梅ヶ丘駅から豪徳寺駅・山下駅界わい街づくりデザイン指針 やさしいまちづくりをつなげるために はじめに 世田谷区では、昭和57年より梅ヶ丘駅周辺地区を対象にして、誰もが安心して暮らせて、誰もが地域社会の新しい文化活動に参加できるまちづくりをふれあいのあるまちづくりとして進めてきました。そして、この取組みをやさしいまちづくりとして今日まで受け継いできました。  この間、 世田谷区福祉のいえ・まち推進条例 現ユニバーサルデザイン推進条例 では、梅ヶ丘駅から豪徳寺駅・山下駅周辺地区を 福祉的環境整備推進地区 現ユニバーサルデザイン環境整備推進地区 として指定し、ユニバーサルデザインの考え方に基づく整備を進めてきました。 そして、この度、 世田谷区都市整備方針 において、梅ヶ丘駅周辺地区を新たに 保健福祉の街づくり重点ゾーン に位置づけました。今後、保健医療福祉の全区的な拠点としての整備にあわせて、ユニバーサルデザインによる街づくりを重点的に進めていきます。 建築物の新築・増築・改修、道路や公園などの新設・改修の際には、これまで取り組んできた やさしいまちづくり を継承し、一体性のある街づくりを進めるために、ここに 梅ヶ丘駅 から豪徳寺駅・山下駅界わい街づくりデザイン指針 を作成しました。 これからも、この界わいの街づくりにおいて、この指針を参照しながら、区民とともにつくりあげてきた やさしいまちづくり を将来にわたり引き継いでいきます。                       平成27年4月 世田谷区 目次 P1 これまでの梅ヶ丘駅から豪徳寺駅・山下駅界わいにおける街づくり P7 本指針の位置づけ      P8 対象エリア      P9 本指針の活かし方      P11 7つのデザインコード  やさしいまちづくり をつなげるために 1 みどり 多様性のあるみどりの創出 2 街の記憶 記憶を次代へ伝える工夫 3 ふれあい・にぎわい・ひとやすみ 出会いとやすらぎの場づくり 4 よりみち・まわりみち・わたしの街 回遊性のある空間づくり 5 くらしのしつらえ 日常生活の演出 6 ここちよい素材・色・形 自然の素材の活用とやさしさを感じさせる形状 7 街のアクセント わかりやすいサインの設置 これまでの梅ヶ丘駅から豪徳寺駅・山下駅界わいにおける街づくり 1 ふれあいのあるまちづくり 昭和57年から昭和61年 梅ヶ丘駅北口付近には、様々な公共施設が集まっていました。これらの公共施設を中心に利用しやすく、美しい街をつくることができる可能性が高いこと、住民のボランティア活動、町会や商店会の活動、その他住民の活動が活発であったことから、 ふれあいのあるまちづくり が始まりました。 この取組みの中では、 誰もが安心して暮らせて、誰もが地域社会の新しい文化活動に参加できるまちづくり のために、計画段階から住民と区が一緒に検討し、 やさしい道づくり として、梅丘中学校と都市計画道路である補助154号線部分を一体的に整備しました。 2 やさしいまちづくり 昭和62年から平成5年 ふれあいのあるまちづくり で、住民と区が一緒に計画をつくるために続けてきた ふれあいのあるまちづくり定例会 において、誰もが安全で快適に歩ける歩道づくりの提案がなされ ました。 ・電柱などの占用物を整理する ・通行できる幅 有効幅員 を広く確保する ・段差をなくす ・楽しく歩けるように色彩や形状をデザインする この提案は引き続き、 やさしいまちづくり として、梅ヶ丘駅周辺の街づくりに反映されました。 3 ユニバーサルデザイン環境整備推進地区 平成11年から ふれあいのあるまちづくり や やさしいまちづくり を進めてきた梅ヶ丘駅周辺地区を豪徳寺駅・山下駅周辺まで拡大し、平成11年に 世田谷区福祉のいえ・まち推進条例 現世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例 に基づく 福祉的環境整備推進地区 現ユニバーサルデザイン環境整備推進地区 に指定しました。リーディングラインの整備、ワークショップによる駅前サインの整備、商店街と協働の取組みに努め、 やさしいまちづくり を推進してきました。 4 豪徳寺駅周辺地区 地区街づくり計画 平成18年から 豪徳寺駅周辺は、小田急線の連続立体交差事業を契機として住民参加による街づくりを進め、平成18年4月に 世田谷区街づくり条例 に基づく 豪徳寺駅周辺地区 地区街づくり計画 を策定しました。本地区では、 防災や防犯に配慮した、安全で安心して暮らせる街 、 個性とうるおいをもった誰もが住みよい街 、 人々が行きかい、にぎわいを持った活気ある街 を街づくりの目標としています。建設行為を行う場合は、ガイドラインに基づき街づくりにご協力いただくとともに、 世田谷区街づくり条例 に基づく届出が必要となります。 5 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例 平成19年から 昭和57年より住民、事業者、関係団体、区と協働して、社会の様々なバリアをなくす施策を進め、平成7年に 世田谷区福祉のいえ・まち推進条例 を制定しました。一定規模以上の建築物、道路や公園などの建設行為の際は、この条例の基準に適合することを努めとしており、平成9年より届出制度を開始しました。 その後、平成19年に 世田谷区福祉のいえ・まち推進条例 の理念を継承して発展させ、新たに 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例 を制定しました。条例に基づき、社会における様々な障壁をなくすにとどまらず、すべての住民の基本的人権が尊重され、自らの意思で行動し、あらゆる分野の活動に参加することができる社会を築くため、ユニバーサルデザインに基づく取組みを推進してきました。さらに、届出制度を充実させたことで、整備を行う上での水準があがり、ユニバーサルデザインの考え方に基づく整備が街全体へと広がってきました。 ユニバーサルデザイン推進条例 基準の解説の例 案内板等が通路に突出する場合の例 案内板等が突出する場合は、案内板の下端の位置が地上から2.5m以上の高さとなるように設置する。 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施設整備マニュアル 平成26年度  P293 参照 有効幅員の考え方 歩道の有効幅員は、車いす使用者どうしが安心してすれ違えるように、原則として2.0m以上確保する。 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施設整備マニュアル 平成26年度  P213 参照 本指針の位置づけ 梅ヶ丘駅周辺地区 は、 世田谷区都市整備方針 の中で 保健福祉の街づくり重点ゾーン として、また、 梅ヶ丘駅から豪徳寺駅・山下駅周辺地区 は、同方針の第二部 地域整備方針 の中で、 アクションエリア として位置づけられており、ユニバーサルデザインによる街づくりを重点的に進める地区としています。 この位置づけをもとに、 梅ヶ丘駅から豪徳寺駅・山下駅界わい の対象エリアを定め、これまでの やさしいまちづくり を継承し、一体感を持つ街づくりを進めていく際のガイドラインとして、本指針を定めます。建設行為 建築物の新築・増築・改修、道路や公園などの新設・改修 を行う方は、この指針を踏まえ、設計や施工への反映にご協力をお願いします。 なお、次の建設行為においては、計画が変更可能な時期に世田谷区への事前調整を必ず行ってください。 対象とする建設行為 1 世田谷区街づくり条例第31条の建築構想の届出を必要とする建築物の建築 敷地面積3000u以上又は延べ床面積5000uの建築物の建築 2 次にあげる官公庁が行う建設行為 ・道路の新設及び補修以外の改修 ・公園の新設及び補修以外の改修 ・街づくりへの影響が大きいと判断される建設行為 例 公共施設の新築、サイン柱の新設 対象エリア 赤堤二丁目1から6番 梅丘一丁目31から46番 豪徳寺一丁目34から56番 松原六丁目1から19番、22から31番、33から43番 羽根木公園 本指針の活かし方 本指針は、これまでの やさしいまちづくり から継承されてきたデザインを7つのデザインコードとしてまとめました。 この7つのデザインコードを活かして、設計、施工を進めてください。 以下に、デザインコードの見方について、説明します。 左ページは、街の歴史や やさしいまちづくり での取組み例など、現況の魅力とその効果を解説しています。 右ページは、デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージを解説しています。 デザインコードの解説や設計に活かす事項を文字とイラストで説明しています。 今までつくられてきた界わいの魅力的な場所を写真と文章で説明しています。 丸い枠の文章は、界わいの魅力について、その理由と街づくりでの効果を説明しています。 イメージイラストは、例えばこんな街づくりができることを示しています。 7つのデザインコード やさしいまちづくり をつなげるために 1 みどり 多様性のあるみどりの創出 2 街の記憶 記憶を次代へ伝える工夫 3 ふれあい・にぎわい・ひとやすみ 出会いとやすらぎの場づくり 4 よりみち・まわりみち・わたしの街 回遊性のある空間づくり 5 くらしのしつらえ 日常生活の演出 6 ここちよい素材・色・形 自然の素材の活用とやさしさを感じさせる形状 7 街のアクセント わかりやすいサインの設置 1 みどり 多様性のあるみどりの創出 丘陵部分にまとまったみどりが分布し、界わいのスカイラインがつくりだされている。 北沢川緑道のサクラや赤堤通りのハナミズキは、まとまったみどりをつないでいる。 この界わいには、武蔵野らしいケヤキ、ナラ、シラカシ、またイチョウやクスなどのシンボル樹があり、梅丘の地名にあるように羽根木公園のウメも界わいを特徴づけている。 現況の魅力とその効果 羽根木公園をはじめとして、丘陵部にはまとまったみどりが分布している。 地形に沿ってあるみどりのまとまりを活かすことで、界わいの魅力がつくりだされている。 北沢川は、江戸時代初期に玉川上水から分水され、長く地域の田畑をうるおしてきた。 昭和40年以降、暗渠化の際に上部は緑道として整備し、様々な樹木が植えられた。 連続性のあるみどりにより、人々が歩く楽しみを見い出せている。 梅ヶ丘駅前のケヤキが、駅を降りた人たちを出迎えてくれている。 大きな木は遠くから見えるシンボルとなり、空間の演出の主役として活きている。 羽根木公園のウメやサクラは、界わいを特徴づける樹木となっている。 土地に合った樹木を植えることで、四季を通して界わいの魅力が感じられる。 デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージ 街を特徴づけるみどり 地形に沿ってまとまったみどりを活かしていく。 人々が歩き続けたくなるようにみどりをつなげていく。 街のシンボルとなる樹木を植えていく。 武蔵野らしいこの界わいに合った樹木を植えていく。 生物の多様性を育むみどり、誰もがほっとするみどりをつくっていく。 小田急線から見えるまとまったみどりの風景を大切にする。 シンボルとなる木を植え、生き物や子どもが集まる場所にする。 かつて、家屋の北側には、防風のためのシラカシ、南西には日よけのケヤキ、庭には果樹を植えていた。色、音、匂いを感じるみどりをつくる。 テラスは、みどりを通じて交流ができる場としたり、まとまったみどりやシンボルツリーが望めるよう、工夫をしていく。 2 街の記憶  記憶を次代へ伝える工夫 羽根木公園は、かつては六郎次山、根津山と呼ばれていた。 この界わいの小高い場所には神社仏閣があり、辻や角には地域を守る地蔵尊がまつられている。 やさしいまちづくり では、界わいにある草花を陶板に焼いて、新たな街の記憶がつくられた。 現況の魅力とその効果 羽根木公園は、六郎次という鍛冶屋が住んでいたことから六郎次山、また、敷地の一部が根津財閥の所有であったため、根津山と呼ばれていた歴史がある。自然あふれる空間として、長年親しまれてきており、地元の人々は今でも愛着を込めてそう呼んでいる。地形や樹木に昔からの土地や暮らしの息づかいが残り、今につながっている。 北沢川緑道には、かつては北沢川であったことを示す橋の名前の入った橋名柱がある。橋名柱が当時の面影を偲ばせ、その場所の語り部として活かされていることで歴史が引き継がれている。 赤堤山善性寺は、1715年に世田谷勝国寺の住職によって建立された。杉並木の参道には1本の大ケヤキがそびえている。 先人が意思を持ってつくりだしたものを大切にしていくことで、文化などが後世の人に引き継がれている。 梅丘中学校前は、住民と区が一緒に検討し、界わいにある草花を陶板に焼いて、設置するなどの工夫を行っている。 住民と区の協働により、時代ごとの新たな街の記憶がつくられている。 デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージ 土地の記憶・くらしの記憶 昔からの土地や暮らしの息づかいが残る地形や樹木、先人が意思を持ってつくりだしてきたものを大切にしていく。 記憶を次代へ伝える工夫 残したい伝承、伝えたい記録を、子どもにもわかりやすく伝えていくための工夫や試みを行っていく。 親しみやすい樹名板で示す。 説明板や橋名柱により、地域の成り立ちを、子どもにもわかりやすく伝える。 地域になじみのあるものをデザインに活かす。 住民参加でつくるものは、街の風景となっていく。これまで、住民とともに やさしいまちづくり の試みを重ねてきた。参加の手法を取り入れながら、街の記憶を未来へつなぐ工夫をしていく。 3 ふれあい・にぎわい・ひとやすみ 出会いとやすらぎの場づくり 待ち合わせの場所や自然と言葉を交わせる場所、人と人との交流が生まれてくる場所が点在することで、街には活気がでてくる。 出会いとやすらぎの場は、ほんの小さな場所から広がっていく。 現況の魅力とその効果 小さな空地で開催される地域のバザーなど、人々が場所に関わることで空地は活気づく。 誰かに出会える場所、人と人との交流を生み出す場所をつくりだすことで、人々の笑顔が生まれている。 豪徳寺駅前の花壇がある広場は、時にはお祭り提灯が掲げられる。にぎわいの空間が、まちかどの小さな空間から生まれている。 小さな空間でも工夫することで、様々なイベント空間へと早変わりできる。 北沢川緑道の光明橋付近にある屋根付きベンチは、雨宿りもできる休息空間になっている。 座れる場所を増やしていくことで、誰もが安心して歩くことのできる環境がつくられている。 梅ヶ丘駅北口にあるサインと椅子は、待ち合わせやひとやすみに丁度よい。 訪れる人も、住んでいる人も、多くの人が愛着の持てる場所をつくることで、界わいの魅力を高めている。 デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージ 安心の場所づくり 人と人との交流が生まれる場所を小さな空間でもつくっていく。 気軽に座れる場所をつくっていく。 街なかに、ほっとできる場所をつくっていく。 交流の場所が生まれるような、ちょっとした空間をつくる。 様々な人と一緒に活動できるしつらえにする。 みどりなどのある空間には、集いの場所として、ベンチや遊具などを置く。 小さな空間でも人々の憩いや交流の場所として活かすことができる。人々が街に気軽に出られるように、ベンチなどを設置したり、街と関わりやすいしつらえをつくっていく。 4 よりみち・まわりみち・わたしの街 回遊性のある空間づくり 安心して歩きやすいみちがつながっていると、歩くことが楽しくなる。季節を感じたり、友人などとの大切な時間もつくられる。 いつもと違うみちを歩くと、気づかなかった景色に出会う。そんな時は、ちょっとワクワクしたり、秘密の場所を発見したような気持ちになる。 現況の魅力とその効果 梅丘中学校の生徒が朝夕通る通学路のスロープは、車いす使用者と共に幾人もが横に並んで通れるゆったりした設計になっている。 誰かと一緒に歩くことは楽しい。そのことを可能にしているみちは、気持ちも明るくしてくれる。 総合福祉センター付近のみちや建物は、北沢川緑道とつながりを持たせた整備を行っている。 みちや建物と緑道に連続性を持たせ、歩きやすいみちづくりをすることで回遊性が生まれている。 みちが交差するところは、思いがけない発見があったり、新鮮な感動をもたらす。 ふとした瞬間に別の風景が現れたりする発見の多い街は、歩いて楽しい街となっている。 梅丘図書館前は、レンガを活かしたみちと木々のある広場が一体的に整備されている。初夏には ヤマモモがたわわに真っ赤な実を実らせる。果実の木は、色や匂いで季節を伝えてくれる。 自然の変化が五感で感じられるみちは、潤いのある街をつくっている。 松葉稲荷の小緑地は、緑に包まれた静かな空間となっており、落ち着きに満ちている。 やすらぎを感じたり、思いをはせたりすることができる場所があることで、落ち着いた気持ちになる。 デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージ 歩いて楽しいみちづくり・場所づくり 安全にゆったりとした気持ちで歩ける空間をつくっていく。 緑道や公園、環境空地などとのつながりに配慮し、回遊性のある空間をつくっていく。 歩いて楽しくなるみちや、やすらぎを感じる空間をつくっていく。 自然の変化を感じられたり、自然や暮らしの音色が聞こえる街をつくっていく。 安心・安全にみちを歩くことができる、ゆったりとした空間をつくる。 奥行きを感じさせることで、変化を楽しみながら歩けるみちをつくる。 誰かに出会ったり、新たな楽しみを見つけたりできる発見が多い空間をつくる。 みちと一体的に整備し、歩きやすく、そして歩きたくなる空間をつくっていく。ユニバーサルデザインによる整備を行いながら、さらに楽しく安心して歩けるように、植栽、舗装、道路占用物やストリートファニチャーなどを整備していく。 5 くらしのしつらえ 日常生活の演出 しつらえ は人を迎える おもてなし のひとつである。 しつらえ を工夫した景色があると、もっと素敵な街になり、様々な人が住みたい、訪れたいと思う街になっていく。 現況の魅力とその効果 梅ヶ丘駅前は、改札口前の空間から駅前広場に向かって、駅施設と街に一体性を感じる広がりのある空間となっている。 街に対して一体性のある広がりを持った空間は、訪れた人をここちよく迎えている。 豪徳寺駅から山下駅へ向かう小路は、みちに開かれたつくりの店が多く、親しみやすい空間となっている。 内と外の空間がつながることで、コミュニケーションが生まれやすい場所となっている。 総合福祉センターの駐車場では、木々を活かして、駐車場がつくられている。風景が途切れることなく、穏やかな気持ちで散歩できる空間となっている。 施設や植栽の配置を工夫したしつらえは、街の風景の連続性をつくっている。 山下商店街にある郵便局の出入口上にある時計は、通勤・通学者や買い物客などに、時刻を教えてくれている。 時間や場所がわかる、気づかいのある工夫は、街のやさしさをつくっている。 デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージ 街にとけこむ建物 開かれた出入口、植栽の工夫、誰もが安心・安全に使えるトイレなど街と一体性のあるしつらえにしていく。 おもてなし の心を形に 気づかいのある工夫は、界わいに住む人や訪れる人のここちよいと感じる場所をつくっていく。 建物や敷地は、街に向かって開かれた整備をする。 駐車場は、街からの見え方に工夫する。 時計、照明などのさりげない気づかいを演出する。 街に開かれた建物とみちとの一体性のあるスペースは、人々が交流しやすく、生活感のある界わいをつくっていく。 6 ここちよい素材・色・形 自然の素材の活用とやさしさを感じさせる形状 自然の色合い、風合いを取り入れた場所は、人にやさしく、ここちよい空間として受け入れられる。 あたたかみを感じさせる材料、自然の素材、落ち着いた色彩、やわらかい形状を考慮し、地域と調和したみちは、趣があり、歩行者に安心感を与える。 現況の魅力とその効果 やさしいまちづくり において、北沢川緑道などの様々な場所で使われているレンガタイルは、界わいの基調色となっている。 レンガタイルは、あたたかみを感じさせ、界わいの一体性を醸しだしている。 羽根木公園周辺で使われている自然石などの色合いや風合いは、やさしさを感じさせる。 自然の色合いや風合いを用いることで、ここちよい空間をつくりだしている。 羽根木公園には、玉石の石積みや和風庭園があり、趣が感じられる。 昔から使われている自然の素材は、街の趣や奥行きを生んでいる。 北沢川緑道の植栽桝は、やわらかい印象を持たせる円形になっており、散歩する人などが腰掛けやすいしつらえとなっている。 使いやすい形状や大きさにしつらえることで、人にやさしい空間となっている。 赤堤通りでは、地域になじむようにデザインされた曲線状の植栽枡が、整備されている。 やわらかい形状にすることで、人々に安心感を与えている。 デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージ 自然の色合い、風合い 地域になじんだ自然の落ち着いた色合いや風合いを、屋根や外壁、外構の色、みちや公園の仕上げに取り入れていく。 あたたかみを感じさせる素材、やわらかい形状 あたたかみを感じさせる材料、自然の素材、花や木々などをモチーフにしたやわらかい形状を考慮し、地域と調和したしつらえにしていく。 自然の素材を工夫して、整備に取り入れる。 地域にある木々や住宅の落ちついた色調を新たにつくるものに活かす。 車止めや縁石などをやわらかみのある形状にする。 緑道などの人々が行き交う場所では、自然の素材ややわらかみのある形状を活かして整備していく。 7 街のアクセント わかりやすいサインの設置 楽しく歩けるように工夫された街のサインは、街のアクセントであり、わかりやすいサインは、日常に欠かせないものである。 街に散りばめられた様々なサインは、界わいに住む人や訪れる人の印象に残り、ここちよい記憶として残っていく。 現況の魅力とその効果 光明特別支援学校の角にある辻広場は、路面に住民参加でつくった区の花 サギ草 のビー玉モザイクが埋め込まれていて、印象的な空間となっている。 住民参加でつくった場所は、記憶に残る印象的なものとなっている。 羽根木公園内のサインは、独特な形状であるだけでなく、その形で方向を指し示している。 サインの形状を工夫することで、人の目を引き、わかりやすいものとなっている。 豪徳寺駅の改札を出てすぐのところにある まねき猫 は、待ち合わせの目印となっている。 待ち合わせ場所にある街のシンボルは、わかりやすい目印となっている。 梅ヶ丘駅北口にあるサインは、ワークショップを通して設計された。サインの脇には、利用する人の意見が活かされ、 ひと休みできる場所が整備されている。 利用する人の立場でつくられているサインは、わかりやすく、使いやすいものとなっている。 北沢川緑道の光明橋付近にあるサインは、立ち止まって見やすい場所に設置されており、散歩する人の目にもとまりやすくなっている。 みんなが欲しい情報を、安全でわかりやすい場所に適切に配置することで、人に親切な街となっている。 デザインコードとそれを活かした整備の事例や全体イメージ 人の目にとまる街のアクセント 待ち合わせの目印や記憶に残る印象深い場所をつくっていく。 みんながわかる情報 誰にでもわかりやすい情報を、安全に配慮して、適切に配置していく。 歩行者の目にとまりやすいところにサインを設置する。 人の動線や視線を考え、サインとともに、ベンチや照明のしつらえを工夫する。 様々な人にわかりやすく、使いやすいサインを設置する。 遠くからみてもわかりやすい目印や時計、サインのしつらえは、人々が集まる場や待ち合わせの場になることを踏まえて、総合的なデザインを検討していく。 編集        北沢総合支所街づくり課 都市整備部都市デザイン課 発行・問合せ先   世田谷区都市整備部都市デザイン課 〒154-8504 東京都世田谷区世田谷四丁目21番27号 TEL 03−5432−2038 FAX 03−5432−3023 平成27年4月 初版 発行 広報印刷物登録番号 No1270