玉川地域経営方針 方針  区民が安全に安心して暮らし続けられる、自然や文化豊かで便利で賑わいのあるまちづくりを、区民、事業者、学校、活動団体等と連携して取り組みます。  令和元年の台風第19号が玉川地域にもたらした甚大な浸水被害を教訓として、地勢的な特徴を改めて認識し、震災はもとより浸水害・土砂災害時の減災に向けて、日々緊張感をもって取組んでいきます。  国分寺崖線等の豊かな自然、点在する由緒ある社寺、個性的な商店街、伝統を持つお祭り、文化施設など玉川地域の多様なコンテンツを活かし、公共交通事業者等と連携して四季折々の魅力やイベントを情報発信して、地域を盛り上げていきます。  地域の課題について、活動グループや団体、大学、事業者等の方々とネットワークを構築し、課題を共有しながら参加と協働によって、住みやすい玉川地域をめざします。 (1)概要 ・区内5地域の中で東南部に位置し、面積は最も広く人口は2番目に多い地域です。 ・いち早く区画整理が行われるなど住宅市街地として発展し、道路率、みどり率ともに相対的に高いなど、全般的にゆとりのある住環境の市街地が形成されています。 ・国分寺崖線や等々力渓谷など緑豊かな自然環境に恵まれている一方で、近年の気候変動により、土砂災害等の災害も憂慮される場所もあります。 ・地域内に大規模な国有地や農地なども多数存在するため、今後の土地利活用の状況について注視し、区としての適切な対応が求められています。 ・再開発事業が完了した二子玉川駅周辺は、商業店舗やオフィスが集積しており、区の広域生活・文化拠点のひとつになっています。 ・各地区の町会・自治会、商店街はコミュニティ形成の中心的な存在として地域を支えています。 <基礎データ> 人口 226,366人 うち外国人人口 6,519人 年少人口 28,071人 年少人口率 12.40% 高齢者人口 47,578人 高齢化率 21.02% 世帯数 114,952世帯 平均世帯人数 1.97人 人口密度(1Kuあたり)14,319人 高齢者がいる世帯数 34,702世帯 高齢単身者世帯数 15,388世帯 高齢者のみ世帯数 9,389世帯 その他高齢者がいる世帯数 9,925世帯 高齢者がいる世帯率 30.19% うち高齢単身・高のみ世帯率 21.55% 介護保険認定者数 9,523人 介護保険認定率 20.02% 身体障害者手帳 4,122人 愛の手帳 900人 面積 15.809Ku 道路率 18.2% 令和3年度世田谷区土地利用現況調査より 不燃領域率 70.2% 令和3年度世田谷区土地利用現況調査より 地域活動をしている人の割合(令和5年度区民意識調査) 玉川北部 14.6% 玉川南部 18.7% 玉川西部 14.5% 人口等は令和5年4月。   (2)課題 ・令和元年の台風第19号の際には、多摩川の沿川での大規模な浸水被害が発生しました。出水期に発生の可能性が高まる浸水害や土砂災害、大きな地震による災害など、様々な災害から区民の生命・財産を守るため、安全で災害に強いまちづくりに取り組んでいくことが必要です。 ・玉川地域の自然・みどり資源や歴史・文化資源の魅力を、より多くの人が再発見し、広く発信し拡げていくために、区民が気軽に参加し、創意工夫できる仕組みづくりが必要です。 ・子どもや子育て世代、障害者、高齢者など、安心して住み続けられるまちづくりの実現に向けて、誰もが参加・協働ができる基盤(風土)を築くことが必要です。 ・大井町線や目黒線の沿線では、踏切遮断による交通渋滞や地域分断の対策などにより、安全で活気のあるまちづくりを進めていくことが求められます。また、区内の他の地域へ移動する公共交通手段にも課題があり、その対策が求められています。 (3)まちの将来像と課題への対応方針 地域で育む安全・安心と笑顔のまち           ・令和元年の台風第19号を教訓のひとつとして水害等の災害から区民の生命、財産を守ります。支所庁舎を災害対策拠点として活用し、また、水害時に身を守る手段の周知や、避難が困難な障害者・高齢者等(避難行動要支援者)が安全で円滑に避難できるよう、消防署などと連携し、区として早めの避難の呼びかけを行っていきます。 ・国による多摩川の堤防整備事業においては、国と課題を共有して着実に進めていくとともに、区民・団体・事業者等との交流を促進し、災害時に共に支えあえる関係づくりの構築を目指します。 ・災害が発生した際は、震災対策を施した総合支所庁舎が地域の災害対策のコントロールタワーとなるため、平時より総合支所職員等による情報伝達訓練等を実施し、常にスキルの向上に努めます。 国分寺崖線や等々力渓谷などの自然豊かな住みよいまち                            ・等々力渓谷、多摩川河川敷、都市農地、駒沢公園などの自然・みどり資源や、史跡、社寺などの歴史・文化資源に囲まれた暮らしやそれぞれの魅力を守り後世に伝えるため、地域の方々の参加と協働を得る活動を促進していきます。 ・DXの推進により、新たな情報発信の手法を活用するなど、より多くの方々がまちの魅力を再発見し、いつまでも大切に継承していけるよう努めます。 賑わいと元気あふれる魅力的なまち         ・子どもや若者、高齢者の居場所づくりや高齢者の交流促進、フレイル・認知症予防について、地域で活動するグループ、地域に数多くある大学、様々な業種の事業者等とのネットワークをさらに強化し、地域の方々の参加と協働を得て活動の輪を広げるとともに、地域包括ケアシステムの推進に取り組んでいきます。 ・踏切遮断による交通渋滞や地域分断の解消、また、他の地域への移動手段の確保に向け、地域の方々、公共交通事業者、東京都・近隣区等と意見交換や協議を重ねていきます。