第5回世田谷区スポーツ推進審議会 議事録 【日 時】令和5年9月26日(火) 午後7時00分~午後8時20分 【場 所】世田谷区役所第一庁舎5階 庁議室 【出席者】 ■委員 細越淳二会長、平野裕一副会長、阿江通良、安藤佳代子、植村隆志、小林至、櫻井和代、佐々木玲子、西辻勤、師岡文男、本田仁 (以上11名) ■事務局 大澤スポーツ推進部長、荒スポーツ推進課長、能勢スポーツ施設課長 開会 ○会長 定刻となりましたので、第5回世田谷区スポーツ推進審議会を開催させていただきます。  それでは、議事に入ります前に、事務局より本日の出席状況の報告、配付資料の確認をお願いいたします。 ○事務局 事務局よりご報告させていただきます。  本日の出席状況ですが、石﨑委員がご欠席、安藤委員、平野委員がオンラインでのご参加となります。全体の2分の1以上の委員にご出席いただいておりますので、世田谷区スポーツ推進審議会条例施行規則第5条に基づき、会議の開催は有効であることをご報告いたします。  また、今回は5名の傍聴の申請がありましたことを併せてご報告させていただきます。  続きまして、事前に送らせていただいております配付資料でございますが、次第の下段に記載のとおりでございます。ご確認いただきまして、不足等がございましたら事務局までお申しつけください。  事務局からは以上でございます。 ○会長 議題1、第4回スポーツ推進審議会(意見内容)について、事務局より説明をお願いします。 ○事務局 事務局より説明させていただきます。お手元の資料1、スポーツ推進審議会(意見内容)をご覧ください。  こちらの資料は、従前どおり、これまで行いました各審議会におきまして委員の皆様よりいただいたご意見をまとめ、対応の考え方と計画への反映の考え方を記載しております。引き続き、審議会でいただいたご意見につきましては、こちらの資料に追加してまとめ、論点を整理させていただきます。  事務局からの説明は以上でございます。 ○会長 毎回、このようにまとめていただいておりますが、この意見内容の取りまとめにつきまして、ご質問、ご意見、ご確認等、委員の皆様いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、この件は了承ということで次に進みたいと思います。  続きまして、議題2、本日の議論の中心となります、世田谷区スポーツ推進計画案について、事務局より説明をお願いします。 ○事務局 事務局より説明させていただきます。資料2の世田谷区スポーツ推進計画案をご覧ください。  計画案の内容につきましては、素案からの変更箇所を中心にまとめてご説明いたします。その後、委員の皆様からご意見をいただきたく存じます。  全体的な変更点としましては、表紙のデザインや写真の追加など、冊子としての体裁を整えております。  それではまず、計画案の27ページをご覧ください。重点的な取組みとして、スポーツ環境の整備の考え方につきましては、現行の世田谷区スポーツ施設整備方針の考え方を引き継ぎ、また、この間、庁内から出された意見等を踏まえ、より詳細な記載を行っております。  続きまして、35ページをご覧ください。素案では、基本目標2に「1年間にスポーツを通じて新しい交流が生まれた区民の割合」を設定しておりましたが、こちらを成果指標とした場合には、毎年、直近の1年間での新たな交流が生まれている必要が生じます。区としましては、スポーツ推進施策を通じて新たな交流が生まれた区民を増やしていき、その割合の推移を追っていきたいと考えております。よって本計画では、「スポーツを通じて新たな交流が生まれていると感じる区民の割合」として設定しております。  続きまして、73ページをご覧ください。73ページからは参考資料として、今年4月に実施いたしました区民アンケートの結果の一覧を掲載しております。  以上を踏まえまして、世田谷区スポーツ推進計画案につきましては、本日の審議会においてご議論、ご意見をいただきたいと考えております。  事務局からは以上でございます。 ○会長 本日は、このスポーツ推進計画の案について、審議会としてほぼ固めてまいりたいということになります。  では、今ご説明いただきましたので、全体的なところ、それから各箇所について議論しながら進めていければと思います。  体裁をきれいに整えていただきまして、また、ぱっと見て分かるように年次計画のところも写真等を入れていただいたということになります。  では、ご意見、ご確認等、委員の皆様、いかがでしょうか。  先ほどご説明いただいたところでいきますと、27ページは施設整備等、区の調整等も踏まえてより詳細な記載を行ったというところがありました。  それから、35ページの成果指標のところは、1年間ですと、1年間ごとに途切れてしまうところがありますので、継続的に区の施策、あるいはスポーツシーンがより豊かになっていくというようなことを捉えるという意味で、また先ほどいただきましたスポーツを通じて新たな交流が生まれていると感じる区民の割合という意味合いから、1年と区切らずに設定するというような考え方かと思います。  では、委員の皆様からご意見等をいただきたいと思います。 ○委員 まず、このアンケートですが、いろいろ指摘をさせていただいた細かいところまで丁寧に設問が作られています。しかも回答者の年齢や性別の人数のバランスのいい、すごくきれいな分布で、そこにまた回答結果に重みづけを加えて掲載されています。こういうアンケートはどうしても回答者に偏りが出るのですが、かなりバランスのいい回収ができていて事務局に感謝する次第ですが、ここの中で見えてきたのが、手軽に参加できるイベントが少ないということと、皆さんが実施しているスポーツがトレーニングとか歩く、走るというような個人型のものが圧倒的に多いということです。したがって、共生社会やコミュニティの活性化のような効果をあまり感じないという答えに結びついたのかと思います。  その点を考慮してチームで行うスポーツの推進も、計画の中に反映できると良いと思います。また、手軽に参加できるスポーツを紹介するイベントなどの必要性も加えると良いと思います。あと、67ページに推進体制が出ていますが、よくありがちな区とスポーツ振興財団、スポーツ推進委員や総合型地域スポーツ・文化クラブだけにとどまらず、一般市民個人や非スポーツ組織、商店会や青年団体といった、いわゆる一般市民の方々の意見も取り入れながら、普段スポーツに関係のない方々がどういう形だったら日常的にスポーツを行うようになっていくのかを考える推進体制を作る必要があります。スポーツの専門家だけとかスポーツに関わっている人だけではなく、一般市民の方々に加わっていただき、一般市民の方々の声をどんどん事業に入れていくべきだと感じた次第です。それがまず第1点です。  2点目がいよいよ再来年となりましたデフリンピックです。計画では令和6年からの話をしていますので、令和6年にはもう具体的な事業が記載されていなければならないと思っています。21ページのこれからの取組みのところに目標だけが文章としては加えていただいていますが、まずは市民の方々がデフリンピックを具体的に知るための講習会とか、実際に一緒にデフリンピックの運営方法で種目を体験するとか、そういった具体案が盛り込まれていないと、令和7年の盛り上がりとか、せっかく東京都で開催するのに、また世田谷の駒沢オリンピック公園総合運動場(以下、「駒沢公園」という)も会場となっているのに、実際に「する」「みる」「ささえる」で加わっていくことができないのではないかと思います。、もう少し具体策としてデフリンピックとどう関わっていくかについて明示した内容を入れていただけたらいいかと思います。  ご存じのとおり、パラスポーツというのは、日本障がい者スポーツ協会が日本パラスポーツ協会へと改名した際に、いわゆる障害者スポーツだけではなくて、ボッチャのような障害者と健常者が一緒にやるものも、これをパラスポーツと呼ぶということをはっきり宣言されて、ホームページにもしっかり掲載されています。そういう点から考えますと、デフリンピックに向けて、聴覚障害のある方と健常者の方が、特に子どもたちが一緒になってスポーツをやってみる体験をして、多様性への理解を深め、いろいろな人たちがいることを認識し、誰一人取り残さない差別のない共生社会をつくることの重要性に向けての意識づけができるのではないかと思います。とにかく、デフリンピックについて、より具体的に踏み込んだ計画を立てていただきたいと思っている次第です。  3つ目、これで最後ですが、大変話題になっている学校の部活動の地域移行については、時間をかけて踏み込んだ議論をしていかなければいけない段階です。まだまだ学校の先生方と総合型地域スポーツ・文化クラブ、行政と地域で、腹を割って話し合っていく機会が少なく具体的な問題点と解決策が見えてきていないので、計画にも少し踏み込んだ事業案を盛り込まないといけないと思います。スポーツ庁は達成の目標年度を令和7年度末としており、まだ時間をかけてということですが、もう現場は待ったなしに、どんどん人数不足で部活が学校でできなくなってきている状況ですので、その辺を地域でどう検討していくのかということを、もう少し計画の中に項目や具体案があってもいいのかと思いました。  以上3点です。ありがとうございました。 ○事務局 事務局からですけれども、区といたしましても、手軽に楽しめるスポーツの要素は既に取り入れているのですが、なかなか周知がうまくいかず、参加者が十分に参加できていないというところはあると思います。ただ、委員がおっしゃられたように、さらにもっと身近に簡単にスポーツに取り組めるようなことは、この計画の趣旨でもありますので、今後考えていきたいと思います。  それから、専門家の方以外のご協力も、当然区としては受けていきたいのですが、地域や町会等に話すと、先方は先方でなかなか難しいという話もあるので、そのあたりも丁寧に説明しながら、地域全体でというのはここに書いてあるとおりですので、協力し合ってスポーツの推進に寄与していきたいと思います。  それから、デフリンピックにつきましては、東京都の組織委員会が中心となって進めておりますが、先日ご挨拶にお越しいただきました。ただし、まだ会場と種目ぐらいしか決定していないということで、今後、詳細の内容が出れば、当然区としても啓発を行っていきたいと考えていますし、もし一緒に取り組めるようなことがあれば行っていきたいと思います。  なお、開・閉会式の会場は東京体育館、競技については、陸上とハンドボールとバレーボールの3種目が駒沢公園を会場として開催を予定しているということで報告がありました。駒沢公園はまさに1964年の東京オリンピック開催時にはバレーボールで東洋の魔女が話題となりましたので、そういうところも絡めながら盛り上げていければというふうに思っております。  それから、部活動の地域移行につきましては、これも学校単位でも考え方もいろいろあってなかなか難しいところですが、教育委員会が所管となりますので、そちらとも情報共有しながら、協力して速やかに移行していけたらと思っております。  事務局からは以上です。 ○委員 私も参考資料をよく見させていただき、非常によくまとまっていて、551名のアンケートは非常に価値があるものだと思いました。せっかくなので、ここから読み取って、いろいろな施策に反映させる必要があると思いますが、それが全体としては不十分ではないかという印象です。  例えば、区民ワークショップで出された意見を見ると、人材や組織の育成・活用が不十分であるという指摘がされています。ですから、それについて人材や組織の育成・活用をどういった形で進めるかということを入れ込む必要があると思います。75ページに非常に面白いアンケートがあって、9)「この1年間にスポーツ・運動を行わなかった理由」で言いますと、スポーツを行わなかった理由として多忙とか体力に自信がないとか、機会がないとか好きでないといった回答がかなりのパーセントを占めています。そういうことを考えると、多忙で体力がないとか機会がないとか、こうした理由をクリアするような施策をもう一度考えると、計画が効果的に実施できるのではないかと思うのです。  例えば、10)「今後参加したいスポーツイベント」にしても、ウォーキングなど誰でも楽しめるイベントが約26%で、スポーツの指導や講習が受けられるイベントとか、近隣住民が交流できるイベントというのがあり、「特になし」というのが6割を占めているのです。この理由は分かりませんが、「特になし」というのは多分あまり積極的に、自ら進んでスポーツイベントに参加したくない、あるいは多少おっくうだということを示すのではないかと思うのです。  例えば、運動すると体調がよくなったとか、運動やスポーツの効果をもう少し可視化したほうが我々としてはいいかと思うのです。私の田舎などは人口4万人ぐらいですけれども、大学の先生にも来てもらい、市民有志に万歩計をつけてもらいウォーキングや運動をするという事業を実施することで見える効果が出てきているようです。そうすると、月に数回行っていた医療機関通いが2回になったとか、医療費が明らかに減ったといった事例があるのです。いくつかの自治体では医療費が減ったという報告もあるようです。運動やスポーツの実施効果を可視化すると、やる気になって、もっと参加者が増えることもあると思うので、そういうことを我々は施策として考える必要があると思うのです。  委員の意見と重なりますが、日常的に毎日実施できるスポーツ・運動と、土日に参加するイベント的なもの、これは食事で言うと外食ですね。レストランで外食するようなもので、土日だけいいものを食べていても駄目なのと同じです。日常的に実施できる運動やスポーツが重要で、そういうものが実施できて、その効果が見えるようなことを工夫してはどうでしょうか。  そして、最終的には結局それぞれのライフスタイルに応じた運動生活とかスポーツ生活を自分で確立してもらうように持って行くことがいいかと思うのです。その中で触れ合いとか、そういったものができるような形を工夫して施策に盛り込んでいったほうが良いかと思うのです。  施設の整備などは具体的に見えるので施設の整備や改善などは計画に盛り込むべきだと思うのですが、世田谷区には日本体育大学、国士舘大学、日本女子体育大学がありますから、そういうところの先生方に来てもらっていろいろな啓発を行うとか、そういうものをもう少し盛り込んだらどうかと思います。最終的には、指導者がいなくても自分で自分の体を処することが出来るようになるというのが実は体育スポーツの大きな目標なのです。そういうことを市民の方に分かっていただけるような施策を一言入れておくと随分違うと思うのです。  あと、イベントとかそういうのは非常によくやっているので、結構かと思って見ていました。ハーフマラソンとかいろいろですね。これは、先に述べたように外食に当たるので、そうではなくて、日常的なものも継続的に実施できるようにすると、もっと運動の効果があるというのが分かると思うのです。そういうのを入れていくと、この基本目標、生きがいや健康づくり、共生社会とか活気あるまちづくりとかにつながるのではないかと思います。そういったものを施策に盛り込んでもらって、なるべく可視化したほうがいいと思うのです。  39ページにまちなかでの事業実施の手法があったと思うのですけれども、そういった取組みを地道にやると、普段は一人でやって、土日あるいは金曜日に集まってやるとか、そういうことができるようになると思うのです。だから、まちなかでの事業実施の手法を、極端に言うと一人でもできるような形でうまくやると世田谷区独自のものができるかと思います。  委員と方向は同じなのですけれども、せっかくアンケートがきちんとあるので、それを具体的に、こういう結果があり、それはここに反映されていますという形で書いていくと、結構いいものができるかと思います。最終目標としては、世田谷区モデルみたいなのができれば一番いいかと思うのです。世田谷区モデルというのはどういうものかについては、いろいろな方がいらっしゃるので、各自に応じて適切な運動やスポーツができるところまでつながるようなイメージで、五、六年やってみたらいいかと思います。 ○会長 アンケートの結果を踏まえて、各事業がそこにどんなふうにつながっているかが見えるようにするということですね。あるいは、もう独自に新しいもので立ち上げたというのが分かるようにしていくのは一つ大事だろうというようなご意見だったかと思います。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。アンケートの結果については十分計画には配慮していきたいと思います。  委員がおっしゃられた、10)の今後参加したいスポーツイベントというところで、一番右に「特になし」が約60%というのがありましたが、この中には、ご自身ですでにスポーツをしているからスポーツイベントへの参加意向がないという方も含まれていると考えます。ただ、そういう方がどれぐらいいて、一方で、自分でスポーツをしていないのにスポーツイベントにも参加したくないという人は、区としては参加を促進していきたいと思いますので、今後アンケートをとる際には工夫して現状を把握していきたいと思います。 ○委員 賛成でありまして、そのとおりやっていただきたい。例えば、我々みたいに高齢者になると、自分の方法というのを持っているのです。心拍を取りながら自分でやるのですけれども、こういうときはこう、こういうときはこうというのを持っているので、グッドプラクティスを集めて、例えば70歳の作家の方は、こういうことをやっておられますとか、自営業の方はこういうこと、そういうグッドプラクティスなどを引っ張り出せるようなアンケートを取ると、これからすごく役立つと思うのです。多分何十年もやっておられる方は、そういうものがきちんとできる人だと思います。 ○会長 そのほか委員の皆様、いかがでしょうか。 ○委員 同じように、アンケートをすごく丁寧にまとめていただいていると思いました。  これは大人のアンケートだと思うのですけれども、子どもの姿が見られるようなデータというのはないのかなと思います。多年齢にわたってというようなことは謳っているのですけれども、何となく子どもとか若い世代への焦点があまり見えないというような気が私はしました。実際にどうなのかということと、それに対して子どもたちにはどういうふうにという施策があるとか、そういうようなことがあるといいのかと思いました。単純に子どもへ何かのイベントとか、親子で何かとか、そういうことだけではなく、実態を踏まえて世田谷らしい何かとか、そういうものがあるといいかと思いました。  子どもたちの生き生きした感じがあまり感じ取れないので、区全体の年齢構成にもよるのかもしれませんけれども、若い人たちが将来を支えていくので、そこにフォーカスしていますよというようなところも少しあってもいいかと思いました。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。今回のアンケートは、基本的に18歳以上対象ということで、委員のおっしゃるように、18歳未満の子どもたちの意見は聞いていないのは事実でございます。子どもに個別に聞くというのも、区の他の部署でもないのかなと思いますが、当然子どもたちの意見などはあると思いますので、委員のご意見を尊重しながら、今後どのような形で実施していけるのか検討していきたいと思います。 ○委員 ありがとうございます。子ども本人でなくても、保護者の方が答えるアンケートや、子どもの様子が見えてくるような設問もあるのかと思うので、何か工夫していただけるといいかと思います。 ○委員 とてもいい計画にまとまりつつあると思っています。  59、60ページのスポーツボランティア制度ですが、「推進」とやはり入れたいですか。私はあまり推進するべきではないと思って、前回も同じことを申し上げたのです。ただ、様々な事情もありますし、当然私一人の考えを無理に押し通すという場でもありませんが、私としては入れるべきではないと思っていますが、やはり入れたいですか。 ○委員 全くなくしてしまうという意味ですか。 ○委員 はい。 ○委員 「充実」などに表現を変えてもだめですか。 ○委員 私は要らないと思います。前回のおさらいになりますが、スポーツの課題は、ボランティアを強いているところだと思うのです。つまり、みんな痩せ我慢でやっていて、部活動の地域移行も、それが限界に達した結果でもあると考えています。  私は、UNIVASの理事も務めており、その設立にあたっての問題意識のひとつに、学生スポーツの指導者はみんなボランティアばかりだということがあります。ボランティア精神は美しいと思いますが、一方で、ボランティアは責任の所在を曖昧にさせてもいます。「だって、わたしはボランティアでやっているのだから責任なんて言われても困る」ということにつながっている。つまり、対価がないのだから責任もないという考えを生んでいる。もっといえば、ボランティアの推進は無責任体制の推進であると私は考えている。特に学生スポーツの現実、それから中高の部活動の現実などを見ると、まさにそういうことではないかということで、ボランティアを推進してしまうというのはよくないなと思います。ボランティアの存在は否定しませんが、区として推進をするというのは間違っているのではないかと思います。  むしろ対価を発生させるほうが、小さくても構わないからエコシステムをつくるほうがよほどスポーツ推進にとって健全なことだと考えます。シェアエコノミーを、国は推進していて、多分区でも推進されていると思うのですが、何らかの形で対価を発生させることを推進してはどうでしょうか。そうすることによって、責任もやる気も生じるでしょう。では、その対価はどこから持ってくるのというと、公共だから課金してはいけないわけではないと思います。イベントで積極的に収益化などを目指すのも、それを支える指導や運営など様々な活動に対価を発せさせるためという大義名分があれば、十分に理解を得られると思います。  ですので、スポーツボランティア自体があっては駄目とは言いませんが、区のスポーツ推進計画に入れるのはやめてほしいなと私は思っているのです。 ○委員 「改革」とかの表現はどうですか。スポーツボランティアで関わりたいという人たちは確実にいるので。そうすることに生きがいを持つ人たちが。 ○委員 スポーツボランティア制度をやめてしまえと言っているのではないのです。区として推進する必要はないのではないかと。存在していることはいいので、推進計画から外していただいて、やりたい人はやればいいと思います。 ○委員 委員のおっしゃっていることだったら、「スポーツボランティア制度の改革」のような表現に変えるとかして、言葉としてなくしてしまうのは私はいかがなものかと思います。委員がおっしゃるような問題点があることは分かりますが、今の制度を推進するのではなくて、これをあるべき姿に変えていくという表現で計画に残す。これに生きがいを感じている人がいるわけですから。  例えば阪神タイガースを応援するということで地域も盛り上がる。応援に命をかけている人たちがいて、そういうスポーツの考え方も当然あっていいわけです。それがあるべき姿で、いわゆるボランティアを強いるようなやり方はあってはならず、それで対価も払うところは払うべきということで、そういう意味では、今のボランティア制度の改革とか、あるべき姿の模索とかいう形では残しておかないと、ボランティアのこと自体の事業が抜け落ちてしまうのはいかがなものかと思うのです。 ○委員 私のポイントは、推進する必要がないから計画から消したほうがいいということなのです。 ○委員 でも、「ボランティア」という言葉自体がこの中からなくなるのはどうかと思います。 ○委員 推進しなくてもボランティアをやりたい人はやるからいいのですよ。 ○委員 勝手にやりなさいと。 ○委員 そうです。だから、推進する必要はないのです。やりたい人がやればいいだけで、阪神タイガースを応援するのは勝手に応援しているわけではないですか。 ○委員 もちろん、そうですけれども…。 ○委員 阪神タイガースの応援を例えば大阪が市として、あるいは府として推進するかというと、それはないですよね。それと同じだということ。従事したい人は従事すれば良いのですが、これを区が推進する必要はないのです。むしろボランティアはスポーツの発展を阻害する可能性をはらんでいるので、あえて推進することを計画に組み込む必要はないではないかということです。まさに委員がおっしゃったように、阪神タイガースを応援するのは自由です。 ○委員 あれもあるべき姿でありますよね。 ○委員 でも、阪神タイガースを応援しようと大阪市の推進計画に入れないでしょう。 ○委員 だから、委員がおっしゃっているスポーツボランティアの今の問題点を逆に改革していく、それも大事なわけです。 ○委員 特に問題点があるとも思っていないのですよ。 ○委員 全く計画から「ボランティア」が抜け落ちてしまうのもよくないと思うのです。私は「する」「みる」「ささえる」のバランスはやはり大事かと思っているので。 ○委員 推進する必要はないではないですか。何で推進する計画に反映するのですか。 ○委員 逆に触れずにいればいるほど、委員がおっしゃったような負の側面は進んでしまう可能性もあるわけですね。 ○委員 負の側面は別に私はないと思っている。従事したい人はすれば良いのだと私は思っているのですよ。 ○会長 もし区のほうから何かあれば、いかがでしょうか。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。  まず、22ページですけれども、以前ここにボランティアという言葉を入れていたのですが、委員のご意見もいただきまして、②のこれからの取組みのところ上から4行目、ここをボランティアでなくて「ささえる」ことも、と置き換えてはおります。ただ、59、60ページになると、細かい内容になってきますので、そこはボランティアと入れさせていただいています。  ボランティア=無償という話でもなく、先ほどの部活動の地域移行なども対価を発生させてという話はしております。当然協力していただく方たちがたくさん欲しいというのは、区としての考え方でもありますので、その辺りの表現をどうしていくかというところかと思いました。また、委員方の意見も様々あると思いますので、その辺りを整理して表現等を考えたいと思います。 ○委員 それに関連して、推進という文言をスポーツボランティアを育てる環境の整備や、スポーツボランティアになってもらえるような環境を整えるなどと明記したらどうですか。そうすると、自ら実施している人も含みますし、あるいは区のほうで、この方が講師として適しているから教える機会を創出できたらというものも含められないでしょうか。いずれにしろ、スポーツボランティアが育つような環境を準備することは区として重要かと思うので、今申し上げたことを盛り込んだらどうかとは思いました。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。皆さんが自主的に従事したい方が従事していただける環境が、一番良いと思いますが、こういうのがあれば協力できたのにという方もいらっしゃると思いますので、今の委員方のお話を考えながら、表現を精査していきたいと思います。 ○会長 では、1回区のほうで引き取っていただいて、再度ここは調整するということでよろしいでしょうか。 ○委員 最後に、例えば医療サービスを受けるのに、医者にボランティアでやってくれ、と言わないでしょう。ところが、スポーツに関しては運営や指導をするのに、無償ですることを推進するというのは、スポーツをある種ばかにしていることでもあると思うのです。だから、そういうものを区として推進する必要はないと思います。芸術活動だって対価が発生するのが当たり前ではないですか。子どもにピアノのレッスンをして、それを無償ですることが正しいと思っている人はあまりいないと思うのです。そんなことをしたら誰も音楽に従事する人がいなくなってしまうと普通は思うのです。  ところが、ことスポーツとなると、指導や運営は無償でやるのが当たり前のように思われている。スポーツにおけるボランティアの推進は、スポーツの地位を貶めることだとも思っているのです。塾へ行っても、算数を教えるのに、子どもの将来のためなのだから、ただで教えるのは当たり前でしょうとは言わないですね。ところが、スポーツだけ、このような言葉が出てきてしまうというのは、私は非常に問題だと思っていて、それが前回に提起した言葉でもあります。もちろん、それはいろいろな考えもあるので、意見を押し通すつもりはありませんが、私はそのように思っております。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。ここで言うボランティア=無償とは、こちらとしても捉えておりませんので、その辺りの表現を考えてお示ししたいと思います。 ○会長 ありがとうございました。この点については、また調整ということで、私も含めて引き取らせていただきます。  委員の皆様、ほかのところではいかがでしょうか。 ○委員 皆さんの声を聞きまして、ほとんど賛成するところです。私が思うところは、区の仕事ですから、区民全体が対象ということを考えて、このような計画をつくらなくてはいけないという点はもっともなところだと思います。ただ、同じような調子で書かれていると、やはり計画を読んでもらえない、分かってもらえないというところにつながるような気がします。もう少し強弱をつけたり、アピールするところ、例えば先ほど委員が言われていたように、うまく自分の体の調整ができている人の事例集のようなものを出してあげて分かりやすくするとか、もう少し世田谷は思いきっていろいろなことをやっているぞ、というところが見えるような表し方も考えていただけるといいかと思っています。 ○委員 少し観点が変わりまして、後半のアンケートないし、10ページ、11ページの辺りのアンケートのところですが、10ページ、11ページにいくつか年齢と性別ごとのアンケートの結果も載っております。後半の内容もすごく良い内容だとは思いますが、例えばターゲットといいますか、どの層のどういうことに対するアプローチが足りていないから、このような結果なのだということを把握するためには、年齢層や性別などを分けた統計学的な分析が必要になってくるのではないかと思います。  既にある程度充足している内容もあるのかもしれませんし、逆に大きく不足している年齢層、ターゲットの部分があれば、そこに重点を置いていくということが全体の実施率を底上げするには必要ではないかと思い、その辺りの検討もよろしくお願いします。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。今、委員がおっしゃられた11ページのところの調査ですけれども、これは今回初めて取ったアンケートです。今後このアンケートを基に委員のおっしゃるとおり、どういうところに焦点を当てていけば良いかは考えていきたいと思います。区としては、隣の10ページの上のスポーツ実施率の部分は区民意識調査といいまして、スポーツだけではなく、区政全般のアンケートとなっております。項目が多いため3項目ぐらいしかスポーツで聞けませんので、今まで実施率などしかなかったのですが、今回この計画を立てるにあたって広く調査をかけることができたので、今後、費用もかかるため毎年はできませんが、節目節目でアンケート調査をして、この計画を立てたときから、どう変わっていったかは考えていきたいと思います。 ○会長 ぜひまたこういう会議体でも、こういうポイントでクロスしてほしいといったアイデアもいただければ良いかと思います。そのほかはいかがでしょうか。 ○委員 私からは特にこうしてほしいという要望はありませんが、今までこの会議で出てこなかった親子体操という文言が40ページの本文中に出てきていて、私は個人的に親子体操にも関わらせていただいていて、以前の平成26年から29年の前期年次計画には親子体操という言葉がとてもたくさん載っていました。それを拝見したときに、ああ、よかったな、ありがたいな、ご理解してくださる方がたくさんいるのだなと思っておりました。それが後期計画では一気に全てなくなりまして、評価がされなかったのかなと少しがっかりしていたのです。ただ、今回の計画では親子体操という言葉を入れていただいて、個人的にはとてもありがたいと思っています。  今、子どもの運動のアンケート調査が見えないというようなお話もありましたが、親子体操は親と子どもが一緒にする体操で、私が関わっている団体では1歳半から参加できます。1歳半から運動を習慣にする、携帯電話やパソコン、テレビの画面に張りついてしまう前に、運動を楽しいと思えるような子どもを育てるということ、幼児というのはものすごく長い長い将来ですから、この言葉を入れていただいたのはありがたいと思っています。  以前に会長からご講義いただいたときに、小学校1年生の6、7歳のときに何とかの壁、何でしたか。 ○会長 「熟達の障壁」です。 ○委員 そうです。そういう言葉を伺って、6、7歳のときに、その壁をいかに高いものにしないで低いものにしておくかが、これからの子どもたちの積極性に大きく関わってくる問題だと思っています。  それから、先ほどのボランティアのところで60ページ、「地域で活動するスポーツ推進委員の活動等を広くPRし、認知度の向上を図り」、これは活動している者としてはありがたい文言だと思っております。ただ、先ほど有償でもボランティアであるというような考えをお持ちということで、スポーツ推進委員も、区の非常勤職員として報酬をいただいていますので、有償でのボランティア活動をスポーツ推進委員はしております。  また、スポーツ推進委員は、ボッチャの依頼がものすごく多いです。区が一生懸命、力を入れてくださって、グッズ、用具のレンタルもすごく手厚くしてくださっていて、ボッチャの依頼がものすごく増えました。この計画の中にボッチャのコートを常設すると書かれていたので、ぜひとも早期の実施をお願いしたいと思っております。  それから、私は、障害者の運動、スポーツ関係の指導もさせていただいておりまして、現場の意見ですけれども、現場では介護人、ヘルパーや福祉タクシーなど、福祉の政策の充実があると、より障害者が参加機会を持てるのではないかと思っております。 ○会長 様々な現状や日常のところから課題提起いただき、ありがとうございました。福祉のところについては、他部署との連携もありますが、今後も可能な範囲で進めることができるところは盛り込んでいければと思います。 ○委員 4回の審議会を重ねてここまでまとめてくださった結果ですので、私も総論に対して大きな意見とは捉えてはいないのですが、前回少しお話をさせていただいたとおり、施策の方向性で、大筋はカバーできるのではないかと思っています。 ○会長 36ページですね。 ○委員 36ページにある基本目標に対しての施策、その方向性、ここで大筋のことは大体網羅されている印象を受けますので、やはり施策の深掘りといいますか、この中で何を実施していくのかということのほうが大事なのかなと思っています。それぞれの事業の内容と目標のところの解像度はまだぼやっとしている部分が多いと思います。この辺りをどれだけ深掘りし、目標値を立て、実施していくのかが大事だと思うので、できればブレークダウンしたところにも私としても関わっていきたいという思いがあります。  あと、これはそもそも論の話になるかもしれないのですが、このスポーツ推進計画自体が8年間の計画だと理解しているのですが、8年後も同じことをやっているというのは多分想像がしづらくて、今、世の中の動きはすごく速くて、いろいろ世の中が大きく変わっていく中で、途中で修正する計画ですとか、速度をもう少し上げていってブラッシュアップしていく必要は個人的にはあるのかとは思っています。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。今、委員がおっしゃられました36ページのところは、委員もおっしゃられたように、あくまで施策と方向性ということで、当然この下にまたいろいろな事業をどうやってやっていこうかというのは、これから検討していきたいと思います。  それから、委員のおっしゃるとおり、この計画は8年間ですけれども、従前から半分の4年間で見直しですので、計画の4年目に見直して実際に合ったものに変えていく予定ではございます。 ○委員 4年も長いなというのが正直な感覚ではあるのです。民間的には、2年とか3年でどんどん見直して変えていく話ではあるので、そういう見直しが本当は必要なのかとも思っています。 ○会長 今いただいたご意見で言うと、例えば36ページの施策の方向性というキーワードがあって、例えば38ページからその具体に入っていくわけですけれども、38ページであれば、上の(1)スポーツに親しむきっかけづくり、その下に施策の方向性ということがありますので、ここにキーワードの具体が少しでも分かるようになっていればより分かりやすいということですね。ここの整合性を、今の段階でもう一度見直す必要はあろうかとは受け取りました。  また、見直しの期間については、区の流れもありますので、現状としては4年ですけれども、もっと短いほうがいいというのはおっしゃるとおりかと聞いていました。 ○委員 アンケートを取られていますね。これは計画には入ってはいないわけですか。計画の中にアンケートを取る。例えば2年ごと、あるいは何年ごとに取るとか、それも推進施策の一つにしたらどうでしょうか。 ○事務局 今のところ、いつ取るというのは計画には入れておらず、行うには金額的にもかかります。こちらとしては、今は4年後の見直しを考えていますので、その時点でのアンケートを取って、どう変わっていくのかを検証しようかと思っているところです。 ○委員 検証はしたほうがいいと思うのです。実施計画を変えるにしても、こういう調査結果あるいは傾向になったから変えたということを示すことがやはり重要かと思います。できたら数年おきに取って、それでどう変わってくるとか、そういう調査研究もしてみたらどうかと思うのです。そうしたら、予算獲得などにも説得力が出てくると思うのです。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。 ○会長 あとは68ページに本計画の評価ということで数値目標も挙げてありますので、これをどう確認していくかというところも同時進行で進めていく。それから、アンケートについては、区民意識調査など様々あるので、それをどう捉えるかということも含めて総体で見ていくということになるかと思います。  そのほかいかがでしょうか。 ○委員 部活動の地域移行は令和13年までだと大きく変わっているのだろうなと思っていたのですが、4年ごとだとちょうどいいかとは思っています。  現状、世田谷区に中学校は29校ありますけれども、なかなか進んでおらず、今までの状況と同じです。ただ違うのは、部活動支援員という方々をすごく教育委員会は派遣してくれて、どんどん行ってくれています。ただ、その支援員さんたちも、時給1,500円ぐらいなので、それだけで生活することはできないので、やはりなかなか難しいかとは思っております。教育委員会も一生懸命頑張ってはいるのですが、そう簡単には部活動そのものを変えるのは難しいかと思いました。  また、前回、委員がお話しされていたスポーツボランティアという話ですけれども、中学校の教員がスポーツボランティアに入っているとしたら、それはどうなのかと。例えば、これを読んだ方が教員はスポーツボランティアですよねと言われると、教員は嫌だなと感じると思います。嫌だなという言い方はおかしいですけれども、ただ、本当にそこがネックになっているところもあります。  さらに、部活指導だけではなくて、例えば中体連の大会はほぼほぼ無償です。例えば僕はずっとバスケットボール部の顧問をやっていたのですけれども、バスケットボール部の顧問や、世田谷区の大会の最終日などの大会運営というのは無償で、完全に好きだから行っている。でも、そういう教員ばかりではありません。それを考えるとスポーツボランティア、この言葉自体は、例えばオリンピックなどでお手伝いをする方などにはとてもいいかと思っているのですが、教員以外というふうに考えていただけるといいかと思います。それが多分働き方改革とか部活動の地域移行につながっているのではないかと思います。  あとは最後にいろいろな紹介がある中で、区内の総合型地域スポーツ・文化クラブも紹介したらいいかと思います。最後にいろいろなスポーツ施設とかが紹介されているのでそこに入れることで、近くにスポーツクラブがあるから、ちょっとのぞいてみようかなと思って参加される方が一人でもいたら、載せた意味はあるかと思っております。ですので、ぜひ紹介していただきたいと思います。そうすると、スポーツに触れ合いやすい人も出てくるのではないかと思っております。 ○会長 今のお話で言えば、総合型地域スポーツ・文化クラブの全部を全部しっかり紹介するわけにはなかなかいきませんが、15ページのスポーツを支える担い手、③総合型地域スポーツ・文化クラブの辺りにクラブ名を載せるといったことは、文字数の関係もありますが可能性としてあるかとは伺っておりました。ありがとうございます。 ○委員 全体的にこれまでの意見も含めて反映されていて、すごくいいなと思った次第です。  私の視点で言うと、スポーツが共生社会の実現に役立っているかという77ページのアンケートの「どちらともいえない」とか「わからない」とか、そういう数値が上がるといいなとアンケートを見て感じたところで、ボッチャの取組みを行っているということを示していただいたので、その点も含めて今後に期待したいと思っていることが1点。  もう一つ、その上のほうにスポーツを支える活動を行わなかった理由のところで、機会がなかったから、活動の情報がないなどの理由があり、気になっている人は一定数いるのかと思いますので、委員がおっしゃったように、デフリンピックは非常にいい機会にもなるかと思います。実際に愛知県もアジアパラ競技大会のために、ボランティア養成の勉強会などを行っている最中です。そういった取組みで勉強したいと思う人は勉強して、実際にデフリンピックなどでサポートいただくというのはいいかと思っています。  また、ボランティアの視点では、今、私の所属する大学では、障害者スポーツのボランティアに学生がたくさん行っています。そのための交通費は主催者から支給したり、学生にはパラスポーツ指導員の資格を取るための時間数になるなど、学生にとって結構メリットがあり参加する学生も多いです。また、行った学生が新たな視点や発見を得てすごく楽しく活動をしたということで卒業後、スポーツイベントの企画の会社に就職して、そのノウハウを活かすなど、そういうキャリアにもつながっている部分もあります。その面では人材育成のための活動など、今まで機会がなかった人たちが機会を得て、新たな視点で何かが生まれるというポジティブな面があるので、ぜひそういう育成の視点でも、スポーツボランティアの活動を見ていただくと、良い活動だと私は思っています。 ○委員 4つだけ言わせてください。  1番目は、39ページに示されたアンケート結果ですが、ここはすごく大事なところで、スポーツをしていない人、関心が低い層へのアプローチ、ここをもっと充実させていくことがスポーツ推進につながると思います。その下のほうのスポーツ観戦機会の充実のところの「各団体等と協力し、スポーツを観戦する機会」も結構ですけれども、もっと人気のあるスポーツのパブリックビューイングをやって、その後に必ず飲食を伴う懇親会をやる。つまり、見ただけで終わるのではなくて、一緒に応援して一体感を持ったところで、余韻も含めていろいろな話合いをする。そこがまた一つの出会いのきっかけになったりもします。もちろん帰りたい人は帰っていただいて構わないのですが。できれば世田谷の地元のチームが出ているローカルなものをみんなで応援して見るなど。パブリックビューイングにふらっと娯楽感覚で行って、そこでスポーツを中心に話をしたり、そこに体験コーナーがあって、例えばラグビーだとファンゾーンで実際に楕円形のボールでパスをやったり、的に当てたり、何か面白いな、すごいな、興奮したな、楽しかったなと体感することでその次のスポーツにつながる。さらにもっとやりたかったら、ここの総合型地域スポーツ・文化クラブに行くと教えてくれるよとか。  だから、そういう意味では、団体の競技場に見に行くというより、もっと気楽にふらっと遊び感覚、お祭り感覚で行くことで、スポーツの魅力に取り込まれていくと思います。実際に、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)やバスケットボール、バレー、ラグビーのワールドカップを契機に、にわかファンというのがいっぱい増えているのです。まさにスポーツの力なので、そういうのをうまく地域でもやっていくのが一つかと思います。  2番目は、「スポーツに触れる場や機会の提供」の項目に示された実行委員組織の構成です。一般の人に「実行委員になりませんか」と言っても尻込みされると思いますが、逆に尻込みする人の中から実行委員を公募したらどうでしょうかという提案です。あまりスポーツに関心がないけれども、みんなが集まるのが好きだとか、お祭り事が好きだという人や、青少年、特に子どもたちや高校生がすごくいいアイデアを持っているのです。そういうところも含めて、スポーツ団体、スポーツ指導者ではない実行委員も入れて、どうやったら面白くなるかという実行委員会というのをつくっていかないと、スポーツ好きの人たちだけが集まって考えているだけでは、いつまで経ってもいいアイデアは出ないと私は思うのです。スポーツをやっていない一般の人が、こうしてくれればもっと気楽に面白いのにと、事業を主催する側に取り込んでいくという工夫をしてはどうかというのが2番目です。  3番目、ボッチャの話が出たのですが、ご存じだと思うのですけれども、レクリエーションスポーツの世界は既存のスポーツのルールや道具、場所を工夫して「誰一人取り残さず楽しむ世界」です。障害者、健常者が一緒になってやれるものは幾らでもあるのです。総合型地域スポーツ・文化クラブも、昔、レクリエーション協会と体育協会と両方で分担していたのが体育協会だけに大きな予算がいってしまったことによって、割と競技スポーツ的になってしまい、そこに取り残されていく人ができていて、今、中学校の女子がたしか体育の授業の1時間以外は全く運動していないのが70%、これはもっと進むだろうと言われているわけです。だから、そういう子こそ、以前論議しましたが、eスポーツでも何でも、スポーツというところに関わりながら、何か楽しいなというところへ引き込んでいくことこそが総合型のこれからの姿です。まずはボッチャのように本当に誰が勝つか分からない。ああいうものをどんどん広げていったらいいのではないかと思います。  4番目は、アンケート結果の中でちょっとほっとしたのは「スポーツ・運動は大切なものと感じるか」に大切であると回答した人が約8割あったことです。これは救いです。皆さん、やはり「スポーツ・運動」は大事だと思っている。ところが、実際にはやっていない。原因の一つは、場所の問題だと思います。アンケート結果では、公共のスポーツ施設利用は2割強でとどまってしまっている。逆に公園、河川敷、道路、空き地、広場の利用が半数強。これはなぜかといったら、いつでもふらっと行って空いており、オープンスペースだからです。公共スポーツ施設は事前に予約しなければいけない、申込みが必要、時間が限られるなどの束縛があるので、なかなか個人でふらっとというふうにならない。基本的にオープンで、朝早くでも夜でも、ふらっと行ってふらっとスポーツができる多目的で安全な、いわゆる原っぱ、できれば芝が生えているといいのですけれども、雑草でも構わないから、そういう河川敷などをうまく利用していく形のほうが実際にスポーツ・運動する人たちというのは増えていきます。公共スポーツ施設を使う多くの人は本格的にやる人や、その競技に特化した人、団体を組んでいて事前に予約する人たちなので、そういう意味では一般の人たちのためにどれだけふらっと簡単に行ってスポーツができる場所を増やすかということが課題かと思います。以上、4つです。 ○事務局 ご意見ありがとうございます。  まず、1番目のパブリックビューイングですけれども、区も、先日初めて二子玉川で、ラグビーワールドカップの日本の初戦のパブリックビューイングを開催させていただきました。会場でみんなで同じものを見て、みんなで応援するというのはすごく一体感が生まれて非常にいいなと思いました。本当はその後に少し皆さんで、委員がおっしゃるような懇親会や体験会等も行いたかったのですが、会場の利用時間と海外での試合だったために時間の関係もありまして、終わったらそのまま解散のような形だったのですけれども、確かに盛り上がった後のもう一つというのも大事だと思いました。  2番のスポーツ専門以外の方というのも、先ほどお答えしましたとおり、なかなか協力していただけない場合もあるのですが、丁寧に説明し、町会や自治会や一般の方も取り込んでいきたいと思います。  3番のボッチャにつきましても、世田谷区はボッチャが盛り上がっておりまして、区としてはパラスポーツを紹介する冊子を作って配布しており、ボッチャ以外にもベガーボールなど、他の用具も貸出しをしているのですが、今のところ貸出しのほとんどはボッチャですので、ほかも周知していかなければいけないと思っております。  4番のスポーツが大事だけれども2割はという話では、例えば世田谷区で一番大きい競技場だと総合運動場になります。個人利用の枠も設けているのですが、やはり団体で使いたいという方もいます。確かにふらっと行ってふらっと運動ができれば一番いいのですけれども、そのあたりの貸出しのバランスなども今後検討していきたいと思います。 ○会長 最後の点などは施設整備のところなどにも関わってくるのだろうと思います。 ○委員 公園行政とスポーツ行政は、とかく縦割りになっているところが多いのですが、公園こそ一般の方々がスポーツを気軽に楽しむ場所としてもっと工夫してもらえたらとは思います。 ○会長 先日のパブリックビューイングは私も参加させていただきました。非常にいい時間、興奮を共有させていただきました。  あと、今の委員のお話の中で、中学校の女子生徒さんの運動しないパーセンテージがありました。少しだけ補足させていただきますと、昨年度、全国の中学校2年生の女子のうち、2割弱の子たちは保健体育の授業を除いたら1週間に60分未満しか運動しないと回答していました。そして60分運動しない子たちのうちの約7割は運動時間はゼロだと答えているというところの数字になります。 ○委員 2割と7割を間違えていました。ご訂正ありがとうございます。 ○会長 そうしましたら、全体を通しましていかがでしょうか。 ○委員 今のお話を伺ってですけれども、女子学生、中高生のスポーツを推進するというのが、ある種、公共的な行政的な役割ということになるのであれば、推進計画においても、なんらかの言及をしたほうが良いでしょうか。 ○委員 おそらく学校のお仕事なので。 ○委員 もしも学校だけでなく、一般的な問題ということであれば、それは行政の出番と言うことになると思いますが、仮にそうだとして、こういうことを考えていますなど、少なくとも課題、問題意識の表明があってもいいのかなと、今のお話を伺って思いつきで申し上げました。 ○委員 それこそ好きなスポーツと出会えないでいる子ども達を地域で拾っていこうというのが今回の地域移行の中の役割の一つです。学校の部活はメジャーな競技スポーツが多くて好きなものがなくて入りたいクラブがない子のために、ゆるスポーツ的なものを地域の総合型クラブでやってくれるなら行く。総合型クラブのいいところは、学校は卒業してしまうと、運動する場所がなくなってしまうけれども、最初からスポーツは総合型クラブに行っていれば、今後少子化が進んでも、そこに行けばいろいろな選択肢があってスポーツができるということです。この理想論を何とか進めたい。多分いきなりやると、学校の部活の非常に長い伝統の中で、これを生きがいにしている先生方や、生徒の学校での思い出づくりは部活動であったりなどありますから、そこをどう調和させながらうまく移行するか。多分もう時間の問題で、間違いなくいろいろなスポーツの部活が学校でできなくなる時代が目の前に来ているので、やはり緩やかに総合型に移行し、揺り籠から墓場まで一生涯総合型でスポーツが楽しめるという環境になっていくというところが今回の改革の狙いですので、今、委員がおっしゃったような中学校のそういった子どもたちも、地域のゆるスポーツ系が、学校の部活でなかなかやれないのであれば、ここにおいでというような推進計画があってもいいと思います。 ○委員 少し戻るのですが24ページ、スポーツの定義や範囲にダンスなどは入れられないですか。 ○委員 具体例で、軽い体操、ダンスといった形ですか。 ○委員 スポーツではないとか言われる人もあるのですけれども、ダンスを入れたほうがいいかと思います。 ○委員 昔の概念ではない、想像が広がりますね。 ○委員 いろいろなダンスですね。鏡やガラスのウィンドウの前でいろいろやっているのも含めてダンスを入れたらどうかと思いました。 ○事務局 24ページの(1)ところですね。私などは、ダンスはイコールスポーツだと思っているのですけれども、もしそういう概念がないようなのであれば、ただ、ダンスだけここに入れると、何でというのもあると思いますので、検討させていただきたいと思います。 ○委員 昔はダンスは文化部でしたからね。そうではないよと。 ○委員 たしか武道とダンスは何年か前に体育の学習指導要領に入れられているところから考えると、さっき事務局がおっしゃったように、もうスポーツという概念になっているのかもしれないなと思いました。 ○会長 捉えとしては含んでいるということで定義はしてあるけれども、特出しするかどうかということです。ありがとうございます。  では、それについては事務局でもう一度確認をということでまいりましょう。ありがとうございます。  全体を見ますと、第1章が「スポーツ推進計画の策定にあたって」という大本のスタート地点です。第2章は「本区を取り巻く現状と課題」ということで、数値も示しながらという部分になります。取組みの課題と方向性を示した上で、第3章が「本計画の基本的な考え方」です。この辺りがこれまで我々も時間をかけて議論をしてきたところかと思います。先ほどご指摘いただいたように、36ページがその全体像をうまくまとめたところになります。第4章はそれぞれの施策ということで、ご意見をいただいたところについては、調整事項も出ましたけれども可能な限り具体を示しながら、あるいはビジュアルのところも努力をしながら、まとめたというところになろうかと思います。第5章の「推進するにあたって」は、これらの推進体制、評価、それからSDGsという区の方針もありますので、それを載せさせていただいて、第6章は「参考資料」という全体像です。そろそろいい時間になってきたかと思いますので、全体を通しまして、最後にご意見があれば頂戴したいと思いますが、よろしいでしょうか。  ご指摘いただきました点については、また調整、確認等をしまして、完成に向けてまいりたいと思います。  では、議題2につきましてはここまでということにさせていただきます。  最後に、議題3、その他になります。第5回の審議会を終えまして、審議会全般につきましてご意見、ご質問等、委員からございますでしょうか。  では、議題審議を終えまして、事務局にお戻ししたいと思います。事務連絡をお願いいたします。 ○事務局 本日、第5回につきましても様々な、そして本当に貴重なご意見をたくさんいただきまして、誠にありがとうございます。  事務局より2点ほど事務連絡をさせていただきます。  まず1点目ですが、議事録についてでございます。議事録につきましては、本日から10日程度をめどにメールにて送付させていただきますので、内容をご確認いただき、修正が必要な場合は事務局までメールにてご返信をお願いいたします。  続いて2点目ですが、次回、第6回の審議会についてですが、次回は令和5年11月中旬から下旬の開催を予定しておりまして、計画案と答申案を審議していただく予定です。引き続き、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。また、審議会全般につきましてご意見やご不明な点等がございましたら、議事録と併せて意見書の様式を送付させていただきますので、メールで頂戴できればと存じます。  事務局からは以上でございます。 ○会長 ありがとうございます。次回は答申に焦点を変えて議論をというところに進んでいこうかと思います。  それでは以上をもちまして、第5回世田谷区スポーツ推進審議会を終了させいただきます。本日もありがとうございました。 午後8時20分閉会