね。盛り上がりましたか。
- 濱下さん:盛り上がりました。今は音楽を配信で聴く時代ですが、生バンドはやはり違うんです。ドラムやベースの音がその場に響いてくる感覚は特別です。それを500円から1,000円くらいのリーズナブルな価格で体験できるということで、元気のいい中高年の方々が集まってくださいました。そうすると、「やっぱり生はいいね」と言っていただけて、繰り返し開催する中でイベントそのものが認知されていきました。中には「踊るのは初めて」という方もいらっしゃったかもしれませんね。
- パーソナリティ:心がわくわくしてきそうですね。
- 濱下さん:若い人たちの中に入っていくわけではなく、ほとんどが同世代の中高年ですから、踊りがうまくなくても恥ずかしくないんです。
- 区長:体操のように決められた順番で動くのとは違って、思い思いに自由に踊れるのもいいですね。
- 濱下さん:私は月曜日から金曜日までラジオ体操もやっていますが、どうしても「健康のため」という義務感が出てきます。けれど、楽しいことの先に健康がつながると、人は能動的になれます。そういう意味でも、楽しいことは健康にいいと思います。
- 区長:そうですね。幸福感というか、生き生きしてくることが、健康にもつながるわけですね。
情報発信と災害時の拠点機能
- 区長:うめとぴあには保健センターもありますね。保健センターは機器も充実していて、近くのクリニックから「詳しく見てもらってください」と案内されて来られる方も多く、かなり充実していますよね。
- 濱下さん:そうですね。
- パーソナリティ:生活習慣病予防健診なども実施されていて、健康、医療、こころの福祉まで支える場所なんですね。SNSやYouTube、Instagramなどでも発信されていますが、利用促進の面でも工夫されているのでしょうか。
- 濱下さん:発信はしていますが、まだまだフォロワー数は少しずつ伸びている段階です。ただ、今は中高年の方でもLINEやYouTubeを見る方が多くなっていますし、私たちとしても、イベントの記録や足跡を残しておきたいという思いがあります。参加された方が後から「ああ、そうだったね」と振り返るきっかけにもなりますので、そういう役割もあると思っています。
- 区長:もう一つ大事なのは、ここが災害時の情報連絡拠点になるということです。保健所の機能も移ってきていますし、世田谷区医師会も同じ建物の上の階にあります。災害時医療の情報拠点としての役割があるわけです。それだけ広い建物で、日頃から楽しいことを通じて人のつながりができていれば、いざというときにも、お互いに連携しやすくなるのではないかと思います。
多世代が学び、交流できるワークショップ
- パーソナリティ:後半も引き続き、世田谷区立保健医療福祉総合プラザ「うめとぴあ」についてお話を伺っていきます。区長、うめとぴあは何度も訪問されているかと思いますが、施設の印象はいかがですか。
- 区長:やはり保健・福祉・医療の拠点というと、専門機関が集まっているイメージがありますが、「プラザ」というだけあって、本当に広場のような場所なんですね。勉強して受験に備える若者もいれば、おしゃべりに花を咲かせるグループもいて、出入りがとても多い印象です。また、大きな建物がそれぞれ保健・医療・福祉というテーマできちんと使われていて、区民の健康力を高める役割を果たしていると感じます。
- パーソナリティ:先日は報道対応もされて、区長ご自身が体験された場面もあったそうですね。
- 区長:そうですね。区長と散歩する番組でうめとぴあを訪れた際、ズンバ教室があったんです。高齢の方が軽やかに、結構難しい踊りをされていて、すごいなと思っていたら、「区長もどうぞ」と声をかけられて、勝手が分からないまま苦戦する場面もありました。でも、その様子を見た方から「この教室に行ってみたい」と問い合わせが来たそうで、やはり建物が広い分、何をやっているのか全部をすぐには把握しきれないほど、奥行きの深い施設だと感じました。
- パーソナリティ:福祉ということで、皆さんの幸せにもつながる場所ですね。ズンバやワークショップも多いそうですが、濱下さん、いかがですか。
- 濱下さん:そうですね。例えば、お子さん向けには「小中手話カフェ」があります。大人向けの手話カフェは平日に行っていますが、中学生のお子さんから「土日にやってもらえたらありがたい」という電話をいただいて、そこから企画につながったんです。インスタグラムを見ていただくと、「読書感想文講座」や「英語カフェプラス for Kids」などもあります。本当に幅広く、皆さんにとって学びの場になっています。小学生向けの企画は、勉強というよりも体験できる場を提供したいという思いで進めています。ありがたいことに、どれも満員御礼になることが多いですね。
- パーソナリティ:ディスコパーティーのほかにも、「楽器体験ワークショップ」や「点字カフェ」など、さまざまなカフェがあるんですね。
- 濱下さん:そうですね。「うめとぴあ朗読会」もありますし、元NHKアナウンサーの村上信夫さんによる「ことば磨き塾」も人気です。行ってただ眺めるだけではなく、自分が生き生きと活動できるチャンネルがたくさんあるんです。
ふれあいカフェが生む交流とやさしさ
- パーソナリティ:文化に触れ、福祉を考えるきっかけにもなる拠点として、1階にある「ふれあいカフェ うめとぴあ」も人気ですよね。
- 濱下さん:あのスペース自体が、近隣の方にとってとても良い場所なんです。開放的ですし、打ち合わせやちょっとした集まりにも使いやすい。家に呼ぶほどではないけれど、カフェでお茶をしながら話をする、といったニーズにも応えています。一番印象に残っているのは、オープン当初、区長がカフェに来られたときのことですね。当時、コーヒーは100円だったんです。しかもインスタントではなく、ちゃんと豆をひいて出していました。コンビニのコーヒーが100円の時代でしたので、それならカフェでも同じくらいの価格で、しかもその場でゆっくり飲んでいただけるように、というコンセプトだったんです。
- 区長:安いなと思いましたね。うどんも300円くらいでした。
- 濱下さん:そうなんです。2年ほど100円で頑張りました。今後も民間のカフェと比べると、幅広い方に利用していただけるよう、できるだけ利用しやすい価格帯を意識していきたいと思っています。
- 区長:利益を得ることが目的ではなくて、皆さんのコミュニケーションを円滑にしていくことが目的なんですね。
- 濱下さん:その通りです。
- パーソナリティ:価格帯だけでなく、離乳食から介護食まで幅広いメニューがあるのも魅力ですね。
- 濱下さん:そうですね。やわらか食のようなメニューも用意していますし、保健センターとも連携して、店長がいろいろなメニューを工夫しています。
- パーソナリティ:区内の障害者施設の焼き菓子も販売されているそうで、連携の場にもなっているのですね。
- 濱下さん:近隣には都立光明学園があります。そちらの生徒さんも体験としてカフェに来て、お茶を楽しんでくださっています。そういった、さまざまな方に開かれた提供の場を、今後も続けていきたいと思っています。
- 区長:障害のある方ご自身が音楽を発表するフェスティバルのような催しも、休日になると熱心に開かれていますよね。
- パーソナリティ:ライトアップも印象的です。認知症月間や乳がん啓発のピンクリボン月間、障害者週間などにあわせた取り組みも行われていますね。
- 区長:そうですね。うめとぴあ自体が、本当に幅が広く、いろいろな入口がある場所なんです。閉鎖的ではなく、どこからでも入れるような場所であり、それが健康や福祉、医療へとつながっていく。そういうコンセプトが、最初の出だしではコロナ禍によって十分に実現できなかったんですね。
- 区長:そこをじっとこらえてきた分、ここにきてバネがはじけるように、さまざまな活動が開花してきているのだと思います。皆さんも積極的に参加してくださっているのだと感じます。
10月17日開催「うめとぴあフェスタ」の見どころ
- パーソナリティ:そして濱下さん、今月10月17日には「うめとぴあフェスタ」が開催されますね。どのようなイベントになりそうですか。
- 濱下さん:うめとぴあ内に入居しているさまざまな事業者や、東京リハビリテーションセンター、福祉団体などが一堂に会して行うイベントです。私ども運営管理室としては、ディキシーランドジャズバンドによる練り歩き演奏や、バルーンアート、大道芸、マジックショーなどを企画しています。特にバルーンアートは、小学校低学年のお子さんにとても人気です。長い風船をいろいろな形にして、その場でプレゼントしていきます。また、各事業者にとっては、1年を通して取り組んできた事業の総決算として、自分たちができることを紹介する場にもなります。福祉人材育成・研修センターでは福祉用具の体験、保健センターでは健康に関する数値のチェック、そして今回は初めて世田谷区歯科医師会にもご参加いただき、歯周病リスクをその場で確認できる企画もあります。まだまだたくさんありますので、ぜひ会場に足を運んでいただければと思います。
- 区長:私も去年行きましたが、とにかく人が多くて、各事業者のブースが並び、その間ではステージ発表や音楽もあって、とてもにぎやかでした。奥の方では、電動車椅子の乗車体験や介護食の試食コーナー、健康度チェックなどもあり、どれも人気でした。
- パーソナリティ:「うめとぴあフェスタ」は、予防や未病、備えのきっかけにもなりそうですね。10月17日、午前10時から午後4時まで開催されますので、ぜひお立ち寄りいただけたらと思います。
今後の展望とまとめ
- パーソナリティ:改めて濱下さん、今後に向けて、地域連携と情報発信の拠点としての展望はいかがでしょうか。
- 濱下さん:区長にもお話しいただいたように、さまざまなイベントを積極的に行えるのは、こうした場を与えていただいているからこそだと感謝しています。企画する側が義務感だけで考えていても、なかなか良いアイデアは浮かびません。自分が楽しいと思うこと、スタッフが「こんなことをしたらどうですか」と提案してくれることを取り入れながら、さらに多くの方にお越しいただける施設でありたいと思っています。
- パーソナリティ:まさに多世代が集い、健やかな毎日を支える地域の交流拠点として、ますます愛される場所になりそうですね。
- 区長:そうですね。2020年、令和2年、コロナ禍でのスタートということもあり、当初はそれぞれの活動がばらばらに見えたり、「うめとぴあといえばワクチン会場」という印象から知られていった面もありました。けれども、今日改めてお話を聞いて、介護にしても医療にしても保健にしても、関係が重層的に重なり合っていることがよく分かりました。イベントの数も本当に多くて、「スマホ体験教室」が年18回あるなど、今日ご紹介しきれないほどです。区民の皆さんにそれだけ多くの参加のチャンネルがあり、全体として保健や福祉、医療を底上げしていく場として、うめとぴあは軌道に乗り始めたのかなと思います。これからさらに、ここで育まれたグループや活動が広がっていくといいですね。
- パーソナリティ:まさに、世田谷区民皆さんの健康の保持増進や福祉の向上を目指す「うめとぴあ」です。ホームページにはイベントや施設内容なども詳しく掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。濱下さん、区長、ありがとうございました。
- お二人:ありがとうございました。

写真:濱下博文氏、パーソナリティ、保坂区長