令和4年度 第2回世田谷区風景づくり委員会 議事概要 日時:令和4年12月15日(木曜日) 午前10時から午前11時30分 場所:二子玉川分庁舎 大会議室 都市整備政策部都市デザイン課 【附属機関会議録】 ・会議の名称 令和4年度 第2回世田谷区風景づくり委員会 ・事務局を主管する課の名称 都市整備政策部 都市デザイン課 ・開催日時 令和4年12月15日(木曜日)午前10時から午前11時30分 ・開催場所 二子玉川分庁舎 大会議室 ・出席者 【世田谷区風景づくり委員会】 野原卓委員、後藤智香子委員、福岡孝則委員、田邉学委員、山本緑委員、髙橋典博委員 【事務局】 都市整備政策部長:畝目晴彦 都市整備政策部都市デザイン課長:髙橋毅 都市デザイン担当係長:二見征 担当職員:猪瀬俊子、和田楓磨 ・会議の公開・非公開・一部非公開の別 公開 ・傍聴人の人数 2名 ・会議次第・内容 開会 「議題」 1.報告事項 奥沢1~3丁目等界わい形成地区の指定について 2.報告事項 地域風景資産の名称変更について 3.事務連絡閉会 令和4年度第2回世田谷区風景づくり委員会 令和4年12月15日(木曜日) ○都市デザイン課長 皆様、おはようございます。年末のお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。定刻となりましたので、令和4年度第2回風景づくり委員会を開催させていただきます。本日司会を務めさせていただきます都市デザイン課長の髙橋です。どうぞよろしくお願いします。 本日の委員会の開催につきましては、前回同様に新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じまして開催しております。安全に配慮して進めてまいります。 また、本委員会は、議事録と名簿を公開しております。議事録の作成に当たり、速記の委託業者により会議の録音をさせていただきます。あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。 また、本日の委員会ですが、第11期世田谷区風景づくり委員会委員の委嘱期間が令和5年1月31日までとなってございまして、本日は最後の委員会となります。区民委員の○○委員、○○委員におかれましては、本日が最後の委員会となりますので、最後に一言ずついただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、開会に先立ちまして、都市整備政策部長の畝目より皆様へご挨拶申し上げます。 ○都市整備政策部長 都市整備政策部長の畝目でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は大変お忙しい中、また師走の慌ただしくなってきた中で本当にお忙しいと思いますが、本委員会にご出席いただきましてありがとうございます。また、日頃より世田谷区の街づくり行政等にご協力いただきまして、重ねて感謝申し上げます。 ここの会場は皆様は初めてでしたでしょうか。2回目ですか。 簡単に改めてご紹介したいと思うのですが、世田谷区役所の本庁舎の建て替えに合わせまして、各セクション、全部で5領域あるのですが、それぞれが本所に残り、あと梅丘の保健所だったところを仮庁舎として、都市整備部門はここ、旧都立玉川高校になります。玉川高校自体はかなり前に閉校して、統合して活用されていなかったのですが、その後、東京都の公文書館でしばらく使われていました。昨年、ゴールデンウィーク中に都市整備部門、都市整備政策部、それから土木、道路、環境、営繕部門、全部で550名になりますが、こちらに一気に移動してきたという形になっています。 本所自体は完成が令和9年度を予定していますが、我々の部門は令和7年度に移る予定になっています。その後のここの活用についてはまだ決まっていないといったところです。 ここの活用に当たっては、今、会議室等は全部1階にございまして、オフィス部門といいますか事務部門は全部2階、3階を活用しています。 それは以前、2019年の台風によりまして、多摩川とそれにかかる野川ですとか、それぞれの川が溢水しまして、この部分も一部浸水しています。そうした関係もあるので、事務部門については上に上げて、下については万が一溢水したときに、それに備える止水板をそれぞれ出入口に設置できるような改良をしております。こうした対応を取りながら、それぞれが活用できるように取り組んでいるところでございます。 それでは本日の議題ですが、まず奥沢の界わい形成地区の指定につきましては、委員の皆様から頂いたご意見等を踏まえまして、6月に地区指定、そして10月から運用を開始してございます。本日は運用以降、その後の取組みについてご報告していきたいということでございます。 また、本日の2つ目の議題ですが、地域風景資産の名称の変更ということで、今回2か所あるのですが、地域状況等の変化に伴い、名称を変更するものでございます。 それぞれについてご意見、ご助言等を頂ければと思ってございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○都市デザイン課長 ありがとうございました。 それではまず、本日の委員の皆様の出席についてご報告いたします。本日の委員の出席は6名となってございます。したがいまして、本日の委員会は世田谷区風景づくり条例施行規則第34条に定める会議の定足数に達していますことをご報告させていただきます。 それでは、世田谷区風景づくり委員会委員の皆様をご紹介させていただきます。こちらから順にご紹介いたします。 ○○委員でございます。 委員長の○○委員でございます。 ○○委員でございます。 ○○委員でございます。 ○○委員でございます。 ○○委員でございます。 なお、○○副委員長におかれましては、ご都合によりご欠席のご連絡を頂いております。 続きまして、本日出席しております区の職員を紹介いたします。 改めまして、都市整備政策部長の畝目でございます。 私は都市デザイン課長の髙橋でございます。よろしくお願いします。 続いて、事務局を紹介します。 都市デザイン課担当係長の二見でございます。 担当の猪瀬でございます。 続きまして、担当の和田でございます。 また、界わい形成地区指定の検討業務を委託しておりますコンサルタントの株式会社アルテップから1名、田村でございます。 ここからの進行は、世田谷区風景づくり条例施行規則第32条2項により、委員長にお願いできればと思います。それでは委員長、よろしくお願いいたします。 ○委員長 皆さん、おはようございます。寒くなってきましたが、皆さん、お集まりいただきまして、ありがとうございます。では、早速ですが、令和4年度第2回風景づくり委員会を進めたいと思います。 初めに、事務局より資料の確認をよろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 お手元の資料の確認をいたします。なお、本日の資料につきましては、あらかじめ委員の皆様に郵送させていただいたものと変更はございません。 本日の資料でございますが、まず、委員会の次第でございます。 次に、資料1、風景づくりの手引き「奥沢1~3丁目等界わい形成地区」です。 次に、資料2「風景づくりの手引き(概要版)」でございます。 次に資料3「奥沢1~3丁目等界わい形成地区指定」の案内のチラシでございます。 次に、資料4「奥沢界わいニュース」第11号でございます。 次に、資料5「奥沢界わいニュース」第12号でございます。 次に、資料6「みどりの街づくりガイド」でございます。 次に、資料7「助成制度のご案内」のチラシでございます。 次に、資料8「3軒からはじまるガーデニング支援制度」のチラシでございます。 次に、資料9「風景祭」のチラシでございます。 次に、資料10、風景祭のスタンプラリーマップでございます。 次に、資料11、スライド資料でございます。 次に、資料12、風景づくり計画変更の修正内容でございます。 次に、資料13「奥沢1~3丁目等界わい形成地区の指定に伴う風景づくり計画変更(追録版)」でございます。 以上でございます。 また、閲覧資料としまして、「世田谷区全図」、また「都市計画図1・2」、「風景づくり計画」「界わい形成地区ガイド」「地域風景資産一覧」を机上にご用意させていただいております。 以上が本日の資料でございます。お手元にない方がいらっしゃいましたらお知らせください。よろしいでしょうか。 ○委員長 ありがとうございます。 大量になっていますが、恐らく資料11というのがスライドになっていて、これがベースになると思いますので、これをお手元で見ていただきながら進めていただければと思います。 早速ですが、報告事項になります。 報告事項は2件となっておりますが、まず1つ目の報告事項「奥沢1~3丁目等界わい形成地区の指定について」ということで、今お示ししている資料11と多分、資料1、2、12、13辺りがあれば大体分かると思いますので、その辺を脇に置いていただきながら聞いていただければと思います。 では、1つ目の報告事項について、事務局より説明をお願いします。 ○都市デザイン課長 まず報告事項1でございます。「奥沢1~3丁目等界わい形成地区の指定について」でございます。担当係長の二見よりご説明させていただきます。よろしくお願いします。 ○事務局 では、私から「奥沢1~3丁目等界わい形成地区の指定について」の説明をさせていただきます。 多分、20分ぐらいの説明になりますので、よろしくお願いします。 こちらの項目の内容について説明をさせていただきます。 まず1つ目、地区指定と運用開始について説明させていただきます。 本年4月25日に開催しました第1回風景づくり委員会におきまして、奥沢1~3丁目等界わい形成地区の指定に伴う風景づくり計画の変更について諮問をさせていただき、答申を頂きました。本日はその後の経過や取組みなどについてご報告させていただきます。 初めに、前回の委員会にて諮問させていただいた案についてご意見を頂きましたので、その後、修正をしました内容についてご報告させていただきます。このスライドと、資料12の1枚のカラーのプリントを御覧いただけますでしょうか。 前回、界わい形成地区指定に伴う風景づくり計画変更案のご審議の際に、各エリアの風景特性と将来像の記載について、書きぶりにばらつきがありますというご意見ですとか、年代などについて記載をきちんとしたほうが分かりやすいのではないかといったご意見、ご指摘を頂きまして、この地区の特性が明確にこの冊子を見て建築主や事業者に伝わるように記載を修正、追記したほうがよいというご意見を頂きました。このご意見を受けまして、ご指摘部分の修正、追記をしまして、委員長にご確認を頂き、その修正案とともに答申を頂きました。 具体的な修正箇所としましては「歴史と緑のエリア」「道祖神通りエリア」につきまして、「風景の特性」欄の具体的な年代などを追記しました。また、道祖神の記載について少し追記をさせていただきました。それから、将来像の文言について表現をそろえました。 こういった修正を加えまして、この案をもって答申を頂きました。 答申を頂きました後、議会への報告や諸手続を行い、本年6月30日に風景づくり計画の変更、地区の指定を行いました。そして、周知期間をとった後、10月1日より運用を開始しております。 続きまして、指定から運用までに行った周知についてご報告します。 まず、事業者向けには指定の前の段階から先行して周知を始めております。窓口やインターネットの土地の条件などを調べる地図のシステムに界わい形成地区の内容を反映させ、案内を始めております。 また、ホームページにおいて、界わい形成地区の指定の告知、都市デザイン課、都市計画課、各街づくり課などの窓口においてチラシの配布やご案内を先行して始めております。 そして、指定の後は、事業者の団体などに周知を行いました。各建設業界団体や設計事務所協会など、各ハウスメーカー、新たに基準を設けましたコインパーキングの事業者、それから自動販売機の協会などにも周知を行いました。 この地区内のコインパーキングの事業者は20以上の事業者があり、この事業者全てに周知を行っております。 また、地区住民向けには「界わいニュース」11号、12号を地区内に全戸配布するとともに、重点エリアの地区外に住んでいる地権者の方々へも郵送して周知を行っております。 その他の周知としましては、地域のイベントへの参加ですとか、風景祭を開催して周知を図るとともに、奥沢駅前の広場に界わい形成地区の標識を設置しました。 あと、地区内の広報板への掲示ですとか、奥沢交和会、地元自治会の回覧ですとかホームページ、地元で活動されている土とみどりを守る会の通信やホームページなどによっても、地域と連携しながら周知を丁寧に進めてまいりました。 続きまして、冊子についてご紹介をします。お手元にございます資料1、こちらの手引きを一緒に御覧いただければと思います。 これまでこちらの委員会にて奥沢界わい形成地区を分かりやすく説明する冊子としてガイドブックを作っていきますということで説明させていただいておりましたが、最終的には名称は「手引き」という名前でこちらの冊子を作成いたしました。 これは世田谷区全域において、現在「風景づくりの手引き」の計画編と色彩編を活用して、全域で誘導を行っております。今回の冊子はこの手引きの奥沢版ということで、風景づくりの手引きという名称になりました。 内容について簡単にご説明させていただきます。 まず表紙をめくっていただきますと、初めにご挨拶があります。地域の皆様とともに地区指定まで取り組んでまいりましたので、地域の方々を代表して奥沢交和会の理事長よりご挨拶を頂いております。 それから目次と、最初のところで奥沢の魅力的な風景をイメージの写真とともにご紹介しております。 続いて、ページをめくっていただきますと、次は「地域の皆様によって育まれた奥沢の風景」ということで、これまでの地域の皆様の生活の積み重ねによって育まれてきた奥沢の魅力的な風景を次世代へ引き継いでいきましょうというメッセージを、このページでは掲載させていただいています。 次をめくっていただきますと、「奥沢の歴史」について、地域の方のお話を交えてご紹介しています。この冊子はこういったメッセージとか住民の皆様の生活や思いを建設事業者の方、建て主の方にしっかり伝えることが重要であるため、地域の方々にご登場いただきながら、冊子の初めと、後ろのほうにもあるのですが、このような内容を掲載させていただいています。 ページをめくっていただいて、7ページ、8ページです。界わい形成地区の制度の説明ですとか奥沢での界わい形成地区のポイント。8ページからは奥沢1~3丁目等界わい形成地区の内容となります。 まず8ページは区域と風景づくりの方針を記載しております。 9ページから11ページにつきましては、エリアごとの特性、方針、将来像をお示ししております。 続いて、12ページから17ページについては、一番メインとなる奥沢の「風景づくりの基準」について、その解説と配慮の方法を記載しております。事例の写真やイラストを使って、事業者の方々に分かりやすくご説明をしております。 少し飛びまして、18ページから20ページにつきましては、奥沢の色彩基準について記載をしております。数値の基準と色彩の考え方について説明をしております。 続いて21ページは「届出が必要な行為と規模」、22ページは「手続きの流れ」について説明しております。21ページには併せて、一定規模以上の場合は奥沢の基準以外に、一般地域にかかっている基準もかかりますので、その説明を記載しております。 続きまして、22ページ、23ページです。こちらは「私の風景づくり」としまして、地域で風景づくりを楽しまれている方々のお話をインタビュー形式で伺いましてご紹介しております。こちらも建物を建てる方々に地域の皆様の取組みや思いを紹介して、この地区はこういった地区であるということを伝えるためのページとしております。 次に25ページです。その前のページで紹介しましたお庭づくりの流れとしまして、今度は建てる方々、お住まいの方々にお庭づくりや緑づくりの際にぜひご活用いただきたいということで、緑化制度のご紹介をしております。 右側の26ページは界わい形成地区が指定されるまでの地域の皆様との取組みの経緯をご紹介しております。 以上が「風景づくりの手引き」の説明です。 続きまして、今度は資料2、似たようなパンフレットなのですが、こちらは「風景づくりの手引き」の概要版です。これは「風景づくりの手引き」の内容を抜粋してパンフレット状にしたものになります。こちらは一般の方々向けに、今度は主に周知や啓発のために活用していくものです。 手引きの中から奥沢の魅力的な風景ですとか界わい形成地区の制度、手続の流れ、みどりの助成制度について抜粋して掲載しております。 窓口で、どう誘導しているかをご紹介させていただきます。スクリーンを見ていただければと思います。 この「風景づくりの手引き」とともに、「届出の進め方」という黄色い冊子がありましてこれは主として手続きのことが書いてあるもの。この2つを使いまして、手続きと奥沢の基準はこういうことをお願いしますという誘導を行っています。 併せまして、奥沢では緑づくりが重要であるため、緑化助成制度のパンフレットと土とみどりを守る会が発行している「みどりの街づくりガイド」も併せて配布しております。 今、事前相談の方々がいらっしゃっているのですが、この助成制度も含めて、全て相談に来た方にお配りして、ぜひ緑を植えてくださいということでご案内をしています。 続きまして、相談と届出の状況が現在どうなっているかということをご紹介させていただきます。 事前にお配りした資料では届出は2件と書いてあったのですが、昨日また2件届出が出まして、現在、届出の件数は4件となっております。 戸建ての住宅が3件、長屋が1件で、いずれも小規模の建物の計画の届出が出ております。4件とも「緑の街並みエリア」の中で、重点エリアの届出はまだ出ていません。 事前相談は今、20件ぐらい来ているのですが、基準をもとに誘導しているところです。主に戸建て住宅がほとんどですが、診療所ですとかコインパーキングも具体的な相談が今、1つ来ています。 コインパーキングは大手の事業者さんなのですが、よくあるような黄色い色は使わないで、ダークブラウン系の景観配慮型のタイプにしていただくということで今、調整を進めているところです。 続きまして、秋に開催しました「風景祭」のご報告をさせていただきます。 「風景祭」ですが、コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年、2021年は開催を見合わせたため、今回3年ぶりの開催となりました。11月20日の日曜日に開催しました。 場所は駅前の奥沢区民センターをメイン会場としまして、道祖神通りの交差点、シェア奥沢、町会の奥沢交和会館を同時開催会場としました。また、駅前広場では、テントを張りまして、ご案内所として開設させていただいております。 実施した内容をご紹介します。当日はお天気が悪くて雨模様で、しかも気温が低い日で寒かったのですが、大体90人ぐらいのご参加をいただきました。去年度行ったオープンハウスが大体100人ぐらいのご参加だったので、同じぐらいの方が参加された状況です。 「風景祭」の内容のイベントの1つ目ですが、午前中にセミナーを開催しました。テーマは「緑の効果を知る体験セミナー『緑のチカラを暮らしに活かそう』」というテーマです。 後ほどご紹介しますが、東京都の緑化事業「界わい緑化推進プログラム」のコーディネーターを務めていただいております株式会社チームネットの甲斐徹郎先生をお招きして、緑が自分の暮らしにどんな得があるのかを体感実験を通して実感していただくセミナーです。 セミナーにご参加いただいた方には、参加賞として苗木を配布しました。これも東京都の事業で「苗木供給事業」というのがあるのですが、そちらを活用して、オリーブとブルーベリーの苗木を合わせて50ポット用意してお配りしました。午後にはセミナー以外の参加者の方にもお配りして、今後、奥沢の地区の中で育っていったらいいなと思っております。 体感セミナーの内容を一部ご紹介します。 左側の写真ですが、これは発泡スチロールと鉄アレイを用意して、これを素肌で触るとどちらもそれぞれの温度は室温と同じ大体20度ぐらいだったのですが、実際に触ってみると、発泡スチロールは温かく感じて、鉄アレイのほうは冷たく感じます。快適な暮らしを知るにはこの「温度」と「体感温度」の違いを知ることが大切といった内容でした。 右側の写真ですが、こちらは太陽に見立てた熱のある投光器を用意して、その前にすだれを垂らして、すだれの片側にはスプレーで水分を吹きかけて湿らせました。頬を当ててみると、水分があるほうが涼しく感じるという実験です。 この実験によって、住宅の周りに水分を含んだ植物を植えることによって、例えば夏の間に住宅の中の室温は同じであっても、中にいる体感的にはその木があったほうが快適に過ごすことができるということを実感で理解できるようなセミナーの内容でした。これによって、家の周りに木を植えることが得なのだなということが分かるという内容になっております。参加者の皆さんはこれを体感していただいて、ご納得いただいているご様子でした。 こういった体感セミナーに続いて、セミナーの最後に、ぜひ皆様のお宅にも緑を植えてくださいということで、緑化制度についてご紹介させていただきました。 もう1つのイベントですが、今回「奥沢の風景をめぐるスタンプラリー」を開催しました。 前回、2019年にもスタンプラリーを開催したのですが、今回は2丁目だけではなくて道祖神通りのほうですとか、前回と同じように2丁目にもスタンプポイントを設けて、3か所のスタンプポイントを回っていただきました。お手元に小さく畳んだスタンプマップというのがありますが、こちらを全会場で配布して、どこからでもスタートしてよくて、スタンプを押していただいたら最終的にはゴールの区民センターへ来ていただくと景品がもらえますという企画です。 奥沢区民センターのメインの会場では、併せてお子様のお楽しみコーナーも実施しました。 今回、このお子様向けのお楽しみコーナーは、「私の風景トートバッグづくり」ということで、奥沢の風景にまつわるスタンプを幾つか用意して、無地のトートバッグに押していただいて、ご自分のトートバッグを作っていただける企画です。 お子様だけではなく、大人の方にも楽しんで作っていただきました。 もう1つは、スタンプラリーの景品を兼ねて「おくさわ風景缶バッジづくり」を行いました。これは去年のオープンハウスのときに行ったものと同じ企画を行いました。 あと、界わい形成地区の周知のために各会場ではパネル展示を行いました。奥沢区民センターでは「風景づくりの手引き」の展示と併せて、地域で活動されている奥沢地誌保存会による町並みの歴史の展示ですとか、土とみどりを守る会の活動のご紹介の展示などを行いました。 パネル展示は、例えば道祖神通りの道祖神のある交差点の昔の写真を住んでいる方からご提供いただき、昔と今とを比較したような写真を展示するなど、ほかの会場でもその会場独自で、特性に合わせた展示を行いました。 続きまして、各会場の様子です。こちらは道祖神通り、道祖神のある交差点の会場の様子です。 道祖神交差点の道祖神の向かいにあるお宅のガレージをお借りしまして会場としました。スタンプポイントとパネル展示のほかに、こちらのお宅のご夫婦の提案によって、ミニクリスマスツリーの工作コーナーを設け、たくさんのお子さんが楽しんでいました。 道祖神通りの名前が決まったときに、こちらの委員会でも道祖神通りをお披露目するようなイベントができたらいいのではないかというご意見を頂きまして、今回、たまたまここにお住まいの方にもご協力いただきまして、ここを会場として実施することができました。 ほかの会場ですが、シェア奥沢では同時開催として土とみどりを守る会によってガーデンカフェですとか、植物をモチーフにしたワークショップなどを開催しております。 それから、奥沢交和会館では奥沢交和会の皆様のご協力によって、スタンプラリーに来た子どもたちに景品を配布したり、クリスマスにちなんだ飾りつけなどもしていただきまして、同時開催のものと併せて相乗効果を狙って開催しております。 最後に「今後について」です。 まず今年度の取組みについて、2つご紹介させていただきます。 1つ目は「界わい緑化推進プログラム」の実施です。 このプログラムは、東京都と東京都公園協会による緑化事業です。3年間限定で、民有地の緑化費用の一部助成をすることと、専門家を派遣いただける制度になっております。 エリアを道祖神通りの沿道に絞り、そこをモデルエリアとして導入させていただいております。 このプログラムは、地域と地元の自治体が協働して行う民有地の緑化ですとか、地域の緑化活動のコミュニティづくりを東京都と東京都公園協会が支援するという仕組みの事業です。 単に緑化する費用だけを助成するのではなくてコーディネーターの方、専門家の方を派遣して、対象地区において緑の効果を知るセミナー、先ほどのセミナーですとか、あとは地区の緑化をどうしたらいいのかを地区の皆さんと考えるワークショップの開催、それから緑化プランの提案から施工まで、こういった緑づくりとコミュニティづくりをコーディネートすることがこの事業の特徴となっております。 このプログラムの今後のスケジュールですが、先ほどの「風景祭」のすぐ後、11月26日に対象地区において事業説明会を実施しております。この後、1月と2月にワークショップを開催する予定です。 このプログラムは3年間限定になっておりまして、令和5年度から6年度にかけては、今度は具体的な整備に向けたワークショップの開催、実際の緑化工事の施工を予定しています。 3年間限定なのですが、それ以降につきましては区の既存の緑化助成制度ですとか世田谷トラストまちづくりで行っております「3軒からはじまるガーデニング支援制度」などに引き継ぎ、地域の方々の緑づくりを支援していきたいと考えています。 今年度の2つ目の取組みです。「界わい形成地区指定記念植樹式」を行う予定でいます。 こちらは地区指定を記念して、区長と奥沢交和会の理事長などにご出席いただき、記念植樹を行います。来年1月下旬に奥沢二丁目公園で実施する方向で調整、準備を進めています。植樹する樹木は常緑のヤマボウシを予定していまして、併せて記念の標識も設置する予定です。 ご紹介ですが、この植樹をする奥沢二丁目公園では先日、世田谷区と世田谷トラストまちづくりの主催により、世田谷グリーンインフラ学校の「雨庭づくり」が実施されました。 グリーンインフラ学校では、こういった「雨庭づくり」に興味のある応募者を対象に、講座やワークショップを開催して、「雨庭づくり」を体験するというプログラムでした。講座では、福岡先生にも講師としてご登壇いただいております。 「雨庭」というのは、雨水を集めて一時的に貯留して、ゆっくりと地面に浸透させる庭づくりのことです。下水施設の負担軽減とか生物多様性を豊かにするなどの効果が期待されています。 このように奥沢地区では、世田谷トラストまちづくりと都市デザイン課、みどり政策課などとも連携し、相乗効果で緑を増やす取組みを現在行っています。 最後に、令和5年度以降の取組みです。 引き続き、届出制度による建設行為等への誘導を実施していきます。 それから、定性的な配慮基準なので、効果的に風景づくりを進めるには、今後もさらなる地域の皆様の風景づくりの機運の醸成と定着が必要であるため、引き続きニュースの発行ですとか、地域の方々とともにイベント等を実施して普及啓発を図っていきたいと思っています。 あとは、先ほどご紹介した「界わい緑化推進プログラム」を今後も実施してまいります。 以上で「奥沢1~3丁目等界わい形成地区の指定について」の説明を終わります。 ○委員長 ご説明ありがとうございました。 前回の委員会で、ご報告のスライドの6ページ目にありましたが、区長から諮問を受けまして、この界わい形成地区を指定したいということで、この委員会でも答申をしていますので、そのときにご了承いただいたということになっているのですが、ただしあのとき附帯事項として、幾つかのところは修正してほしいところがありましたので、その部分は委員会の後に直した形でこれができて、完成して、10月から実際にスタートしているということになっていますので、そういう意味では今日はその後のご報告ということではありましたが、それも含めて全体を見通していただいて、委員の皆様からご意見とか、今日のお話も含めて、頂ければと思いますので、よろしくお願いします。 どなたでも結構ですので、何かご意見があれば頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○○○委員 ご説明ありがとうございました。 奥沢二丁目公園の中で、先ほどご紹介のあった世田谷グリーンインフラ学校、今年は2年目でして、去年は世田谷代田の356(みごろ)広場で、実際に区民の方たちにご参加いただいて、この学校は企画の部門から最初にレクチャーを受けて、それから自分たちで実際に計画をして施工するというところ、世田谷区主催、豪雨対策・下水道整備課とみどり政策課とトラストまちづくりの協働で実施しています。 今年は奥沢地区で実施ということで、世田谷区在勤在住の方をメインに公募したところ、4倍ぐらい応募がありまして、毎年参加したいけれどもなかなかできないという方も多かったり、区外からの反響も結構ありました。 グリーンインフラ学校に関する詳細は本日はお話しませんが、本日の資料を拝見していますと、区の助成メニューの中、シンボルツリーや緑化の助成の横に雨水タンク助成というものが併記されているかと思います。現時点では豪雨対策の雨水浸透や貯留の取組みと緑化が個別の事業であり、併記されている状態なのですが、いずれは雨水貯留・浸透と緑化を組み合わせた雨庭が1つの助成メニューになり、グリーンインフラの一つになると良いと考えています。 今回ご指導される中で、現在4件ご相談があるということでした。相談内の周知の仕方として、こういう木が植えられますよという推薦に限らず、多岐にわたる界わい緑化から雨水タンクの助成までを少し整理し、さまざまな助成メニューが分かりやすく伝わるようなアドバイスをして頂けると良いと思ったのが1つ目です。 2つ目は、住宅等が完成したあとのマネジメント、モニタリングに関してです。つくるまでのプロセスは既に出来上がっており、すばらしいなと思いますが、その後ですね。経堂にあるケヤキハウスでは集合住宅で植物を生かした暑熱緩和を実現していて、温度の測定や、生き物、雨水のモニタリングなど色々実践されているという話をお聞きしたことがあります。 まちの大きなイベントだけでなく、日常的に学校等も巻き込んで、地域の緑の測定や、普段みどりや自然に関わる機会が少ない人たちにもお声がけをして、住まれている方たち以外にもう少し広く緑の力みたいなものをきちんと共有したり、うまくマネジメントに反映していくようなことができるといいのではないでしょうか。 世田谷区さんが一生懸命支援されているのはよく分かったのですが、できるだけ時間をかけて自走できるようにしていったほうがいいのかなと考えています。プログラムの組み方、大学の活用などもあるかもしれませんが、次の段階に移行する際に、つくった後どうするか、それをどう持続させるかは大事なポイントではないかと思います。 最後に、非常に丁寧に界わい形成地区に指定していただいて活動が起きているのは評価すべきですが、世田谷区内でもこのような動きをつくらなければいけない地域はたくさんあります。どのように他地域にこのような動きを伝播させていくのかも、都市デザイン課の仕事かなと思いますので、今後の他地域での風景づくりの実装を、課題の一つとしてあげておきます。 今日は報告ということでしたので、感想めいた話になってしまって恐縮ですが、以上になります。 ○委員長 ありがとうございます。事務局から今のご意見に対して何かありますか。 ○都市デザイン課長 今、○○委員がおっしゃられたように、まず奥沢については界わい形成地区の指定がゴールではなくてその後の周知啓発、これまでも周知啓発活動と計画づくりと両輪で進めてきたわけですが、今後は広く普及させていくことが大切だと考えています。 みどり政策課との連携については、世田谷区では「みどり33」を目指して緑化の推進に取り組んでいるのですが、民有地の緑をどう誘導していくかという部分が非常に課題となっておりまして、今回は奥沢が特に沿道の緑を増やしていこうということが1つの柱になっておりますので、その辺で関係所管と連携を取って取り組んでいるところでございます。 考え方としては○○委員がおっしゃるとおりグリーンインフラの考え方が根底にはあるのですが、その部分についてはまだ奥沢の皆さん、グリーンインフラという言葉を使ってもなかなか伝わりにくい部分がありますので、トラストとも相談しながら、「雨庭」というキーワードで周知啓発をしたらどうかということで、徐々にこういう雨水浸透であるとか環境保全であるとか、そういった面も水を含めた緑には活用すると効果があるのだよというところを広めながら、まず個人のお宅でそれを実施して、緑から受ける恩恵を十分に理解した上で、さらに緑づくりについては普及啓発を進めていって、区全体の環境改善に繋がっていく取組みとしていきたいと考えております。 今回、奥沢の界わい形成地区をぜひモデルとして成功させて、他地区にも今後は展開していけたらと考えてもおりますので、ここだけではなくて周辺への周知、啓発の進め方についても今後検討してまいりたいと思っております。 ○○○委員 補足ですが、「みどり33」の量を達成するのが厳しいのではないかという話になっていまして、量を目的に今まで頑張ってきて、それは続けてほしいのですが、世田谷の緑とは何だろうと考えたときに、そこに人の手が入って、人と自然の関わり方みたいなところとか、緑の質みたいな話ですよね。小さい緑だけれども、その性能とか、それからもう少しそれをもっていろいろな人たちをつなげていくようなところで持っている緑は世田谷の中にたくさんあると思いますので、そこら辺をどう評価するかというところが多分、今、庁舎のほうも34パーセント緑化したからいいだろうみたいな話で、そうではなくてという議論が今、庁舎の区民交流スペースでも起きてきているのです。 33という量を増やすという話に加えて、どれぐらい質とか人と自然のつながりをつくっていくかというところをコーディネートしていくところが世田谷の1つの特徴かなと私は思っていますので、それを進めていく上でも、今日、主体としては申請者さん、ハウスメーカーさんとか駐車場のメーカーさんももちろんそうなのですが、世田谷の造園協力会さんとか建築士会さんとか、多分、世田谷ローカルで結構頑張られている方たちもおられると思うので、いろいろなところに、いろいろな団体に少しずつそういう取組みとかをご周知いただけると、どんどん広がりが見えるのかなと思いましたので、ぜひここでそういったことができるかなと。 ○都市デザイン課長 緑については、人間だけのものではなくて、生物多様性の観点からすると、人間も含めた生き物全体の環境をうまく整えていかなくてはいけないという部分がございますので、なるだけ多様な植生であるとか、多様な生物が生息できるような環境づくりをみんなでつくっていこうということが1つ課題になっていると思います。 各住宅メーカーでも、そうした取組みに前向きに取り組んでいこうと感じられるところがありますので、その辺もうまく、できればこういった取組みについてはセールスポイントにしていただくことで、窓口では指導していきたいと考えております。 ○委員長 ありがとうございます。緑と言っても、見た目に見える、ビジュアルな緑、背後にある環境、水もそうですし土もそうですし、そことのつながりの中で広く捉える概念というのが、多分、こうやってしゃべるとみんな「そうですよね」と言うのですが、実際にいざやるときに事業は全部ばらばらになっていて、結局、口ではみんなそう言うのだけれども、それをやるというのがなかなか難しいなということでもあるのではないかと思うので、ぜひ次の時代の世田谷の緑といったときには、その辺も含めてイメージできるように普及啓発もしていかなければいけないし、場合によってはプロジェクトベースというのですかね、1個1個、実際にそういうことが分かるものを仕掛けるというか、まさにこのグリーンインフラ学校がそうなのだと思いますし、せっかくこの「界わい緑化推進プログラム」のコーディネーターさんのチームネットさんというのは本当にご自身で、コレクティブハウジングとかでやられて、世田谷の中でご活躍されている方で、そこでまさにケヤキを残しながらやってこられた経験というか知見をたくさん持っておられると思うので、ぜひいろいろなところで大活躍してもらって、プロジェクトベースでいろいろそういうことが分かるようなことをやりながら普及啓発を図っていくのも大事かなと思いましたので、その辺は奥沢の話を超えていくのですが、ぜひ世田谷区全体でもそういうことが普及できるといいのかなというお話だったと思います。どうもありがとうございます。 ちなみに、この奥沢の「界わい緑化推進プログラム」では、助成は時期的にいつまで……。 ○都市デザイン課長 3年間限定ということで、今年度も含めて3年間の事業です。 まず東京都公園協会の事業を活用して、道祖神通り沿いに少し緑の見本的な物を、作っていきたいというところが意図としてはございまして、その後、区の助成制度、トラストまちづくりの助成制度もございますので、そうしたものを活用していければと思います。東京都の制度としては3年間限定でございます。 ○委員長 ありがとうございます。 ほかにいかがでしょうか。 ○○委員、よろしくお願いします。 ○○○委員 丁寧にご説明いただきまして、ありがとうございました。 今日は報告ということなので、感想も含めてなのですが、先ほど○○委員もおっしゃっていたとおり、全体を通じて大変きめ細かく丁寧に進められていて、すばらしいなと思って感銘を受けました。成熟した世田谷ならではだなと感じたところです。 10月からスタートされて、既に4件届出があって、事前相談も20件ということですが、これはどういうきっかけというか、きめ細かく周知をしていたから申請していただいたという感じなのですか。どういう経緯でというのを簡単にご紹介いただければと思いました。 ○都市デザイン課長 これまで風景祭であるとか、ニュースについても12号まで発行しておりますので、かなり地域に対しては浸透してきていると思っています。 また、今回、イメージ動画も作成して、アクセス件数も1,000件を超えておりますので、かなり区が取り組んでいく内容については地域に浸透してきているのかなと思っています。地域全体の世帯数も大体3,700ぐらいなのです。それを考えますと、かなりの割合で見ていただいているのかなと思っております。 届出については、主に地域の確認申請と建築の更新と連動している部分がありますので、建築のお建て替え等の計画があれば、それに基づいて申請が出てくる形になっておりますので、大体地区全体では年に70件ぐらい出るだろうと想定してきたので、現時点では想定どおりでございます。 ○○○委員 ありがとうございました。ちなみに、話した感じでは前向きに皆さん捉えていらっしゃるのでしょうか。 ○事務局 実際、相談を受けているのですが、今のところ戸建ての相談が多くて、戸建ての皆様は取組みに対しては結構前向きに捉えていただいている印象ですけれども、小規模の建物についてはどうしても緑を植える部分が少なくなってきますので、そういったところについては視認性の高い道路沿いですとか、皆さんが見えるところの緑化をぜひしてくださいということと併せて、先ほどお伝えしたように助成制度を皆さんにお渡しして、ぜひこういったものを活用していただいて緑化をぜひお願いしますと誘導しております。 内容については皆さん、とても理解していただいて、住んでいる方だけではなくて建てる方とか住宅メーカーの方々も制度についてはご理解いただいております。 ○委員長 地権者は入れ替わっているのですか。オーナーさんが同じパターンと相続だったりいろいろなことで、ほかのところに売ってしまったりするパターンと両方あると思うのですが、どのぐらいの割合なのですか。 ○事務局 実際に窓口対応している職員の印象ではどんな感じでしょうか。 ○事務局 基本的には新しく購入される方が多くなっています。 ○委員長 基本的には相続だったりいろいろなご事情で次の地権者のところに行ったところから、新しく購入される方が来る。 ○事務局 どちらかというとそういった方が多くなっています。 ○事務局 実際に住んでいる方がそのまま建て替えているケースもあります。 ○委員長 建て売りということですか。土地を買ってから購入者さんが自ら来られる。購入者さんの代理者さんが来られる。 ○事務局 ハウスメーカーさんとかが窓口に来ていただいて、ご説明があったり、これから購入する土地ということで、不動産業者さんに窓口に来ていただいて、ご案内があって、というのが、事前相談20件の内訳というか、相談の流れです。 ○委員長 要は、イニシアティブはどっちが持っているかというか、住民の方が持っているのか、事業者さんが持っているのか、どっちが多いのかなと思って。また分析いただいて、ご報告いただければ。 すみません。途中で口を挟んでしまいました。 ○○○委員 福岡先生もおっしゃっていましたけれども、しっかりフォローアップが大事かなと。私もそう思いましたので。また教えていただければと思います。 ○委員長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。 ○○委員、よろしくお願いします。 ○○○委員 今、ご説明の中で、コインパーキングの業者さんがこのエリアの中で20社入っているという話だったと思うのですが、かなりの量のコインパーキングがあって、というのはかなりの量の暫定利用の土地があって、今後そういうものが動く可能性があるのだなということを改めて理解しました。 比較的まとまった規模の敷地が動くときに、従来届出については、基本的には自分たちが何をやるかという情報を頂くということになっていたかと思うのですが、例えば両隣の色を調べてきてもらうとか、両隣にどういう木が植わっているかというのを調べてきてもらって、その情報を共有しながら調整したりとか、そういうことができると、1つの建物だけではなくて周りとの関係とか収まりとか、そういうことを考えるきっかけにもなるでしょうし、それは多分、事業者さんとかこれからお住まいになる方にとっても、善隣関係を築くみたいな観点で、悪いことではないので、少し手間はかかるのだと思いますが、こういうエリアでは能動的に地域について事業者さんなり施主さんが見てくる、調べるという枠組みもあるとやりやすくなるのかなと感じました。 それと、これはまだ気が早いかもしれませんが、この風景づくりの委員会の中で、ここ何年かの流れとしては、風景づくり計画の改定をやって、屋外広告物のガイドラインをつくって、その後かなり奥沢に注力してやってきたと思うのです。 奥沢は多分これからというところだと思いますが、大きなトレンドとしては、奥沢もこれから大変な時期にまたなると思いますけれども、次のテーマを考えていかないといけないのかなと感じています。 ○都市デザイン課長 おっしゃるとおり、駐車場・コインパーキングについては、今回、奥沢コア会議については定期的に、風景祭もございましたので、開催している状況ですけれども、その中で、土とみどりを守る会の代表の方から情報を頂きました。地主さんと土とみどりを守る会の代表の方とで話をしていただいて、少し良い方向になりまして、今の看板の設置については、今回の界わい形成地区の指示に沿った形で検討していただくような方向としていただいたところでございます。 界わい形成地区については今回奥沢を指定して、第1号ができたわけで、奥沢では引き続きやっていくのですが、風景づくりの課題はこれだけではないので、ほかの懸案についても今後検討していければと思いますので、皆様、ご指導の程、よろしくお願いします。 ○委員長 例えば新宿で景観協議をやるときは、事業者さんに来てもらったら、周りを調べてこいと、周りのモンタージュ写真とかをやるのですが、多分それに近いようなご提言だと思うので、要は何か自分のところでやるときに、自分のところだけではなくて、その周りがどうなっているかもちゃんと見てくださいというのをやるための仕組みというか、そういうのを間に1個挟むというのもあり得るのかなというご提言だと思うので、そういうこともあるのかなということでいろいろまたお考えいただければということかと思います。ありがとうございます。 ほかによろしいでしょうか。○○委員、お願いします。 ○○○委員 これだけ力を入れて奥沢のことをやっているのを、私、委員なのですけれども、半年に一遍なので、あまり知らなくて、前回もユーチューブとかそういうのでお知らせしていますよというお話はあったのですが、風景祭とかそういうのは区のお知らせに載せることはできないのですか。せっかくこれだけやっていらっしゃるのに、この奥沢の一部だけの限定みたいになっていて、世田谷区も私みたいに端っこの方に住んでいると全く知らなかったのですね。まだ委員として少しは注目しているはずなのですが、そうそうユーチューブは見ないですし。 ですから、区のお知らせとか、せっかくこれだけやっているのですから世田谷区全体に知らせることはできないものなのですか。区のお知らせにはフリーマーケットまで出ているのに、風景祭とか今おっしゃっていたグリーンインフラ学校とか、全く告知されていないのですけれども、もったいないと思います。 ○都市デザイン課長 実は区のお知らせについては、世田谷区は5地域に各総合支所がございますけれども、区のお知らせについても区全体で出す広報紙と、広報紙の中でも地域版というのがございます。 ○○○委員 25日に出る。 ○都市デザイン課長 そうです。ちょうど今おっしゃられたような趣旨については、我々もそう思っておりまして、奥沢で取り組んでいることを広く区全域に周知していきたいという思いがございましたので、玉川総合支所と調整しまして、その地域版の紙面を頂いて、今回12月25日号の1面に掲載する予定です。「奥沢から始まる新しい風景づくり」というタイトルで、区全域に発信していく予定でございます。 こうした広報紙だけではなくて、先ほどお話しさせていただきましたイメージ動画もございましたが、いろいろな方法でこの取組みについては少しご紹介できたらと思っています。 ○委員長 広報せたがやとか、そういうのに載せられないかということでもあると思うのですが、定期的でなくても、せっかくできたときだから、これは区全体にできましたよというのをぜひ知らしめるというか、そこの活動も併せてやっていただくといいかなということかと思って、可能な範囲で、できるだけ発信をしていくということだと思います。 ○都市デザイン課長 25日に紙面として出ますので、今後も、こういった機会と捉えて広く、進めていきたいと思います。 ○委員長 ありがとうございます。 いかがでしょうか。そろそろ時間ですが。 ○○○委員 奥沢のケースは初めてのケースなので、世田谷区でも非常にご苦労があったと思うのです。 その界わい形成地区ですか、これは建築規制に絡んで非常にいい制度だと思うのですが、区内でそんなに知られていない。奥沢以外の地域でこの制度はこういう制度なのだということがあまりよく周知されていないと思うのです。 ですから、今後奥沢から奥沢以外に、奥沢のケースをリーディングケースとして拡大できるような周知をぜひ図っていただきたいと思っております。 ○委員長 区民委員のお二人から周知が足りないということで、ぜひその辺、よろしくお願いしたいと思います。 私からも、細かい点も含めて3点ほどなのですが、1点目はすごく申し訳ないのですが、手引きの21ページの真ん中に、この基準だけではなく一般も適用されるものがありますと書いてあるところに、「奥沢基準」と書いてあるのですが、この言葉はここにしか出てこなくて、ほかのところにはないのですね。 もし今後も界わい形成地区で地区を決めてその基準の名称、場所の基準を何とか基準と呼ぶのだったら、ちゃんとそういうふうにしたほうがいいし、そうではないのだったら、要は同じことを言っているのに複数の言葉が出てきて、分からなくなってしまうというか、「奥沢基準って何だっけ」と言うと、「これは何とか界わい形成地区の基準です」ということだと思うのですが、そうなのというのが分からなくなってしまうので、言葉は統一したほうがいいかなという気がしています。 もし本当に通称で、界わい形成地区の独自基準では大変だから、通称地区の名前をつけるのだったらつけると決めたほうがいいなという感じがするので、今後も含めてどうするかを考えていただいたほうがいいかなと。 これは12ページから20ページの全部のことを言っているのですよね。みたいなのがここにしか書かれていなくて、しかもここの説明は「奥沢基準」の説明ではなくて、「奥沢基準」以外にありますよという説明のところに初めてその言葉が出てくるという分かりにくい構造になっている気がするので、これはできてしまっているのですが、今後、言葉の使い方を工夫するといいのかなと思いました。 2点目は、今も界わい形成地区というのはそもそも伝わっていないというお話があったと思うのですが、一般の協定と違って、区に届出をする制度ですよね。それが普通に自主の協定でやるよりは一段上に上がっていますということだと思うので、それを見ようと思っても、この手引き全体を見ても区がどこで関わるのかが全然分からないというか、22ページに「手続きの流れ」があって、当然、区に相談に行くので関わることはあるのですが、次が「事前調整会議」になっていて、専門家のアドバイスをもらいますと書いてあるので、区は何もしないのかなと見えてしまうのですけれども。本当は、ちゃんと区が最後にそれを確認した上で届出になっていくプロセスだと思うので、区も関わって、ちゃんと一緒にやっている仕組みで、そこがあるから協定でやるよりもある種担保が一段上がりますよというアピールがどこかであったほうがいいかなと思いますので、そういう意味で、今後周知したり話をするときに、その辺も含めたご説明があったほうがいいかなと思います。 それも含めて、先ほどから奥沢以外のところでどう広めるかという話がありますよとか、この制度そのものが伝わっていないという話もあって、7ページも「界わい形成地区とは?」と書いてあるのですが、いきなり「区域全域を」とあるのですが、これは何の一般地域で何の重点区域なのかがそもそも風景づくり計画の話が一言も書かれていないというか、そういう形になって、要は世田谷区さんの風景づくりの体系が示されていないので、分かる人しか分からないというか、そういう形になっている気がするのですね。 その辺が複雑なので、みんな分かりにくいという声が多いのだと思うので、世田谷区の風景づくりというのはこういう体系になっていますよというのが一目で分かる何か、その全体の周知があって、界わい形成地区というのはここにあって、これはこういう意味だからこういうところにはまる人はぜひいろいろ使ってねということが分かるようにしないと、分かりにくいなと。協定と何が違うのかも分かりにくいし、一般の風景づくり計画の中に入っているかどうかすらよく読んでも書かれていない気がするので、そういう意味で何なのかというのがちゃんと分かるようにするためには、これを直すというよりは全体の風景づくりの在り方みたいなものが一目で分かる、これを見たら分かるみたいな図が1個あるだけでいいと思うのですが、そういうのがあるだけでも大分違うのではないかなという気がするので、ぜひその辺を1回引いた目で区の風景づくり全体をもう一回、見直すというとあれですが、整理というか分かりやすく伝えられるようにしていただいて、周知されるといいのかなと思いました。その辺りのご検討を今後お願いできればと思いました。 ○都市デザイン課長 今後、分かりやすいように工夫してまいります。ありがとうございました。 ○委員長 ということで、ご報告事項ということですので、このような形で進めているということで、今日はたくさんのご意見を頂いたと思います。その辺もまた踏まえながらよりよい形でまた進めていっていただければと思いますので、よろしくお願いします。 報告事項1については以上ということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。 続きまして、報告事項2「地域風景資産の名称変更について」ということで、もう一回、資料11の途中、先ほどのご説明が終わった次のところからが報告事項2のスライドになっていますので、それも御覧いただきつつ、事務局からご説明をよろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 続きまして、報告事項2「地域風景資産の名称について」でございます。こちらも担当係長の二見よりご説明いたします。よろしくお願いします。 ○事務局 では、説明します。スライド、画面のほうを御覧ください。 今回は2つの地域風景資産の名称の変更についてご報告させていただきます。それぞれについて、こちらの4点について説明していきたいと思います。 初めに、1つ目の名称を変更する地域風景資産は「秋山の森」です。 まず現地の状況ですが、こちらは1つの町の街区全体が1軒のお宅となっているところで、屋敷林やかやぶき屋根の母屋が江戸時代から続く農家の風景、深沢地域の歴史と自然を伝える地域風景資産となっています。 ですけれども、かやぶき屋根の母屋が解体されてなくなってしまったということで、前回の風景づくり委員会において名称変更のご報告をさせていただいております。 今回また名称を変更する経緯です。前回「秋山の森」という名称に変更したのですが、その後、そのご報告をしたところ、所有者の方から、こちらの写真のように秋山家のお宅の周辺にあった森が現在の土地の周辺からもっと広いエリア、北のほうに深沢小学校というのがあるのですが、そちらのほうまで広がる広大な範囲にまだ緑が多くあってその範囲のことを「森」と指していたということ。今ではその辺の木はほとんどなくなってしまっていて、現在の秋山さんのお宅の樹木を指して「森」と呼ばれるのは違和感があるので、「屋敷林」という形にしたほうがいいのではないかというご要望を頂いたのが今回の変更の経緯です。 このことについて、所有者のご要望を尊重させていただくとともに、事務局でも過去の状況を比較検証しまして、現在では「森」というよりは「屋敷林」というほうが合っていることを確認させていただきました。それに基づいて名称を変更することとさせていただきました。 また、併せて検討したのは、この「秋山の森」の「秋山」という名称につきまして、この地域風景資産の名称を区の内外に広くご紹介していくにあたり、秋山さんというのが個人の名字になっていまして、ご配慮が必要だと事務局でも思いまして、今回の名称変更を機に変更していこうかと考えております。こちらについても所有者の方へ確認させていただいております。 以上の理由によって、今回、「秋山の森」という名称だったものを、土地名を使いまして、「深沢の屋敷林」という名称が望ましいという結論になり、こちらに変更させていただくというご報告です。 続きまして2つ目、「喜多見五丁目竹山市民緑地の竹林と垣根」という地域風景資産です。こちらは平成14年の第1回の選定の際に選定されました。 お配りしていた資料が、第1回のところに、赤く「平成14年」と書いてあるのですが、お配りしました資料では「平成19年」と記載しておりまして、修正させていただきます。間違っておりました。「第1回(平成14年)選定」が正しい内容になります。 これは先ほどの「秋山の森」のほうも「第1回(平成19年)」と書いてあったのですが、こちらも「第1回(平成14年)」が正しいです。大変失礼いたしました。 それではこの「喜多見五丁目竹山市民緑地の竹林と垣根」ですが、こちらは選定当時、個人の方が所有している土地を市民緑地として開放していた竹林です。世田谷トラストまちづくりと地域のボランティアの方々により管理運営されていました。 竹林の内部は散策できるように遊歩道が整備され、緑地、沿道には鉄砲垣が一部残っていたりと、現在でも周辺に存在する畑や水田、あとは次大夫堀公園が近くにあるのですが、そういったものと一体的に、農村であった世田谷の原風景を伝える地域風景資産でした。 また、この竹林を散策できるだけではなくて、竹林のお手入れとしてタケノコが採れたり、間伐した竹を保育園の七夕飾りですとか子ども向けのイベントの竹細工用に使用したり、そういった活動ですとか、あとは毎年恒例でお正月に行われている多摩川河川敷のどんど焼きのやぐらとしても活用したりということで、地域の活動に貢献している竹林となっております。 今回名称を変更することになった経緯としましては、長きにわたり市民緑地として開放されたこの緑地ですが、令和2年度に所有者の方から世田谷区へご寄附を頂けることになり、永続的に公園緑地として保全されることとなりました。そのため、現在の名称の中で使用している「市民緑地」という制度ではなくなったため、活動団体の方々に確認を行った上で名称を変更することといたしました。 また、選定当時はこの敷地、緑地の中に鉄砲垣が立ち並んでいたのですが、現在、この鉄砲垣が敷地の中にはなくなってしまいまして、隣接する所有者の方の家の脇にしかなくなってしまったということなので、併せまして、名称の中にあった「垣根」という文言も削除させていただきます。 この市民緑地に相当していた部分は、もともと隣接してありました「区立喜多見5-21遊び場」というのがありまして、そこの一部として取り込まれました。令和3年度には遊び場全体のリニューアル工事も行われ、緑地へのアプローチが新たに整備されたり、入り口の新設、通り抜けができるようになり、利便性が向上した状況になっています。 以上の理由によりまして、所有者の方、活動団体の方とも協議をさせていただき、名称は「喜多見5-21遊び場の竹山緑地」が望ましいとの結論になりましたので、変更させていただくというご報告です。 両方共通で、変更となりましたら、風景マップの修正ですとか、ホームページの修正、あとは地域風景資産の表示プレートを現地に掲示しておりますが、こういったプレートを新たに作成していきたいと思っています。 説明は以上になります。 ○委員長 ありがとうございます。 ということで、2件の地域風景資産の名称変更、これはご報告ですが、こちらに対して何かご意見等ございますでしょうか。 特にないでしょうか。よろしいですか。 私から。名称そのものは、所有者さんのご意向もあるということなので、特に異論はないのですが、ただ、私、委員長をやっているので事前説明をお伺いしたときも、所有者さんからそういうお声があったときに、要は本当に森だったのだけれども、周りが森ではなくなったのもあって、自分のところしか残っていないので、森と言うには、おこがましいとまではおっしゃっていなかったかもしれないですけれども、そういう面もあるというお話だったのですが、これが残ることで森だったことを示しているということもあるような気もしたり、そういうことも考えると、今の状態がこうだからといってその名前にしなければいけないということもないのかなと思いまして、もちろん所有者さんのご意向であって、そんなのは嫌だなというのであれば全く異論はないのですが、その辺、どういう思いでそういうお話をされているのかなというのを酌み取っていただきながら、ぜひディスカッションして決められていいのかなと思ったのですが、ただ、そもそも、旧秋山邸の屋敷がなくなって名称変更したときには所有者さんには合意を取っていなかったということですか。 ○都市デザイン課長 最初、前回変更したときは、「秋山の森」ということで、以前からその部分は変わっておりませんので、所有者の方もそれで一度了解は頂いていたのです。今回、前回の委員会を踏まえて、改めて所有者さんのところにお伺いしたときに、今「森」と呼ばれるのは違和感があるため、「屋敷林」としてはどうかとのご意見がありましたので、改めて議題とさせていただいたところでございます。 かつて森だったというところについては、できるだけそういうことも区民の方には今後理解をしていただきたいという思いはとてもあります。一方、名称としてはできるだけ現状に即した形の名称にしておかないと、区民の方に誤解を生じさせるという点もありますので、今回、事務局としてご意向を尊重した形で変更案とさせていただいているものでございます。 ○事務局 今、委員長がおっしゃられたように、現状が変わると区民の方々にどこがそこなのか分からなくなってしまうという状況もありますが、この名前がここのもともとの歴史とかそういったものを伝えているという考え方も大切であると思います。今後は、例えばもし活動団体がいらっしゃるのだったら活動団体の方とか、当時決めたときの推薦人の方とかもいらっしゃると思います。1件1件、その地域風景資産ごとにその辺りは議論してディスカッションして、みんなでどれがいいかを決めていかなくてはいけないのかなとも、思いました。 そういった疑義とか何か問題が出たときに、みんなで地域の方々と一緒に議論して決めていくことも必要と思います。 ○委員長 私、変更後の名前もいいなと思っているのですが、屁理屈を言うと屋敷はないしと思うと、屋敷林と言っているけれども屋敷はないではないですかという話もあるのですが、むしろそれが分かるから変更後の名前もいいなと思ったのですが、そういう意味では必ずしも今の状態をそのまま示せばいいとも限らないというか、今までそもそも何でそこにそれがあるのかということをちゃんと示すためには、名前が今までの経緯をちゃんと背負っているというのは別に悪いことではないのではないかなと思いますので、その辺りはぜひうまく、よりよい名前になるようにと思ったのですが、ただ気になっているのは、そもそも地域風景資産の在り方自体をもう一回見直さなければいけない時期に来ているのだなというのを改めて、今の話も含めて感じました。 多分、そもそもスタートの第1回の仕組みとしてできていたのは、所有者さんだけではなくて、まず推薦人がいらっしゃって、推薦人が推薦して、活動人がいらっしゃって、活動人が活動していくというのがセットになった仕組みだと思いますので、そういう意味では名前ももちろん所有者さんのご意見が一番大事ですが、のみならず周辺で活動されている方々とか、あるいは周辺の区民の方々も含めた呼び名であり場所であるというのが含まれていた概念だったのではないかなという気がするのですね。その辺りが、現状なかなか、活動される方が少なくなってきたりとか、そういう中で仕組み自身も、初回から考えるともう20年たってきて、そろそろ考え直していかなければいけない時期に来ているのではないかということが多分あって、その検討も裏では進められていると思うのですが、それが名称にも表れてきていると思います。 しかも、最初の頃は、まさか途中で変わるとかなくなるとか、あまり想定していないというか、まずは見つけて、それを見せようというところがメインだったので、その後どうなりますかというのが制度の中に入っていないのではないかと思うのですが、20年もたってくると、そういう状況が起きてくることに対して、地域風景資産としてはどうするのかも多分考えなくてはいけなくて、2番目のほうも気になったのは、風景が変わっているなという感じがしてしまいまして、悪くなっているかどうかは別ですが、遊び場になったという状態が違う中で、これは当初、大事にしていた地域風景資産そのものになっているのかとか、私は分からないのですが、そういうところも含めたときに、もう一回これが変わったときに確認というか、みんなにこのよさをどういうふうにしているのかなという話をしながらネーミングも決まったりするのかなという気もちょっとしたりもしまして、そういう意味で、1個1個の案件がどうこうというのではなくて、地域風景資産の20年たった在り方そのものをもう一回再整理する必要が、このような話が多分いろいろなところで今も既に起きていると思いますが、たくさん起きていて、そのたびに個々に対応しなければいけなくなっているのですが、そうではなくて、考え方として地域風景資産をどうしていくのかというのを議論したほうがいいのかなと思いました。 もうちょっと言うと、例えばこの遊び場のときにもうちょっと垣根とかそういうものを意識できなかったのかなとか思ったりすると、せっかく地域風景資産になっているものは次に変わるときに、それがうまく伝わるというか、みたいなことが起きるといいなと思っていまして、当初は、変わるということはあまり、想定していなくはなかったかもしれないですが、そこに対して位置づけがなかったと思うのですが、そういうことも起こり得るのだとなったときに、地域風景資産をどういうふうに守り育てていくのか、みたいなことも併せて考えていく必要があるのかなと思いましたので、その辺も今後、地域風景資産を検討される際には頭に入れつつ進めていかれるといいのではないかと思いました。 ○都市デザイン課長 今、委員長がおっしゃられたとおりの状況でございます。竹垣については現在、所有者さんのお住まいになっているお宅には竹垣が残っているのですが、今までは連続して竹垣が植わっていたのですが、それが今回、公園の整備に当たってなくなっている状態です。 引き継いだときに、竹垣がどういう状態かというところまでは確認していないのですが、多分、区が土地をお借りして整備した身近な広場でございますので、そのときに例えば竹林の見通しの確保であるとか通風であるとか植生などを考えてこのような整備にしたのではないかと思っております。 当初、例えば地域風景資産の名称変更のときにどう対応するかというところですが、当時の解説のQ&Aがございまして、その中で地域風景資産がなくなったり、また大きな変化があった場合には名称を情報発信する際に区民の皆様に誤解を与えてしまうため、その場所で活動している風景活動団体と確認し、当風景づくり委員会にご意見を頂きながら、風景の実態に即した名称変更の手続を進めていくということが書かれてあるのですが、先ほど委員長がおっしゃられたとおり、当時どういう思いであったかというところを十分に検証した上で、この名称変更についてはどういう変更を行うかというのは非常に重要な点と考えてございますので、その辺、改めて今後の課題として整理していきたいと思います。 ○委員長 今のをお伺いすると、我々も責任を負っているのかなと思ってしまいましたが、そういうわけではないですか。一応意見を聞いて変更するのだとすると、これは報告事項ではなくて審議事項ではないかというか。要は我々がちゃんと確認しないといけないのだとしたら、もうちょっと内容を説明していただいて、こうですねというプロセスを踏まなければいけないように聞こえてしまったのですが、そういうわけではないですか。 ○都市デザイン課長 その辺は、今回はこのような形で報告事項といたしましたが、委員会としてもできればご承認いただければと思います。 ○委員長 その辺りを含めて、地域風景資産のシステムの在り方全体が、時間が経っているというのもあって、もう少し、もう一回整理しないといけないのかなと思いますので、その辺り、よろしくお願いします。 ということでございましたが、今回の2案件に関しては、報告事項なので駄目ですとも言いようがないのですが、こちらの変更でよろしいですかね。 ○○委員、お願いします。 ○○○委員 私は「秋山の森」の近くに住んでいるのですが、森というよりは確かに現状で言えば林。ただ、深沢もかなり広いので、「深沢の屋敷林」にしてしまうと、名称なので、ある程度地域が特定されるところが必要なのかなと思うのです。 私の感じとしては「秋山の屋敷林」というのが一番現状にぴったりかなと思うのです。所有者の方が秋山という名前を出したくないという思いもあるのかもしれないのですが、この名前で反対ではないのですが、ちょっと残念かなという感じはしております。 ○都市デザイン課長 こちらについては当初、活動されている方がいらっしゃって、所有者の承諾を得て年に2回ほど中の見学会等を実施する活動をされていたようなのですが、その後、活動団体が平成19年に更新されなかったので、今は所有者が現地を管理している状態になっています。活動団体ではないのですが、実質的には、所有していて管理もされているということで、今回、所有者のご意向を第一として尊重いたしましてこのような名称にさせていただいております。 個人の名称の部分を「深沢」に置き換えたのですが、現地を見に訪れる皆様は、見学できると思って、所有者にお宅の中を見せてほしいとか言われる方もいらっしゃるようなので、今回は区の配慮として「秋山」という個人名から「深沢」という地名に修正させていただいたというものでございます。経過については以上でございます。 ○○○委員 私も、先ほどの委員長の風景資産の見直しに関して、20年経過していて、マップも今、拝見していたのですが、原則公開していませんとか、既に残存していませんみたいなことが付記されているものが結構たくさんありますし、活動団体さんもかなり高齢化が進んでいて、やめたいけれどもやめられないみたいなお話も裏ではお聞きしたこともあります。 今日、風景祭のご紹介がありましたが、都市デザイン課さんとしてはこの団体さんとか風景資産全体を振りつけていくことがお仕事かなと思いますので、認定してそれで満足ではなくて、毎年この団体の方たちを集めて風景祭をやったりとか、これをツアーで回ったりとか、全部一気にというのは難しいと思うのですが、風景資産を活かして街に効かせるためには、いろいろな仕掛け、あとは場所によっては資産を維持する上での補修だったりとか、管理を周辺の方を巻き込んでお手伝いするとか、多分いろいろできるのではないかと思ったのです。 生きているものなので、マップになったらこれでおしまいではなくて、それをどうやって動かしていくか。なかなか手間暇もかかることですが、そこら辺をどう位置づけていくのかなというところは、更新して新しく指定しましたという検討だけではなくて、多分、今あるものをどういうふうにして、維持するということも大事なのですが、そこから多分活かしていくということが、地域の方たちを巻き込みながらできるのではないかと思いましたので、資産の使い方みたいなところはさっき委員長の話を聞きながら強く思いました。 ○都市デザイン課長 今、○○委員がおっしゃられたように、この間、奥沢の諮問等もあって、委員会にはご報告できなかったのですが、活動団体の皆様とは毎年、風景づくり活動の情報交換のため交流会を設けてございます。 その中で、今言われたような、活動団体の皆様が高齢になってきているので、中にはこの地域風景資産の活動についてはどこか別の団体に譲渡して、ほかの方に引き受けてもらいたいというご意見もありまして、この辺を区としても、どう進めていくかが懸案となっております。こうした懸案についても今後検討してまいりたいと思っております。 ○○○委員 引き継ぐときに、若い世代たちは自分たちがやりたいことがあるので、それをそのまま引き継ぐのは重いとか嫌だとかいう話もお聞きしたことがあります。また下北だとシモキタ園藝部さんなど、新しい取組みも出てきていますので、風景資産は多分固定したものではなく、常に変化する動態的なものとして捉えることが重要だと思います。場所と活動が持続するように、それらをどのように振りつけていくかというのは大切な仕事ではないでしょうか。 ○都市デザイン課長 まさにおっしゃるとおりの話でございまして、今まで地域風景資産というのは活動とセットで指定してまいりまして、活動についてもどういう活動をするかというのをあらかじめ想定して指定していたわけなのですが、同じ団体であっても活動そのもののやり方が徐々に毎年変わる場合もありますし、あと例えば同じ場所で活動しているにしても別の団体がそこの場所で活動する場合には、多分、新たな団体がやりたいことというのが今までの団体と違う部分があると思うのです。 そういうところまで包括できるような仕組みの検討が必要だと考えておりまして、その辺をどう修正していくかについては、今後事務局でもしっかり考えていきたいと思っております。 ○委員長 ありがとうございます。 名称をだんだん飛び越えてきた気もするけれども、これを見ると名前のつけ方がいつも面白いというか、普通にどこどこの場所と書いてあるだけではなくて、「四季の移ろいに心ときめく安らぎの道」とか、当初活動されていた人たちとか、その周辺の方々の思いが込められた名称になっている気がするのですが、だんだんそういう方がいなくなると、ただの場所を指す言葉に代わっていってしまうというか、そういう感じもあるなと。 意外と名称は馬鹿にできないなと、これを見ながら思い始めてしまったのですが、それは裏を返すと今の話で、今まではどちらかというと文化財だったり、そうやって指定して守るという方法がある中で、それだと守り切れないというか、数少ないときに、活動をうまくそこに差し込むことで少しでもうまく受け継げるのではないかという、ある種、当初としては画期的なやり方だったと思うのですが、活動そのものを継続することのほうが物を守る以上に難しくなってきていて、それがないと結局なくなってしまうところがある中で、活動の方ももう少しどういう形でやっていくのか、多分、今ご検討されているとは思うのですが、それも併せて考えていかざるを得なくなってきているのかなと思います。 その辺りも含め、変わりゆくことはやむを得ない面もあるわけなのですが、それをいい変わりゆき方とか、そういうのも含めて、どうやって継承していくのかというところをもう一回、ここでかどうかは分かりませんが、しっかり議論することが必要になってきているのかなと思いましたので、あくまで名称はきっかけに過ぎないのですが、それに表れているなという感じがしましたので、ぜひその辺りも含めて、いろいろ大変だと思うのですが、ご検討いただければと思いました。 戻りまして、ここでの議題としては先ほどの2件の名称変更が行われたというご報告でしたので、こういう形で進めるということでよろしいでしょうか。 どうもありがとうございました。 議題としては以上ですね。ということで、事務局から連絡事項をよろしくお願いします。 ○都市デザイン課長 会の初めにお話しさせていただきましたとおり、11期の風景づくり委員会は本日が最後の委員会となります。そして、○○委員、○○委員のお二人が今期までとなってございます。 ○○委員、○○委員におかれましては、公募による区民委員としてそれぞれ2期4年間と1期2年間をお勤めいただきました。ありがとうございました。そのほか5名の委員におかれましては、来期もご再任いただく予定とさせていただいております。 それでは○○委員と○○委員から一言ずつ頂けますでしょうか。 まず、○○委員からお願いいたします。 ○○○委員 あっという間の2年でした。この後も、委員ではありませんが、区民として世田谷の風景をつくる様子をずっと見守っていきたいと思います。そして委員になって、区役所の方々の日頃の取組みを初めて見ることができて、とてもよかったと思います。ありがとうございました。 ○○○委員 4年で2期、委員を務めさせていただきました。この間、世田谷区で様々な資料を作っていただいたものをもとに、委員会の討議に参加する機会に恵まれて感謝申し上げたいと思います。 私は駒沢公園の近くに住んでいるのですが、最近散歩すると近所の風景が急激に変化しているなとすごく感じております。あちこちで50坪、100坪の家が2分割、3分割されて新しい家ができているのですが、それに伴って緑の生垣がなくなったり、大きな樹木が切られたり、中には今まであった街路樹が新しい家の入り口の邪魔になるということで撤去されるという状況もあったり、明らかに緑の環境が劣化しているなとつくづく感じております。 このまま続くと、世田谷区の10年後の風景はどうなっているのだろうと。今想像するのとはかなり違った世田谷区の風景ができているのではないかなという感じがしているのですね。 こうした状況にあって、地域風景資産とかその活動というのは非常に貴重な活動になるのではないかなと痛感しております。地域風景資産の活動が一層活性化されて、界わい形成地区のさらにそういった地区が増えていくことを期待したいなと思っております。ありがとうございました。 ○都市デザイン課長 それでは部長より一言頂けますでしょうか。 ○都市整備政策部長 ○○委員、○○委員、ありがとうございました。 ○○委員は2期4年間、○○委員が1期2年間ということで、この間、コロナもありましたけれども、基本的に今回議論していただきました奥沢の界わい形成地区、こうしたところはかなり実験的だったかなと思っています。 その中で、先ほど両委員からもお話がありましたが、広報の仕方だとか、そういったところはまた区民の視点でもあったのかなと思っています。これにつきましては、より周知徹底等もしていきたいなということと、様々な工夫をしながらやっていきたいと思っています。 また、世田谷の風景といったところでいくと、○○委員からもお話がありましたが、世田谷の生産緑地、農地も約80ヘクタールぐらいあります。これも相続に伴い、なくなっていってしまう。そして宅地化、スプロール化されていってしまうというところはあります。 今回、我々、平成28年、29年にこうした土地の分割等によって住宅地等にスプロール化されて密集してしまうというところを懸念しまして、土地の最低限の敷地面積を設けまして、既に定めていた第1種低層住居専用地域等以外の住宅地区、準住居地域等も含めますが、そうしたところに最低限の面積を設けたりだとか、そうした形で都市計画の中でも何とか残していこうといったところは取り組んでいます。 今まで、例えば100平方メートルの土地があったところについて、無理くりで3棟だとか、120で3棟ですかね、建てたりしていたところもあるのですが、そこを60平方メートルですとか70平方メートルの最低を入れることによって、できても2つの敷地、こうした取組みを進めてきたりだとか、これも区民の皆様のご理解があってできたところでもございます。 我々、都市整備所管ではこうした都市計画を行うところ、それから都市デザインとしての取組みも行っていますので、こうしたところと連携しながら、両輪で世田谷の緑ですとか風景づくりだとか、そうしたところについても取り組んでいきたいと思っています。 また先ほど、風景を残すといった観点でも、高齢化に伴いまして、いかに継続していくかという難しいところもあります。今、エリアマネジメントだとか、そうした言葉もあるのですが、世田谷はまだ1つしかありません。 問題なのはそうした取組みを行うための活動費だとか、そうしたところもあります。諸外国ではBIDといって、税金というのですかね、この地域でお金を出し合って取り組んでいく取組みもあったりしますが、日本ではまだそうした活動についてはハードルが高い状況になっています。 今後、こういう活動の取組みについても検討していきながら、できれば世田谷のデザインや風景、そうしたものを残していって、区民の参加の下、協働の下で取り組んでまいりたいと考えています。 ○○委員、○○委員におきましては、今後もこうした区民との取組みや参加等についてご理解いただきながら、継続して世田谷の風景づくり等、こういった中で応援していただければと思います。どうもありがとうございました。 ○都市デザイン課長 どうもありがとうございました。 最後に、次回の予定についてご連絡させていただきます。次回、来年度の風景づくり委員会は案件やコロナウイルス感染症の状況を見ながら、これから日程を決めていきたいと思います。開催が決まりましたら、皆様や新しい区民委員の皆様にご連絡いたしたいと思いますので、その際に日程調整をさせていただければと思います。 ○委員長 改めまして、区民委員の○○委員、○○委員、どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。残りの委員の皆さんは次期もお願いしますとのことで、よろしくお願いします。 私、今は横浜市民ですが、30歳までは世田谷区民でして、砧エリアなのですが、今日、世田谷区民でありながら、大変お恥ずかしいのですが上野毛から初めてこっち側に下りてきました。今、横浜にいても、世田谷に入ると世田谷センサーみたいなのがピッピッと来て落ち着くというか、全然気分が変わるのですね。前に成城署に行ったときも、あの辺は地元に近かったのですが、本当に僕の地元は世田谷なのだなと毎回改めて思ってしまいます。 ここも本当に上野毛から国分寺崖線をちょっと下ってここに来ると、本当にいいルートになっていてというのがあって、いろいろ考えると、緑だなというか、単なる緑化ではない世田谷ならではの緑の在り方が世田谷の中には根づいているなと、今日、歩いても思いまして、そういう意味でもこういったものが本当に残っていかないと、私のふるさとも残らないなという感じがしてしまったので、ぜひこういうものを受け継いでいきたいなという意味で、区民委員のお二人に頂いた意見も踏まえながら、来期もいろいろな形で委員会もできればと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。今日はありがとうございました。 これを持ちまして、令和4年度第2回風景づくり委員会を閉会とさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。 ――了――