令和3年度 第1回世田谷区風景づくり委員会 議事概要 日時:令和3年9月16日(木曜日) 午前10時から正午 場所:世田谷区二子玉川分庁舎 大会議室 都市整備政策部都市デザイン課 【附属機関会議録】 ・会議の名称 令和3年度 第1回世田谷区風景づくり委員会 ・事務局を主管する課の名称 都市整備政策部 都市デザイン課 ・開催日時 令和3年9月16日(木曜日) 午前10時から正午 ・開催場所 世田谷区二子玉川分庁舎 大会議室 ・出席者 【世田谷区風景づくり委員会】 野原卓委員、鶴田佳子委員、後藤智香子委員、田邉学委員、山本緑委員 【事務局】 都市整備政策部都市デザイン課長:橋毅 都市デザイン担当係長:二見征 担当職員:赤堀弘幸、猪瀬俊子 株式会社アルテップ ・会議の公開・非公開・一部非公開の別 公開 ・傍聴人の人数 0名 ・会議次第・内容 【開会】 「議題」 1.界わい形成地区の取組み 2.事務連絡 【閉会】 令和3年度 第1回世田谷区風景づくり委員会 令和3年9月16日(木曜日) 〇事務局  皆様、おはようございます。定刻になりましたので、令和3年度第1回世田谷区風景づくり委員会を開催したいと思います。本日、事務局からのご案内をします私、都市デザイン課の二見と申します。よろしくお願いします。 本日の委員会開催につきましては、前回と同様、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じまして開催しております。安全に配慮して進めてまいります。また、11時半ぐらいに閉会できればと存じます。ご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。 また、本委員会は議事録と名簿をホームページのほうで公開しております。議事録の作成に当たって、速記の委託事業者により会議の録音をさせていただきます。あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。 それでは、初めに本日の委員の皆様のご出席について確認いたします。本日、委員の皆様のご出席は会場が4名、リモートにて後ほど1名のご出席の委員の方がいらっしゃって、合計5名となっております。したがいまして、本日の委員会は世田谷区風景づくり条例施行規則第34条に定める会議の定足数を満たしているため、会議は成立しておりますことをご報告いたします。 続きまして、開催に先立ちまして区からのご挨拶ですけれども、本日、都市整備政策部長の畝目が所用で欠席させていただいております。申し訳ありません。代わりまして、都市デザイン課長の橋よりご挨拶申し上げます。 〇都市デザイン課長  改めまして、皆様、こんにちは。都市デザイン課長の橋です。本日、部長は所用がございまして、代わりにご挨拶させていただきます。 本日は緊急事態宣言中のため、安全対策を講じながら、会場とリモートの混合で、このような形で進めさせていただきます。多少音声等が聞きづらい、入りづらい部分があるかもしれません。ご不便を感じる点があるかもしれませんが、ご理解のほどよろしくお願いします。 また、当委員会、第11期となりまして、委員の任期満了に伴いまして委員の改選がございました。新たに委員になられた方がいらっしゃいます。お引き受けいただきまして、ありがとうございます。継続される委員の皆様も、引き続きよろしくお願いいたします。 本日の議題につきましては、奥沢地区での「界わい形成地区の取組み」でございます。指定されれば、当区で最初の界わい形成地区となります。これまでも平成29年度から地域の皆様とともに検討を進めてまいりまして、その報告もさせていただいているところではございますが、いよいよ素案としてまとまってまいりましたので、本日はその内容をご説明させていただきます。委員の皆様からご意見、ご助言、また留意点等を頂ければと思います。よろしくお願いします。 簡単ではありますが、ご挨拶とさせていただきます。 〇事務局  続きまして、風景づくり委員会の体制について説明させていただきます。今お話がありましたとおり、風景づくり委員会は本年2月1日より第11期となりまして、任期満了となった方々の代わりに、新たに3名の皆様に委員の委嘱をさせていただいております。継続の委員の方々も含めまして、本来であれば委嘱状を直接お渡しすべきところだったんですけれども、委員会開催まで少し期間がございましたので郵送とさせていただきました。第11期風景づくり委員会の皆様の任期は、本年2月1日より令和5年1月31日までとなります。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、都市デザイン課長橋のほうから、委員の皆様のご紹介をさせていただきます。その後に第10期委員長の○○委員がご退任されましたので、委員長及び副委員長のご選出をよろしくお願いいたします。 〇都市デザイン課長  それでは、改めまして、世田谷区風景づくり委員の皆様をご紹介させていただきます。第11期の初回となりますので、一言ずついただければと思います。 まず初めに、新たに委員となられた方よりご紹介させていただきます。 ○○委員でございます。 〇委員  ○○と申します。2歳のときから住んでいて、年がばれるんですけれども、65年世田谷に住んでいるので、世田谷はかなり詳しいと思っています。まちを歩くのが大好きなので、今回応募させていただきました。 区役所というのは住民票を取りに行くところとしか思っていなかったんですけれども、こんなにいろんなことをしていらっしゃるのだとこれを読んで改めて感じて、少しでもお手伝いができたらと思っております。よろしくお願いいたします。 〇都市デザイン課長  続きまして、前期から引き続きお務めいただく方をご紹介いたします。 まず最初にリモートでご出席されております○○委員でございます。最初なので、一言お願いしたいと思いますが、聞こえますでしょうか。 〇委員  委員を仰せつかっております、横浜国立大学の○○と申します。よろしくお願いします。昨期に引き続き委員をさせていただきますので、今まで学んだことも含めて世田谷区の風景づくりにいろいろご協力、お手伝いできることがあったらと思って努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ちょっと事情がございましてこういう形での出席となりまして大変申し訳ないですけれども、よろしくお願いいたします。 〇都市デザイン課長  新たに委員となられた、学識経験者の方をご紹介いたします。 ○○委員でございます。 〇委員  今期よりお世話になります、東京大学の○○と申します。よろしくお願いいたします。私は委員の横浜国立大学の○○先生が東大にいらっしゃった頃に学生でして、そういった意味でも今回のご縁は大変うれしく思っております。 私は千葉にずっと住んでいるんですが、博士課程の研究のころ、もう10年ほど前になりますが、世田谷区の上北沢にあります「地域共生のいえ」という住民の方の空いているスペースを地域に生かしている取組みですけれども、それで世田谷区に関わり始めました。研究からですけれども、それから研究を通じて実践までいろいろお手伝いする中で、今は世田谷に月1回ぐらいは通ってきています。ただ、上北沢がメインになっているので、世田谷区のほかの地区についてあまり知らない部分のほうが多いんですけれども、これから勉強しながらいろいろお手伝いできたらと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。 〇都市デザイン課長  どうもありがとうございました。 では、こちらから進めていきたいと思いますので、続きまして昨年から引き続き委員となっていらっしゃいます○○委員でございます。 〇委員  昭和女子大学の○○です。よろしくお願いいたします。 前期、私も勉強しながらという部分はあったんですけれども、実際に大学が三軒茶屋にございますので、大学周辺の地域と関わることを20年以上やっているというところではあります。それと自分自身も生まれて育ったという部分で長く世田谷と関わっておりますので、実際に風景をつくるというところに関わっている時間のほうが大きいかなと思います。 そういった立場からも、何か全体整備していくところということでお役に立てればということと、自分も勉強ができればいいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 〇都市デザイン課長  それでは、続きまして、前回から引き続きお務めいただく○○委員でございます。 〇委員  株式会社○○の○○と申します。名簿上では専門家となっておりますけれども、何の専門家か分からないといけないのであえてお伝えしますと、色彩とか屋外広告物のような都市景観の中でもちょっとニッチな分野を長く調査したり、研究したりしております。 世田谷区とは初期の風景づくり計画の頃からお付き合いがございまして、今はこの委員と風景づくりデザイナーという個別の建築物等の協議をさせていただく立場でも関わらせていただいております。専門分野が限られているのでお役に立てる範囲も限られますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 〇都市デザイン課長  ありがとうございます。 続きまして、委員長と副委員長の選出をお願いいたします。お手元に配付いたしました資料1「世田谷区風景づくり条例施行規則(抜粋)」を御覧ください。この中の第32条に規定されておりますように、委員長、副委員長については委員の皆様の互選により定めることになっております。 つきましては、委員の皆様から、委員長、副委員長をご選出いただきたいと存じますが、どなたかご推薦いただける方はいらっしゃいますでしょうか。 〇委員  私のほうからお願いしたい先生方がいらっしゃいます。前期まで副委員長をお務めいただきまして、この分野に造詣が大変深い○○委員を委員長に、副委員長には地元の事情にお詳しくて、地元で長く活動されている○○先生にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 〇都市デザイン課長  ありがとうございます。ただいま委員より、委員長に○○委員、副委員長に○○委員とのご推薦を頂きました。皆様、どうでしょうか。 (「異議なし」の声あり) それでは、委員長に○○委員、副委員長に○○委員をご選出いただきましたので、これで決めていきたいと思います。ありがとうございました。 早速、○○委員長、○○副委員長より一言ご挨拶をお願いいたします。 〇委員長  改めまして、今回はこういう形で大変申し訳ありませんが、委員長をご指名いただきましたので務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 先ほどちょっと申し上げませんでしたけれども、私自身も今は横浜におりますが、生まれも育ちも世田谷区でございます。30歳弱までずっと世田谷で過ごしておりましたので、本当に世田谷の風景について自分なりの思いもございますし、少しでも皆様のお役に立てればと思っておりますので、これからも引き続きどうぞよろしくお願いしたいと思います。今日だけは大変申しわけありませんけれども、お願いいたします。 〇都市デザイン課長  どうもありがとうございました。 それでは、○○副委員長、一言お願いします。 〇副委員長  ○○です。○○委員長をサポートできるように努めていきたいと思います。 長く関わってということは申し上げたんですが、先ほど○○委員からも長く住んでいてもなかなか活動を知らなかったとか、いいまちを知らなかったという部分があると思いますので、まさにこういった委員会で活動していることが、区民の皆さんに伝えていくことにもつながるのかなと思います。ここの委員会が潤滑に意見交換もできるようにというところでサポートできればと思いますので、よろしくお願いいたします。 〇都市デザイン課長  どうもありがとうございました。 続きまして、本日出席しております区の職員を紹介させていただきます。私は都市デザイン課長の橋です。改めまして、よろしくお願いします。 それでは、事務局を紹介いたします。都市デザイン課担当係長の二見でございます。 〇事務局  二見です。よろしくお願いします。 〇都市デザイン課長  担当の赤堀でございます。 〇事務局  赤堀です。よろしくお願いします。 〇都市デザイン課長  同じく担当の猪瀬でございます。 〇事務局  猪瀬でございます。よろしくお願いします。 〇都市デザイン課長  続きまして、界わい形成地区指定の検討業務を委託しております株式会社アルテップから2名、○○と○○でございます。 〇コンサル  ○○と申します。どうぞよろしくお願いします。 〇コンサル  ○○と申します。よろしくお願いします。 〇都市デザイン課長  ありがとうございました。 それでは、ここからの進行につきましては、世田谷区風景づくり条例施行規則第32条第2項及び第3項によりまして、通常ですと○○委員長に会の進行をしていただくところですけれども、本日はリモートによるご出席のため、○○副委員長にお願いできればと思います。 それでは、副委員長、よろしくお願いいたします。 〇副委員長  では、早速、委員長のサポート役ということで、司会を務めさせていただきます。 本日はご多忙のところご出席いただき、ありがとうございます。これより、令和3年度第1回風景づくり委員会の議事を進めてまいります。 それでは初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。 〇都市デザイン課長  お手元の資料の確認をいたします。本日の資料につきましては、あらかじめ委員の皆様に郵送させていただいたものと変更はございません。本日の配付資料ですが、まず委員会の次第でございます。 次に、資料1「第11期風景づくり委員会委員名簿」でございます。 次に、資料2「風景づくり条例施行規則(抜粋)」でございます。 続きまして、資料3「奥沢界わいニュース(第7号)」でございます。 続きまして、資料4「奥沢界わいニュース(第8号)」でございます。 続きまして、資料5「色彩基準の方向性」でございます。 続きまして、資料6「通りの愛称募集結果」でございます。 続きまして、資料7「通りの愛称案への意見」でございます。 続きまして、資料8「通りの愛称案の絞り込みについて」でございます。 続きまして、資料9「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区素案(案/検討中)」でございます。 閲覧資料としまして「世田谷区全図」、「都市計画図1・2」、「風景づくり計画」、「界わい形成地区ガイド」を机上に用意してございますので、ご確認していただければと思います。 以上が本日の資料でございます。お手元にない方がいらっしゃいましたらお知らせください。よろしいでしょうか。以上でございます。 〇副委員長  皆さん、よろしいでしょうか。 本日は、区より報告事項が1件のみとなっております。それでは、事務局より説明をお願いいたします。 〇都市デザイン課長  それでは、報告事項1でございます。界わい形成地区の取組みにつきまして、事務局からご説明申し上げます。 〇事務局  それでは、報告事項の界わい形成地区の取組みについて、私のほうから説明いたします。新たに委員になられた方もいらっしゃいますので、少し丁寧に説明するので30分ぐらいかかりますけれども、聞いていただければと思います。 初めに、界わい形成地区制度の概要。それから、奥沢1〜3丁目におけるこれまでの取組みについて説明いたします。その後、今年1月の風景づくり委員会以降の報告としまして、奥沢の風景を考えるオープンハウス開催報告。それから、界わい形成地区の素案について、通りの愛称募集と決め方、今後のスケジュールの順番で説明していきたいと思います。 初めに、界わい形成地区制度の概要について説明いたします。世田谷区は景観法に基づく景観計画区域を世田谷区全域とし、一般地域と風景づくり重点区域に区分しています。風景づくり重点区域は風景づくりを重点的に推進する必要がある地区として、区長が定める区域です。現在は国分寺崖線とその周辺を水と緑の風景軸として、重点区域に指定しております。一般地域は用途地域に応じて、3つのゾーンに区分しています 風景づくり重点区域は、いま指定している水と緑の風景軸以外に、界わい形成地区を指定することができることとなっています。けれども、現在、界わい地区に指定されている地区はない状況です。 界わい形成地区とは、ある一定の地域の魅力や個性を活かした風景づくりを進めるため、その地区独自の目標や方針、ルールを定めることができる制度となっています。 世田谷区全体の風景づくりの中で、どういう位置付けになるのかをご紹介いたします。世田谷区では様々な目的に応じた風景づくりの取組みを行っています。大きく3つに分けると、丸い枠の3つの色なんですけれども、1つは建設行為等による風景づくりで、青い丸になります。事業者等による建設行為や屋外広告物への誘導、公共施設による風景づくりなどです。2つ目は水色の丸の部分で、区民主体の風景づくりです。例えば地域風景資産の選定ですとか界わい宣言の登録、風景づくり活動団体の支援などを行っています。3つ目は白い丸の枠で囲まれているところで、風景づくりの普及・啓発を行っています。風景づくりのイベント開催ですとか、風景づくり通信の発行、ホームページ等による発信などを行っています。 この内、界わい形成地区なんですけれども、こういったところの取組みを総合的に、包括に行う制度となっています。地区住民の皆さんとともに、普及・啓発をしながら将来像やルールを検討し、指定後は建設行為等を誘導するため、複数の取組みを重ねて、併せて進めていく制度となっております。 そして、界わい形成地区は地区住民と行政との連携により進めていくため、こちらの3つの視点、独自性、具体性、そして一体性が求められます。独自性とは、地域の特色を生かした独自の風景づくりを目指すことができること。具体性とは、独自の風景を守り、育て、つくるための具体的な風景づくりを進めることができること。一体性というのは地域に関わる多様な主体、地域の皆様が理解して、信頼して、協力し合うことができること。その3つの視点が必要となってきます。 現在一般地域においては、一定規模以上の建設行為に対して、届出制度により風景づくりに配慮した計画となるよう誘導を行っています。そして、一定の区域、一定のエリアを界わい形成地区に指定すると、今度この区域の中で、例えば届出の対象となる行為や規模を新たに設定したりとか、この区域独自のルールを定めて誘導することができます。 界わい形成地区指定までの流れです。まずは地域住民の皆様と関係者が主体となり、地域の風景づくりについて目指したい将来像と、あと具体的に取り組むことを共有します。それを実現するためには、地域の皆様の理解が不可欠です。その後、地区指定に向けて区域ですとか対象行為、風景づくりの方針、基準、地域で取り組むことなどを具体的に検討していきます。この検討に向けて、区では専門家の派遣ですとか支援を行っていきます。内容がまとまった段階で、界わい形成地区指定の案を作成します。界わい形成地区は風景づくり計画に規定することとなるため、指定するというのは風景づくり計画の変更という手続きになります。地域への説明会ですとか都市計画審議会への意見聴取、それからこの風景づくり委員会への諮問を経まして、風景づくり計画の変更の決定によって地区指定という流れになります。 界わい形成地区が指定されることにより、どんな効果があるかというところです。届出制度によって建築行為等への誘導が行われること、指定後も引き続き行われる地域の皆様の風景づくりの取組みによって地域の個性あふれる風景の保全、次世代への継承、地域の魅力のさらなる向上、そして地域住民の皆様のまちへの愛着の醸成などが効果として挙げられます。 続きまして、奥沢1〜3丁目におけるこれまでの具体的な取組みについて説明します。奥沢1〜3丁目は世田谷区の南東の位置にありまして、景観計画区域の中では一般地域に属しています。主に戸建て住宅と集合住宅を中心とした低層住宅地であり、駅の周辺等には地域住民の方を対象とした近隣商店街があります。 こちらは現地の写真ですけれども、地域の中には住宅地の庭先に植えられた緑がつながる特徴的な風景が見られ、ところどころに大きな樹木も残されています。これらの緑豊かな風景は地区にお住まいの方々によって守られ、育まれております。奥沢2丁目の一部には、昭和初期に宅地開発され今も残る近代住宅ですとかシュロの木など、当時の面影が残る街並みが見られます。また、奥沢駅から南東に延びる道には、基盤の目に対して斜めに交差した緩やかな高低差のある道路がありまして、その沿道の緑、道祖神のある交差点など、特徴ある風景が見られます。 また、この地区は地元の町会の奥沢交和会が地域活動を盛んに行っております。それと合わせて、NPOの「土とみどりを守る会」による緑を育む取組みも、もう20年、30年行われている状況です。 当地区の風景づくりの取組みにつきましては、ワークショップの開催などの方針・基準づくりと、イベントの開催による地域の魅力の共有、理解の両輪、この2つを並行して進めてまいりました。風景づくりの進め方やイベントの企画につきましては、地域にお住まいの方々と検討しております。地元の町会とNPOの「土とみどりを守る会」、それから世田谷区で構成するコア会議で検討を進めています。 風景づくりの取組みは平成29年度から始まりました。初年度はまち歩きや意見交換会、セミナーなどを開催しまして、地域の皆様と奥沢の風景について考えてきました。30年度、令和元年度は具体的な手法や制度を考えるために、地域の皆様にご参加いただきましてワークショップですとか、魅力を共有するためのイベントの風景祭を皆様と一緒に進めてまいりました。そして令和2年度には、これまでの地域の皆様との検討ですとか頂いたご意見を踏まえまして、界わい形成地区のイメージというものを取りまとめました。今日お配りしております界わいニュース第7号に掲載しまして、地域の皆様に全戸配布してお示しするとともに、今年の春に展示形式の説明会であるオープンハウスを開催しまして、地域の皆様にご説明するとともに、地域の皆様からご意見を頂きました。ここまでがおおよそ前回の1月の委員会で報告させていただいた内容になります。 続きまして、オープンハウスの開催状況について報告させていただきます。オープンハウスとは展示形式の説明会、そして意見交換会、意見を伺う会となります。お伝えしたい内容をパネルなどによって展示しまして、スタッフが来場者の方へ説明して、ご意見を伺いました。地域の皆様は開催期間中に、ご自分のご都合でお好きな時間に来場することができます。1度に多くの方が来られた場合は、コロナなので入場制限をするんですけれども、必要な感染予防対策を図りながら開催できる説明会となります。 オープンハウスは今年の2月26日、27日に奥沢区民センター、3月5日と6日、それぞれどちらも金曜日と土曜日に、奥沢まちづくりセンターにて開催しました。当日の様子の写真です。4日間で延べ128名の方々にご来場いただきました。30代から50代の子育て世代の方々ですとか60代以上のご年配の方々、それから20代以下の若い方々にもご来場いただきまして、幅広い世代の方々に説明することができました。 先ほど申し上げた界わい形成地区のイメージも含めて、どんな内容をお示ししたかを簡単に説明したいと思います。お手元にお配りしています界わいニュースの第7号を御覧いただけますでしょうか。こちらは地域の皆様にも全戸配布して、お示しをしています。界わいニュース7号をもとに説明させていただきます。 まず最初の1ページ目はオープンハウス開催のご案内と、奥沢交和会の塩谷理事長からのご挨拶があります。続きまして、開いていただきまして2ページと3ページでは奥沢の街並みの成り立ちですとか、地域の皆様の様々な活動をご紹介し、皆様お一人お一人が例えばお庭のお手入れをされていること、町会の催しですとか清掃活動、「土とみどりを守る会」の緑育む活動など、これまで地域の皆様がされてきたことが実は風景づくりであることをお伝えしまして、その魅力的な風景を次世代へ引き継ぐことがこの取組みの目的であることをお伝えしています。この目標や方向性、手立てをまとめて共有するものが界わい形成地区の制度になりますというところを、このページでお伝えしました。 続きまして4ページ、5ページです。奥沢の風景の特徴をお示ししまして、その特徴を守り育てることを界わい形成地区のポイントとしていることをここでお示ししています。合わせまして、左上のほうでは奥沢周辺のまち、例えば自由が丘ですとか田園調布、洗足池周辺では、既に同じような風景を守っていくような取組みを地域の皆様で、ルールや意識を共有して基準などを定めて進められていることをご紹介しています。 続きまして6ページから、界わい形成地区のイメージをお示ししています。まず、区域につきましては奥沢1〜3丁目の全域。あと区域西側の商店街通りにつきましては、商店街通りの風景を守り育てるにはやはり通りの両側を対象とすることが必要になるので、通りの反対側のところも区域としています。また、駅の北側の近代住宅ですとか生垣が残るような住宅地エリア、それから駅の南東へ延びる「斜めの道エリア」については区分を分けまして、この2か所については特徴的な風景を守るということで、重点的に風景づくりを進めるエリア、重点エリアとして区域分けをしています。 次に、6ページの下の風景づくりの目標です。「みどりと人がつなぐおくさわの風景づくり」として、6つの項目について方針を示しています。7ページでは、奥沢の風景を守り育てるためのルールのイメージを幾つかご紹介しています。例えば住宅地では、敷地内の道路に面するところに草木、樹木を植えて通り沿いの緑をつなげることですとか、建物は落ち着いた色としていただき、緑が活きるように配慮してくださいというようなルールをご紹介しています。また商業地では、看板は風景に配慮したものにしてくださいということですとか、プランターなどできる限りの緑を配置しますというようなルールのイメージをご紹介しています。 その下には風景づくりの流れとしまして、建築行為の前に届出をしていただいて、風景づくりのルールに基づく配慮について確認することを示しています。また重点エリアにつきましては、手続きの中できめ細かくルールへの誘導を行い、より良い計画とするために、事前調整会議にて計画の調整を行っていきますということをお伝えしています。 めくっていただいて、最後のページでは届出の対象になる行為、奥沢では戸建て住宅も含めて全ての建物の建築について届出対象として誘導していくことをお示ししています。このような内容をオープンハウス等でご紹介させていただいて、アンケートで皆さんからのご意見を頂きました。 どういった内容のアンケートを頂いたかということを、今度は界わいニュース8号でご紹介しますので見ていただけますでしょうか。2ページ、3ページの見開きのところを御覧ください。オープンハウスでは128名の皆様にご来場いただきまして、30代から50代の方、20代の方など、幅広い世代の方々にご来場いただきました。そのうち86名の皆様よりご意見を頂きました。 各項目についてご紹介しますと、まず区域についてですけれども、良いとのご回答を91%の方から頂きました。自由意見としては「奥沢らしい風景が見られるこの地域を、まずは重点的に守り育てていくのが良い」といったようなご意見を頂きました。 続きまして目標・方針につきましては、良いとのご意見を95%頂きました。「奥沢に緑を残すという方針、目標に賛成します」というようなご意見を頂きました。 続きましてルールについてですけれども、こちらもよいとのご意見を85%頂きました。「実現可能で納得のいくルールに向けて知恵を出し合って、ぜひみんなで協力してルールをつくっていけたらいい」というご意見、それから「塀を下げることにより、庭が狭くなることについてはちょっと負担を感じる」というご意見を頂きました。 続いて風景づくりの流れについては、93%の方から良いとのご意見を頂きました。「専門家の方に助言してもらえると、美しい風景が守れる」、「住民の皆さんの意見を聞く仕組みがあるといいのではないか」、「事前協議、会議と言われると、新しく土地を買おうとする人が二の足を踏むのではないか」というご意見も頂きました。 続きまして届出が必要な行為につきましては、88%の方から良いとのご意見を頂きました。「設計者の方が周りや街並みに配慮する意識を持つようになる」、「まちの景観に関わる全ての行為を対象にするべき」といったご意見を頂きました。 あと項目とは別に、その他の自由意見というところで頂いたのは「とても良い制度である。長い目で見て、地域住民が幸せになる。また資産価値の向上にもつながると思う」「奥沢はとても住みやすくて好きなので、これからも住みよい風景が続くと良い」「地域の方がみんなのルールと思えるような制度になると良い」というご意見を頂きました。以上がオープンハウスのご報告です。 続きまして、奥沢1〜3丁目等界わい形成地区の素案、検討案についてご説明いたします。今ご紹介しましたイメージに対して頂いたご意見ですとか、その後コア会議等でご意見を頂いたことを踏まえまして、奥沢の界わい形成地区の素案の案を今取りまとめている状況です。その現時点での内容をご紹介します。 初めに界わい形成地区の指定は、先ほど申し上げたとおり風景づくりの中に追加掲載することになるため、手続きとしては風景づくり計画の変更という形になります。実際にはこの冊子を新たにまた作り変えて刷るということではなくて、今ある風景づくり計画に、その追補版ということで新たに奥沢の界わい形成地区の内容を載せたものを作ります。指定後は、その2つを合わせたものが世田谷区の風景づくり計画になるというような体裁になります。 本日お配りしている最後の資料9の「奥沢1〜3丁目等界わい形成地区素案(案/検討中)」が追補版ということで、最終的には風景づくり計画とセットになるものの体裁としてまとめたものになります。この内容を説明するんですけれども、本日は絵も含めましてスライドで説明させていただきたいと思いますので、スライドを御覧ください。 まず、区域です。区域については先ほどのイメージと変更はありません。変更があるのは各区域、エリアの名称になります。世田谷区全体の景観計画区域では、風景づくり重点区域になる界わい形成地区の中に、今度さらにまた重点エリア、一般エリアという区域名があるのは少し分かりづらいんじゃないかというご意見を、前回の風景づくり委員会で頂きました。また地域の方々からは、例えば誘導していくとか指導していく、あと特別区域とかそうではないというような言葉を区域名に入れるのは印象がよくないので、もう少し柔らかくて地域のみんなで守っていくような名称がいいんじゃないかというようなご意見を頂きました。 そういったことを踏まえまして、今はまだ決まっていませんけれども、仮に2つの重点エリアについては区域名を「歴史と緑のエリア」「斜めの道エリア」。この「斜めの道エリア」というところは今愛称募集をしております名前が決まったらその名前が入りますけれども、そういった区域名を仮に置いています。あと重点区域ではない一般エリアにつきましては、「緑の街並みエリア」という名前を仮で入れさせていただいています。引き続き地域の方々にお示ししまして、決めていきたいと考えております。 それから、界わい形成地区の目標については、イメージと変わりありません。「みどりと人がつなぐおくさわの風景づくり」という目標にしています。 方針についても、内容はイメージと変わっていません。少し構成を変えまして、イメージは歴史と建物については2丁目の近代住宅が残るエリアの方針、交差点と地形は「斜めの道エリア」のところの方針というような構成にしていたんですけれども、この内容はそれぞれの項目が全てのエリアに該当するため、素案の中では並列で全ての地区にかかるような構成に変更しています。 風景づくりの基準についてですけれども、少し構成を変えました。左側が以前のイメージのときの構成なんですけれども、イメージの段階では、風景づくりの奥沢独自の基準につきまして重点エリアは遵守基準、一般エリアは努力する基準ですよといった構成にしております。文言も差をつけていましたけれども、この構成が少し複雑だというようなご意見がありました。また地域の方からも、ちょっと分かりにくいねというお話を頂きました。あと先ほどの方針が全ての地区にかかる内容になるというお話も含めまして、素案では奥沢独自の基準については、重点エリアも一般エリアも一つの基準にさせていただきました。文言も一つの基準として、みんなで守っていく基準としています。 そして色彩の基準だけにつきましては、重点エリアはきめ細かく誘導していくということできちんと数値を定めた基準、一般エリアにつきましては数値を定めない定性的な基準ということで定めています。あと一定規模以上の建物につきましては、奥沢独自の基準に併せての基準につきましては、この後説明させていただきます。 手続きの流れについても、イメージの段階と特に変更はありません。重点エリアと一般エリアについて、手続きに差をつけているところも特に変わりません。重点エリアについてはきめ細かく誘導を進めていくために、小規模建築物の計画についても事前調整会議を開催しまして、専門家の方との意見交換の中で誘導調整を進めていきます。一般エリアにつきましては、事前調整会議は開催しない形で考えています。というのは、一般エリアにつきましてはどちらかというと小規模建物の計画は届出制度によって、こういった配慮していくとより良くなりますねといったところをこれから建てる建築主の皆様方に気付いてもらって、自ら配慮を実行していただくというところを目的としております。一般エリアは届出の書類についても少し簡略化をして、そういったところで重点エリアと一般エリアと、少し差をつけているような形です。 次に届出対象行為についても、界わい形成地区のイメージから変更はなく、戸建ても含めた建築行為が対象となる形にしています。工作物については新しい内容を追加しまして、駐車施設、主にコインパーキング、駐輪施設、自動販売機について、この地区は少し誘導していきましょうということで届出対象に追加しました。後ほど内容は説明いたします。それから木竹の伐採につきましては、今一定規模以上の広い樹林地は届出対象としていますが、それに追加しまして10メートル以上の樹木(竹は除く)を届出対象としています。これは地区内に幾つか高木があるということを踏まえまして、10メートル以上の樹木を届出対象の中に追加しました。その他の届出対象行為につきましては、今ある届出対象行為から特に変更はしないという内容となっています。 基準と手続きについて、一つの表にまとめました。分かりづらいかもしれないですけれども、まず色彩以外の奥沢の独自基準につきましては、建物の規模ですとか重点エリア、一般エリアに関わらず、全てのものにかかることになります。小規模建築物については、先ほど申し上げたように重点エリアと一般エリアで色彩基準と手続きの2つについて差をつけるような形で、めり張りをつけて誘導していきます。色彩基準について、重点エリアは定量的な数値による基準を定め、一般エリアでは定性的な基準という形で配慮を求めていきます。手続きについて、一般エリアは事前調整会議による調整は行わず、届出書類も簡略化いたします。あと大規模建築物についてはエリアに関わらず、既にある基準に奥沢独自の基準が追加されるような形になりまして、一定規模以上の建物について手続きに変わりはありません。 続きまして、基準について幾つかご紹介していきたいと思います。資料9の素案の7ページの一覧表になっている内容になります。これが奥沢の独自基準の内容になりますので、絵も含めてご紹介していきたいと思います。 まず、配置の基準の例です。適切な隣棟間隔の確保や道路側に空地を設けるなど、可能な限り、ゆとりのある配置となるよう工夫するといった基準です。 それから、形態・意匠・基準の例です。角地や道路の突き当たりなどアイストップとなる場所では、角地部分に樹木を植えるなど、通りからの見え方に配慮して魅力ある交差点の風景となるよう工夫するといった基準です。 外溝・緑化等の基準です。可能な限り、奥沢の風景になじむ樹木による緑化を図る。例えばシンボルツリーの配置、既存樹木の保存などです。これは方針の「大きなみどり」から来ている基準です。それから敷地内の接道面など視認性の高い場所は、樹木や草木等により積極的に緑化し道路沿いの塀や柵の高さや素材に配慮するなど、周辺の緑との連続性を図るよう工夫する。視認性の高い緑をつなげるということで、こちらは方針の「小さなみどり」から来ている基準になります。外構・緑化等でもう一つ、敷地の鋭角部分が通りに面する場合は、可能な限り敷地の鋭角部分を緑化し、通り沿いに庭先の緑がつながるよう工夫するという基準です。こちらは方針の「地形」というところから来ている基準ですけれども、主に鋭角部分の三角形の敷地が残るということで、斜めの道の沿道に多い形態になります。斜めの道に配慮していただくところの基準となります。 それから、その他の基準として、全般にかかるところですけれども、地域の歴史や風土を物語る資源は、可能な限り保全・活用を図るといった基準。それから、屋外広告物を設置する際は「風景づくりのガイドライン(屋外広告物編)」を参考に、奥沢の風景と調和したものになるよう工夫するという基準です。世田谷区全域で、こちらを基に誘導しています屋外広告物のガイドラインの配慮に基づいたものとしていただくように誘導する基準です。 工作物についての基準です。まずコインパーキングについてです。奥沢地区では住宅街の中にできるコインパーキングについて、実は風景づくりの取組みとは別に区民の声等にも少し苦情とかご意見を頂いている状況がございます。説明板や精算機、ロック装置などの設備については、通りからの見え方に配慮し、周辺の風景に調和するような形態・意匠や色彩にするよう工夫してくださいという基準です。右側の写真は松陰神社のところにあるコインパーキングですが、こういった風景に配慮したものにしていただくように誘導していければと思っています。併せて、場所については通りから目立たないように工夫していただくことも促していこうと思います。 もう一つ工作物ですけれども、自動販売機に関する基準です。自動販売機を設置する場合は、周辺の風景と調和した意匠、色彩とするなど、通りからの見え方に配慮するといった基準になります。自動販売機につきましては、自動販売機の協会である全国清涼飲料連合会が2006年に業界の4団体で、自主景観ガイドラインを制定し公表しております。景観地区などにおいては、地域の自治体の要請に沿って景観に調和したものとしていきますということを公表しておりますので、こちらのほうに配慮していただけるよう促していこうと思っております。 続いて、色彩の基準について説明します。ちょっと細かい説明になりますけれども、先ほど申し上げたように重点エリアについては定量的な基準、その他のエリアについては定性的な基準に配慮を求めるような形で誘導していきます。重点エリアについては定量的な数値によるきちんとした基準を定めていくために、今年の夏に重点エリアの全棟について色彩の調査を行いました。全部で288棟の建物の調査をしまして、それをご紹介させていただければと思います。 まず調査方法としては、建物を外から色見本、カラーチャートを使用しまして、建物のメインとなる外壁の色、それからアクセントとして使われているサブとなる外壁の色、あと外構、塀等についての色を調査しました。ご存じかもしれないですが、色彩については色相(色の種類)と明度(色の明るさ)、あと彩度(色の鮮やかさ)の3つの属性を数値として併記するマンセル値という指標で調査をしました。 これが調査の結果になります。まず奥沢の重点エリアの特徴を、今の3つの属性から見てみます。色相についてですけれども、傾向としてはほとんどの建物が暖色系の色相になります。暖色系と無彩色以外の、青とかそういった寒色系の色については1%未満というごくわずかな数値となっておりました。抜粋したものをお伝えするとこのような形で、暖色系の建物が多いという結果になりました。 続きまして明度、明るさについてです。奥沢は明るい建物が多く、逆に明度が4以下の黒に近いような建物はごくわずかという結果でした。この写真にあるような明るい色の建物が多いという結果になりました。 それから、彩度についての傾向です。鮮やかさについては落ち着いた色の建物が多く、比較的鮮やかな彩度4から6といった建物であっても10%未満ということで、原色に近いようなビビッドな色の建物は一つもないという状況でした。 お配りしました資料5が、その結果となります。色相ごとにどういった明度、彩度の建物がどのぐらいあったかをお示ししておりまして、この中にある赤丸で書かれている数値が建物の棟数になります。現在、奥沢地区では一定規模以上の建物は既に色の基準が定めてありまして、この中にあります青い枠で囲っているものが、少し大きな建物にかかる既にある基準になります。今回重点エリアの戸建て等を含めて調査した中で、ほとんどの建物が今ある基準の中に収まっているような状況でした。逆に言えば、基準からはみ出ているものが少しあるような状況となっております。 一定規模以上の大きな建物についてはやはり周辺の風景への影響が大きいので、今定めている基準があるのですけれども、戸建て住宅は規模が小さく一戸一戸の周りへの影響はそれほど大きくないので、既存の基準を戸建て住宅にも適用するのは少し厳しいのではないかと事務局は最初考えました。基準からはみ出ているようなものも取り込むような、少し緩めの基準を事務局が案としてつくりまして、地元の方々にご紹介しました。そうしたところ、地元の皆様からは重点エリアの風景を守っていくための基準なので、緩い基準ではなくて、やはり今ある少し狭めた基準で誘導していくほうがいいんじゃないかというご意見を頂きました。 その地元の方からのご意見も含めて、実は風景デザイナーである田邉先生にご相談をさせていただきまして、ご助言も頂いた上で、こちらのような案を地元の方々にお示ししようかなと思って考えています。 1つ目の案、赤い点線の枠の案、お配りした資料ではBでお示ししているんですが、現在の今ある色彩基準を基本として少し重厚感のある落ち着いた戸建ての住宅、例えば深い焦げ茶色のタイル張りのようなお宅も認められるように、今ある基準から明度、明るさを少し暗いものまで、4から3まで下げた基準としているのがこの赤い点線の案です。 またピンクの点線の案は、現在の水と緑の風景軸という重点区域の基準を基本として、明るい建物があるので明るさのほうについては上限をなくして、暗めな建物については明度を4から3に下げた基準の案です。これはBの赤い点線の案からは、鮮やかさを少し厳しくしたものになります。 こちらのBとCの案をこれから地元の方にお諮りして、ご意見を頂きながら、最終的な素案としてまとめていきたいと考えております。色彩基準については以上です。 この素案の内容について簡単に幾つかまとめますと、まず界わい形成地区の中に、重点的に誘導する重点エリアと一般エリアの2種類に区域分けしていますということ。それから、重点的に誘導するエリアと一般エリアにつきましては色彩の定量基準があるかないか、手続きについて例えば省略できたりするかというようなレベルの差をつけたところ。界わい形成地区に指定する奥沢1〜3丁目全域で、戸建ても対象として風景の誘導を行っていくということ。あとイメージから変わったところとしては、コインパーキングとか駐輪施設、自動販売機の景観誘導も新たに義務づけていきますというところが今回の素案の内容になります。 これらの素案をもとにコア会議で最終調整をさせていただいて、秋のオープンハウスで地域の皆様にお示しをしていく予定でおります。素案についての説明は以上です。 続きまして通りの愛称募集の決め方についてご説明します。お配りしました資料6から8を御覧ください。 通りの愛称募集につきましては去年の12月に配布したニュース第6号にチラシを同封しまして、通りの愛称の募集を行ったところ、134件もの案が寄せられました。多くの方からご応募いただきまして、この通りが地域の皆様にとても愛されていることが改めて分かりました。お配りした資料6が応募いただいた案の全てと、その案を考えた理由の一覧になります。 春に開催しましたオープンハウスでその案をお披露目しまして、来場された方にいいなと思う愛称と、いいなと思った理由のアンケートを取らせていただきました。その結果が資料7として配付したものになります。このご意見を基に10個の案に絞り込みまして、次のオープンハウスでまたご意見を頂こうと思っております。 10個の案に絞り込んだ内容、考え方はお配りした資料8になります。単純にオープンハウスで頂いたご意見の多かったものを8案まで選びまして、あとは応募いただいた中に奥沢小学校3年生の3つのクラスの子どもたちが、みんなで考えた案があります。その案は大事だなということで追加しまして、全部で10案ということにしています。こちらの10案を踏まえまして、11月に開催を予定しております次のオープンハウスでご意見を頂きます。それで頂いたご意見を基に、春ぐらいに地域の皆様の代表の方々で最終的な選定会を開いて決めていきたいと考えております。決まった名称は重点エリアの「斜めの道エリア」のところに入れまして、最終的には界わい形成地区の区域の名称にしていきたいと思います。 最後にスケジュールです。スクリーンを御覧いただきまして、今申し上げたように11月に界わい形成地区の素案を地域の皆様にニュースとしまして全戸配布をします。それと併せてオープンハウスを開催しまして、地域の方々にご説明するとともに、またご意見を伺おうと思っています。それで特に大きな問題等がなければ、界わい形成地区の指定の要望ということで地域の皆様から区のほうにご要望をいただくことになります。その頂いたご要望を基に区としての地区指定案、つまり風景づくり計画の変更案を作成しまして、区として説明会を開催します。その後、都市計画審議会に意見書を提出し、風景づくり委員会に諮問をさせていただきまして、変更の決定をして地区指定というような流れになります。 時期は滞りなく進められた場合は、区の説明会が大体年度末ぐらいにできればいいなと思っています。それを経ますと、地区指定は来年の7月ごろにできればということで進めております。 長くなりましたが、説明は以上となります。ありがとうございます。 〇副委員長  ご丁寧な説明をありがとうございました。今回の奥沢界わい形成というところで形成地区の経緯、それから実際に具体的な基準案とか素案で結構たくさんの資料があり、先ほどの前回分かりにくい部分があるというところも整理されているとはいっても、同じような言葉が出てくるので、なかなか頭に入ってこない部分も私自身はあるなと思って伺っておりました。 ここからはご質問、ご意見等を、委員の皆様から頂戴できればと思います。委員長からご発言いただけますか。後ほどのほうがよろしいですか。今説明が終わられたので、もしご意見がおありでしたらお願いします。 〇委員長  ご丁寧なご説明をありがとうございました。状況としてはよく分かりましたが、幾つか確認したいことと意見を述べさせていただきます。一般委員のような形で申しわけありませんが、よろしくお願いします。 1つは、先ほど副委員長からも、いろいろ分かりやすくしたとはいえ頭に入りにくいという話もありましたが、今回奥沢1〜3丁目の界わい形成地区をするけれども、その中にさらに重点オブ重点エリアがあるということで、この辺をどう説明するのか、しないのかも含めて、分かりやすくするのかというのが結構重要かなと思っています。 今回、区民とか地域の方々にとって、あまり重点、重点と言って、特別な場所とそうでないみたいな場所に分けるとよくないということで、3つエリアの名前をつけて分けていただいたのは、私は個人的にいいことかなと思っています。なので、ルールのほうも、やっぱり3つそれぞれのエリアにちゃんと書いたほうが。要は、実際は重点なんですけれども、重点ですという意識はせずに3つエリアがありますということで、3つのエリアで示してもいいんじゃないかと個人的には思っているところがあります。 今ベーシックには「緑の街並みエリア」があって、さらにその上に「斜めの道エリア」と「歴史と緑のエリア」があるよという、もとの考え方を踏襲するようなルールの書き方になっていると思います。同じ項目は同じことを書けばいいので、エリアを3つに分けて、3つごとに書いたほうが分かりやすいのではないかというのが個人的な意見です。 というのは、「斜めの道のエリア」はほかのところに比べて斜めの道で、交差点の部分で角が出てくるところが特徴として出ているエリアなので、そこは頑張ってほしいという思いがあると思います。海軍村のほうは海軍村の歴史があって、強くは言えないけれども、できることなら建物もうまく活かしてほしいとか、今ある緑もほかのエリア以上に残してほしいなみたいなところが、どこまで書けるかはあるんですけれども、あると思うんですよね。特徴がさらにエリアの中でも濃く見えるところで、かつ、ある一定程度の合意も得られるということであれば、差という言い方が正しいかどうか分かりませんけれども、文言にちょっと違いがあってもいいんじゃないかという気がするので。 そういう意味でも3つのエリアは、もちろん残りの2つが重点なんだけれども、特質が違うというと言い過ぎなんですけれども、特質にさらに特徴があるエリアだよということで、エリアごとのルールを作ってもいいんじゃないかというふうに個人的には思います。 いま実際に3つのエリアというか、「緑の街並みエリア」とそれ以外の差を何で規定しているかというと、規模要件というか、具体的な会議にかかる物件の量と色彩の基準の2種類で、その2つが違うということになっていると思います。例えば緑のところでもできる限り保全するとか、どこまで書けるか分かりませんけれども、そういう度合いがエリアで違ってもいいんじゃないかと。例えば海軍村のほうでは建物とか緑をぜひ頑張ってほしいみたいな思いが、基準の内容の中に反映されていてもいいんじゃないかという気もするので。もちろん関係者の合意があることが前提ですけれども、そういうことがあってもいいという意味で、3つを書き分けてもいいんじゃないかと思ったということが1つ。 あとちょっと確認なんですけれども、「緑の街並みエリア」の色彩の話は定性基準にかかっているのですが、界わい形成地区じゃない一般地域には色彩の基準があるんでしたか。それとも規模要件があるから、かかってくるのか。その辺がちょっと分からなかったので。 さっき一般地域との差の形でご説明いただきましたけれども、界わい形成地区じゃない一般エリアにも色彩基準があるんだけれども、逆にここになると急になくなるみたい見える体(てい)もあると思います。実際は規模要件があるから小さい戸建て住宅にはもともとかからないということだと思うんですけれども、その辺は丁寧に説明してあげないと、こちらはむしろ楽なんですかみたいに思われちゃうと、実際はそんなことはないですが、勘違いされてしまうかなという気がするので。その辺の説明の仕方はうまくしたほうがいいというふうに思いました。以上になります。 〇副委員長  ありがとうございます。今の色彩の基準について、事務局のほうで補足は何かされますか。 〇都市デザイン課長  委員長、ありがとうございました。 重点エリアとそうでないエリアについては差別化していく必要があるのですが、これまでの経緯もあって、当初は今の重点エリアの2地区について、界わい形成地区を定めていこうという考え方で、ほかの一般エリアについてはガイドラインとして誘導していこうと考えていました。 しかし、地域の皆様との話しの中で、ガイドラインの部分についてもしっかりと届出を出してもらわないと、地域の皆様に充分に意識してもらえないだろうということがあったので、少しガイドライン的な誘導であっても界わい形成地区の一般エリアとして進めていこうという経過があって、今のような形になっています。今、計画としては重点エリアと一般エリアについて同じ表現で書いてしまっているので、そこは少し分かるように差別化していかなければいけないかなと考えています。 例えば重点エリアについては遵守(じゅんしゅ)基準ということで定めているんですけれども、一般エリアについては努力規定ということで、そこを表現的には、例えば努力規定の部分については努めるとか、そういった表現にするとか、今後、届出の手続きと審査をしていく中で、区民の方はもとより事業者の皆様にも分かりやすく説明していかなければいけないので、エリアごとにパンフレットを作成していくとか、その辺は工夫させていただけたらと思います。 〇副委員長  ありがとうございます。こちらに関連してでも、関連していなくても構いませんが、今までの経緯もよくご存じの委員、何かご意見がありましたらお願いいたします。 〇委員  色彩についてですけれども、この基準を作成する前段階として、区の職員の方が実際に現場に出向いて全戸調査をされたことが、今後の運用上とても重要なことで、現場の状況を、色を数字に置き換えて捉えるという訓練という意味では、とてもいい機会になったんじゃないかと思います。 色彩基準についてちょっと分かりにくい部分もあるので、少しお話をさせていただくと、現状世田谷区の中には一般の基準と重点的な基準があって、重点的な基準のほうがどちらかというと緑との調和というか、緑の中に溶け込むようなことを目指して、少し厳し目にしているんですね。一般地区の基準をここに当てはめようとすると、若干暗い建物が規制にかかってしまう。暗い建物を実際に一つ一つ見ると、暗いから悪い状況かというと、木目調のものであったりとか、割と風格のあるタイルであったりとか、そういうものまで制限の対象になってしまうのはまずいだろうということで、少し暗い方向を延ばしたらどうかというようなご助言をしました。 逆に緑を守るほうの重点的な基準を当てはめようとすると、今度は白っぽい色も黒っぽい色も駄目というふうになってしまうんですね。緑のほうで言うと、崖線の緑の中に溶け込む風景を目指しているので真っ白なものが使えないという状況もあって、それを今の奥沢の地域に当てはめるのはやや厳しいだろうと。もちろん奥沢の地域でも緑との調和は重要なんですけれども、崖線の緑のように背景に控えるような緑ではなくて、庭木の前景にある緑との調和の中で考えれば白っぽい色も悪くはないので、白とか黒とかも含めた基準で誘導していっても、現況よりも悪くなることは考えにくいのではないかということで、明度の上限と下限は少し緩和してもいいんじゃないかというような調整をしてもらっています。 ただ、ここで懸念されるのは、先ほど○○先生からもお話がありましたけれども、戸建て住宅と少し規模がまとまってマンション開発みたいになった状況のものが同じように取り扱われてしまうのはちょっと危険なので、例えば真っ白な巨大なマンションができてしまうとか、逆に黒いものができてしまうとやはり景観に与える影響はとても大きいので、それが一緒くたにならないように考えていく必要があるということです。 その上で、1点最後の確認なんですけれども、先ほど風景づくりの基準ということで規模と基準のマトリックスのスライドを出していただきました。ここで確認をしたいんですけれども、重点エリアと一般エリアが奥沢の地区の中にあって、重点エリアの地区は定量的な基準があって、それが守られるわけですけれども、重点エリアの中で大規模な建設行為が起きたときに、建設される事業者は何を守ればいいかということです。奥沢の遵守基準なのか、一般地域の基準なのか、どちらになるんでしょうか。 〇事務局  ここだけ切れてしまったので、多分○○先生もそこを気にされていたんじゃないかと思うのですけれども、こちらの奥沢の独自基準のほうには定量基準が全部かかるので、大規模建築物については今かかっている色彩基準がそのままかかると考えています。 〇委員  レイヤー状にかかってくる、両方の基準に適合しなければいけないということになるのか、奥沢の定量基準に適合しなければならないことになるのか、そこが結構大きなところで。両方にかからないと、奥沢で緩めた基準がそのまま、大規模事業者も緩いまま利用することができてしまって、黒いマンションができるということは十分考えられることなので、そこが少し気になります。 〇事務局  すみません。表現がうまくいかなったですね。 〇委員  そこを分かるようにしておいたほうがいいと思います。住民の皆さんはご自身が家を建てるとか、建て替えるとか、塗り替えることを前提に、基準がそれほど厳しくないほうがいいかもしれないし、かといって一般地区と同じレベルだとちょっとなというようなご意向なんだと思います。 やはり戸建て住宅とマンションや少し大きなビルになったときの影響は違ってくるので、その辺りで強弱がちゃんとつけられるようになると、実際の景観誘導ということでは意味がある基準になるのではないかと思います。 〇事務局  ありがとうございます。戸建てが対象になるので、小規模な建物については少し緩めた基準になりますけれども、一定規模以上の建物については今ある基準をそのままかけるということで考えていますが、表現の仕方がよくなかったので、住民の皆さんにも分かるようにしたいと思います。 〇委員  彩度の方向を縮めようとするときに、両方に適合しなければいけないという見方をしたほうがより好ましいのではないかと思います。 〇都市デザイン課長  さらに補足いたしますと、ここはスライドの作り方がちょっと分かりにくいところがあったのでおわび申し上げます。 ここは確かに1,500平米以上については、先ほどの戸建て向けの明度を下げた色彩基準ではなくて、通常の現行の基準がかかるようになっていて、奥沢の遵守基準と書いてある部分については色以外の奥沢地域特性であるとか、そういう部分を踏まえて総合的に審査していくという意味でございます。ここは色が入っていないということで、その部分が分かりにくかったことをおわび申し上げます。 〇事務局  もしCの基準にしたとき、戸建て住宅は彩度4までということになりますけれども、大規模のほうを今と同じままにすると、そこが大規模なのに緩くなってしまうというところですよね。もしこちらにするということであれば、大規模についても両方がきちんと守られるようにしなければいけなということだと思います。ありがとうございます。 〇委員  もう一つあるんですけれども、赤とピンクの色使いの差が全然分からないので、ここはちょっと色の工夫を。例えば赤と茶色にするとか、差が分かるようにお願いします。 〇事務局  確かに。ありがとうございます。 〇副委員長  委員、具体的に専門的なご意見とご指摘をありがとうございます。なかなか説明を伺っていてもというところがありましたが、この表の見方も含めて、今のお話でかなりイメージもできましたし、理解できました。ありがとうございます。区民の方にも分かりやすくという部分と、今お話があった事業者の方にもというところは大きなことなのかなと思いました。 お話を伺っているときに、個人的にうちの家の塗り替えをするときに、ここのカラーチャートでいうと色相のちょっとした違いというものが、チャートで見せられているものと実際に壁一面に塗られたときでは、色が随分変わりますよということをペンキ屋さんに言われたときに、その経験がある方に伺わないと、ここで見ている気に入った色ではちょっと違いますというところで、こういった基準が家を塗り替えたいとか、これからどうするというときに専門家のルールでこうなっていますというところで決められると大変ありがたいなと思いました。こういう基準は曖昧な部分も必要かもしれませんけれども、差がよく分からないところもあるので、逆にきっちり線を引いていただいたほうがいいのかなというのも、個人的な意見ですけれども思いました。 それと委員がおっしゃったように、どっちがどっちかなという区分が、表記の仕方が見にくかったので、分かりやすくされるといいなと思いました。 時間も限られておりますが、皆さんのご意見も伺いたいと思います。委員、いかがでしょうか。 〇委員  ありがとうございました。1つだけ質問なんですけれども、「手続きの流れ」と左上に書いてある資料に関連するんですけれども、多分この地域に昔から住んでいる方は、もし新しくされるのであれば地域の特性とか緑とか歴史を大事にされた建て替えとか、開発をされると思うのですけれども、初めてだったので前も個別にお話をお伺いしたときに少しコメントさせていただいたんですが、例えば1つの大きなおうちが相続で外部の中小事業者に売られて、そこが開発したときに、奥沢とかだと地価が高いので小さく細分化されることとかあると思います。そういう方は、こういう基準をどこまで守ってくれるんだろうというのをちょっと心配しています。 最近よくコンクリートで土地を全部塗って、既存の樹木も全部切ってという開発がうちの近所とかでもよくあるので、そういうものを防ぐためにこの手続きで大丈夫なのかというところが心配なんですけれども、その辺りはどうですか。 住んでいる方は事前に相談して、チェックリストでチェックしてということでオーケーだと思うのですけれども、外部の事業者さん、特に中小の事業者さんがやるときはこれでどこまで抑制力というか、効果があるのかというところをお聞きできればと思います。 〇都市デザイン課長  今、外部の方については、例えば建売業者とかプレハブメーカーなんかもそうですが、ある程度色彩についても製品として規格があると思います。その中で建て主がどういう色を選択していくかという話になると思いますが、区のほうは界わい形成地区に基づく色彩基準を検討していますが、さらに、奥沢の地元で「土とみどりを守る会」がその範囲に収まるような形で推奨色の検討をしております。奥沢の住宅地を調査して、その中でどういう傾向の色になっているかというところを調べています。我々窓口で今後その指導をするときには、地元でお調べになった推奨色も合わせて外部の建築業者の方にご案内して、できるだけそれに近い形にしてもらうことを考えています。 〇委員  ありがとうございます。色彩は確かにいろいろなバリエーションもあるので守られる部分もあるのかなと思うんですけれども、一つ一つの土地が小さい中で、駐車場をとるために全部コンクリートで塗り固められて、全然緑がないみたいな開発が非常に増えている気がしていて、これでそういうものはどうやって誘導していけますか。特に外部の事業者。 〇都市デザイン課長  おっしゃるとおりで、大きなお屋敷が分譲住宅で区画分譲されると敷地が小さくなります。道路側に植栽帯を植える(造成する)空間がなくなってくるという事態が出てくると思います。それに対応するために、色についてはある程度重点エリアは定量的な基準ということで定めています。区のほうで緑の定量的な基準についてはみどりの基本条例である程度定めていますが、それでもなかなか道路側に植えられないという事態があると思います。 界わい形成地区の指導の中では、どれだけ緑を確保するかという定量的な基準を定めていないものですから、その辺はある程度建物の色彩と手前の緑と全体のバランスを考えて指導していくべきかなと思っています。 〇委員  分かりました。全国的な課題なのですごく難しい部分もあると思うんですけれども、少しでも広いお屋敷の緑が残ればいいなと思うのと、ここは界わい形成地区の中のルールのお話だと思いますが、その後住まわれてからも工夫できる余地とかはあるのかなと。家の前に緑を出したりとか、そういう意識啓発も既にされていると思いますが、引き続き大切に取り組んでいかれるといいのかなと思いました。 〇事務局  手続きの話ばかりですけれども、事前相談というのがあって、建物を建てるときにまず最初に用途地域とかを事業者の方が調べる中で、その土地にはどういうルールがあるかということを当然調べる中で、界わい形成地区に指定されればこの地域は界わい形成地区に指定されていますよ、こういうルールがありますよということはまずお伝えします。 その中で、ここに文言で書いてある基準がありますよと言うのですが、多分これを見るだけでは何をしていいかよく分からないと思います。この地区で界わい形成地区のパンフレットを作ろうと思っているのですけれども、界わいニュース7号をお配りしたように、ここはこういう地区ですよ、緑を大切にしてきている地区ですよ、皆さんが活動しているんですよということですとか、あとはルールについても、このルールは具体的にどういうふうにしたらいいのかということを絵とか事例集みたいなものにしてパンレットの中に入れて、こういうふうにやれば私たちもできるかもしれないとか、知らないといきなり駐車場に全部コンクリートを塗ってしまうんですけれども、使わないスペースの少しのところだけでも土を残して木を植えたり、視認性の高いところにちょっと木を植えるだけでも大分印象が違いますよということを計画する前に皆さんにお伝えして、これならできるということをできるだけ誘導していきたいと考えています。 大きな屋敷がなくなって細かい建物になってしまうことは現実にありますけれども、その中でも一般の方、通る人が見えるところに木を植えていただけるような具体的な事例みたいなものを、最初の段階でご紹介できたらいいなと考えています。 〇委員  分かりました。ぜひお願いします。ありがとうございます。 〇副委員長  ご意見をありがとうございました。 ○○委員、いかがでしょうか。 〇委員  私も同じことを考えていまして、うちの隣の100坪の家はつい最近25坪ずつの4軒になったのですが。全部コンクリートで固められいて、車を置くとどうしようもないですね。25坪でどこに木を植えるかという話になってしまって。 みどりの課が助成金を出しているのは知っているんですが、皆さんあまりご存じなくて。うちは5年前に新築したときに、それを1回利用したんですけれども、新築した家は5本以上木を植えるとかいう決まりがあるようです。それを言われたんですけれども、全く守られていない。絵に描いたもちじゃないですけれども。私のところでもそう言われましたが、実際に調べにきたわけではないですし。 うちはシンボルツリーを申請して、その後に道路側に花壇を作るのに助成金をいただくんですけれども、ものすごく手続きが大変で、何センチ単位で測ってと、もうやめようかと思うぐらい大変だったんですね。いいアイデアなので屋上緑化とか壁面緑化とか、もうちょっと市民の方に知ってもらえるように努力していただいて、かつ手続きをもうちょっと簡素化できれば行き届くんじゃないかと思います。 あとさっきの5本ですけれども、条例があっても実際に守られていなかったら意味がないので、そこら辺をもうちょっと徹底していただきたいです。海軍村住宅の所有者はどなたか、そこら辺があまりよく分かっていないので、区がずっと助成して維持していくのか、それとも個人のお宅の所有なのか。そういうところもよく分からないのですが。いろいろすみません。 〇都市デザイン課長  界わいニュース7号の裏面を見ていただくと、緑の部署であるとか、あとトラストのほうで出しているパンフレットなんですけれども、助成制度があります。こういった中身についてはオープンハウスで、区の界わい形成地区の案と一緒に紹介させていただいております。 確かに手続きは税金なので手間がかかる部分はあります。頂いた意見については所管課に伝えていきたいと思います。 緑については、先ほど少し申し上げましたが、定量的な基準ではなくて地元の皆様にはできる範囲でとにかくやってくださいということでお願いしてございます。風景づくり条例自体の運用が、建て主であるとか設計事務所にご提案いただいて工夫していただいたものについて、風景デザイナーの入る事前調整会議の中で、対話型で進めておりますので、どういう作り込みをするか等は尊重しながら進めております。 あとは「土とみどりを守る会」であるとか、そういった奥沢地域の緑の作り方で工夫されているものについては事例紹介していることもありますし、先ほど事務局のほうから申し上げたとおり、緑の作り方についてもガイドブックの中でご紹介できたらと思いますので、詳細についてはそういったことで指導していきたいと思っております。以上でございます。 〇事務局  ○○先生のほうからも、建った後でも緑の取組みはできるんじゃないかというお話を頂きました。今課長が話したように、区としても助成金制度はあるんですけれども、「土とみどりを守る会」がそれぞれのお庭の大きな木の緑を地域で守っていけないかということでいろいろ取組みをしているんですね。 例えば大きな木があるけれども、所有者の人が1人で周りに落ちる落ち葉を全部掃くのはご高齢だし大変だというところについては、大きな木は地域で享受しているものなのでみんなで落ち葉を片付けようとか、苗木を育てて皆さんにイベントをやって配ったりとかしています。 ここの風景づくりの目的として行政が一方的にやるのではなくて、もともと地域がやっていた取組みをさらに後押しするような制度という形になっています。行政の助成制度もありますけれども、地域のみんなでそういった取組みをNPOの方々が進めているのと合わせて守っていければと。建てた後も、例えばプランターを置いたりということで取り組んでいけたらと思っています。 〇副委員長  ご意見をありがとうございました。この風景というのは、風景づくりというところから管轄がまた違うところになるというのが区の中ではあるのかもしれませんけれども、1つ考えていくきっかけとか、分かりにくいことをなかなか発する場もなかったりしますので、またお伝えしていただければと思います。ありがとうございます。 そろそろお時間ですが、終わりの時間というのはまだまだご意見が出ればということもあるんでしょうか。 〇事務局  はい、大丈夫です。 〇副委員長  よろしいですか。 ○○委員長、いろんなご意見も出てきておりますが、そろそろまとめに入ろうと思います。いかがでしょうか。 〇委員長  ありがとうございます。ちょっと一部聞き取れていないところもあるんであれですけれども、いろいろなご意見も頂いて思うのはこの界わい形成地区のルールそのものには2種類の意味がある。 1つは、当然ルールなのでちゃんと守ってもらわなければいけないというか、先ほどあったように特に外から来られたディベロッパーさんみたいな人たちにちゃんとルールを聞かせないといけないので、そこをどうするかという工夫もありますが、もう1つ大事なのはメッセージだと思います。つまりここで何を大切にしているかというのが本来はルールに反映されているはずなので、そのルールを見て、ここはこういうことを大事にしているんだなというのを分かってもらうというのはすごく大事です。 多分両方いて、要は手馴れのメーカーさんやディベロッパーさんはやり方を持っているので、どんな状況であっても何とかするみたいな話なんですけれども、残りの半分はどうしたらいいか分からない方も結構いらっしゃる。そのときにここが大事なんだよねというのを先に伝えるのはすごく大事だと思うので、そこがどういうふうにできるかを考えていただきたくて。 例えば緑もルールにして、みんなに平たく理解してもらおうとすると弱い表現になってしまうけれども、本当はすごく守りたいけれども、どうしても難しいときにはちょっと何とかですよねみたいなことが分かるようにするには、やっぱりそこのところはアピールしたほうがよい。そういう意味では、方針のところもちゃんと書いていただきたいと思います。でも方針とルールがずれていたら、結局ルールのほうは関係ないでしょうと思われるとあれなので、言葉じり、表現を工夫していただいて、メッセージがちゃんと伝わるようなルールにしていただけるといいなと思います。 あともう1つは、大体想定できると思いますので、既存地域の方々の建て替えか、さっきの細分化みたいなことが起きるような住宅メーカーさんのものか、マンションディベロッパーのちょっと大きくまとめたものか、大体3種類ぐらいしかないんじゃないかと思うんですけれども、その3つに押しなべて同じルールが適用できるかというと分からなくて。委員から幾つかご意見があったような気がするんですけれども、大き目のところにかかるものと小さ目のところにかけるべきものと2つ、両方をチェックして、うまくそこにかかっているかなみたいなリチェックが要るのではないかという気はしました。その辺りは最後に確かめてもらえるといいのかなと思いました。 あと地域の方々にとって風景づくりだけを切り取るのは難しくて、まちづくり全体の中での話になってしまうと思うんですね。先ほどの細分化の問題とかも結局地区計画まで行くか、行かないかという話もあるし、そういう全体像の中で話をしないといけない部分も多分あると思います。 風景づくりのところで界わい形成地区とか、全部書くのは難しいけれども、全体のまちづくりの施策の中でいろんな段階がある。本気でさっきの細分化もいろいろ考えたら、なかなか実現しないと思いますけれども、地区計画みたいなものもあるぞみたいなことも含めて、皆さんどこで行きますかというのが最後だと思うので、全体像の中でご理解いただけるようにうまく分かりやすく説明していただけるといいのかなと。(規制だけではなく)助成制度もあるよということも含めて、全体像がうまく伝わるといいんじゃないかなと思いましたので、すみませんがその辺を少しご検討いただければと思いました。以上でございます。 〇事務局  ありがとうございます。 〇副委員長  ○○委員長、ありがとうございました。 今日は多様な意見が委員から出たというところで、最後に○○委員長にまとめていただきました。この素案の中で分かりにくい部分とか課題の部分をまたご検討いただけるとありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 何かここでもう一言言っておきたいとか、皆さん、よろしいですか。 では、これで本日の議題は終わりにしてよろしいですか。ありがとうございました。 続きまして、事務局から連絡事項があればお願いいたします。 〇都市デザイン課長  それでは、次回の予定についてご連絡させていただきます。 次回の風景づくり委員会の開催につきましては、冬頃を予定しております。案件やコロナウイルスの感染状況がございますので、それを見ながら開催時期については決めさせていただきたいと思います。また開催時期が決まりましたらご連絡させていただきますので、その時点で日程調整をさせていただければと思います。 なお、奥沢の界わい形成地区指定の審議については、取組みが順調に進めば来年の春頃に皆様にご審議いただく予定となっておりますので、よろしくお願いします。 連絡については以上でございます。 〇副委員長  ありがとうございました。 では、これをもちまして、令和3年度第1回風景づくり委員会を閉会します。皆様、ありがとうございました。