砧地域経営方針 方針  甚大な浸水被害をもたらした令和元年の台風第19号を踏まえ、多発する局所的集中豪雨や震災等も想定し、区民一人ひとりの自助と共助による安全・安心のまちづくりに向け、関係機関と連携し地域の防災意識の向上に取り組みます。  また、砧地域の特性である国分寺崖線や野川、仙川、多摩川などは良好な住環境を豊かにする資源であり、区民との連携による保全に努め、みどりと住環境が調和した地域特性あふれるまちづくりを進めていきます。  地域の特性にあったまちとして、人・自然・文化の調和のとれた魅力あるまちづくりをめざすとともに、道路、公園等の基盤整備、デジタル技術なども活用したコミュニティの醸成などにより、まちづくりを進めていきます。 (1)概要 ・住宅地が広がる武蔵野台地と、農地と住宅が混在する多摩川沿いの平地からなり、貴重な湧水や植物、樹林地を持つ国分寺崖線など自然環境に恵まれ、緑被率約30%は区内5地域で最も高く、みどりとみずが豊かな地域です。 ・大規模団地の建て替えや都市基盤整備を契機とした街づくりとともに、新たなコミュニティの創出が期待されています。 ・成城大学や日本大学、駒澤大学、映画撮影所や世田谷美術館など文化的環境が整った地域であり、小田急線4駅周辺には商店街が広がり、ウルトラマン商店街など地域の特性に合った個性的で、魅力的な商店街には多くの人で賑わっています。 ・町会・自治会、商店街、学校、NPO等の地域活動団体のネットワークにより、防災、防犯活動や福祉の支えあい、地区イベント等、区民交流も活発に行われています。 <基礎データ> 人口 164,716人 うち外国人人口 3,310人 年少人口 22,353人 年少人口率 13.57% 高齢者人口 34,365人 高齢化率 20.86% 世帯数 79,186世帯 平均世帯人数 2.08人 人口密度(1Kuあたり)12,157 人 高齢者がいる世帯数 25,370世帯 高齢単身者世帯数 11,580世帯 高齢者のみ世帯数 6,521世帯 その他高齢者がいる世帯数 7,269世帯 高齢者がいる世帯率 32.04% うち高齢単身・高のみ世帯率 22.86%   介護保険認定者数 7,594 人 介護保険認定率 22.10% 身体障害者手帳 3,520人 愛の手帳 937人 面積 13.549Ku 道路率 15.9% 令和3年度世田谷区土地利用現況調査より 不燃領域率 69.6% 令和3年度世田谷区土地利用現況調査より 地域活動をしている人の割合(令和5年度区民意識調査) 砧北部 15.5% 砧南部 24.7% 人口等は令和5年4月。   (2)課題 ・水害や地震、また火災等の発災に対して、自主防災組織等の運営態勢の充実・強化が重要です。また、特殊詐欺などに対する防犯等の備えが大切で、安全・安心のまちづくりとして、防災や防犯の意識などを高める必要があります。 ・防災機能等も踏まえた駅前広場や道路ネットワークの整備、地先道路整備、狭あい道路拡幅、建築物の不燃化や耐震化など、安全・安心の街づくりを進めていくための地区計画等が必要です。 ・「世田谷みどり33」を目指し、国分寺崖線や農地など地域資源の保全や創出を図る取組みが必要です。また、みどりと調和のとれた良好な市街地の形成を図るため、区民の主体的な参加による街づくりを進める必要があります。 ・地域の身近なまちづくり活動を支援し、大学や商店街、事業者等の地域活動と連携、交流して、協働によるふれあいと賑わいのあるまちづくりを進める必要があります。また、地域コミュニティの醸成、若い世代の参加も必要です。 ・高齢者や障害者、子育て世代などが、悩みや不安を相談し、適切な支援につながり、安心して住み続けられるまちづくりのためにも、支援を必要とするあらゆる人を包摂する地域での見守りや支えあいの地域づくりが重要です。 (3)まちの将来像と課題への対応方針 災害等に強い安全・安心のやすらぎのあるまち     ・水害や地震、土砂災害、火災等の災害や防犯などに強い安全・安心なまちづくりの充実・強化に向け、防災訓練や避難所運営訓練、火災予防の普及啓発や消防活動等を通じ、区民の防災・防犯意識の醸成と高揚、在宅避難・避難行動要支援者対応など、自助力・共助力の向上に努め、地域の防災力・防犯力を高めます。 ・駅前広場や道路ネットワークの整備に取り組むとともに、建築物の不燃化や耐震化、地区計画等に基づき安全で快適な街並み形成や、良好な環境保全に取り組み、魅力的な街づくりを推進します。 ・コミュニティ交通の実証運行に努め、公共交通不便地域の移動環境の改善につなげることで、誰もが快適に移動ができるまちづくりをめざします。 みどり豊かで持続可能なライフスタイルを実現するまち                              ・国分寺崖線や野川、仙川などみどりとみずの豊かな自然環境を保全するとともに、公共施設の緑化や民間住宅の緑化指導等、新たなみどりの創出に取り組みます。 ・地域に分布する都市農地や屋敷林などを地域資源と捉え保全に取り組むとともに、地域での花壇づくりなど、身近なところで気軽に自然に関わることが出来る良好な住環境を形成していきます。また東京外かく環状道路などの道路インフラ整備と、周辺のみどりとみずが調和したまちづくりをめざします。 ・雨水浸透施設の整備促進、樹林地の保全等により、地下に雨水浸透させることで、貴重な湧水や生き物の生育環境を保全するなど、みどりが持つ多様な機能を活用したグリーンインフラの考えに基づく整備を促進します。 歴史と伝統を大切にあらゆる世代のにぎわい・交流のあるまち                           ・文化遺産や文化施設、運動施設や公園等、地域の資産や資源を継承しながら、社会状況に即した地域特性豊かな魅力あるにぎわいのまちづくりと元気あふれるコミュニティの形成を進めていきます。 ・区民主体のまちづくり活動を支援し、大学や事業者等の地域活動とも連携、交流し、協働のまちづくりを推進します。また地域と学校の交流を積極的に推進し、小・中学校施設を区民の様々な活動の場として活用していきます。 ・地域の活動団体がデジタル技術を活用し、情報の発信や共有により、地域のつながりを活性化する取組みを支援します。 ・地区の行政拠点として、困りごとを抱えた区民が、身近な地域で相談し、適切な支援や関係機関につながることができるよう、四者連携を基盤に共助による見守りネットワークの充実を図り、福祉のまちづくりにおける区民との協働を推進します。 ・先駆的に築いてきた医療・介護・福祉の連携と区民をつなげ、顔の見える関係性や気にかけ合う関係性づくりを進めます。 ・地域で安心して子育てができるよう、子育て相談や各種健診、児童虐待予防対策の充実とともに、一人ひとりの子ども・若者が地域の中で多様な人々と出会い、見守られながら笑顔で健やかに育つことのできる環境の整備に努めます。 ・地域の様々な主体と連携し、誰もが正しい知識を持ち、「身近な場所で体を動かす」、「人との交流の機会を増やす」などの心身の健康づくりに取り組み、いきいきと自分らしく暮らせるまちづくりを推進していきます。