北沢デザインガイド つなぐデザイン つながるまちづくり 北沢デザインガイド トータルデザインガイドブック 目次 はじめに 1ページ 第1章 北沢デザインガイドについて 1の1 北沢デザインガイドの役割 2ページ 1の2 北沢デザインガイドの位置付け 2ページ 1の3 北沢デザインガイドの対象と活用 2ページ 1の4 小田急線上部利用の施設配置 3ページ 1の5 北沢デザインガイドの全体構成 5ページ 第2章 まちの特徴 2の1 まちの特徴を活かすための配慮事項 7ページ 2の2 公共空間のデザイン事例「世田谷デザインコレクション」 第3章 デザインコンセプトとデザイン方針 3の1 デザインコンセプト 11ページ 3の2 デザイン方針 11ページ 第4章 区施設のデザインコード 4の1 デザインコードの組み立て 13ページ 4の2 デザインコードの構成 13ページ 4の3 デザインコードの詳細 15ページ  植栽 15ページ  地面 17ページ  境界 19ページ  照明 21ページ  ストリートファニチャー 23ページ  サイン 看板 24ページ  工作物など 25ページ 参考 デザインコードを踏まえた区施設のイメージ 26ページ 第5章 北沢デザインガイドの運用 5の1 デザインの調整及び情報提供 27ページ 5の2 維持管理における活用 27ページ 5の3 北沢デザインガイドの更新 27ページ 1ページ 小田急小田原線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)の連続立体交差事業及びふくふくせんか事業による鉄道地下化により、東北沢、下北沢、世田谷だいたの3駅に連なる新たな上部空間が生まれました。 「世田谷区都市整備方針」では、小田急線上部(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)を「アクションエリア」に位置付け、駅前広場、通路、緑地・小広場、防災施設等を整備し、周辺と調和したつながりのあるまちづくりを進めることとしています。これを受け、「世田谷区小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画」を策定し、公共利用する施設の基本方針等をまとめました。  これらの区施設全体について、平成26年度に「上部利用デザインワークショップ」を開催し、「つなぐ」をキーワードにした3つの「デザインコンセプト」を区民の皆さんとともにつくりました。「つなぐ」という言葉には、多様な人々を「つなぐ」、3駅につづく新たな路が私たちの地域を「つなぐ」、時を超え心を「つなぐ」、といった様々な意味が込められています。  本ガイドは、「デザインコンセプト」に基づき施設整備を進めるためのデザインの方針や具体的な方策をまとめています。ガイドで示す「デザインコード」については、区が整備する小田急線上部の通路、緑地・小広場等の施設の設計・施工に反映させるとともに、周辺施設においても協力をお願いしていくことで、全体としての秩序を保ち、周辺のまちとも調和の取れた上部空間となることを目指します。  「デザインコンセプト」に込められた「つなぐ」思いは、小田急線上部に限らず、周辺のまちづくりに「つながる」ことが大切です。本ガイドにより、「デザインコンセプト」の理念が小田急線上部の周辺地域において広く共有され、新たなまちの魅力が周辺のまちに拡がっていくことを願っています。 平成27年10月 世田谷区 2ページ 第1章 北沢デザインガイドについて 1の1 北沢デザインガイドの役割 本ガイドは、東北沢、下北沢、世田谷だいたの3駅に連なる小田急小田原線の上部空間の整備や周辺のまちづくりにあたって、地域の個性を活かしながら、秩序のある連続した空間づくりに役立てるためのデザインの指針として策定しています。 「上部利用デザインワークショップ」により導き出された「デザインコンセプト」の理念を実現するため、区施設の整備におけるデザインの方針や具体的方策を示しています。また、周辺施設に対して区施設のデザインコードを示すことで、区施設とのデザインイメージの調整をお願いする場合にも活用していきます。 1の2 北沢デザインガイドの位置付け 本ガイドは、「世田谷区小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画」(平成27年8月策定)における上部利用(区施設)全体のデザインに関する指針として策定するものです。 世田谷区都市整備方針及び 世田谷区小田急線上部利用計画との関係を表している図を添付しています。 図の内容 世田谷区都市整備方針 第一部「都市整備の基本方針」 第二部「地域整備方針」 →世田谷区小田急線上部利用計画 →北沢デザインガイド 1の3 北沢デザインガイドの対象と活用 上部利用施設の整備及び周辺地域のまちづくりにおける本ガイドの対象及び活用方法は、以下のとおりです。 1 北沢デザインガイドの対象 「世田谷区小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画」に基づき区が整備する公共施設(駅前広場、通路、緑地・小広場、防災施設等)については、本ガイドの内容に沿って設計・施工を行うとともに、施設間のデザインの調整を行います。 また、現在施行中の都市計画道路補助54 号線(下北沢1期)により整備する道路施設等についても、上部利用施設と同様の取り扱いとします。 2 北沢デザインガイドの活用 小田急線上部及び周辺地域においても、本ガイドをまちづくりの参考資料として活用していただくことで、新たなまちの魅力が周辺のまちに拡がっていくことを目指しています。このため、区施設とのデザインイメージの調整において、区民、事業者の方々に協力をお願いしていきます。 3 4ページ 1の4 小田急線上部利用の施設配置 「世田谷区小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画」は、小田急線の上部利用について、公共施設部分を整備していくための基本的な計画です。計画では、「駅前広場」、「通路」、「緑地・小広場」、「防災施設」等を新たに整備する公共施設として位置付けています。 整備する施設に求められる機能等 駅前広場 「交通けっせつ機能」 利便性の向上 「防災機能」 安全 安心な環境 「にぎわいの機能」 地域のイベント等での活用 通路 「安全性 快適性」 歩行者・自転車の通行 「防災活動の空間」 緊急車両の通行 「住環境の保全 創出」 積極的なみどりの配置 緑地 小広場・立体緑地 「憩いの場」 豊かなみどりの創出 「防災活動の空間」 防災倉庫等の設置 「景観形成 回遊性」 地形を活かしたみどりの創出 5 6ページ 1の5 北沢デザインガイドの全体構成 第1章 北沢デザインガイドについて 1の1 北沢デザインガイドの役割 区施設の整備におけるデザインの方針や具体的方策 周辺施設に対して区施設とのデザインの調整をお願いする際の区の指針 1の2 北沢デザインガイドの位置付け 「世田谷区小田急線上部利用計画」における区施 設全体のデザインに関する指針として策定 1の3 北沢デザインガイドの対象と活用 1 対象 「世田谷区小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画」に基づき区が整備する公共施設、現在施行中の都市計画道路補助54 号線(下北沢1期) 2 活用 小田急線上部及び周辺地域の区民、事業者へ協力と調整のお願い 1の4 小田急線上部利用の施設配置 「世田谷区小田急線(代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間)上部利用計画」に基づく施設等 1の5 全体構成 第2章 まちの特徴 2の1 特徴を活かすための配慮事項 地域特性に基づき5つのゾーンに分けてまちの特徴を整理 2の2 公共空間のデザイン事例「世田谷デザインコレクション」 魅力あふれる公共空間の紹介 第3章 デザインコンセプトとデザイン方針 3の1 デザインコンセプト コンセプト1 「自然を感じる空間」「人々の集い」 「四季を感じ、みんなにやさしい空間が、たような人々をつなぐ」 コンセプト2 「まちの記憶」「まちの風景」 「まちの記憶や風景を映し、3駅につづく新たな路が、私たちの地域をつなぐ」 コンセプト3 「空間の変化」「市民の関わり」 3−2 デザイン方針 コンセプト1 方針1 「自然を感じる空間」 四季の彩りと変化に溢れ、自然が醸しだす潤いを感じられること 1年を通じて誰もが心地よく過ごせること 方針2 「人々の集い」 ヒューマンスケールを尊重し、訪れる人々に安心感をもたらすこと 賑わいと落ち着きを創出し、人々のふれあいを生み出すこと コンセプト2 方針3 まちの記憶 地層のように折り重なった周辺のまちの歴史や記憶を取り込むこと 多くの人々を運び続けている線路が敷かれていた思い出を残すこと 方針4 まちの風景 賑やかなまち、落ち着いたまち、それぞれのまち並みや佇まいを映し込むこと 3つの地域を結ぶ 都市の中の回廊 により新たなまちの風景を創り出すこと コンセプト3 方針5「空間の変化」 世代が変わっても魅力を失わず、時間をかけてゆっくりと変化していくこと 人々の活動の積み重ねが地域の文化となり、それが形になって表れること 方針6「市民の関わり」 まちを見守り育む活動の場となり、尊い想いを次の世代に伝えられること キラリと光る活動が場所に活力をもたらし、集まるみんなが主人公であること 第4章 区施設のデザインコード 4の1 組み立て 空間を構成する7つの要素 4の2 構成 6つの視点とデザイン方針との関係 4の3 詳細 植栽 変化に富んだ植栽 環境への配慮 つながりを意識 活動に結びつくみどり 地面 人にやさしいほそう 場所の個性を演出 連続性を感じる素材 色 時間の経過に対応する素材 境界 エッジを和らげる 一体的なプランニング まち角を演出する 照明 配光に考慮 工夫 空間の演出 つながりを表現 季節感やイベントの演出 ストリートファニチャー たような用途 複合的な用途 線路や電車の記憶 市民との協働 サイン 看板 見え方への配慮 地域の歴史や線路の記憶 つながりを表現 変化に対応するシステム 工作物など 意匠に配慮(工作物) つながりを表現 第5章 北沢デザインガイドの運用 5の1 デザインの調整及び情報提供 5の2 維持管理における活用 5の3 「北沢デザインガイド」の更新 「北沢デザインガイド」の運用イメージ 7 8ページ 第2章 まちの特徴 2の1 まちの特徴を活かすための配慮事項 ゾーンA(世田谷だいた駅西側)「地域コミュニティを育む」ゾーン 1 自動車通行量の多い交通のようしょうとなっています。 2 だいた小やだいた八幡神社等、地域コミュニティの場が存在します。 3 台地上の地形に位置し、富士山を眺望することもできます。 ゾーンB(世田谷だいた駅から鎌倉通り付近)周辺住宅地と調和した「豊かなみどり」のゾーン 4 ランドマークとなる高木も多い、みどりの豊かな地域です。 5 低層住居系地域のため、静かな環境の住宅地が広がっています。 6 店舗は多くありませんが、個性的な兼用住宅が点在しています。 ゾーンC(鎌倉通り付近から下北沢駅)地形を活かした「立体的なみどり」のゾーン 7 駅と駅の中間の谷地部分が、道路のけっせつ点となっています。 8 起伏ある地形が、まちに変化を与えてくれます。 9 低層住宅地の静寂と下北沢駅付近の賑わいが共存する地域です。 ゾーンD(下北沢駅からちゃざわ通り付近)賑わいの拠点となる「シモキタ」ゾーン 10 店先を利用した、工夫されたみどりが目を引きます。 11 商店の主な対象は歩行者で、各店舗が個性的に店先を演出しています。 12 細かな道が交差する辻々では、角地も効果的に使われています。 ゾーンE(ちゃざわ通り付近から東北沢駅)周辺住宅地と調和した「潤いある暮らし」のゾーン 13 都心に近いにも関わらず、落ち着いた住宅地が広がっています。 14 敷地を有効に使ってみどりを育てる工夫が感じられます。 15 変化に富んだみどりが通りを演出しています。 9 10ページ 2−2 公共空間のデザイン事例「世田谷デザインコレクション」 世田谷区では、これまでも施設間のデザイン調整や区民参加により、ちょっとした工夫をすることで、楽しく歩いて、のんびりくつろぎ、愉快に集えるまち角の魅力づくりを進めてきました。ここでは、そんなまちの特徴をつくり出すデザインを紹介します。 用賀プロムナード 世田谷美術館の行き帰りの1キロメートル以上の道のりを楽しく歩いてもらうため、「歩く 感じる 楽しむ 憩う」をコンセプトに、歩く人の快適さとアート感覚に富んだ楽しい道を目指したのが、用賀プロムナードです。かつて流れていた水路を歩道のデザインとして活用したり、道の広場、道のギャラリー、道のホールなど、新しくて楽しい道路空間をつくりだしています。 10枚の写真を添付しております。 梅が丘駅界わい 梅が丘駅周辺地区では、昭和59年から「ふれあいのあるまちづくり」に取り組み、住民と区が話し合いながら研究を重ね、共同作業を通して やさしさ を追求してきました。このプロジェクトは、「参加と福祉」の視点からまちづくりに取り組んだはじめての事例です。 段差をなくし、色彩や形状をデザインするなど、だれもが安全で快適に歩ける歩道空間を整備することで「やさしいまちづくり」が進められてきたエリアです。 4枚の写真を添付しております。 つる巻プロムナード 小学校と教育会館という教育の場に一体感を持たせるため、かつての水路を活かしながら整備したのが、つる巻プロムナードです。 教育会館に訪れる様々な人がコミュニケーションを図れる、楽しい仕掛けがあります。通路には、生物や植物にふれ合えるようにいろいろな種類の樹木を植えたり、池は魚が棲みやすく、人も水際まで入れる構造としています。 4枚の写真を添付しております。 11ページ 第3章 デザインコンセプトとデザイン方針 3の1 デザインコンセプト 「3つのコンセプト」と「イメージストーリー」 「デザインコンセプト」は、小田急線上部に整備する区施設のデザインにおいて踏まえるべき基本的な考え方をまとめたもので、区民参加による「小田急線上部利用デザインワークショップ」により導き出されました。 目指すべき将来像を表現した「3つのコンセプト」から成り立っており、その中には、コンセプトを象徴する「6つの視点」が含まれています。 また、コンセプトをより明確にするため、ワークショップやアンケートにより抽出したキーワードを基に、趣旨をわかりやすく表現した「イメージストーリー」を添えています。 3の2 デザイン方針 「デザイン方針」は、施設整備の中で「デザインコンセプト」を実現していくため、具体的な方策の実施にあたって考慮すべき方針を示しています。 「デザインコンセプト」に含まれる「6つの視点」に沿って、「デザイン方針」をまとめています。 コンセプト1「四季を感じ、みんなにやさしい空間が、たような人々をつなぐ」 視点「自然を感じる空間」「人々の集い」 イメージストーリー これまで電車が走っていた鉄道敷に、季節の彩りと潤いがもたらされます。四季を知らせる木々や草花が、私たちをホッとさせてくれます。集まって賑わいを楽しむ人も穏やかに散歩したり静かに物思いにふける人も、老若男女の誰もが一年を通じて安心して心地よく過ごすことのできる空間です。 人に馴染みやすい形や大きさを ヒューマンスケール と呼ぶことがあります。私たちに安心感をもたらすやさしい心づかいがデザインのそこここに散りばめられています。通勤通学、買物や散策で過ごすひとときが楽しい場所となるように、きめ細やかな配慮がなされています。そしてここでは、個性豊かな様々な人々のふれあいや出会いが生まれます。 コンセプト1に沿ったデザイン方針 方針1 「自然を感じる空間」 四季の彩りと変化に溢れ、自然が醸しだす潤いを感じられること 1年を通じて誰もが心地よく過ごせること 方針2 「人々の集い」 ヒューマンスケールを尊重し、訪れる人々に安心感をもたらすこと 賑わいと落ち着きを創出し、人々のふれあいを生み出すこと 12ページ コンセプト2 「まちの記憶や風景を映し、3駅につづく新たな路が、私たちの地域をつなぐ」 視点「まちの記憶」「まちの風景」 イメージストーリー まちにはそれぞれ人々の暮らし方があります。鎌倉まち道やお社、ほこらなどが伝える歴史の面影、今に続く賑やかなまち並みと落ち着いた住宅地の佇まい、さらに現在も多くの人々を運び続けている小田急線の線路としての記憶も大切にされています。 それらがまちに独特の風景を生み出してきました。 東北沢駅、下北沢駅、世田谷だいた駅を結ぶ新たなみちには、地層のように折り重なった周辺のまちの記憶が映し込まれています。このまちで暮らした人たちの知恵を現代に活かしつつ、あたかも 都市の中の回廊のように結ばれ、3つの駅から広がる3つの地域に新たなまちの風景が創られます。 コンセプト2に沿ったデザイン方針 方針3 まちの記憶 地層のように折り重なった周辺のまちの歴史や記憶を取り込むこと 多くの人々を運び続けている線路が敷かれていた思い出を残すこと 方針4 まちの風景 賑やかなまち、落ち着いたまち、それぞれのまち並みや佇まいを映し込むこと 3つの地域を結ぶ都市の中の回廊により新たなまちの風景を創り出すこと コンセプト3「みんなで創り育て、ゆるやかに変わる場所が、時を超え心をつなぐ」 視点「空間の変化」「市民の関わり」 イメージストーリー まちを見守り、将来にわたって関わり続けたいという人々がいます。その想いを子どもたちに伝え育てたいという人々がいます。小さい頃の思い出が、大きくなった時にも懐かしく思い出せるように、人の成長に合わせて少しずつ変化していく流れを大切にし、時間をかけてゆっくりとまちづくりが進められています。 新たなまちに人々が集まり、キラッと光る場所や活動があちこちに見られます。温かく育まれたみどり、個性を伝えるアート、ふれあいを深めるイベント、その主人公は私たちみんなです。そして、一つひとつの活動の積み重ねが地域の文化となり、次の世代、その次の世代まで、尊い想いをバトンタッチしていきます。 コンセプト3に沿ったデザイン方針 方針5「空間の変化」 世代が変わっても魅力を失わず、時間をかけてゆっくりと変化していくこと 人々の活動の積み重ねが地域の文化となり、それが形になって表れること 方針6「市民の関わり」 まちを見守り育む活動の場となり、尊い想いを次の世代に伝えられること キラリと光る活動が場所に活力をもたらし、集まるみんなが主人公であること 13 14ページ 第4章 区施設のデザインコード 4の1 デザインコードの組み立て 「デザインコード」は、空間を構成する様々な要素について、配置、素材、形状、色彩など、区施設のデザインを方向づけるためのルールです。 「デザインコード」の設定にあたっては、空間を構成する7つの要素を抽出しました。空間構成要素のイメージと具体例は、右に示すとおりです。 各空間構成要素について設定した「デザインコード」は、「デザインコンセプト」から導き出した「6つの視点」と「デザイン方針」に対応しており、「4−2」の構成となっています。 4の2 デザインコードの構成 植栽 方針1「自然を感じる空間」に対応したデザインコード 変化に富んだ植栽 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 環境への配慮 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを意識 方針6「市民の関わり」に対応したデザインコード 活動に結びつくみどり 地面 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 人にやさしいほそう 方針3「まちの記憶」に対応したデザインコード 場所の個性を演出 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード 連続性を感じる素材 色 方針5「空間の変化」に対応したデザインコード 時間の経過に対応する素材 境界 方針1「自然を感じる空間」に対応したデザインコード エッジを和らげる 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 一体的なプランニング 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード まち角を演出する 照明 方針1「自然を感じる空間」に対応したデザインコード 配光に考慮 工夫 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 空間の演出 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを表現 方針6「市民の関わり」に対応したデザインコード 季節感やイベントの演出 ストリートファニチャー 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード たような用途 複合的な用途 方針3「まちの記憶」に対応したデザインコード 線路や電車の記憶 方針6「市民の関わり」に対応したデザインコード 市民との協働 サイン 看板デザインコード 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 見え方への配慮 方針3「まちの記憶」に対応したデザインコード 地域の歴史や線路の記憶 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを表現 方針5「空間の変化」に対応したデザインコード 変化に対応するシステム 工作物など 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 意匠に配慮 工作物 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを表現 15 16ページ 4の3 デザインコードの詳細 区施設のデザインコード 「植栽」 方針1「自然を感じる空間」に対応したデザインコード 変化に富んだ植栽 1 単一の樹種は避け、たような植栽を心掛ける。 2 花や紅葉等、季節の変化を感じさせる樹種を選定する。 3 ちひ類や低木、中高木など高さの異なる樹種を選定する。 4 地域で親しまれている樹種を選定する。 植栽(参考リスト) 中高木 じょうりょくじゅ モチ、カシ、ソヨゴ らくようじゅ   ヤマボウシ、サルスベリ、カイドウ、ロウバイ 低木など 低木      ツツジ、ヤマブキ、アジサイ、ナンテン、ビヨウヤナギ、ユキヤナギ グランドカバー ハイビャクシン、ムラサキシキブ、ヤブラン、ヒメシャガ、アガパンサス その他(ツタ類など) じょうりょくじゅ モッコウバラ、テイカカズラ、スイカズラ、アイビー らくようじゅ   クレマチス、ナツヅタ、フジ 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 環境への配慮 1 周辺住宅地へのプライバシー等に配慮した植栽を配置する。 2 夏の日差しや熱を和らげる緑陰を配置する。 3 眺望を意識した植栽を配置する。(ゾーンA) 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを意識 1 視覚的な連続性を意識したみどりを配置する。 2 高低差を活かし、ビューポイントを意識したみどりを配置する。 3 周囲のみどりにつなげて新たなみどりを配置する。 4 周辺地域のまとまったみどりとの連携を意識する。 (ゾーンA:代田八幡神社、代田小学校 ゾーンB:周辺の屋敷林) 方針6「市民の関わり」に対応したデザインコード 活動に結びつくみどり 1 季節に特徴的な活動を促す樹種を工夫する。 2 市民との協働により育成管理する範囲を検討する。 3 花壇、プランター等による花づくりの場を設ける。 17 18ページ 4の3 デザインコードの詳細 区施設のデザインコード 「地面」 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード 連続性を感じる素材 色 1 通路については、調和のとれた素材と色彩とする。 2 敷地境界にこだわらず、隣接する舗装との一体感を高める。 3 基盤となる舗装材は、多様なプランに馴染み連続性をとりやすい素材とする。 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 人にやさしい舗装 1 平坦で適度な滑り抵抗を備え、膝に負担の少ない歩行性を備える。 2 透水性にすぐれ、水に濡れても滑りにくい形状・パターンに配慮する。 方針3「まちの記憶」に対応したデザインコード 場所の個性を演出 1 “たまり”や賑わいなど、場所に応じたパターンを工夫する。(ゾーンD:賑わいを演出する広場) 2 線路や電車の記憶を思い出す素材や造形を組み込む。 3 地域の歴史を伝える造形を組み込む。(ゾーンA:ダイダラボッチ) 方針5「空間の変化」に対応したデザインコード 時間の経過に対応する素材 1 長期間の使用に対する耐久性が高く、風合いが保たれるような素材を用いる。 2 メンテナンスが容易で、美観が損なわれないような素材や色彩に配慮する。 19 20ページ 4の3 デザインコードの詳細 区施設のデザインコード 「境界」 方針1「自然を感じる空間」に対応したデザインコード エッジを和らげる 1 植栽等を用いて、エッジを和らげるよう工夫する。 2 直線的な境界が単調とならないよう配慮する。 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード まち角を演出する 1 アクセントとなる舗装等による演出により、まち角の演出に努める。 2 交差部は、上部空間のエントランスとなるため、ゲート性を持たせるなど 、魅力ある 空間の創出に努める。 (結節点:ゾーンB〜C間、ゾーンC〜D間) 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 一体的なプランニング 1 隣接する公共空間は、一体的に計画し、柔軟なプランとする。 2 境界は、周辺の設えに馴染ませる。 21 22ページ 4の3 デザインコードの詳細 区施設のデザインコード 「照明」 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを表現 1 暖かみを感じさせる色調を主体とし、連続性のある空間を創出する。(主にLEDを用いる) 2 灯具は調和のとれたデザインを用い、一体感を持たせる。 3 灯具の色彩は鉄道を意識させる色(暗灰色?黒色)とする。 方針1「自然を感じる空間」に対応したデザインコード 配光に考慮 工夫 1 隣接する地域へ配慮し、光害にならないように留意する。 2 樹木等を照らす演出により、まちの魅力を際立たせる。 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 空間の演出 1 人々の集いや時間帯に応じたメリハリのある空間を演出する。 2 周辺のまちとの結節点では、ゲート性を持たせるなどの視覚的な演出を工夫する。 方針6「市民の関わり」に対応したデザインコード 季節感やイベントの演出 1 季節に応じた演出やイベント時の使われ方などを想定した工夫を取り入れる。(ゾーンD:まちの賑わいを演出) 23ページ 4の3 デザインコードの詳細 区施設のデザインコード 「ストリートファニチャー」 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 1 場所に応じた機能的なベンチを配置する。 2 機能の併用により、広がりを有効活用する。 3 ちょっとした気遣いのあるデザインを心がける。 方針3「まちの記憶」に対応したデザインコード 線路や電車の記憶 1 レールや枕木などの部材を再 活用するなど、線路や電車の 記憶をデザインに取り入れるよう工夫する。 方針6「市民の関わり」に対応したデザインコード 市民との協働 1 市民による日常的な維持管理の可能性を検討する。 2 市民の創作活動につながる工夫を検討する。 24ページ 4の3 デザインコードの詳細 区施設のデザインコード 「サイン 看板」 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを表現 1 共通の素材・デザインで連続感を持たせる。 2 表示する情報(文字やマークなど)に共通性を持たせる。 3 各施設のサインを連携させて誘導・案内を行う。 4 周辺の公共施設など、地域とのつながりを意識する。 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 見え方への配慮 1 適切な規模で、見やすい範囲に設置する。 2 歩行者の視線を大切にしてサインを配置する。 3 板面の共有や総合化により、整然と表示する。 方針3「まちの記憶」に対応したデザインコード 地域の歴史や線路の記憶 1 レールなど、線路や電車に関係する再利用品などを活用する。 2 線路や電車をモチーフにしたデザインを取り入れる。 3 地域の歴史や線路の記憶を表示に取り入れる。 方針5「空間の変化」に対応したデザインコード 1 更新しやすいディテールとする。 25ページ 4の3 デザインコードの詳細 区施設のデザインコード 「工作物など」 方針2「人々の集い」に対応したデザインコード 意匠に配慮(工作物) 1 シンプルですっきりとした形状とするなど、周辺との調  和を図る。 2 人の目に触れる工作物については、意匠性に配慮すると  ともに適切に配置する。 方針4「まちの風景」に対応したデザインコード つながりを表現 1 共通のテーマでそろえることで一体感のある空間を演出する。 2 線路や電車の記憶をデザインに取り入れるよう工夫する。 26ページ (参考)デザインコードを踏まえた区施設のイメージ 空間を構成する様々な要素について、「デザインコード」を踏まえた区施設の具体的なイメージを図示しています。 ゾーンC(鎌倉通り付近〜下北沢駅) ゾーンA(世田谷代田駅西側) ゾーンD(茶沢通り付近) 27ページ 第5章 北沢デザインガイドの運用 5の1 デザインの調整及び情報提供 小田急線上部には、様々な施設が長期に亘る段階的に整備されていきます。区施設の整備にあたっては、「北沢デザインガイド」に沿って設計・施工するとともに、デザインの調整を行うことも重要となります。各工程において、デザインの調整を継続的に行いながら、周辺施設に対しても区施設とのデザインイメージの調整についてお願いしていきます。 また、設計・施工の進捗状況に応じて、デザインやイメージについて広く周知を図るため、情報提供を行うための場の設定についても検討していきます。 5の2 維持管理における活用 「北沢デザインガイド」に沿って整備した区施設について、魅力を永く維持し、周辺のまちに魅力を拡げていくためには、施設の完成後の維持管理が重要となります。 完成後は、本ガイドを参照し、「デザインコンセプト」の理念を踏まえ、「デザインコード」に沿って施設の維持管理や更新を行うよう努めることが必要です。 5の3 北沢デザインガイドの更新 まちの魅力を一層高め、周辺に拡げていくためには、地域のまちづくりや区民の主体的な活動と連携しながら、本ガイドの内容を更新していくことも必要となります。 まちづくりには、長期的な継続と柔軟な対応が不可欠です。今後、必要に応じて更新を行いながら、「北沢デザインガイド」がまちの魅力とともに成長し続け、地域のまちづくりの指針としての役割を末永く担っていくことを期待しています。 北沢デザインガイド 平成27年10月発行 編集 発行 世田谷区都市整備部都市デザイン課 郵便番号154-8504 世田谷区世田谷4-21-27  電話03-5432-2054 ファクシミリ03-5432-3023