令和5年度 第1回世田谷区風景づくり委員会 議事概要 日時:令和5年10月27日(金曜日) 午前10時から午前11時30分 場所: 北沢タウンホール スカイサロン 附属機関会議録 会議の名称 令和5年度 第1回世田谷区風景づくり委員会 事務局を主管する課の名称 都市整備政策部 都市デザイン課 開催日時 令和5年10月27日(金曜日)午前10時から午前11時30分 開催場所 北沢タウンホール スカイサロン 出席者 【世田谷区風景づくり委員会】 野原たく委員、鶴田よしこ委員、後藤ちかこ委員、 田邉まなぶ委員、有田なほこ委員、桃原しげき委員 【事務局】 都市整備政策部長: 笠原そう 都市整備政策部都市デザイン課長: 青木とおる 都市デザイン担当係長: ふたみまこと 担当職員: 落合尚子、三澤英里子 会議の公開・非公開・一部非公開の別 公開 傍聴人の人数 3名 会議次第・内容 開会 「議題」 1. 報告事項 奥沢1〜3丁目等界わい形成地区について 2. 報告事項 地域風景資産について 3. 報告事項 風景づくり計画の改定について 4. 事務連絡 閉会 令和5年度第1回世田谷区風景づくり委員会 令和5年10月27日(金曜日) 都市デザイン課長 皆様、おはようございます。定刻前ですけれども、皆様おそろいになりましたので、ただいまより令和5年度第1回風景づくり委員会を開催させていただきます。 本日はお忙しい中、委員会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃より世田谷区の風景づくりに様々なお力添えを頂きまして、誠にありがとうございます。私は本日の司会を務めさせていただきます、都市デザイン課長の青木と申します。よろしくお願いいたします。本年度より前任の橋に代わりまして担当となってございます。 初めに、本日の委員会につきまして2点お伝えさせていただきます。本会場は利用時間の制限がございまして、12時には撤収して退場しなければならないということがございまして、11時30分頃に閉会できればと思っておりますので、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。 また、本委員会は、議事録と名簿を公開してございます。議事録の作成に当たりましては、速記の委託事業者により会議の録音をさせていただきます。あらかじめご了承いただきますよう、よろしくお願いいたします。なお、議事録の公開は、事前に委員の皆様にご確認させていただきまして公開とすることとしてございますので、よろしくお願いいたします。 それでは、開会に先立ちまして、都市整備政策部長の笠原よりご挨拶申し上げます。 都市整備政策部長 皆さん、おはようございます。改めまして、都市整備政策部長の笠原でございます。前任のうねめに代わりまして、この4月に着任したばかりです。 私自身は造園系の職種ということがありまして、みどりや公園、そういった環境関係の行政をこれまで経験してきております。ただ、この風景づくりに関しては今回が事実上初めての職務となりますので、少し緊張しております。皆様から教えていただきながら成長していければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 本日は報告事項が3つございます。 まず1つ目が、「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区について」です。世田谷区第1号の界わい形成地区ですが、昨年10月に指定して以降、様々な事業等進捗しております。その内容等についてご報告させていただければと思っております。 2つ目が、「地域風景資産について」です。私、この地域風景資産の第3期については、選考に関わらせていただいた経験がございます。もう10年前になりますでしょうか。ここ数年新型コロナウイルス感染症の関係で、活動団体の方々の交流会がなかなか対面で行えていなかったのですが、数年ぶりに今年の9月に対面での交流会を開催いたしました。そちらの状況についても、併せてご報告させていただければと思っております。 3つ目が、恐らく一番大きなテーマになるかと思いますけれども、「風景づくり計画の改定について」でございます。現行計画策定から間もなくおおむね10年を迎える年度となります。それに向けまして、区の我々の考えとしては令和8年からの運用開始を想定する中で、これから順次この計画をつくり上げていく、そういった作業を今考えております。風景づくり委員の皆様の様々なアドバイスを頂きながら、まとめていかないといけないと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 本日、今年度第1回ということで、〇〇委員、また〇〇委員におかれましては初めての、第1回目の委員会となるかと思います。併せて私も第1回目ですので、どうぞよろしくお願いいたします。 事務局に戻します。 都市デザイン課長 ありがとうございました。 それでは、まず本日の委員の皆様の出席についてご報告させていただきます。 〇〇委員におかれましては、ご都合によりご欠席ということをご連絡いただいておりまして、本日の委員会のご出席は6名となってございます。したがいまして、本日の委員会は世田谷区風景づくり条例施行規則第34条に定める会議の定足数を満たしてございますことをご報告いたします。 続きまして、風景づくり委員会の体制についてご説明させていただきます。風景づくり委員会は本年2月1日より第12期となり、選考により、新たに2名の方々が委員となってございます。継続の委員の方々におかれましても、本来であれば委嘱状を直接お渡しすべきところでございましたが、委員会の開催が本日ということで期間がございましたので、郵送させていただいてございます。 第12期風景づくり委員会委員の皆様の任期でございますが、本年2月1日より令和7年1月31日となります。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、世田谷区風景づくり委員会委員の皆様をご紹介させていただきたいと思います。本日は第12期の初回となりますので、皆様より一言ずつご挨拶を頂ければと存じます。私から見て右側から順番にご紹介をさせていただきたいと思ってございます。 〇〇委員でございます。 委員 皆様、おはようございます。〇〇大学の〇〇と申します。昨年度までは違う大学にいたのですけれども、今年4月に〇〇大学に着任いたしました。 私自身のキャンパスはあいにく横浜ですけれども、大学の本部は世田谷区にございまして、これまでよりも少し世田谷に近くなったなと思っておりますので、ますます貢献できればと思います。今年もよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 ありがとうございました。 続きまして、〇〇委員でございます。 委員 おはようございます。〇〇と申します。よろしくお願いいたします。〇〇大学から参りました。4期目ということになりますので、またいろいろな形でお手伝いさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 ありがとうございました。 続きまして、〇〇委員でございます。 委員 おはようございます。〇〇大学の〇〇と申します。3期目ということであっという間でしたが、ますますこれから奥沢を基にしながらも世田谷も広いですので、私たちが普段活動している〇〇も含めてお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 ありがとうございました。 続きまして、〇〇委員でございます。 委員 〇〇と申します。私は景観の中でも特に色彩とか屋外広告物とか、どちらかというと上っ面の部分を専門にしております。世田谷区にはコンサルタントとしての関わり方、それから委員としての関わり方、あと風景デザイナーという関わり方、いろいろな形でお世話になっております。今後ともよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 ありがとうございました。 続きまして、〇〇委員でございます。 委員 おはようございます。世田谷区に長く住んでおりますけれども、コロナ禍をきっかけに自分の住んでいる周辺の風景とか、そういったことに改めて目が行くようになりまして、今回応募させていただきました。2年という短い期間ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 ありがとうございました。 続きまして、〇〇委員でございます。 委員 〇〇でございます。私も世田谷に長く住んでおりまして、みどりの関係の仕事を若い時分からやっておりました。引退して7〜8年になりますが、改めてこういう機会に参加をさせていただいて、今まで培ったものを少しでもお話し申し上げればよいなと、そんなふうに思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 都市デザイン課長 委員の皆様、ありがとうございました。 続きまして、期が変わりましたので、第12期の委員長と副委員長のご選出をお願いしたいと思ってございます。お手元に配付させていただいてございます資料2「世田谷区風景づくり条例及び施行規則(抜粋)」を御覧ください。 施行規則第32条に規定されておりますように、委員長、副委員長は委員の皆様の互選により定めることとなってございます。つきましては、委員の皆様の中から、委員長、副委員長をご選出いただきたいと存じますが、どなたか立候補もしくはご推薦いただける方はいらっしゃいますでしょうか。 委員 私から推薦させていただきたいと思います。前期に引き続きまして、委員長には〇〇委員、副委員長には〇〇委員にそれぞれお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 都市デザイン課長 〇〇委員、ありがとうございます。 ただいま〇〇委員より、委員長に〇〇委員、副委員長に〇〇委員とのご推薦を頂きましたが、皆様、いかがでございましょうか。 (「異議なし」の声あり) 都市デザイン課長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。皆様より、委員長に〇〇委員、副委員長に〇〇委員をご選出いただきました。ありがとうございます。〇〇委員長と〇〇副委員長より、一言ご挨拶いただければと思いますので、まずは〇〇委員長よりお願いいたします。 委員長 改めまして、恐れ入ります。委員長を仰せつかりましたので、精いっぱいさせていただきたいと思います。 2回話すことがあるなと思ってさっきは話さなかったのですけれども、今は〇〇市民ですが、私は幼少期から30代手前までは世田谷に住んでおりまして、本当に愛着もあって、この委員会は開催場所が毎回変わりまして、各地いろいろ昔を思い出しながらいろいろなところに行けるというのは楽しみだなと思いながら、今日は下北沢でしたけれども、通わせていただいております。 今日の議題にもありますとおり、地域風景資産も間もなく20年近くたちますかねみたいなところとか、今までいろいろ世田谷区さんが先進的にやってきた取組みをもう1回次の時代に、さらなる形でどのように受け継いでいくかみたいなことを考えていく、大事な時期にも来ているのかなと思っております。その辺りも含めて、今日の議題にもございますけれども、いろいろな形でいろいろ活気あるディスカッションをこの中でもしながら、よりよい方向を見出していければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 ありがとうございました。 続きまして〇〇副委員長、お願いいたします。 副委員長 改めまして、〇〇です。よろしくお願いいたします。2回話すことを考えていなかったのですが、私、実はここの下北沢で生まれて、途中世田谷を離れているのですけれども、多分世田谷歴は私も長いほうかなと思います。職場ももちろん世田谷にございます。 今、節目かなというのは委員長からもお話がありました。世田谷に限らず、これからどんどんまちは変わっていくというところで、まちを使う人も変わっていく中で、どう皆さんがまちへの思いとか、そこを活動の場として使っていくかというところが重要かなと思っております。普段学生たちともまちの中に出て、住民の方と触れ合いながらというところが、ここでも活かせていけたらいいなと思っております。 一言だけ宣伝をさせていただくと、明日、明後日、世田谷公園で「世田谷パン祭り」を行いますので、1つの風景をつくる場として来ていただければと思います。よろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 〇〇委員長、〇〇副委員長、ありがとうございました。 続きまして、本日出席しております区側の職員のご紹介をさせていただきたいと思います。 まず、都市整備政策部長の笠原でございます。 都市整備政策部長 改めまして、笠原です。どうぞよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 都市デザイン課長の青木です。よろしくお願いいたします。 続きまして、事務局を紹介いたします。 都市デザイン課担当係長のふたみでございます。 事務局 ふたみと申します。よろしくお願いします。 都市デザイン課長 担当の落合でございます。 事務局 よろしくお願いします。 都市デザイン課長 同じく三澤でございます。 事務局  よろしくお願いします。 都市デザイン課長 以上となります。 では、ここからの進行は、世田谷区風景づくり条例施行規則第32条第2項によりまして、〇〇委員長にお願いできればと思います。 それでは、〇〇委員長、よろしくお願いいたします。 委員長 改めまして、よろしくお願いいたします。これより令和5年度第1回風景づくり委員会を開会させていただきたいと思います。今日は〇〇委員がご欠席ということで、委員1名ご欠席ですけれども、進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 本日は報告事項が3件あると伺っております。スライドにも報告事項3点ございますけれども、本日は審議事項がないということですので、基本的には事務局からご報告いただく内容について理解いただいて、意見を伝え、事務局の皆様には今後の風景づくりの在り方について、ここでの意見をいろいろ反映していただくと。そういう場になると思います。 まず、資料の確認からですね。よろしくお願いします。 都市デザイン課長 事務局から資料の確認をさせていただきます。お手元の資料でございますが、本日の資料につきましてはあらかじめ委員の皆様に郵送させていただいております。内容は変更ございません。 配付資料でございますが、まず委員会の次第が1枚ございます。 次第の下段に資料一覧がございまして、資料1「風景づくり委員会委員名簿(第12期)」から、資料8「説明スライド」までとなってございます。 また、閲覧資料といたしまして机上には「世田谷区全図」「都市計画図1・2」「風景づくり計画」「界わい形成地区ガイド」を用意してございます。 以上が本日の資料でございますけれども、資料の不足されている方はいらっしゃいますでしょうか。大丈夫でしょうか。 確認は以上となります。 委員長 どうもありがとうございました。 早速ですけれども、議事を進めてまいりたいと思います。まず1番目は、報告事項(1)「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区について」ということで、事務局からご説明よろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 まず報告事項(1)「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区について」でございます。事務局よりご説明させていただきます。よろしくお願いします。 事務局 それでは、説明させていただきます。基本的にはスクリーンを見ていただきながら、説明を聞いていただければと思います。よろしくお願いします。 「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区について」、前回の委員会、昨年12月以降の状況についてご報告をさせていただきます。こちらの4点につきまして、ご報告をさせていただきます。 初めに「界わい形成地区の相談・届出状況」についてです。 奥沢1〜3丁目等界わい形成地区における運用を開始しました令和4年10月から令和5年3月まで、それから今年度上半期の4月から9月まで、それぞれ6か月間の相談件数と届出件数がこちらになります。相談件数が大体2倍近く、届出件数は2倍以上の数になっておりまして、届出件数が増加しております。 具体的な内容、状況になります。まず届出が出ていますのは戸建てや共同住宅など、小規模の建築物のみになっております。また外壁の塗り替えですとか、コインパーキングの設置などの届出もありました。 内容につきましては、基本的には皆様、風景にご配慮いただいている計画がほとんどとなっております。 個別の誘導事例としましては、重点エリアである「歴史と緑のエリア」において、外壁に彩度の高いレンガを使用したいというご相談がありました。自然素材ということで認める方向で届出の相談をしていたのですけれども、最終的に確認したところ、マンセル値が色彩の基準値内だったということで、特に問題なく届出を頂いております。 もう1つの事例としましては、今度は色彩の数値の基準がない一般エリアにおきまして、明度の低い、黒っぽいような外壁の相談がありました。こちらにつきましては、相談の時点で奥沢の風景づくりの趣旨ですとか、周辺の街並みと調和した色彩でお願いしますというお願いをさせていただいたのですけれども、今回は変更していただけずに、大分明度の暗いもので現在着工しているという事例がありました。 それから、あとコインパーキングの事業者様につきましては風景づくりにとても協力的で、風景に配慮した色彩のものが設置されております。 なお、戸建て計画の届出につきましては、届出と併せまして緑化の誘導、緑化のお願いを窓口でさせていただきまして、緑化の助成制度なども漏れなく紹介をさせていただいております。助成制度を活用した緑化事例も、今増えている状況です。 こちらはコインパーキングの改修工事の事例で、これは改修の工事前ですけれども、看板にはオレンジ色のマークですとか、あと枠線とか設備については黄色いものを使っていたコインパーキングを改修していただきまして、現在このようになっております。落ち着いた色の看板にしていただいたりとか、あと枠線ですとかガードパイプは白いものに変更していただきました。ここはまた特殊なタイプで、精算機やフラップなどがなくて、住宅地の風景になじむようなスマートなパーキングに改修をしていただいております。 続きまして「界わい緑化推進プログラム」の進行状況についてご説明します。 「界わい緑化推進プログラム」は東京都公園協会の緑化基金を財源としました、東京都と東京都公園協会による緑化事業の1つです。3年間限定で民有地の緑化費用の一部助成と専門家の派遣を行う事業となっております。 世田谷区では、奥沢1〜3丁目等界わい形成地区の指定と併せまして、奥沢の風景の特徴であって、地域の皆様が大切にしているみどりについて、皆様がみどりづくりを実践していく手立ての1つとなるように、この事業を導入させていただきました。区域のうち、重点エリアである道祖神通り沿道をモデルエリアとして、対象地区を選定させていただいています。 この制度の概要ですけれども、地域の団体と自治体が協働して行う民有地の緑化ですとか、地域の緑化活動のコミュニティづくりを東京都と東京都公園協会が支援する事業です。単に緑化費用を助成するだけではなく、専門家を派遣しましてみどりの効果を知るセミナーですとか、地区の緑化プランを考えるワークショップの開催、あと各緑化プランの提案から施工まで、みどりづくりとコミュニティづくりをコーディネーターが関わって進めていくことが特徴となっております。 この奥沢1〜3丁目におきましては、今ご説明しました「界わい緑化推進プログラム」をはじめ、もともとある区の緑化助成制度、それから支援制度などを活用しながら、奥沢全体のみどりを増やしていきたいと考えております。 こちらは「界わい緑化推進プログラム」を活用しました緑化事例です。植栽のもともとなかった、多分まだ建って間もないお宅ですけれども、駐車場部分のコンクリートを一部はがしまして植栽をしたという事例です。オーナーの方のご希望により、モミジを中心に緑化する計画としまして、あとグランドカバーの部分については九州の有田焼を再加工した陶器のかけらを敷き詰めた外構とさせていただいております。 また、こちらはもともとある区の緑化助成を活用した植栽工事の事例です。地域へ都度、この緑化の助成制度ご活用ということで周知をした結果、奥沢のまちではこういった助成を活用した事例が増えています。 続きまして、今年度の「『風景祭』開催のご案内」をさせていただきます。 「風景祭」を今年も開催いたします。「風景祭」は、奥沢の風景の魅力や奥沢で進められている風景づくりの取組みをより多くの方に知っていただくために開催するお祭りです。 こちらの6つのコンテンツを今回企画しております。少しご紹介させていただきます。 1つ目は、今年も行います「スタンプラリー」です。今年も2つの重点エリアを地域の皆様に巡っていただく企画としました。 2つ目のコンテンツは「お庭のお手入れ講習会」です。こちらは地区の皆様から「みどりの維持管理」に関するご意見を多く頂いておりまして、講習会開催のご希望を複数の方から頂いておりました。地域のみどりづくりの不安を解消する手立ての1つとなるように、企画をしました。講師の方は世田谷区〇〇にありますフラワーランドの花とみどりの専門員をされています〇〇先生で、講習会をさせていただきます。 続きまして、コンテンツの3つ目は「みどりのオープンガーデン」です。先ほどご紹介しました界わい緑化推進プログラムを活用した緑化施工をしたお宅をスタンプポイントの1つとしまして、緑化のお披露目と事業のPRを行います。あと、このオーナーの方がご自宅で九州の波佐見焼の器屋さんをされているのですけれども、オーナーの方のご好意によって、ご自宅で台湾茶を振る舞うような企画もしていただいています。 それから、「風景祭」の4つ目のコンテンツとして「お子様向けお楽しみコーナー」です。去年大好評だった「私の風景トートバックづくり」を今年も行います。風景にまつわるスタンプを無地のトートバックに押しまして、自分だけのトートバックを作るという企画です。こちらで子育て世代の方にもぜひ風景づくりの取組みを知っていただきたいということで、集まっていただくために開催します。あとは「おくさわ風景缶バッジづくり」を今年も行います。 それから、コンテンツ5つ目、地域共生の家として活用されている〇〇で開催される「ガーデンカフェ」です。今年もコーヒーとピザが振る舞われて、学生の方によるワークショップも開催されます。 最後のコンテンツですけれども、「苗木の配布」を今年も行います。こちらは東京都農業振興事務所の協力によりまして、4種類の苗木を80株用意しまして、今年も無料で配布します。地域の皆様の手で、奥沢地区のみどりとして育っていくことを願っています。 最後に「今後の予定」です。奥沢地区におきましての今後の進め方の方向性です。 引き続き、届出制度による建設行為等の誘導を行っていきます。 また、定性的な配慮基準を基に効果的に風景づくりを進めるには、さらなる地域の皆様の風景づくりへの機運の醸成と制度の定着が必要であるので、引き続きニュースの発行ですとか、地域の皆様とともにイベントを実施するなどの周知・啓発を行ってまいります。 それから、先ほどご紹介しました界わい緑化推進プログラムは令和6年度までになりますけれども、こちらですとか、あと区の緑化助成・支援制度などを活用した地域のみどりづくりを進めてまいりたいと思います。 今後の課題としましては、地域において風景づくり活動を継続的に行っていくために、地域でこういった活動が自走していくための体制づくりが課題となっていると考えております。 以上で、奥沢1〜3丁目等界わい形成地区の指定についての説明を終わります。 委員長 ご説明どうもありがとうございました。 資料8がスライドの報告(3)まで含めて全部書かれているものなので、こちらもご参照いただきながらご意見いただければと思います。 ということで、報告事項(1)のご説明がございましたが、これらに関して委員の皆様からご質問やご意見ございましたら頂戴したいと思います。どなたからでも、どの部分でも結構ですので、もしよろしければ。 〇〇委員、よろしくお願いします。 委員 ご説明ありがとうございました。 1つ質問ですけれども、スライド6枚目に、今までの界わい形成地区の相談とか届出状況の数値について整理いただきました。こんなに相談とか届出件数が来ているのだなというのが分かったのですけれども、逆に届出されずに整備されてしまった事例はないのかというところを1つ確認させていただきたいです。 関連して言うと、14のスライドで「緑化モデル第1号が完成しました!」ということで、完成後に緑化をしたということですけれども、これは界わい形成地区に関して、相談とか届出は特に最初はなかったということでしょうか。以上です。 委員長 お願いします。 事務局 界わい形成地区につきましては法律と条例に基づいて指定しているものですので、届出が全ての建設行為等に必要だということは、一般的に業者が相談に来たとき、都市計画の条件とかを調べるときに全てご案内しています。それと併せまして、建築審査課でも実際に確認申請が出てきたとき、あとは民間に確認申請が出てきたときの連絡が審査課に来たときも、届出が出ているかどうかを確認しておりますので、基本的には漏れがなく進んでおります。 あと緑化の助成につきましては、ご説明さしあげましたけれども、戸建ての届出が出てくるときには、助成制度をぜひご活用くださいということで、緑化をしてくださいというお願いをしております。基本的に助成制度の周知をしていることによって、緑化の助成が増えていると感じております。 委員 これは、整備時にはご案内はしたのですか。 事務局 届出が出てきているときにご案内させていただいています。それとは別に、全戸配布するニュースの中にも助成制度がありますのでぜひご活用くださいというご案内を差し上げていますので、特に家を建てなくても、それを受けてやってみようという事例も出てきています。 委員 この場合は新築時には特に何もしなかったけれども、その後に木を植えたということですね。 事務局 この14ページの事例も最初のときは植えなかったのですけれども、後から、助成制度があるなら植えていこうと考えてしていただいた事例です。 委員 分かりました。 都市整備政策部長 去年の10月には建っていたのですね。 事務局 既に建っていたものです。 委員 分かりました。ありがとうございます。 委員長 ありがとうございました。 今のご質問は、言ってみたらこの界わい形成地区の基準の中で、例えば、伐採はあったのですけれども、みどりをどうするというのは、基準の中では緑化しましょうと書いてあったりすると思うのですけれども、その後緑化がなされている、要は届出のときにはそこのところがないけれども、その後なされているみたいな状態もあるけれども、それに対するフォローというか、チェックは、この界わい形成地区そのものの中では分からないということですかね。 つまり、届出しているときはないわけですよね。その後、ぜひやってくださいとなって緑化されたけれども、その緑化された状態というのは界わい形成地区で、届出しているチェックの中では反映されていないということですよね。だからこの状況は実際見ないとつかめないというか、そういう感じですか。何かフォローみたいなものがあってもいいのかなと。 前は届出そのものが大事という、それ自身を使いながらディスカッションというか、まさにこういうこともあるのですよみたいなお話をされていて、それでよくなってみたいな状況があるものをどう捕獲するかというか、後で見るか。でないと今度伐採するときには、もとの届出には書いていないけれども立っているみどりがあって、それを伐採するみたいな話にもなるので、その辺が、間が捕獲できないのかなとか今思ってしまったので、その辺もあまりがっちりすると大変ですけれども、後でフォローアップみたいなものが1つあるといいのかなと思いました。 ほかは皆様いかがですか。 〇〇委員、よろしくお願いします。 委員 頂いた資料の7ページ目(スライド7枚目)になりますけれども、色彩についての言及があったので、聞き捨てならないなと思って聞いていました。 特に気になるのは明度が低い外壁のものということで、実際に奥沢の調査など行っても明度の低いものが間々あって。具体的な事例を言うと、木材にステインを染み込ませて、結果的に外壁が暗くなっているようなものというのはとても落ち着いた重厚感のある風合いで、特に問題はないかと思いますけれども、恐らく説明の様子から考えるに、塗装系の黒とか、金属板の黒とか、既存のものとは違うタイプのものが出てきたのだろうと推測します。 恐らくは、設計される方とかハウスメーカーさんが事前にそういうものを知らなくて、お施主さんともある程度決めてしまった上で相談に見えたということではないかと思うので、そういう点では事前の周知というのはこれからも引き続きお願いしたいということがあります。 例えば定性的な基準でも、これは少しまずいかなというときに次のステップにエスカレーションできる仕組みがあってもいいかなと思います。例えば最近世田谷区の事前調整会議も書面でやることが多くなったのですけれども、他区ではアドバイザー会議などをやるときに、少しだけということで、よく相談を受けるのです。少しだけの相談なのでオフィシャルなものではないのですけれども、区の担当者とは違う第三者の意見、専門家の意見としてお伝えすることで多少相手に伝わるニュアンスが変わったりもするので、もう少し次のステップというのがあってもいいかなと思います。 そのときに、例えば植物のみどりの彩度6を超えている場合は次のステップを考えようとか、お隣の白い壁の建物と外壁が明度対比5を超えているので、ここは次に行っていいのではないかという、ある程度内規的なものを持っているとやりやすいのかなと思いますし、もう少し気軽にお声がけをしていただいてもいいかなと思いました。以上です。 委員長 ありがとうございます。 お願いします。 事務局 界わい形成地区第1号で、しかも小さい戸建ても含めた届出というのは今まだ始まったばかりのところで、〇〇委員からご提案いただいたような少し難しい誘導の場合の進め方については検討させていただければと思います。どうもありがとうございます。 委員長 ありがとうございます。私も質問しようと思っていた話で、関連するのでもう1つ質問させていただきたいのですけれども、仮に今のような話が出てきて、一般地域も数値変えをしたほうがいいよねという話が仮に出てきたとすると、風景づくり計画の改定になってしまうのですか。 事務局 そうですね。 委員長 それが手間という言い方はあれですけれども、重いプロセスになる。何が言いたいかというと、これからというか、制度つくって終わりではなくて、つくったところの運用をしながら適切な形にカスタマイズしていくようなことが極めて大事なのではないかと思うのですけれども、なかなかやりにくいなと。 要は、変えようと思うと全部のプロセスを踏んでいかなければいけなくなってしまうのでというところもあって、その辺りを大枠はこの界わい形成地区で書くのですけれども、運用の部分に関しては少し柔らかく、地元や皆さんの形で何かやっていく部分みたいなものもないと、件数が増えてくると知見が増えてくるというのですかね。そこでいろいろなことが分かってきて、これはここを直したほうがいいみたいなことが多々出てくる気がしたので、その辺りをどう対応できるかという仕組みそのものにもなってしまうのですけれども、在り方を少しご検討いただいたほうがいいのかなと。 界わい形成地区として第1号ですので、もし仮にほかのところが出てきた場合も同じようなことが起こり得ると思いますので、その辺りの在り方を少しご検討いただけるといいのかなと思いました。 都市デザイン課長 先ほど〇〇委員からおっしゃっていただいたように色、明度だけでなく材質によって多分違うというのはまさにそうだろうと思って、木に色を塗るのと金属に色を塗るのと、当然見え方は全然違うかなという気がしていますので、そういったところは少し我々でも内規とか事例集みたいなものを整理して、より分かりやすく事業者の方にもご説明できるように体制をつくりたいと思ってございます。ありがとうございました。 委員長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。 〇〇委員、よろしくお願いいたします。 委員 この界わい形成地区というのは多分世田谷区の1番のモデルケースになっていると思うのですけれども、先ほど〇〇委員からもご指摘があったように、特に樹木というのは植えて終わりではなくて、成長して何年かたって風景ができてくるということだと思いますし、維持管理も風景を左右する大事なポイントになると思うので、今回課題としてチェックポイントといいますか、ある程度、例えば1年たってからとか3年たってからとかいう形で、経年によってどう変わっていくのかといった視点も必要なのかなと思ったこと。 それから報告@で、緑化モデル第1号が完成したということで、結局出来上がった後に一部壊してということがあったかと思います。これは新築時にそういうアナウンスというか、「こういう助成がありますよ」みたいな、例えば建てるときの、壊すのが無駄というか、もったいないなというか。最初からおやりになるのであれば新築時に誘導できる仕組みと、例えば木も常緑樹とか落葉樹とかいろいろあって、それが環境に寄与する樹木であるとか、区民はご存じない方が多いと思うので、そういったものも世田谷区で誘導できる仕組みみたいなものがあったらいいのではないかと思いました。以上です。 事務局 この制度が始まって進んでいったときに、みどりがどれぐらい増えているのかということについては、確かにご指摘いただきましたとおり、見ていかなくてはいけないなと考えております。 それから新築時に、今は界わい形成地区に指定されましたので、「こういうエリアなので、地区指定しているのでみどり増やしてください。助成制度もあります」とご案内しているのですけれども、こちらの建物とか、あともう1つご紹介したこちらについては、実は界わい形成地区指定前に建った建物で、具体的な地区に対してのみどりについてのご案内は、していなかったのですね。ニュースでは取組み始めた頃から「みどりを増やしていきましょう」というお話は差し上げていたのですけれども、ここへ来て助成制度をご案内する中で「増やしてみようかな」とか「植えてみようかな」と思っていただいたのではないかと思っております。 委員長 大体よろしいですか。ほかございますか。 最後に私からもう1点だけ申し上げますと、今のお話とかにも絡んでくるのですけれども、界わい形成地区の制度そのものはある種のコントロールといいますか、そのエリアの中で基準を定めて、その基準に合っているかどうかチェックしていくということですけれども、実際この界わい緑化推進プログラム自身はドライに言うと関係ないというか、ここに規定されているわけではなくて、ここに係るときにちょうどタイミングがあるから、こういうものがありますよというのをお伝えすることができるタイミングができているという意味では全物件対象になっているので非常にいいなとは思うのですけれども、界わい緑化推進プログラムとかを含めながらみどりをどう増やしていくかというのは、界わい形成地区だけではやれないというか、やり切れないところもあったりすると思うので、基準としてのチェックの部分と、実際に増やしたり、管理したり、マネジメントしたりしていく部分というのを、どううまくすり合わせながらつくっていくかということがすごく重要になってくると思います。 先ほどの課題のところに、体制づくりが課題であるというのはまさにその部分になると思うのですけれども、スライド番号では13番、7ページ目の上ところに「奥沢1〜3丁目の緑化支援のイメージ」というのが描かれていますが、こういう形で全体のマネジメントをしている人は誰もいないといいますか、区で支援していくのだったらあるかもしれないけれども、的確にこういうところにこういうものがあるといいよねみたいな話をみんなで議論したりしながら、こういう助成があるので使っていこうみたいなことをどうやって育んでいくかというのは、これからの課題かなと思います。 ただ、せっかくこの形成地区をつくったという、まとまりをつくったこと自身がそういうことを進めていくきっかけには十分なり得るのではないかと思いますので、その辺りですよね。ここを少しはみ出る範囲ですけれども、ぜひ実際にみどりを支援していく取組みとの連動性みたいなものがうまくできるといいかなと思います。その辺りも少しご検討いただければと思います。 都市整備政策部長 先ほどの〇〇委員のお話と委員長のお話、こちらの緑で書いてある「世田谷区緑化助成」自体は先ほどご案内しましたけれども、世田谷区全体でどんな建築においても、あるいは建築が終わった後でも自由に使える助成になっています。ですから、例えば各地域のまちづくり課とか建築の窓口とか、そういったところにこういったパンフレットは置いてありますし、ぜひこちらを使って啓蒙してくださいというのをやっています。 ただ、これはあくまでもイメージなので、これほどの密度というのはないのですけれども、界わい形成地区として指定されて、まずは風景面での最初の行政側との接点が持てることで、こういった緑化助成、もともとあるスキームがより有効に使われていくのではないかという期待めいたものはございます。 実際、先ほどの道祖神通りの、既に建っていて指定された後に緑化したというところも、界わい形成地区がきっかけになって、そういった制度があることを改めて知ってそこに踏み込んでいただいた辺りが、この面的な指定の派生的な効果かなと我々でも感じているところなので、ぜひ活かしていければと思っております。 委員長 今のお話はまさに界わい形成地区を接点にしながら、助成代に加算がというか、担当部局の方がそういう宣伝というか、告知をしていくということだと思います。徐々にそういうことも含めて、地域でも自ら行えるようになってくるというのが、できるかどうか分からないですけれども、そういう道というのもあるのかなと思います。その辺りも含めて、ぜひいろいろご検討いただければと思います。 副委員長 皆さんからいろいろなご指摘があったので、ほぼ同じというところで発言していなかったのですが、今、最後のいろいろな制度があるということにつなぐのが本当に大切なことかなと思います。 あと最後にご説明いただいた「風景祭」も、地域の方に知っていただくきっかけも大切ですし、いろいろな世代の方に知っていただくというので、お子さんがとても楽しそうに参加できそうということで来てくださると思うのですけれども、いろいろな世代の方がお1人でも参加しやすいような、子どもだけではなくて、アピールをしていただけるとなおいいかなと。 とてもバラエティーに富んでいるので私も行きたいなと思ったのですけれども、住んでいてチラシは入っているけれども読んだことがなかったとかいうことが、多分多くの方はあるかなと思います。難しい制度がたくさん並んでいるというよりも、気軽に接する場を増やしていただけるとなおいいのかなと思いました。 感想的なものですが、以上です。 事務局 界わい形成地区の取組みですけれども、区だけではなくて、どちらかというとここのエリアの町会である〇〇、それからもともとみどりの活動をされていた〇〇と一緒に制度をどうしていこうかとか、取組みをこれまでも続けてまいりました。 〇〇の中でも、町会長や理事長ですとかほかの方から会の皆様にご案内していただいたりとか、折を見て地域のイベント等でもご紹介させていただいておりますので、できるだけ多世代の方に参加していただけるように、地域とともに取り組んでいるところでございます。ありがとうございます。 委員長 よろしいですかね。ということで引き続きといいますか、奥沢もこういう形で本当に頑張っておられるので、みんなで見守りつつも、いろいろな形でどんどん発展いただきたいというところは支援できるといいかなと思います。ぜひ引き続きよろしくお願いします。 引き続きまして、報告事項(2)「地域風景資産について」ということで、こちらを事務局からご説明よろしくお願いします。 都市デザイン課長 続きまして、報告事項(2)「地域風景資産について」でございます。事務局よりご説明させていただきます。 事務局 それでは、ご説明させていただきます。「地域風景資産について」はこちらの4点について順番に説明させていただきますので、よろしくお願いします。 初めに「地域風景資産のこれまでと今後について」です。 風景づくり委員会では、しばらく地域風景資産についてのご説明、ご報告をさせていただいていなかったので、少しおさらいも含めましてご説明させていただきます。 まず「『地域風景資産』とは」というところですけれども、地域の大切にしたい風景を、その風景を守り育てる区民の皆様の活動とともに区民参加で選定する制度となっております。 以前、昭和の時代には「せたがや百景」というものが、区民投票で選定されました。その百景のほうは景観に関する事業としてすごく効果はあったのですけれども、時代の流れとともになくなってしまうものも少し出てきたというところがあります。 そこで平成の時代に入りまして、「地域風景資産」ではその風景を今度は守り育てる区民の活動とセットで選定するという考え方の制度になっております。 地域風景資産の選定はこれまで3回、区民参加で行われまして、現在86か所が選定されております。その後、第4回の選定時期になった頃に、区民の風景づくり活動団体の皆様との集まりの中において意見が出されまして、選定をどうするか、やっていくかどうかというところにつきまして、新たな選定は見合わせて、これまで選定された地域風景資産の充実ですとか、活動団体の支援を充実していく検討を進めていったほうがいいのではないかというご意見を頂きました。 それを受けまして、まず検討を進めていきました1つがこの「登録制度」の検討になります。これは大体平成31年ぐらいに検討を始めました。 地域風景資産の登録につきましては、選定の制度とともに風景づくり条例に規定されております。登録制度は風景づくりの推進に寄与する地域風景資産を、所有者の方の同意の下、区長が登録するものです。その登録には「資産活用指針」の策定が必要であったり、所有者の方には維持管理の努力義務が発生します。 選定の後のステップとして、この登録を目指すという活動団体の方もいらっしゃったのですけれども、現時点では登録されている風景資産は1つもない状況です。 検討会でこの「登録制度」について検討していくに当たって、所有者の方に、今申し上げたように価値を尊重しました維持管理の努力義務が発生することですとか、所有者の方と活動団体と世田谷区で「資産活用指針」の策定が必要であること、また地域風景資産の活動や資産の性質によっては効果があるものとないものがあるということが分かってきました。その検討の時点では、活用されたい方はいらっしゃいますかというご希望を取ったのですけれども、特に希望が1つもないという状況でありました。 この「登録制度」の今後の課題としましては、引き続きその効果の有無ですとか、メリット、デメリットなどの制度の整理と周知を行いまして、効果がある資産については活用を目指していかなければならないと思っております。 その検討の次に検討を進めてきた内容としましては、活動の継続ですとか継承についてになります。こちらについてのご意見が検討会の中でまた活動団体の方から出てきまして、検討を進めました。こちらは令和2年度頃の検討となります。 活動メンバーの高齢化ですとか、次世代のメンバーへの引き継ぎができなくて、活動できるメンバーがだんだん減ってきてしまって、この頃活動できなくなる団体が複数出てきた状況です。一方では、引き続き精力的に活動されている団体ですとか、活動の中から新しい出会いがあって主要なメンバーが増えていっているという団体ももちろんございます。 活動が難しくなった団体につきましては、それでも頑張ってくださいという形で活動を強いるものではないので、活動の終了をみんなで受け入れまして、こういった活動をしてきたところですという記録を残していくことにしましょうということになっております。 課題としましては、引き続き活動団体への支援ですとか、周知啓発を継続していくことと併せまして、新たな活動を始められる、また新たに活動団体として登録しやすい制度の検討が必要であるということをこの検討の中で考えて、進めていかなくてはいけないと考えました。 また、今新たな活動を受け入れていることと併せまして、新たな活動によって新しい風景も生まれていっているので、そういったものを受け入れていく必要があるのではないかということを考えました。 地域風景資産以外にも、今、様々な活動が区内で行われております。その一例をご紹介しますと、都市デザイン課では東京2020大会を契機としまして、けやき広場において「馬事公苑界わいコミュニティデザインプロジェクト」、通称「bajico(バジコ)」と呼んでいるのですけれども、こちらを進めております。地域への声かけから様々な方々に集まっていただいて、その方々がつながって活動が始まっております。その活動から新しい風景というものが生まれているなと考えております。 これまで地域風景資産の選定や活動団体の登録には要件がありまして、要件づくりは、区民参加でつくっていったのですけれども、関わる方々の熱い思いが込められていました。けれども、そのことによって実は新しい参加を少ししにくくしているのではないかというご意見、またもう少しライトに活動の参加ができたりとか、地域風景資産の選定ができるようにしてもいい時期なのではないかというご意見を頂きました。 現在ある地域風景資産ですとか活動につきましては、これまでどおりその支援を進めていく必要はあると思うのですけれども、それと並行しまして活動団体の方々の登録要件を少し緩和して拡大していくとか、新たな資産選定の制度についても検討していくことが必要と考えているところが課題となっております。 また、ここへ来て社会状況が変化をしておりまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、地域で集まって行動するということが制限されていたことがありました。一方では、先ほど〇〇委員からもお話がありましたけれども、地域の方々が身近な風景の魅力に気がつかれているところもあります。また、参加の仕方につきましても、集まるということだけではなくて、様々な形態の参加というのが出てきているのではないかと思います。 新型コロナウイルス感染症が5類の感染症扱いになりまして、社会が動き出している中で、地域風景資産をさらに発展させていただくためには、時代に合わせた進化をさせていく必要があって、その検討を今後区民の皆さんと進めていきたいと考えております。その検討には、これまで地域風景資産に関わっていた地域風景資産の活動団体の方々だけではなくて、今後新たな地域風景資産ですとか新たな活動団体の担い手となる様々な方々のご意見を聞きながら、検討を進めていかなくてはいけないと考えております。 今後の方向性ですけれども、今お伝えしたように登録制度の制度化、活動団体要件の見直しと新たな選定方法の検討を進めていきたいと考えております。これと併せまして、引き続き普及啓発と、活動団体の皆様の支援を継続的に進めていこうと考えております。 その取組みの一部としまして、今年度こんなことをやっていこうという報告と予告をさせていただきたいと思います。1つは「風景づくり交流会」の開催の報告、それから「風景づくりフォーラム」というものを開催していこうと思っていますので、予告をさせていただきます。 まず、交流会の報告です。 令和2年の春から新型コロナウイルス感染症が拡大しまして、その影響によりまして「風景づくり交流会」、もしくはその検討会につきましては中止をしたりとか、書面による開催を余儀なくされたところであります。 先月9月に、ようやく対面による交流会を開催することができました。9月9日に、新しい区の施設である梅丘のうめとぴあで開催させていただきました。世田谷区と活動団体によって活動報告、意見交換を行いました。 当日は15の活動団体、21名の方々にご参加いただきました。 それぞれ報告して意見交換をしたのですけれども、当日頂いたご意見の一部をご紹介しますと「久しぶりに皆さんに会えて、話ができてとてもよかった」ということ。それから「しっかり活動されている団体もいて、私たちも頑張ろうと思いました」というご意見とか、「登録制度など、根本的な制度の検討を進めていく必要があります」というご意見もありました。あとは「10年誌を作ったのですけれども、20年誌は作らないのですか」といったご意見を頂いております。今、地域風景資産の第1回選定を終えて大体20年はたつというところになっております。こういったご意見を頂きました。 次に「風景づくりフォーラム」の実施について、予告をさせていただきたいと思います。「風景づくりフォーラム」の開催の趣旨ですけれども、地域風景資産の活動団体だけではなくて、誰でも、区民の皆さんが参加できるオープンな交流会として、交流を図るためが1つ。それから、地域風景資産や活動団体の皆様の活動をより多くの方々にお披露目して、知っていただくことが趣旨の1つ。それから、地域風景資産以外のフィールドで活動されている方々をご招待しまして、その活動内容を共有させていただくとともに、そういった方々とともに今後の地域風景資産について意見交換をするということ。それから、そういったところで出ましたご意見を、今後の地域風景資産の検討に活用していくことを趣旨としております。 「風景づくりフォーラム」の内容のイメージですけれども、開催は年が明けた2月から3月ぐらいに予定しております。内容としましては、今のところのイメージですけれども、地域風景資産の活動の展示、地域風景資産や活動の発表、それから他の参加者からの発表を頂いて、皆さんで意見交換、情報交換などができたらいいなと考えています。 実は令和6年の1月から4月中旬にかけまして、せたがや文化財団生活工房と世田谷トラストまちづくりが主催します「世田谷まちづくり展」という展覧会の開催を予定しております。こちら世田谷まちづくりファンドを中心とした、1970年代以降の世田谷のまちづくりに関する展覧会となっております。 今予定しています「風景づくりフォーラム」を、この展覧会の開催と関連させて開催しまして、会期内の中の日程で、会場はキャロットタワーですけれども、会場近くの三軒茶屋周辺で開催してはどうかという調整を進めています。こちらの事務局に趣旨等を説明したところ、「世田谷まちづくり展」の中でも地域風景資産についてのコーナーをつくろうかというお話が出てきまして、現在、調整を進めているところです。 最後に、地域風景資産についての個別の取組みについて、2点ご紹介をさせていただきます。 1つは、景観教育についてになります。世田谷区の岡本にあります聖ドミニコ学園という学校の中学生の方々に、世田谷の風景づくりの取組みと地域風景資産についてレクチャー、説明をしてきました。風景ですとか風景づくりについて生徒の皆さんに知っていただいて、身近にあるすてきな風景などを感じて、愛着を持っていただければと思っております。 取組みの2つ目としましては、地域風景資産の活動支援についての事例です。地域風景資産の「成城3丁目桜と紅葉の並木」についてですけれども、こちらの土の道と並木が四季折々の魅力的な風景を織りなして、沿道の方々によって守り育てられている地域風景資産です。 この土の道に轍ができやすく、最近の集中豪雨等で大きな水たまりとなって、少し生活に支障を来しているというご相談を頂きました。並木と土の道を守り活かしつつ、生活しやすい道路の整備を検討していきたいというお話を受けまして、専門家の派遣を行いまして、一緒に検討を進めてきました。今、整備の方向性が大体まとまりまして、これからみんなで合意をして整備していこうという状況になっております。 以上で地域風景資産についての説明を終わります。 委員長 ありがとうございます。時間の都合上、コンパクトにまとめないといけないのですけれども、その割には重要な話もありまして。 最初に確認ですけれども、スケジュールというか、大体いつ、今後の検討というか、大まかでもいいのですけれども、どんな感じで考えられているのですか。 事務局 交流会の開催がやっとできるようになりましたので、まず今年度は「風景づくりフォーラム」を開いて、そこでの皆様からのご意見を活用していきたいと思っています。本格的な検討につきましては、来年度から検討会をまた複数開催して、ご意見を聞きながら検討を進めていこうと考えています。 委員長 来年度中ぐらいには、何となく指針は出したいということですか。それとも再来年、2年間ぐらいか、どのぐらいのペースで。 事務局 ご意見ですとか、皆様が思っていることですとか、その辺の内容にもよるのですけれども、方向性を1〜2年ぐらいで出していけたらいいなと考えております。 委員長 分かりました。 では、委員の皆様からご意見等、もしございましたらよろしくお願いいたします。 委員 2つあるのですけれども、1つは、この風景資産の中には負の風景資産というものも既にあるのです。 例えばさっき大学の並木の真ん中に道路標識が掲載されている、成城大学のイチョウ並木の写真がありましたように、既に良質な風景資産が負になっているというものもたくさんあるのです。巨大な看板ができてしまっていたり、それからホワイトエレファント化した使われない歩道橋があったりするわけです。そういうものを廃止するとか手直しするとか、そういったものの発想もないと、先ほどのようにメーキングばかりではなくて、手直しするとかキーピングするという発想が、風景資産を良質に続けていく大事な要点だと思うのです。 ですから、今このようにやってますもいいのですけれども、既に負の風景になってしまっているものをどうやって直していくのかということを、スケジュール化しなければいけないと思います。これが1点です。 それからもう1点は、昨今ここへ来て非常に騒がれているオーバーツーリズムの問題です。オーバーツーリズムが世界的にいろいろ問題になっていまして、ベネチアは入域税とか地域税を導入して制限する動きがあるわけです。そうすると、渋谷ではありませんけれども、「来ないでください」みたいな話を区の人たちがしないといけないというのは大変なことになります。 ですから、このオーバーツーリズムの台頭に対して、相手はグーグルマップを片手に来るわけですから、こういう世田谷みたいな住宅地であろうが、何であろうが、「これはなかなかいいところだぞ」、「隠れた何々だぞ」なんていうところは簡単に見出して、いろいろな海外の方があっという間に来るのです。そうすると、それを目当てにどうしたって受入れ体制を整えますよ。売店をつくる、歩きながら物を食べるような店を出す、大型駐車場を設備して風景を毀損する。そういうことが目に見えているのです。それは既に現われています。 話を速くしますが、私も先日等々力渓谷と九品仏の大イチョウを見てきました。等々力渓谷は、水音がとどろくからという名前の由来でついている等々力渓谷ですから、そんなに大きく変化はないけれども、等々力渓谷の入り口のところにはレストランというのか、そういった観光客受入れ施設がぼつぼつ出始めているのですね。それから、井上靖の「憂愁平野」に出てくる九品仏の大イチョウもかなり、50年前の井上靖が描いた九品仏の大イチョウと少しずつ変わってきているのですね。要するに、マイナス化しているのです。 私はオールドデイズがいいとばかり言うつもりはないのですけれども、放っておくと、観光客とかそういう方々のための施設を安易につくっていくと、固有名詞を出して恐縮ですけれども、鎌倉小町通りになったり、渋谷の「来ないでください」宣言になったり、そういうことになってしまうという、今のマスツーリズムに対する対応を早急に立てないと世田谷も大変なことになるのではないかと思ったりしております。 都市デザイン課長 負の風景資産になっている。おっしゃるとおり、いろいろな時代の変化、都市観の変化によって、風景、景観が変わってくるというのは、ある意味仕方がないところがあるかなという気がしております。ただ、我々都市デザイン課としては、なるべく今ある風景、地域風景資産を守り育てていきたいですし、移り変わる中、それも受け入れながら……。 委員 ただ、発展と振興という慣性の法則になっていますから、どうしても行き過ぎてしまうのですよ。キーピング、守るほうを着実にやらないと、発展と振興の慣性の法則に駆逐されると思います。 都市デザイン課長 分かりました。ありがとうございます。 またオーバーツーリズム、そういう外国人の方だけでなく、世田谷区を訪れるもちろん日本にお住まいの方含めて、マナーというのですか、モラルは守っていただきたいと思っています。そういったところは個々、個人だけでなく、区側としても周知、皆さんに協力いただいてよりよいまちを残していくというところで、観光に来られる方に対していろいろな形で協力をしていただけるように努めていきたいと思っております。ありがとうございます。 委員長 時間が限られていますので、まとめて回答していただこうなと思います。多分それぞれあるのではないかという気がしますが、皆さんいかがでしょうか。 お願いします。 副委員長 今のお話も受けてというところと、先ほど委員長からも質問があったスケジュールという部分で、既にいろいろな問題点を洗い出していらっしゃるところだと思うのですけれども、検討するのは少し早めに動いていったほうがいいのかなという感想を持ちましたので、ご検討をお願いいたします。 都市デザイン課長 地域風景資産を残していくというところで、活動団体の高齢化、先ほど二見からも説明させていただいており、難しい課題になっていると思ってございます。 風景づくり計画が来年度と再来年度、2か年かけて改定の作業を進めていきますので、その中で一緒に地域風景資産の在り方について検討していきたいと思ってございます。 委員 先ほど言い残した中で、最大の負の景観遺産は電柱ですよ。日本は世界の中で電柱が一番多い。これは間違いないです。その電柱が我々子どもの頃は木製で、あんなに高くなかったのです。のっぽではなかったのです。ところが、今はコンクリート製でかなり高いのです。なぜそうなったかというと、その上にトランスという変圧器を設置しなければいけないので、高くして頑丈な電柱をずっと造ったわけです。ということは、昔に比べてずっと高いところまで、景観が電柱、電線によって毀損されているということです。 それの地下埋設を進めていますけれども、先ほど申しましたように多機能な電柱に既になっていますから、なかなか容易ではないのです。都知事が「ネクタイを引っこ抜いたのだから、電柱も引っこ抜きます」なんて言っていますけれども、そんなに簡単なものではないと思います。この電柱の地下埋設という作業は。 しかし、あれを地下埋設すると、本当に街並みの空中景観は格段によくなる。青空がしっかり見える。写真写りもいい。電柱というのはそういうものを大きく毀損してしまっているのですよ。ですから、今の地下埋設なら地下埋設でいいですけれども、計画的に地下埋設化を進めていかないと、なかなか戻ってこないのではないかなと思います。 都市整備政策部長 電柱というのは「風景」という言葉が出る以前、何十年も前から都市景観の1つのポイントだった思います。 世田谷区でも無電柱化計画は持っておりまして、順次電柱の地下化を行っています。ただ、お話のとおり、電線だけではなくて電信線、それから様々なライフラインを含めた共同溝的なもので下に落としておりますし、また先ほどお話にあったトランスはどうしても地上に機械として置かないといけないので、そういうスペースも必要ということで、幹線系の広い道路でやっていくのが今のところは精いっぱいなところであります。 本当はもっともっと皆様がお住まいの地先の道、道路についても順次やっていければというのはあるのですけれども、1本1本の電線や電信線というのがそれぞれのお宅の生活を支えております。また、地下に埋める空間がどこにあるのかとか、そういったところを考えていくと、様々な新しい取組みは出てきていて、ソフトを地中化という形で、民間の土地をお借りしながら地下に潜らせられないかとかありますが、行政として手をつけて、そこまで道筋をつくっていくというのは正直見えてきていないところはあります。 ただ、新しく街区、まちができていく中では、そこに造っていく大きな道路とか、あるいはまち全体の例えば再開発が行われるときには、細街路についてもより地中化していくような、全体としての方向性は事業者も含めて持っております。そこがいつまでにというのはなかなか見えにくいですけれども、進めていく必要はあると思っております。 委員 大型歩道橋はどうですか。歩道橋は日本が昭和50年から60年頃に設置したのです。今度それをODAで、タイとか中国とか韓国に持っていっているのです。 最近タイは、あの歩道橋がかなりの景観毀損になっているので、取り外しているのです。日本ではあまり聞かない。ただ、私の近くのところで1つ歩道橋を取り外したのですよ。多摩堤通りと世田谷通りのちょうどクロスしているところ。 都市整備政策部長 歩道橋は確かに今、順次減ってきているとは思っています。 ただ、どちらかといいますと、歩道橋を撤去するというのは老朽化、あるいはそれに代わる例えば横断歩道とか、そういった整備が進んでいる。また、その前提としては、そこの交通量とかの関係ですかね。そこに信号をつけてしまうと渋滞が発生するので外せない歩道橋もあると思いますし、そういったものが満足されれば外されていく。 歩道橋そのものもバリアフリーの問題とか、様々ありますけれども、全ての方々の移動手段として必要性があってあるものなので、なかなか代わりの手段が確保されるまでの間に、景観という切り口でそこをなくしていこうというのは基本的には難しいのかなと。 ただ、例えば昔ながらの黄色、オレンジといった歩道橋というより、最近は水色のもの、新しく造るものは色彩について配慮されているものは増えてきていると思います。恐らくその辺のバランスの中で、景観の中のそういった横断施設を捉えていくことになるかなと思っています。 委員長 よろしいですかね。風景そのものは個別の1か所ではなくて、いろいろなものを重ね合ってできているものだと思います。そうすると、その対象になるものだけではなくて、その周りにあるものも併せてどうつくっていくかというのは、これまた非常に重要な課題ではあると思います。この制度の中ではできないこともあると思うので、それを含めて総合的に風景をどうつくっていくかというのをまた検討していただきたいと思います。 時間も限られているということで、地域風景資産、要は来年度以降本格的にその在り方を検討されるということですので、そこで詳しくまたご議論させていただければと思いますけれども、私から簡単に3点だけあります。 1つは、この86件の検証というのでしょうか、これまでどうだったのかというのはもう1回再検証するのは重要だと思っています。そうはいっても、解除というのは多分1個も、そもそも解除制度はないと思いますけれども、86個のうち全部なくなったというのがないとすれば、20年間でそれなりの成果とも言えるとは思っています。 例えば横浜は歴史的認定建造物という歴史的な建造物を守る制度あるのですけれども、解除はありまして、どんどんなくなったりしているのに比べると、解除されていないという意味ではすごい大事だなと。ただ、それはこの仕組み上は、活動をいろいろ頑張ってみんなやっているので、それで何とかそういう機運を高めていこうという仕組みだと思うのですけれども、同時にもう1つステータスというか、地域風景資産になったことそのものが価値だったりするので、その辺、要は何が効いて今の状態になっているのかというのを確認する必要があると思うのです。 一方で、今ご議論もあったとおり、解除されていないから全部守られているかというと、必ずしもそうではないというか、要は放置になっているものとか、そういうものも多分あるということもあるので、逆に言うと思い切って解除というのが必要なのかどうかということも含めてどうするか。要は、維持するためにどうするかというのを考える必要があると思います。 2点目に、登録は正直今のままだと全くメリットがないというか、やる側に対してインセンティブがあまりにもなさ過ぎる気もしています。一方で、目的もいま一つ選定と何が違うのか分かりにくくて、何を目指しているのかを明確にしたほうがいいと思います。 先ほどの横浜の認定制度は認定すると保全に対して助成金が出るので、出す側にメリットがあるのですね。ただし、行政でやっているので解除はお金を返せば解除できますみたいな感じにはなってしまっているのですけれども、そういうメリットはあるので。例えば先ほどの維持管理のところで、少しでもこれをやると努力義務もつくけれども支援も出ますとかプラスマイナスでついていないと選定でもう十分ですということになってしまう。選定でさえ大変なので、そこから先というのはなかなか考えにくいのかなと思うので、その辺を検討していただきたい。 3点目は、選定を、今、第何回でがっとやりますみたいになっていますが、随時とまでは言わないですけれども、年次で例えば出入りできたりというのがあってもいいのではないかと思っています。つまり、タイミングを逃しているものがあるかもしれないというか、そういうものを含めたときの、もう少し前提も含めた入り込む気軽さというのが、ご意見たくさん出ていますけれども、その辺りの仕組みみたいなものは多分ご検討いただいたほうがいいと思います。その辺りの中身については来年度以降だと思いますけれども、確認していただきたいと思います。 ということで、今、一応団体さんとの交流会も進みながら、少しずつ情報収集が始まっているということだと思いますので、それを踏まえながら来年度以降きっちり議論できればと思っております。 何か強引にまとめておりますが、申し訳ありませんけれども、もう1個議題がございます。もう1つの報告事項に参りたいと思います。 報告事項の3つ目「風景づくり計画の改定について」ということで、こちらも事務局からご説明よろしくお願いします。 都市デザイン課長 お時間のほうが限られてきましたけれども、続きまして報告事項(3)「風景づくり計画の改定について」でございます。事務局よりご説明させていただきます。 事務局 説明させていただきます。今日は具体的な内容というよりは予告みたいな形になりますので、お話しさせていただきます。改定の趣旨とスケジュールについて、簡単にご説明させていただきます。 まず、「改定の趣旨」ですけれども、風景づくり計画は景観法第8条に基づく景観計画として策定しまして、平成20年4月より運用してまいりました。 平成27年4月には、風景づくり活動の充実を図るとともに、届出制度によって風景づくりをより充実して進めていくために、大幅な改定を行って運用しております。この改定のときに計画期間はおおむね10年と設定しておりまして、このとおりだとおおむね令和7年3月までとなっております。あと経緯としましては、令和4年、昨年度は重点区域の界わい形成地区の指定に伴って、一部の変更を行っています。 今回の改定の目的ですけれども、まず現計画の計画期間の満了に伴いまして、次の2つの内容を踏まえて現計画を評価検証しまして、必要な見直しを行ってまいります。 1つ目は、上位計画との整合を図るということです。 現在新たな世田谷区の基本計画と実施計画の検討が進められておりまして、また都市計画のマスタープランであります都市整備方針の第二部「地域整備方針」の改定作業が進んでいます。まずこれらの上位計画、またできた上位計画との整合を図ってまいります。 あと2つ目は、社会情勢の変化に対応した風景づくりの推進を図っていくという内容になります。現計画策定のときにはなかった新たな課題ですとか視点などについて検証しまして、必要な修正を行ってまいります。 続きましてスケジュールですけれども、この風景づくり計画の改定作業は令和6年度及び7年度の2年間をかけて行おうと予定しております。 こちらの風景づくり委員会には、改定について来年度諮問させていただきまして、改定の骨子の作成、素案の作成、案の作成までご検討いただく予定です。 なお、検討には現行計画の評価検証、区民参加による意見交換会ですとか区民意見募集によるご意見を反映していくこと、庁内で検討していくことなどを行っていく予定です。 改定しました風景づくり計画の運用は、令和8年4月を予定しております。 風景づくり計画の改定につきましては、以上になります。 委員長 ありがとうございます。中身の話はなかったですけれども、10年かかってきたので大きく見直しというか、チェック、リチェックしていくというお話でございました。 こちらに関して、何か委員の皆様からご意見、ご質問等ございますでしょうか。 特によろしいですか。ありがとうございます。 ある意味、定期的なチェックみたいなものがあるのですけれども、先ほど地域風景資産の議論であったような管理というか、これからそういうものを持続して、風景を維持していくための仕組みをどうしていくかというのは大きな課題だと思っております。そこまでこの風景づくり計画で入り込めているかというと、必ずしもそうでないところもある気がするので、風景づくり計画の在り方そのものの中でも少し維持とか、そういう仕組みができた後どうしていくかみたいなことをどのように考えていくかというのは、改定のときの大きな議論のポイントになるのではないかと思っているので、ぜひお願いしたいということ。 地域風景資産は本当に地域の方々とつくり上げている感じがあるのですけれども、風景づくり計画は若干距離がある気がしまして、なので、先ほどの区民参加のところでの改定の在り方も単に意見交換の場を行うというだけではなくて、そこで議論した結果がこの風景づくり計画の改定にどう反映されていくのかみたいなプロセスデザインというのですか、そういったところも少しご検討いただきながら、世田谷区らしい、よりよい形での風景づくり計画の改定になるといいのではないかと思っています。その辺りのやり方みたいなことも、今後ご検討いただけるとありがたいと思います。 では、よろしいでしょうか。これで一応3つの報告事項、議題としては以上ということになります。残りは、事務局から連絡事項をよろしくお願いいたします。 都市デザイン課長 委員長をはじめ、委員の皆様、どうもありがとうございました。駆け足で進めさせていただきましたけれども、どうもありがとうございます。 それでは、次回委員会の予定についてご連絡させていただきます。 次回の開催時期につきましては、来年の2月から3月頃を予定しております。先ほどの「風景づくりフォーラム」の時期も見据えながら、予定を考えていきたいと思ってございます。開催時期が決まりましたら、改めて皆様にご連絡させていただきますので、日程の調整をさせていただければと存じます。 それでは、これをもちまして令和5年度第1回風景づくり委員会を閉会させていただきます。皆様、どうもありがとうございました。 ――了――