世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員会
第5回議事録

世田谷区


第5回世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員会議事録

[事務局]総務部庁舎計画担当課
[日時]平成28年6月25日(土)13:00~16:30[場所]世田谷区役所第2庁舎4階区議会大会議室
[出席者]【学識経験者】

阿部伸太、牛山久仁彦、卯月盛夫、大佛俊泰、齋藤啓子、高谷時彦

【区民】
池谷暁、岩橋正治、岩渕義信、多晴子、勝守朋子、官尾宣佳、黒木実、
佐藤孝一、佐藤陽子、三田千代子、山崎節彌、山﨑廣美

(以上18名) 
[会議公開可否 ]公開
[傍聴者]8名
[次第]1開会

2議事

(1)第4回検討委員会からの継続審議について
(2)事業計画について
・事業方式、設計者・施工者選定方式について
・財政計画について
(3)検討委員会中間まとめについて
(4)その他
3閉会

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○秋山庁舎計画担当課長それでは、定刻の13時となりました。本日は、皆様、お忙しい
中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
事前に資料のほうでご送付、ご案内をさせていただきましたが、本日、30分早めまして
13時から開会させていただきました。本当にお忙しい中、ありがとうございます。30分早
めたことにより、都合がつかない委員が数名ございます。若干おくれてご到着ということ
になろうかと思いますが、定刻になりましたので始めたいと思います。委員長、よろしく
お願いいたします。

○卯月委員長それでは、本日、第5回の「世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員会」
をこれより開会したいと思います。
今、事務局よりご説明がありましたが、今回は30分、少し早めて始めました。と申しま
すのも、7月13日に区民報告会というのが予定されておりまして、それに向けて本日、ど
うしても7月13日に出す資料についてもきちんと議論しておきたいということもありまし
て、いつもぎりぎりのところでやっておりますので大変申しわけなかったのですが、30分
早く始めることといたしました。

さて、今日は小林委員、小杉委員が欠席とのご連絡をいただいております。
それでは、まず初めに、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。


○秋山庁舎計画担当課長私のほうから、ご確認をさせていただくとともに、後ほど説明
するものを除きまして本日の配付資料、若干のご説明をさせていただければと思います。

まず、本日の次第でございます。

前回、委員長からのまとめにありましたとおり、第4回検討委員会の議論で幾つか残っ
ている部分がございますので、まずその議論。

次に、事業計画。具体的には事業方式、設計者・施工者選定。そして、事業費等、それ
を負担します区としての財政計画につきましてご議論をいただき、検討委員会としてのこ
れまでの議論の中間まとめについてご議論をいただく予定でございます。

本日の資料でございますが、1枚おめくりいただきまして資料一覧をご覧ください。資
料1~6、それから前回の議事録となってございます。

もう一枚おめくりください。まず資料1「区議会地方分権・本庁舎整備対策等特別委員
会における主な意見」でございます。

6月20日に開催をいたしました区議会地方分権・本庁舎整備対策等特別委員会におきま
して、本検討委員会の第4回の議論をご報告した際に、特別委員会に所属している委員か
ら出た主な意見をまとめたものになります。

主な意見といたしまして、コストを明示すべきである。福祉などに影響を与えない財政
計画や事業コストをいかに下げるかについて、区民にもわかりやすく示すべきだ。7月23
日の検討委員会の最終報告を受け、区としての考えをしっかり出して議会とやりとりする
のが本来のあるべき姿と思う等、数多くのご議論をいただきました。

続きまして、資料2をご覧ください。「第4回本庁舎等整備基本構想検討委員会傍聴

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者意見書まとめ」でございます。

前回傍聴をされておりました5名の方からご意見をいただいたものを載せてございます。
内容につきましては、ご確認をいただきまして、今後の議論の参考にしていただければと
思います。

次に、資料3-1をご覧ください。「配置と形状(高さ等)に関する基本的な考え方」。

また、次、カラーになりますが、資料3-2になります。これは前回、各委員の皆様、
模造紙に張っていただいた意見のほうをまとめたものでございます。こちらに関しては後
ほどご説明をさせていただきます。

続きまして、資料4になります。こちらからが本日の議題というところでございます。
「事業方式と設計者・施工者の選定について」。

次の資料5「財政計画について」及びその関係資料でございます資料5(別紙1)「配
置イメージごとの想定改築条件比較〔概算事業費〕」、別紙2「特別区債残高・償還額・
基金残高推移見込み」につきましては、後ほどご説明をさせていただきます。

続きまして、資料6-1でございます。「本庁舎等整備基本構想検討委員会報告会につ
いて」。

資料6-2「世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員会中間まとめ」。

資料6-3「これまでの意見等まとめ」は、検討委員会として、これまでの議論の中間
まとめに関する資料でございます。

次に、本日所用でご欠席されている小林委員より意見書をいただいておりますので、そ
の意見書。

最後に、7月13日の報告会の出欠確認票があるかと思います。

以上、多くの資料がございますが、皆様ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、私からは資料の確認と説明は以上でございます。

○卯月委員長それでは、早速、議事に入りたいと思います。
「(1)第4回検討委員会からの継続審議について」ということで、前回、必ずしも配
置、形態について議論が終了したとは思っておりません。若干の皆さんの意見を踏まえて
の宿題があったと思いますので、まずそのことについての説明をしていただきたいと思い
ます。

それでは、事務局、よろしくお願いいたします。

○松村施設営繕担当部長まず、資料3-2と右肩に書いてあるクリップどめの資料をご
覧いただきたいと思います。最初の6枚については前回の検討委員会で配置案ごとに皆様
に附箋を張っていただいたものをそのままペーパーにしたものでございますので、ご確認
をいただきたいと思います。
このクリップどめの最後のページに全体的な意見をまとめたものがございます。簡単に
ご紹介をさせていただきますと、水色の部分の建物についてですけれども、こちらには建
物の高さ、地下利用に関することなどをいただいております。ピンク色の部分の道路につ

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いては、敷地中央の南北道路の廃止や広場との一体的利用に関すること。オレンジ色ある
いは緑の部分の広場・緑地については、発災時の機能や国士舘大学との連続性、あるいは
広場と緑地の一体性、屋上緑化等に関しまして意見をいただいています。その他、改築手
順、工事費、保存に関する意見をいただいたところでございます。

これらの意見を踏まえまして、前回の検討委員会でお示しをいたしました配置と形状に
関する基本的な考え方を修正いたしました。恐れ入りますが、資料3-1をご覧いただき
たいと思います。主な修正内容をご説明いたします。

まず「C建物配置等の条件」の建物計画について、最初の黒ポツになりますが、広場
機能を含む各機能の関係性を考慮した配置にするなど、全体配置に関する基本的な考え方
を追記いたしました。

次の高さに関する項目では、周辺環境への配慮として圧迫感の軽減は必要などの意見を
受けまして、なお書き以降ですけれども「圧迫感などに配慮した配置にするとともに、中
高層部のセットバックによる圧迫感の抑制などの工夫を施す」を追記してございます。

次の地下利用に関する項目では、前回の「室内環境や建設コストを考慮して地下2階ま
でとする」という記載を、傾斜地の利用などの意見を受けまして、こちらもなお書き以降
ですが「執務室を地下に設置する場合は、外気に面するなど室内環境に配慮する。また、
地下の規模、階数は建設コスト抑制や工期短縮を考慮する」に変更してございます。

裏面をご覧ください。

道路につきましては、前回の委員会で敷地中央にあります道路の廃止による有効活用や
広場等の一体的な利用について多くの意見をいただきました。この点につきまして、今回
補足の説明をさせていただきたいと思います。

恐れ入りますが、前面のスクリーンをご覧いただきたいと思います。

まず、道路法による区道を廃止する場合の課題について、再度ご説明をさせていただき
ます。道路は公共公益施設であり、建築計画においてメリットがあるという理由のみで廃
止することはできず、代替機能の確保など合理的な理由が必要となります。また、前回も
ご説明をいたしましたが、通り抜けている道路を行きどまり道路にすることも含めまして、
不利益を生じる敷地がないことが前提となります。

次の地区計画の地区防災施設との関係は、後ほど説明をさせていただきます。

前回の皆さんの意見では、廃止により、1つは土地の有効活用を図れること。もう一つ
は、東敷地と西側敷地の一体利用ができること。この2点が挙げられていると考えており
ますが、このうち一体利用については、道路法による道路を廃止はしなくとも歩行者自転
車専用にするなどにより、一体的な利用を図ることが可能ではないかという提案をしたと
ころでございます。こちらは一体的な利用のイメージで、例えば広場と歩行者自転車道路
とのデザインを一体化するなどデザインの一体的な工夫もできると考えております。

次に、仮に廃止した場合、土地の有効活用がどの程度図れるかについて補足の説明をさ
せていただきます。

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まず前提として、この道路は世田谷区役所周辺地区防災街区整備地区計画における地区
防災施設として重要な役割を担っています。したがいまして、廃止する場合も、道路の位
置を変更するつけかえの場合も、地区防災施設として災害時の通行や延焼を防ぐ機能を工
事期間中も含めて確保する必要がございます。これを前提にメリットを整理した表でござ
います。

まず表の一番上になりますけれども、廃止したことにより、道路があった部分を敷地面
積に加えることができます。これにより、建築可能な建築面積や延べ床面積の上限がふえ
るわけですけれども、本委員会においてこれまで整理をしました必要な機能、規模につき
ましては廃止をしなくても確保できるという状況でございます。

次に、道路を廃止した地上部分の利用ですけれども、道路がある場合は原則利用ができ
ず、条件次第で渡り廊下など横断施設などは可能な場合がありますが、限定的な利用とな
ります。一方で、廃止できた場合も、先ほどの地区防災施設としての南北に抜ける敷地内
通路を確保することが求められます。

また、イメージ図にこれから示しますが、もう一つの配置計画を左右する要因として、
災害対策本部機能のある第3庁舎がありまして、南北に抜ける通路の確保とこの第3庁舎
の位置が工事段階の条件となります。

工事第1段階で例えば東敷地の南側に建物を建設する場合、これらの条件により、この
時点の設計の自由度は上がらないと考えています。このときに第1庁舎、第2庁舎、第3
庁舎の庁舎機能全てを移転することができる2万3,800㎡以上の建物を建てれば、敷地内通
路あるいは道路を図のように西側に変更することにより、東側敷地の北側のエリアについ
ては、設計の自由度を上げることは可能となります。ただし、このように配置や工事手順
は限定されることになると考えております。

次に、地下の利用については、道路がある場合は地上と同様に横断する通路など利用が
限定されますが、廃止できた場合は制限がなく一体的な利用が可能となります。この部分
のメリットが大きいとは考えます。

なお、前回委員会で、地下に設置可能な機能は駐車場等の他、機械室、倉庫、会議室、
更衣室などを庁舎機能の一部とし、最大2万7,500㎡としたところでございます。この地下
の規模をさらにふやすためには、執務室の一部を地下に配置するなどの必要が出てまいり
ます。前回委員会で西側敷地の高低差を利用した配置が可能との意見をいただいたところ
でございますが、これによる執務室の設置は1,200~1,300㎡程度というように想定され、
さらにふやすためには、スクリーンの右側に今、出しましたように、サンクンガーデンな
ど空堀を設置する必要があると考えております。そうしますと、建築基準法による建物の
高さの基準となる平均地盤というものがございまして、これが実質下がってきて、斜線制
限、日影規制に影響があり、地上部分の制限が厳しくなってしまうという状況がございま
す。

以上、述べてきたとおり、道路を廃止するためには、その道路の代替機能の確保などの

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合理的理由があることが前提であり、また、廃止をしても地上部分のメリットはさほど大
きくはありません。しかしながら、一方で、廃止しますと、地下部分については利用の自
由度が上がるため、この廃止の可能性については引き続き検討していきたいと考えており
ます。

お手元の資料にお戻りください。

こうしたことも踏まえまして、道路についての部分の記載につきましては、こちらのな
お書き以降ですけれども、「廃止が困難な場合は、歩行者自転車専用にするなどにより、
東側敷地と西側敷地を一体的に利用できるものとする」といたしました。

次に、広場については、3つ目の黒ポツになりますが、必要規模2,000~2,400㎡は変更
しておりませんけれども、分散配置や緑地との一体的なデザインなどの意見を受けまして、
「2,000~2,400㎡を確保し、このうち、区民会館に隣接する位置に災害時の物資の搬入出
を配慮した1,600㎡程度のまとまった利用のできる空間を確保する」に変更しまして、災害
時に必要なまとまった広場を限定し、その他は分散配置や緑地と一体化する広場を計画し
やすいものとなるように変更いたしました。また、災害時の国士舘大学の広場との連続性・
一体性を見据えることを明記したところでございます。

次の緑地については、屋上緑化の意見を受けまして「屋上緑化や壁面緑化などについて
も適宜配置する」を追記してございます。

次のページになります。まず、検討素材の12ページをお開きいただきたいと思います。
この検討素材のところで本庁舎等の配置と形状に関するコンセプト等についてという記載
になっておりまして、ここの(2)に歴史の継承についてということで記載をさせていた
だいております。また、前回の委員会で現庁舎等の保存に関する意見もいただいたところ
でございます。

一方で、現敷地において求められる機能、規模を満たしつつ建物を保存することは大変
難しいとも考えております。こうしたことを踏まえまして、今回、またお手元の資料にお
戻りいただきたいと思いますけれども、Dとして「現庁舎等の特徴について」という新し
い項目を立ててございます。こちらで「求められる機能、規模を確保し、かつ、最も合理
的な事業計画を検討する中で、50年以上区民に親しまれてきた現庁舎等の特徴を考慮した
計画とする」という内容を追記したところでございます。

修正の説明については以上です。

○卯月委員長これから今、ご説明いただいた資料3-1、資料3-2について皆さんよ
り意見をいただきますが、その前に、今日ご欠席の小林委員より、この資料3-1につい
ての意見メモが届いておりますので、これを事務局より紹介をしていただけますか。
○秋山庁舎計画担当課長資料の中に「第5回本庁舎整備等基本構想検討委員会のための
意見」ということで小林委員からいただいている両面刷りのA4の1枚のものがあるかと思
いますので、そちらをご覧ください。こちらにつきましては2番をご覧ください。
資料3-1についてということで、小林委員から3点ほどご意見が上がっております。

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まず第1でございます。C建物配置等の条件、こちらの資料3-1で言うと1枚目の下
のほうでございます。こちらの1つ目の黒ポツのところでございますが、各機能の中に環
境保全機能が書かれていないことが遺憾であるということで、その理由としまして、CO 2
ゼロエミッション化など環境保全の必要がないのであれば、わざわざ建てかえる意義は減
じられるのであって、環境性能の向上はお添え物や配慮事項ではなく目的そのものである。
よって、1行目の庁舎が満たすべき各機能の中に環境保全機能を明示的に書き加えるべき
であるという1点目のご意見。

2点目が広場についてでございます。資料3-1で言うと2ページ目になります。こち
らのところ、広場の面積が大変広いので、ヒートアイランド化を抑止する構造、仕様にな
ることを書き加えたらどうでしょうかというのが2点目でございます。

3点目のご意見といたしまして、今回新たに書き加えました「D現庁舎等の特徴につ
いて」ということで、「特徴」を単に区民に親しまれてきたものとしてのみ位置づけてい
るのは残念であるということで、「特徴」には「住民の自治の促進を建築的に担保すべく
提案されたものであって、50年以上」という文章にし、文化的・社会史的な点も加えて評
価すべきものと考えておりますということ。

最後の「特徴を考慮した計画」というところの文章を「特徴を継承することはもちろん、
でき得れば、その特徴を体現する現建築の部分の可能な限りでの保存活用を考慮した計画」
という程度には具体的な記述をしてほしいというご意見でございました。

私からは以上でございます。

○卯月委員長それでは、今日ご出席の委員から、今の資料3-1、資料3-2について
の意見をいただきたいと思います。どなたでも結構です。いかがでしょうか。
○黒木委員今、松村部長からのご説明で、検討素材の12ページの(2)、歴史の継承に
ついてのご説明の中で、建物の保存は難しいと考えますというお話があったのですけれど
も、その理由をお聞きしたいことと、それと私としましては、真ん中の道路をぜひ敷地内
通路として、通り抜けができるけれども、道路という機能からやはり変えて敷地という捉
え方をすべきではないかと思います。と言いますのは、やはり道路の下の地下部分という
のは、西と東をつなげる重要な要素が加わってくると思います。道路だと非常に使い勝手
がよくないと思いますので、ぜひ中央の道路は通路という形で変更していただきたいと思
います。
とりあえずその2つ、特に保存は難しいと考えますと言い切るところ、何を根拠にそう
言い切るのか、ぜひお聞きしたいと思います。

○松村施設営繕担当部長説明が少し言葉足らずだったと思いますけれども、例えば前回
の参考案2のような道路の東側部分を全部保存するというような案をご提示したわけです
が、こういったケースの場合に必要とした面積が確保できないという状況をお示ししたわ
けですけれども、こうした状況があるので、保存という言葉の中に大分幅の広い解釈があ
ると思いますので、全てをということではございませんので、それについては修正したい
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と思いますけれども、そういった課題が前回に提示されたものとしてお話をさせていただ
いたということでございます。

○黒木委員非常に理解できないのですけれども、その面積がとれないからというのは、
そのために検討委員会というものを開いているのではないですか。どういうようにしたら
そういうものの面積がとれるかということを検討しながら、これから区民と一緒に煮詰め
ていくということではないかと思うのです。
一番最初、第1回のとき、ゼロベースで考えましょうという話から始まっていると思う
のです。それが回を重ねるごとにだんだんと区のほうから、こういうことは制限がある、
こういうことはだめだ、こういうことはこうしてくれという制限が非常にたくさん出てく
るというのはゼロベースではないと私は思っているわけです。それはどうしてそういうよ
うな形になってきているのかということをきちんとご説明いただけたらと思います。

○岡田総務部長ゼロベースでという言葉はたしか私が言ったと思います。基本的に、こ
れまで庁舎の検討の状況ということについてはご説明を当初の段階で申し上げたかと思い
ますが、昨年9月に区としての3案位を出して、それが本当にそれで良いのかということ
で議会ともさまざまご議論になった。そういうことで、そういったこれまでの案にこだわ
らずに庁舎の構想をしていきたいという意味でゼロベースという言葉を使わせていただき
ました。
ただ、その区の基本構想の検討というのは、設計者に設計条件、私たちはこういう庁舎
が欲しいのですということをお伝えするための条件を整理していく作業だと思っておりま
す。ですから、この間、ご議論いただきながら条件を整理してきたわけですので、その中
で具体的な条件が出てきているというのはそのとおりですし、そのためにやってきたと考
えております。

以上です。

○黒木委員具体的な条件が出てきたといいますが、この委員会で具体的な条件はまだ何
も出していません。第1回で庁舎機能、本庁舎と分庁舎の機能は分けたほうが良いのでは
ないか、それの検討もしましょう。それに対するきちんとした回答も何も出ておりません。
また、検討委員会でそれも決めていません。ということは、いろいろな条件が出てきたか
らどうだこうだというのは、委員会では出ていないはずです。それは全部行政のほうから
出てきた具体的な話でございまして、検討委員会で具体的な決定は何もされていないと思
うのですが、私の勘違いでしょうか。
○官尾委員黒木委員からいろいろご意見が出ております。実は私もこの委員会というの
は何をするのだろうということを1回目から考えておったのですけれども、私の認識では、
第1回の議事録にも書いてありますが、岡田部長と秋山課長がおっしゃっておられました
が、あくまでも、この検討素材について我々は意見を申し上げる。そのための委員会なの
だという認識をしております。ですから、おかしいとかおかしくないとかというよりは我々
はきちんと意見を申し上げて、区のほうではそれをいかに取り入れて良い案をつくって設
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計者さんに出すとかそういうことだと思っておりますので、少しこの委員会の意義と言い
ますか、もう一回確認されれば、今の黒木委員のご質問などもよくどうすべきか、答えが
どうなるべきかということがわかるのではないかと思います。

○板垣副区長この検討委員会が始まりますときに、今、官尾さんからお話がありました
ように、私ども、この世田谷区本庁舎等整備検討素材ということでまとめてきております。
これをもとに検討委員会でいろいろご意見をいただきたいということでスタートしており
ます。ただ、この中にも例えば庁舎の規模などについてもはっきり明示していない。この
間の資料等も添付しておりますけれども、それではっきり決まっているわけではありませ
んでしたので、この間、では庁舎の役割はどんなものが必要なのか、それから、それに伴
う庁舎の規模がどれだけ必要なのかということがこの間のこの検討会の中で私どもとして
これ位必要だろうというようなことで示させていただきました。だから、そういう面では
検討委員会の中で議論は積み重ねてきているというように思っておりますので、それがい
わゆる今のそういう規模に対して配置や高さやあり方みたいなところまで今、来ていると
いうように考えています。それはいろいろ前回もご議論がありましたので、それの議論が
引き続き、ここで検討委員会でもさらに議論を深めていただければとは思っております。
以上です。

○高谷委員委員会の役割ということで、私も今、副区長が言われたとおりだと思ってお
ります。今回、いろいろな資料とかを見ますと、正直言って、今回の検討素材の12ページ
の論点に対して、行政としてはこう考えているというのは非常にストレートに伝わってま
いります。面積は今まで現状が2万6,000㎡のものを4万5,000㎡ということでしたが、今
回5万3,000㎡に必要だから上げようというのが1点と、もう一つは、それを実現するため
には今の建物は壊さないとできないのではないだろうかというか、壊してやりましょうと
いうことが12ページの論点に対して行政側から出てくる資料としては非常にストレートに
伝わってまいります。
私、それはそれで行政側の判断として良いと思っておりますが、委員会の役割というの
は、もちろんそれに対して、最近はやった言葉で恐縮ですが、第三者として、やはりその
行政側の判断だけではないオルタナティブもあるのではないでしょうか。例えば面積、今
の2万6,000㎡を5万3,000㎡にしたいとおっしゃっていますが、少し工夫すれば何とかな
りませんでしょうか。あるいは今の建物、このよしあしの議論をまだ全くしていないので
すけれども、それを壊したほうが私も簡単にできるとは思います。ただ、壊してしまった
ら大変大きな損失を与えるのは間違いないわけですが、そうすると少しでも活用しながら、
少しでもカーボンを出していかない新しい21世紀型のやり方がないものかという議論を今
しているのかなという気がしております。

そういった意味で、私、今日の資料のつくり方ももう少しいろいろな意見があったのを、
例えば比較表みたいなものが後で説明があるみたいですけれども、比較表も事業費だけで
限定してやっているのはわかるのですが、もう少し違う視点の比較表も当然要るでしょう

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し、私、前回も言いましたが、もう少し詳しくきちっと検討すれば、建築的にも保存して
も仮庁舎を減らす方法もあるのではないか。前回、前々回かもわかりませんが申し上げま
したが、そういう方法ももう少し検討していかないといけないのではないかなというよう
に考えております。

以上のように、私たちはもう非常に明快に資料構成の意図は伝わってくるのですが、そ
れ自身が悪いと言っているのではないですが、やはり第三者として少しオルタナティブを
議論しないといけない。恐らく黒木委員もそういう意図でおっしゃっているのだと思うの
で、その辺のご配慮はお願いできないものかなと思っております。

○卯月委員長では、私のほうから申し上げます。
今日、皆さんのお手元にある検討素材というのは、世田谷区のほうから2月に出された
ものです。我々は4月9日に第1回の委員会を開きまして、7月23日まで区民説明会を入
れれば7回検討を行うということでスタートいたしました。私としましては、この検討素
材、今、高谷さんのお話にもあったように、区のほうとしては精いっぱい書いているのだ
と思いますが、私はこのまま次のステップ、いわゆる設計者を選定しようという次の段階
に行っても、よい建物は生まれないだろうと思っていました。したがいまして、この検討
素材にさらに、お集まりの委員の方々、あるいは7月13日、もう少し幅広い区民の方々の
意見をいただいて、より詳細に区民の思い、こんな世田谷区役所にしたい、新しい庁舎に
したいのだ、区民会館にしたいのだ、広場にしたいのだという思いを書き込んで、私は第
三者ではなく当事者だと思っていますけれども、その思いを少し書いて、次のステップで
ある設計者選定に結びつけたいと思っています。

したがって、7月23日には、この検討素材にかなり赤を入れた文章をこの場に出してい
ただき、それをたたきたいと思います。7月23日に全部が終わるかどうかわかりませんが、
できる限り区役所から出していただいた文章を区民なりに、区民の価値をできる限り入れ
て修正をして、区長のほうにお戻ししたい。その後はもちろん区の手続の中で区議会とま
た議論されるのでしょうけれども、それは我々は見守っていきたい、見つめていきたいと
いうスタンスで進めていますので、修正すべき点はここだ、ここはこういう表現はまずい
というようなことはどしどしこの委員会の中で言っていただくことで構わないと思ってい
ます。よろしいでしょうか。こういうことは何遍も確認していかないといけないことなの
で、また何か疑問がありましたらいつでもおっしゃってください。

今日の資料3-1、資料3-2について、いかがでしょうか。どうぞ。

○三田委員今の段階でふさわしいことなのかどうかわからないのですが、すごく大げさ
な言い方をすれば、今ここにご縁があって、庁舎の再建の議論に加わった一人として、や
はり言っておかなければ責任を果たしていないなと思ったことが一つあります。
たまたま他の用件で「モダニズム」と「シュルレアリスム」についてネット検索してい
ましたところ、偶然前川國男さんの名前が出てきて驚きました。ル・コルビュジェに始ま
り、次に前川國男さん、丹下さんという名前が近代建築の流れを言及する中で登場してい

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たのです。日本の近代建築の租となった建築家の建物の一つを私たちは壊そうとしている
のだと知って、私は驚きました。

今日、皆さんがこのことを認識したうえで、壊すという結論を出しているのならいいの
ですが、とはいえ、区だけで決定して良いような事柄ではないのではないかなと思ったの
です。これは日本の国だけの話でもないのではないかなと、ひょっとすると大げさに言え
ば20世紀の世界の代表的な建築を私たちは壊すという判断をする委員会になってしまうの
かしらというので私自身はすごく怖くなったのです。それで、とにかく責任上は一言言っ
ておこうと思って今日は意見を言わせていただきました。

すみません、失礼しました。

○岩渕委員今の意見に付随してなのですけれども、これは朝日新聞、2016年、今年の6
月5日、日曜なのですけれども、今の言葉のようにモダニズム建築ということで新聞に出
ていました。これは今お話がでましたようにコルビュジェの建築が世界遺産に内定したと
いう記事が載っていまして、その弟子、日本には前川さんと吉阪さんと坂倉さんがいた。
前川さんは東京文化会館を手がけた。そして、我々が今、住んでいる世田谷区の区民会館
と第1庁舎も建築したという記事が載っていました。
私はこれを見て、こういう歴史の中のものが我々の今、住んでいる、検討している区民
会館であり、第1庁舎だと思っています。それは何らかの形で残しておくべきだという考
えを持っています。今、いろいろなところで、古いものを壊して新しい建物ができている
中で、よく考えていくと古いものの中に良いものを残していこうということで、それを全
部ではなくて、その歴史を語っている形のものを新しい建物の中に組み込んでいくという
発想もぜひ考えていただきたいと思っております。または自分たちもそれを考えていかな
くてはいけないなと考えております。

以上です。

○卯月委員長多くの方は読んでらっしゃるかもしれませんが、もし必要ならば後で休憩
時間中にでもコピーをして必要な方に配付していただきたいと思います。ありがとうござ
いました。
今、特に今日出していただいた資料3-1で申し上げますと、Dというところの記述に
かかわる内容のご指摘だと思います。Dのところでももちろん結構ですし、他のところで
もまだ何かご指摘がございましょうか。

○山崎(節)委員前川先生の建物につきまして、今、ご発言があったとおりなのですが、
これからもうすでに60年経過している建物を維持するというのはランニングコストという
のが大変かかるということと、現状のままで庁舎が使えないではなかろうかというのがあ
りますので、スケルトンの部分は前川先生がデザインしたものを使うということで、中身
は全面的に改修しなければならないのではないか。かなりランニングコストも高いものが
つくということで、区民の皆さんがそこまで残したいという意見がたくさん出るかどうか
ということで、国がやりました国立競技場のように二転三転するような事態は非常に避け
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なければならないと思います。

残す方法もいろいろあると思います。現状のままのものをスケルトンとして残す方法と、
文部科学省のようにデザインをそのままいただいて新たにつくるという方法もあると思う。
やはりコスト面をもう少し考えていかなければいけないのではなかろうかと思います。し
たがいまして、今日の資料3-1のDのところに予算的なことを全く触れていないのです
が、その辺のことは書かなくても良いのかなという気がしました。

以上です。

○卯月委員長どうでしょう。今日のこの後の議題のところで事業方式とか若干全体のコ
ストにかかわり合うことがございますので、保存に関して、保存とコストとどのような関
係になっているか、もし記述するとしたらそちらのほうがふさわしいかもしれませんので、
保留にしておいてもよろしいでしょうか。その他よろしいでしょうか。
○黒木委員それでは、出されてきた検討素材の中でご質問させていただきますけれども、
城山分庁舎、これは最終的にどういう形でお使いになられるでしょうか。約1,300㎡あるの
です。
○岡田総務部長規模の議論のときに表を出してお示しさせていただいたかと思いますけ
れども、こちらを本庁舎のほうに集約をするということで、あちらについては売却なり他
の用途での使用なり、そういうことを考えております。基本的にはこちらに集約するとい
うことで考えております。
以上です。

○黒木委員なぜその質問をさせていただいたかというと、今のご回答ですと城山分庁舎
は全くあいてしまうということですね。売却するか、他の用途で考えている。約1,300㎡あ
ると、例えば教育委員会は1,300㎡位、1フロアで使っているわけですね。教育委員会は別
に独立したところにあっても大きな問題がある委員会ではないと思うのですけれども、そ
ういうように本庁舎の面積を少しでも減らすということはコストにはね返ってきますから、
コストを抑えるという意味でもあるものを利用して、そこに持っていって問題ない機能の
ものを持っていくという考えもあると思うのです。それは検討委員会で話しても良いです
か。
もう一つ、この間、最後に私はこだわりましたけれども、災害対策室が最後まで残して
おいておかなければならない、その上で全体のプランを考えていきたいというご提案をい
ただいたのですけれども、もう少し違う考えがあるのではないかということを私はお話し
したと思うのです。そういう意味で、コストを抑えるには、そういうどこから手をつけて
いって重要な機能、例えば災害対策機能をその早くやった部分に移して地上部分をフリー
にして物を考えたら、コストと工期を縮減できるのではないですかという提案をしている
と思うのです。その検討というのはしていただけたのか、それはもう要するに私の言って
いること、はなからそれは最初からの検討素材に入っていないのだということなのか、そ
れだけお答え願いたいのです。

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○岡田総務部長コストの問題、非常に大事な問題だと思っております。集約する施設と
いうことで一覧表をお示ししてご説明させていただきましたけれども、この集約する施設
の中には、ご指摘の城山分庁舎の場合は区が所有している建物です。それ以外に借り上げ
であったり、さまざまな施設がありまして、借り上げであれば当然毎年賃料が発生して、
区が所有する施設であったとしてもそれをいずれ更新したり、あるいはメンテナンスをし
たりという費用がかかってまいります。こういったものを全体として集約をしてコストを
抑えていくということは1つの目的にしております。
先ほどの災害対策本部の話ですけれども、前回もお話し申し上げたかと思いますが、現
在、第3庁舎が耐震性能で言いますとⅠ類相当をキープしておりまして、そこで今、災害
対策本部を立ち上げる想定にしております。そのための機能も今は配置をしている。これ
を移す場合には、それと同等以上の耐震性能を有する建物ができ上がった場合に、そこに
移ってから第三庁舎の災害対策本部を別なところ、第三庁舎の解体に入るというような形
を考えておりまして、耐震性が十分に確保され、そのための機能が十分にある、そういう
体制は機能のところで継続的に工事中も区民の命を守る体制を確保すべきというご指摘が
ありましたけれども、それが大前提だというように考えております。ですから、検討した
かということで申し上げますと、先日申し上げたとおりでございます。

以上です。

○高谷委員先ほど山崎委員がおっしゃったことに関して、一言だけ申し上げさせていた
だければと思います。
今、建っている建物と同等なものを1回壊して建てようとすると、私は間違いなく高く
つくと思います。今の建物を改修して、そして長持ちするように設備も変えていくという
手法は世界的にも認められておりますし、それは間違いなく安くなると思います。私自身、
建築の設計者として、前も言いましたけれども、改修して映画館をつくったりいろいろ評
価もいただいているのですが、そういうこともやっていますが、元ある建物を例えば壊し
て物すごい安くショッピングセンターみたいな建物をつくればもちろん安いのですが、同
等の質のものをつくろうとすると、壊して二酸化炭素をたくさん排出して数多くの労力を
もたらすということになると思います。

恐らく改修するとお金がかかるのではないかというのは仮設の庁舎のお金とか引っ越し
費用だと思うのですが、これは工夫の余地があり、いろいろな引っ越しをしなくてもでき
る、いながらの免震レトロフィットとかいろいろな工法がありますので、そういう工法を
やれば、立て直すよりもカーボンの排出という意味でもコスト、お金、区民の税金という
意味でも当然安くなると思います。これは間違いないと思います。

○官尾委員今、高谷先生からそういうお話を聞いたので、私は後で意見を申し上げよう
としておるのですけれども、全然違う意見なので確認をさせてもらいたいのです。
今、先生は改修したほうがかならず安くつくとおっしゃいましたけれども、それは2万
6,000㎡あるものを2万6,000㎡だけで良いとして使った場合ですね。今度5万6,000㎡つく

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ろうということですから、例えば2万6,000㎡のコンクリートの建物のリニューアルをいろ
いろする、施設改造する。その他に3万㎡のものをどこかにつくる。それでも安いですか。

○高谷委員新築部分はもちろん新築のお金がかかりますので、私は例えばですけれども、
前回の参考案2のように道路の例えば東側を残すとした場合には、そこを改修するほうが
同じ面積を建てるよりも当然安くなるでしょう。ただし、西側にはもちろん新しいものを
建てないといけませんので、新築費用は全く同じです。同じ面積のものを改修するか建て
るかすると、改修したほうが安くなりますというお話です。
○官尾委員わかりました。
○黒木委員今の高谷先生の付け足しと、改修したほうがスケルトン改修と言いまして、
.体だけ残して、もうサッシから何から全部、それで内部のプランも全部使いやすく変え
るのです。そうすると、今、.体コストが結構高くなっていますから、今だと25~30%位
安くなります。工期も短くなります。前にご提出しましたCO 2排出量は、まさにああいうよ
うに劇的に2.5%位しか出ませんから、97.5%位削減できるのです。
それと、ここで話して良いのかどうかわかりませんけれども、先ほどの災害対策室です
が、一番コストがかからないのは、中庭にいずれにしろ地下2階の駐車場がつくられるわ
けですから、まずそこを先行すべきだと思うのです。そうすると、庁舎、直接執務に関係
ない場所ですので、中庭は使えませんけれども、そこの一部に災害対策室をまず移す。そ
れから地上を自由にプランするというのが一番コストのかからない方法だと思います。そ
うしますと、第3庁舎を壊しまして、あそこに3万㎡位の規模のものを考えてつくって、
それで第2庁舎の執務室か第1庁舎の執務室かを動かしていく。いなくなったところを今
度はスケルトン改修していくということをやると仮設をつくらないで済むのです。そうす
ると、相当なコストが抑えられる。それから、解体しないということは解体コストも多分
半分位になるのではないですか。下手するとコンクリートの解体ですから、もっと安くな
るかもしれません。そういう意味でコストを抑えて、工期を抑えて、それから環境に優し
い、CO 2を余り出さないという方法もあるのではないかと思っているのです。だから、そこ
でどういうようにしたら一番良い方法があるか知恵を出しましょうと言っているわけです。

以上です。

○山崎(節)委員反論するわけではありませんが、古い建築物につきましてはアスベス
トを使っている可能性が高いわけなので、それの処理に私の経験では大変なお金がかかっ
たという記憶があります。
以上です。

○黒木委員アスベストを使っているのですか。コンクリートを打ちっ放しだったのです
から、使っていないでしょう。どうなのですか。1つも多分ないと思います。もともと天
井も何もコンクリートを打ちっ放しだった。
○卯月委員長事実関係がわかりますか。
○窪松公共施設マネジメント推進課長現在、庁舎の中の天井で見える部分については、
14



吹きつけのアスベストはないと認識しています。しかし、天井の中の.体のなかに吹きつ
けているようなものもあったり、あるいは設備の配管でフランジのところに保温している
ようなアスベストなどはあるかと考えております。

以上でございます。

○黒木委員天井の中には、.体の中にと言いましたが、.体の中にはアスベストはない
です。今のお話で.体というのはコンクリートの中ということですよね。
○窪松公共施設マネジメント推進課長天井中の.体に直接表面に吹いている可能性もあ
りますということです。コンクリートの中にはアスベストはありません。
○黒木委員アスベストは耐火被覆とかそういうものに使うので、コンクリートには耐火
被覆する必要がありませんので、多分天井にも使っていないと思います。
もう一つ、耐久性の問題ですけれども、コンクリートの耐久性というのは、一番弱いの
は、ひび割れから水が入って中の鉄筋が膨張して爆発して破裂してコンクリートの表面が
飛んでしまう。これが一番コンクリートにとって怖いわけです。今、大きく見てその兆候
というのはほとんど見えておりません。わずかにクラックとか出ていますけれども、それ
で最近外に塗るフッ素樹脂というものがあります。コンクリートはもう一つ弱いのは経年
変化です。アルカリ性のコンクリートがだんだん中性化されてくるのです。中性化してく
ると、要するにさびやすくなるということがありますけれども、要は表面にフッ素樹脂を
塗ると、またさらに中性が進まないような工法もあります。ですから、コンクリートはそ
ういうようにメンテナンスしていけば50年、100年、150年ともっていくわけです。ですか
ら、先ほどコストがかかるのではないかというのは、要するに使い続けるためにそういう
ような処置をしていけばさらに寿命としては長くもっていきます。

あとは、あの建物が話しましたように中性化が進んでいるのか、どの位のコンクリート
の耐力があるのかということを調べないといけません。これを調べようとして今年予算案
を出したのですけれども、どういうわけか予算が削られてしまって、それを調べることが
できないわけです。建物の健康診断をしようと思ったら、健康診断に行こうと思ったら、
途中で診察料がなくなってしまったというか取られてしまった。それで我々にあの建物が
どうだこうだということを議論しろと言っているわけですから、だから、あの建物がそう
いう意味で要するにだめだったらそれも考えなくてはならないと思います。建物の耐力が
きちんとあるのかどうかということがまずベースで基本的なデータとして示されないと、
それがどういうような形で残すべきか、それとももう相当中性化が進んでいるし、中の問
題があるからということでまた議論しなくてはならないと思うのです。そういう基本デー
タがないのに、あれを残すか残さないか、壊すか壊さないのかというのは、やはりもう少
しきちんと議論を深めないといけないのではないかと思います。

○卯月委員長それでは、議題の1番目はこの位にしたいと思います。先ほども申しまし
たように、7月13日、また区民への報告会もございます。その後、もう一度まとめの議論
がありますので、今日いただいた意見もそれに反映できるように修正等を加えていきたい
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と思います。

それでは、議事の2番目、これが本日の議題になります。「事業計画について」という
ことでございます。事務局よりご説明をお願いいたします。

○窪松公共施設マネジメント推進課長「事業方式と設計者・施工者の選定について」で
す。

「Ⅰ事業手法を検討するに当たっての本事業の特徴」です。

1、本事業は、本庁舎等の機能を工事期間中も継続させ、限られた敷地の中で数工区に
分割し長期にわたり安全性を確保しつつ、円滑に工事を進めなければなりません。このよ
うな観点から、設計段階から実践的な施工計画や工程計画を踏まえた技術力や経験を求め
る必要があります。

設計者は、現庁舎や広場の持つ特徴的な空間や周辺との緑や風景などとの関連性を十分
に理解し、区が要求する庁舎機能等を適切に設計に反映するとともに、これを実現するた
めの技術力と総合的な調整能力を必要とします。

また、施工者は、施工が長期化、かつ玉突き工事となる難易度の高い施工の中で、来庁
者、職員及び周辺住民への安全性確保や影響の低減を確実に確保するとともに、環境配慮、
経済性、効率性、工期短縮などを実現する高度な技術力が求められます。

なお、業者選定では、設計者・施工者選定のプロセスや、それらの業務の透明性・公開
性、区民参加、協働を確保するため、適切な事業方式、業者選定方式を採用しなければな
りません。

次に「Ⅱ事業方式とは」です。

施設の整備を進めるために設計、施工、そして施設の運営、管理といった事業の経緯を
踏むことになります。この場合、設計、工事、運営をどのように業者に委託し、連携した
事業にしていくのかが事業方式になります。

主な事業方式です。前の画面とあわせてご覧いただけますか。各事業方式のイメージ図
をあらわしております。①~④までです。

「①設計と施工の分離発注(事業型公共事業方式)」。

設計と施工を分離し、運営は発注者が行う方法で、公共事業で一般的に採用してきた方
式です。設計と施工の各段階に検証・確認が可能であり、安定性や確実性がある方式とさ
れております。

「②設計と施工の一括発注(デザインビルド(DB)方式)」。

設計と施工を一括して施工会社と契約する方式で、スタジアムなどの特殊な施工面での
難易度が高い場合に、設計段階から施工の技術的ノウハウを導入することができ、工期短
縮の可能性などがありますが、コストや品質などに関する責任が不透明になりやすいこと
や、設計段階で区民意見の反映に対する柔軟性に欠けるおそれがあります。

「③設計に施工者が協力(ECI方式)」です。
DB方式と同様に、施工面の難易度が高い場合に設計段階から施工の技術的ノウハウを導

16



入するため、設計段階で施工者に技術協力を業務委託するものです。施工は、別途、施工
者と契約することになります。この方式の適用事例はまだ少ないですが、責任の明確な適
用にあたっては注意を要します。

この②と③、デザインビルドとECIの方式につきましては、新国立競技場で採用された方

式で、事業費が増大し、トラブルが発生したという報道がまだ記憶に新しいです。
「④民間活用(PFI事業方式)」です。
民間の資金や各種ノウハウを活用するもので、PFI法に基づき設計から施設整備、運営ま

でを民間事業者が主体となって進める方式であります。このため、公共側において財政的
なメリットが得られると同時に、民間事業者にとって事業採算性があることが事業導入の
可能性のかなめになります。

運用での創意工夫が発揮されるような収益性の高い施設に採用されるケースがあります。
一方、事業性能調査を要し、その調査に約1年ほど要し、事業スケジュールに影響を与え
る可能性があります。

「Ⅲ設計者・施工者選定について」です。
分離発注の際には次のような設計者・施工者選定の方法があります。
申しわけないです。資料4のⅢに戻って2ページ、設計者の主な選定方法でございます。
「①入札方式」。
発注者が業務内容を示し、金額により決定するものであり、この方式は単純に業務に採

用されますが、本庁舎整備のような多様な要素が含まれている業務には適さないと考えて

おります。
「②プロポーザル方式」です。
発注者が事業の目的を示し、そのための設計業務遂行上の条件や課題を明らかにし、こ

れらに対する設計者側からの提案など、設計者の考えや能力を評価し、最も適切である設
計者を選定する方法であります。この方式は設計者の提案をそのまま採用するのではなく、
区民からの意見を聞き入れながら発注者と一緒に設計を進めていくことが可能な方式でご
ざいます。

「③設計競技(コンペ)方式」でございます。

この方式は、発注者が示す条件等から具体的な案を求め、最もすぐれた案を提案した設
計業者を選定します。この方式の特徴は、案の独創性を優先するもので、建物の配置・形
態がこの時点でほぼ決定することになり、設計段階における区民意見の反映等の余地は少
なくなります。

次に、施工者の主な選定方法でございます。
「①入札方式」。
発注者が業務内容を示し、金額により決定する方式であり、区では多くはこの方式を採

用しております。
「②総合評価落札方式」。

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この方式は、入札方式の金額のみによる評価だけでなく、業務体制、実績、技術提案な
ど総合的な要素の評価を決定する方式でございます。

次のページをお開きください。

これまで事業方式、選定方式の説明をしてまいりましたが、最後に本事業にあたっての
基本的な考え方を示します。

事業方式については、これまで、世田谷区が発注する公共事業では、原則、設計と施工
を分離発注する「従来型公共事業方式」を採用してまいりました。これにより、設計者が
作成した設計図書に基づき価格競争入札で施工者選定を行い、設計の妥当性の検証・品質
の確保・コスト管理を図ってまいりました。

一方、近年では、コスト縮減や工期短縮が図られることから、設計段階から施工者の持
つ技術的ノウハウを取り入れるデザインビルド方式やECI方式がありますが、設計と施工が
同時進行するための各段階のチェック機能が働きにくく、また設計段階で発注者要望や区
民意見の反映など十分に対応しにくい課題がございます。

また、ECI方式及びデザインビルド方式を採用した新国立競技場では、契約の仕方により
ますが、プロセスの透明性が確保されず、事業費の責任所在が不明確となり、まだまだ公
共事業としての実績が少ない点も課題の一つと挙げられます。

一方、公共事業に民間事業を活用する手法の「PFI事業方式」は、民間の資金、経営能力
及び技術的能力を活用する方式でありますが、所定の手続やステップを踏む必要があり、
事業期間が長期化し、早期の庁舎整備が求められる中でスケジュールに課題がございます。

また「官民共同事業(PPP)方式」を採用した渋谷区や豊島区のように庁舎整備の事業敷
地は、高度利用が図れる商業系の地域であり、余剰容積を期待できる土地柄であります。
これに対し、住宅地内の世田谷区役所の立地条件は、同様の事業採算性を期待することは
難しく、民間活用の手法を取り入れる方式には難しいと考えております。

さらに「PFI事業方式」などは、事業実施段階でほぼ全て民間に委ねることとなるため、
事業プロセスの公開性や柔軟性、区民意見の反映につながりにくい傾向もあり、この観点
からも本事業で主体的に民間事業者を活用する方式を採用することは低いと考えておりま
す。

以上、このようなことから、本事業での事業者の選定にあたっては、現庁舎や広場の持
つ特徴を十分理解し、設計段階から実践的な施工計画を踏まえた高度な技術力を求めると
ともに、透明性や公開性の確保をすること、区民の意見を十分反映することを条件として、
従来から採用している設計・施工分離発注方式について行うことを基本とします。このた
め、設計者の発注では、これらの基本的な考えを踏まえることを可能なプロポーザル方式
を採用いたします。

また、施工者選定方式につきましては、施工能力を確保することを前提とし、今後検討
してまいります。なお、本事業のプロポーザルでは、発注者側の意図に柔軟に対応するこ
とが可能で、区民の意見を十分に反映するため区民協働の考えを取り入れた対応の提案を

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重視するとともに、施工計画や工程計画の対応能力・方策の重点、評価項目とし、透明性、
公開性に配慮したプロポーザルの企画検討を行うことといたします。

以上でございます。

○卯月委員長資料4につきましてもご欠席の小林委員からメモがございますので、これ
を事務局より読み上げてください。
○秋山庁舎計画担当課長先ほどの小林先生の本委員会の意見というものをご覧ください。
今度は1番になります。「資料4に関連して」ということで、まず小林委員のほうからは、
区の原案が、設計者の選択をプロポーザル方式で行うこととしたいとする点については賛
成であるというのをまずいただいております。その理由といたしまして、設計業務のよう
な高度に総合的創造的な業務に関し価格競争入札によってその請負先を決定するのは、こ
こだと「安物買いの銭失い」と書いてありますが、こういう形になりますので反対だと。
また、一方で、コンペ方式の部分ですが、これまでの本検討委員会などでの議論の積み
重ねを反映し得ないので、ともにこれは賛成しがたいということでございます。ただし、
プロポーザル方式に関しては、以下の条件が必要ではないかということでございます。そ
ちらを下線で引いてございますが、プロポに際しまして、これまでの議論をしっかりと反
映した将来建築物の仕様、性能、意匠デザインなど、建物の主要件を明確に示して提案を
競わせることの実現を条件として原案を支持するということでございます。

私からは以上でございます。

○卯月委員長それでは、資料4につきまして、委員の皆さんからご意見、ご質問をいた
だきたいと思います。
○官尾委員この第7章の事業計画について意見を申し上げたいと思います。今までの委
員会の議論の中でもいろいろな意見が出ておりますけれども、事業計画については大きく
分けて2つのことがポイントだと思っております。
まず第1は、投資と、それによってもたらされる効果だと思います。今回の本庁舎の整
備に幾らのお金をかけるのかそれによってどんな効果、行政サービスが確保されるのか、
これがポイントだと思います。

ポイントは幾つもあると思いますけれども、まず現在の庁舎を残すのか、全面解体して
建てかえるのか、一部を残すのかという議論があります。今までの委員会でも、折に触れ
てそういう意見が出ている、それに対して議論がある。しかし、では、これをどうやって
決めようかとか、どうしていこうかということについては、結論までは、委員会としてこ
ういう意見が全体ですねというところまでは行っていないような気がします。

私がこれから申し上げる理由で全面解体して新しい庁舎を建設する。先ほど高谷先生か
ら、費用はそうしないほうが安いのだよというご意見をいただきましたけれども、いろい
ろな意味で全面解体して新しい庁舎を建設する。これは最も効率だと。例えば民間企業ベ
ースで考えますと、まず間違いなくそちらを選ぶと思います。

第1に、50年以上前に建設された庁舎は、現在では明らかに機能的ではないと思います。

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バリアフリーでありますとか、OA化、空調等、あとは執務環境などなど、鉄筋コンクリー
ト造の建物ですから、これを生かしてリニューアルするというのは大変なことだと思いま
す。極めて非効率。例えば木造建築物ですとよくテレビでビフォア・アフターをやってい
ますけれども、全部とってしまって柱だけ残してやっていますけれども、鉄筋コンクリー
トですとか大変なことだろうと思います。1cm広げるだけでも恐らく相当なことです。

また、本庁舎でも区民会館でも外から見ると、先ほど申し上げた空調等の関係で、空調
の室外機がずらっと並んでおります。執務環境というのは、五十数年前は恐らくクーラー
などはなかったのです。そんなことは考えもしなかった。ただ、今はもう必然です。内部
もコピー機を初めとするいろいろな事務機器などで職員の皆さんの机の上にはコンピュー
ターの端末が占拠している。とても整然としているとは言えないと思います。もちろん、
使い方を考えればうまくいくというようなご意見もなるほどと思います。しかし、時代が
変わったと思います。昔から新しい革袋に新しい酒をということわざがあります。今回は
新しい酒、時代に新しい革袋、庁舎ということを言えるのではないかと思っております。

もちろん、この庁舎が建設された昭和35年当時は、まさに庁舎として機能的な建物だっ
たと思います。先ほどから出ているル・コルビュジエさんのお弟子さんの一人の前川國男
さんがおられます。コルビュジエさんも前川さんも要するに建物の機能を重視された方だ
というように伺っております。先ほど岩渕さんがおっしゃった新聞記事にありましたけれ
ども、コルビュジエさんがご両親に小さい家、機能的な家を建ててあげて大変喜ばれた。
だから、50年前はこの建物は大変機能的だったということです。しかし、50年以上たった
今、世田谷の本庁舎、区民会館は機能的ではなくなったと思います。建てかえて今後の社
会の発展を見据えた効率的な庁舎とすべきだと思います。

文化遺産という意味では、これは他でもいろいろ世界遺産として残るものもあります。
世田谷区役所にそれに求めるのであれば、やはりここは例えば資料室をつくるとか、ごく
一部だけ、この九段会館あたりはどうなるかわかりませんけれども、入り口のところだけ
残すようなことをこの前テレビでも言っておりましたね。そういうようなことで基本的に
は全部解体をするということが効率的ではないかと思います。

第2に、似ているのですけれども、どのような機能を持たせるかということだと思いま
す。以前の委員会でも申し上げたのですけれども、戦後の復興期には民間の力がありませ
んでしたので、いろいろなことをみんな国、自治体がやっております。皆さんご承知のと
おり、今は違うのです。民間でほとんどのことをやっています。お役所のことまで民間が
やるという時代になっています。ですから、ここは行政しかやれないサービス以外はもう
民間に任せたらどうでしょう。具体的には、今ある区民会館のレストランは民間に任せま
しょう。もちろん、区が建物をつくって設備をつくって業者が損しない値段で場所を貸す、
これではだめです。前回の委員会でしたか、阿部先生から、収益性がある施設であればレ
ストランを入れるほうが良いというようなご意見もいただいたと思います。それはあくま
でそれなりの賃料を払ってくれるならということだと思います。建設費の減価償却分、つ

20



まり、レストランをつくったとすれば、その建設費の負担、設備にかかった費用の負担、
管理はともかく、地震等で.体に被害があった場合には所有者の責任で復旧しなければな
りません。それに業者がプラスアルファをしてくれたら、その部分が収益なのです。

○卯月委員長官尾さん、すみません。資料4についてのご意見をいただきたいのです。
ですから、それは以前も言っていただきましたし、他のところでその話を。
○官尾委員関係すると思ったものですから。わかりました。これで終わります。
資料4について申し上げます。事業方式についてですけれども、これは今日、今、資料
を読んでいただきましたが、よくわかりません。私、事前に7については検討素材をいた
だいております。我々はこれしか事前に今日ここに出てくるまでに何も見るものがないわ
けですから、この場で4をいただいてさあ考えろと言われてもとてもできないので、すで
に考えてきたことを申し上げます。

検討素材の53ページですけれども、これの従来型公共事業方式の上から4行目のところ
に、これについては発注者側も習熟していると書いてありますが、そういうことなのでし
ょうか。まずお伺いしたいのです。

○卯月委員長ちょっと質問がわからない。もう一度お願いします。
○官尾委員53ページの従来型公共事業方式とありますね。①、それの上から4行目、発
注者側も習熟しておりとあります。この発注者というのはお役所ですよね。普通、民間の
大手デベロッパーとか大手不動産会社のほうが確実に習熟していると思うのです。
○卯月委員長良いですか。では、質問として回答していただきますか。
○官尾委員というのは、質問しませんと後で意見を言えませんので。
○卯月委員長では今の点をお願いします。
○窪松公共施設マネジメント推進課長この件については、区では従来型公共事業方式と
して、これまで設計と施工を分離してやることが原則になっておりまして、そういう意味
で、この方式が従来からやっているということで発注者側も習熟しているというような考
えで記載しております。
以上でございます。

○官尾委員わかりました。では、次に、その2行下に予算年度の制約があるとともにか
ら3行いって、可能性がある。ここまで意味がわからないのです。
○卯月委員長では、事務局、説明をお願いします。
○官尾委員こういうことだと簡単に言ってもらえれば。もしあれでしたら、後でも構い
ません。
これからは私の意見なのですけれども、PFI方式が我が国で普及しないのは、極端な言い
方をすると、官とかお役所が消極的だからだと思っております。もちろん幾つか例があり
ますけれども、今回の世田谷区役所区民会館の一体整備について、民間大手不動産会社を
含むデベロッパーに声をかけられたらいろいろな提案があると思います。

資料7で、先ほどもありましたけれども、豊島区の例が書いてあります。あれは都心の

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一等地でしょうか。そうは思いません。良い場所ではある、だから分譲マンションと一緒
にやっておるわけですけれども、ただ、そういう意味からいくと、ここだって結構良い場
所だと思うのです。世田谷のこの場所です。特に豊島区は先ほど申し上げたようにコラボ
であったのは上の部分が分譲マンションですからね。先ほど住宅地とおっしゃったのです
けれども、極端に言えば可能性はあるわけですね。容積だけ余裕があればですね。例えば
そうしろという、そういうことをご検討されましたかという意味です。

もう一つが、失礼ですけれども、官公庁の発注単価というのは基本的に民間に比べて高
いと言われております。先般、総務部長さんがおっしゃった建築建設費の単価は、いろい
ろ理由はあると思うのですけれども、皆さんご存じの東京駅の駅前に丸ビルがございます
ね。恐らくあれの倍位だと思います。細かい数字は我々も聞いたばかりなのであれですけ
れども、一般的にお役所の仕事で事業者さん、業者さんは何とかやっているということは
言われておりますが、今は時代が変わったと思うのです。だから、私は積極的にPFIを推進
されてはいかがかなと。そこで、先ほどの言葉の中でいくと、業者に任せると、いわゆる
過程だとか中身がわからない。それはそんなことはないと思います。契約の中でこれは公
開するぞということを決めておけば良いわけですから。

以上、途中でとめられた部分もありますけれども、私の意見を申し上げました。

○卯月委員長PFIについてもう少し事務局より説明していただいたほうが良いかと思い
ますので、いかがでしょうか。
○窪松公共施設マネジメント推進課長先ほど申し上げたのは、PFIであると実際の実施を
する中でいろいろ区民の方がそこに入っていくということがなかなか難しいですというよ
うなことでお話をさせていただきました。
豊島区の場合は、豊島区が持っている学校の跡地を活用して、そのところに再開発事業
で建物を建てたので、そこに持っている土地の権利を庁舎のほうに充てたということでご
ざいます。

以上でございます。

○松村施設営繕担当部長今、官尾委員の話の中にもありましたけれども、床が大きくと
れると事業者側のいろいろ検討余地が出てくると思うのですが、この敷地の場合は、最大
限法的に可能な床面積が多分6万1,000㎡とか6万2,000㎡位です。今回出しているのが駐
車場を入れますと6万8,000余㎡で、駐車場等は法的にはカウントしなくて良いというのが
ありますけれども、それでも目いっぱい建てたとしても多分余剰床はそれほど大きくとれ
ないだろうと思います。その余剰床が余りとれないことと、ここの地区での商業地でない
ポテンシャル等を含めると、PFIで事業者に考えてもらうというのは非常に難しいのではな
いかということで今回はこういう資料のまとめ方をさせていただいたということでござい
ます。
以上です。

○官尾委員今の点だけ私が申し上げたのと違うと思うのが、PFIというのは事業方式で民
22



間のものをそこに一緒につくらないでも良いわけです。お役所の庁舎、区民会館だけをPFI
でやる。これはイギリスなどだと恐らく道路までやっているような気がします。橋とか道
路もやったと聞いております。そういうことを先ほど申し上げたように行政で積極的にや
られれば工費が安くなる。恐らく手を挙げる業者さんも結構いると思います。大手のデベ
ロッパーなり不動産会社ですと、そういうことを東京で幾らでもやっているわけですから。
参考にしていただければと思います。

以上です。

○黒木委員官尾さんの発言に対してはいろいろ反論もあるのですけれども、ここではあ
えて話しません。私は設計者選定の中で、私としては3番目の設計競技(コンペ)方式が
一番よろしいのではないかと思います。
方法としては、まず基本設計者をコンペで選ぶ。それはもちろん施工計画まで含めた基
本設計者を選ぶ。ここで基本設計ができた段階で、ここから区民参加をして具体的に区民
がどういうものを望んでいるのか。以前お話が出ましたように、机の配置の問題、机の高
さの問題とか具体的な話があると思う。この段階で一度区民と基本設計案をベースにして
話し合って、それから実設計者を選ぶという2段階方式のコンペをやるのが一番良いので
はないか。それが非常に区民の意見を取り入れやすい方式ではないかと私自身は考えてお
ります。

それで発注方式ですけれども、競争入札という形をとるのが一番フェアではないかなと
いう気がいたします。それとなるべく区内の業者がかかわれるように、1社の発注にする
のか、分離発注にするのか。その辺、もし第1庁舎と区民会館と第2庁舎がスケルトン改
修ということで残りましたら、それほど技術が要る工事ではないので、地元の業者にこの
辺はお任せできるような範囲になってくるのではないかと思います。

そうしますと、やはり地元にとっても地元にお金が落ちていくわけですから、地元の施
工業者も非常に庁舎に対して愛着を持ち、なおかつ熱を入れて工事をしてくれるのではな
いかと思っております。そのような方式をとるのが私の考えの中では何か非常にベストな
のではないかなと思っております。

とりあえず意見として申し上げます。

○卯月委員長この点、なかなか専門的な話であって難しいのですが、せっかくの機会で
すから、こんなアイデアもあるのだけれどもとか、意見がございましたら言っていただい
たほうがありがたいのです。
○阿部委員今、黒木委員のほうから、コンペのほうがというようなお話があって、コン
ペが良いかどうか、プロポーザルが良いかどうか、それはまたこれから検討だと思うので
すけれども、コンペの中でも、今お話があったみたいに、アイデアコンペという段階と設
計コンペというものが恐らくあると思うのです。ただ、2段階にするとそれだけ事業費が
かかってくるという部分もあると思いますので、その事業費というほどではないと思いま
すけれども、それなりにより多くの人からアイデアをいただこうとすると、それなりの広
23



報だとかそういう段階も踏まなければいけないということもあると思いますので、そうい
った段取りの話、予算の話、その効果の話、こういうものも含めて検討されてはいかがか
なという印象を持ちました。

○高谷委員私は、提案されたような方式でも良いのかなと思っておりました。プロポー
ザル方式と設計コンペ、どう違うのかというのも結構微妙ではあるのですけれども、私の
中ではそんなに変わらないのかなという気もしているのです。プロポーザル方式というの
は、設計案を出してもらって、しかし、案を選ぶのではなくて、設計案を出した人の能力
を評価してその人に委託する。コンペというのは設計案を出してもらって、その設計案が
良いから、その設計案プラスその人に委託するというような違いで良いですか。
それで出す側からすると、どちらにしてもプロポーザルにしてもコンペにしても労力と
か同じで、今回は非常に難しいので、デザインビルドでないにしても施工的なこと、引っ
越し計画とか等々、相当練らないとできないので、もう恐らくなのですが、出す側からす
るとコンペでなくてもプロポーザルとしても相当な労力やマンパワーをかけないといけな
いと思います。

プロポだったら選ばれた方、コンペだったら人プラス案。でも、その後は区民参加でい
ろいろなやり方が、委員長、齋藤副委員長とかなどは物すごい経験がおありですけれども、
いろいろな区民の方に参加してもらって案をきちっとフォローしていくというか、一緒に
つくり上げていくという方式はありますので、そういうことを条件にプロポーザルあるい
はコンペティションをおやりになってはどうかと思いました。

以上です。

○阿部委員1点質問させていただきたいのですけれども、資料4の3ページの下のほう
に「●以上より」ということで区の方針が書かれており、先ほどの黒木委員のご発言があ
ったように、コンペということも含めて考えていただいてはということはあるにしろ、基
本的にはこれは1つの方向としてあるのではないかなとは思いますが、この1行目のとこ
ろに「現地庁舎や広場の持つ特徴を十分に理解し」という文言なのですけれども、ここの
部分がどの程度のことを考えていらっしゃるのかというのをお聞きしたいのです。
と言いますのは、今回は建物を建てるということですので、どうしても建築系の事業者
がという暗黙でそちらに行ってしまいがちなのですけれども、やはり前回、私が欠席した
会議の中のまとめの先ほどいただいた資料3-2のほうにもありますように、広場と緑地
との一体的な利用ということが大事であると書かれています。限られた敷地の中に必要な
機能を入れていくという意味では、建物だけではなく広場だとか緑地だとか、そのバラン
スで整えていくということからすると、その建築系の事務所であったとしても、かなりラ
ンドスケープデザインという緑地空間、こういった広場空間の能力に長けている、そうい
う能力を持った事務所であるべきであると思いますし、だから、そういった部分を持った
事務所、またはそういった部分と連携をとっていけるような事業者であってほしいなとい
う思いはあるのです。

24



ですから、ここでは書けないかもしれないのですけれども、詳細の事業者の条件を書い
ていく段階で、そういったことを想定した文章なのか、そうなのか、違うのか、そこまで
考えていなかったか、そういったところを少しお聞かせいただければという気がします。

回りくどくてすみませんでした。

○松村施設営繕担当部長今回、これまでの委員会の議論にあるとおり、広場と建物との
関係とか、広場を含んだ風景だとか、いろいろなご意見をいただいてきているというよう
に思っていまして、検討素材の中でそういった視点が少し足りなかったなというように思
っているところです。今のご意見については、設計者選定の中に、今後どういう書き方に
していくかというところでありますけれども、今おっしゃっていただいたような資格ある
いは協力関係にあるというようなうことを一つの大切な要素として設計者選定の項目にし
ていきたいと思っています。
以上です。

○卯月委員長よろしければもう一つ、財政計画というのがございますので、この財政計
画の話をしてから休憩に入りたいと思います。
それでは、資料5の説明を事務局よりお願いいたします。

○窪松公共施設マネジメント推進課長資料5をご覧ください。
初めに概算事業費です。本庁舎の整備は配置、形状、規模により、事業費は大きく異な
ってまいりますが、現検討段階では第3回検討委員会でお示しした規模5万3,000㎡、区民
会館3,100㎡、地下駐車場1万2,500㎡を仮定し概算事業費を算定することとします。配置
や形状については設計段階で確定することになりますが、現段階では、第4回検討委員会
で示した配置イメージ案を参考に算定しております。

次のページに資料5(別紙1)、横書きがございますのでご覧いただけますでしょうか。

概算事業費を算定するに当たり、一番下の欄に各案の耐震性を確保するための工法を記
載してあります。案1から案Ⅱ ’は、庁舎、区民会館は免震工法、参考案1、2は免震耐震
工法を想定しております。

中段の概算事業費①をご覧ください。この概算事業費は、上段の改築ステップ及び全体
工期に基づいて外部に仮設庁舎を設けないで想定し算定しており、案1から案2 ’まで約
401億~410億円になっております。参考案1は約406億円で、参考案2は1万㎡当たりの規
模が不足しておりますが、参考に概算事業費を算出しております。

次に、その下段の概算事業費②をご覧ください。工期短縮と仮設庁舎の規模により、約
401億円~419億円になっております。これらの概算事業費①と②は延べ面積や地上、地下
の面積比率が同じ条件になっているため、工期や仮設庁舎の規模により概算事業費の違い
が出てきております。

それでは、資料5に戻り、中段の表をご覧ください。
今後、仮設庁舎の活用などで状況が変わる可能性がありますが、現段階では仮設庁舎の
適地を見出せないため、仮設庁舎の活用を前提としない概算事業費の①の中で最も高い410

25



億円をもとに財政計画を立てることとします。なお、今後、工期の短縮などにより仮設庁
舎が必要になるような場合、既存の公共施設等の活用も図り、本庁舎整備事業費の縮減に
努めてまいりたいと考えております。

以上です。

○板谷政策経営部長引き続きまして、(2)につきまして、私のほうから説明をさせて
いただきます。
整備にあたっての財源の考え方です。本庁舎整備につきましては、400億円を超える多額
の財政負担を伴う事業のため、整備にかかる財政負担の平準化としまして、基金、いわゆ
る家庭で言う貯金や起債、いわゆるローンとかで借りるお金の活用が不可欠と考えており
ます。

本庁舎整備あるいは他の公共施設整備にも活用可能な庁舎等建設等基金につきまして、
27年度中に約59億円を積み立て、約150億円となります。ただし、現在の財政計画では梅ヶ
丘拠点整備や玉川総合支所の改築といった他の案件の財源として約50億円の活用を見込ん
でおります。また、28年度の今年度当初予算では10億円の積み立てを行ってまいります。
さらに、本庁舎の整備の開始の年度までに必要額の確保を目指し、さらなる積み立てを行
ってまいります。

また、起債につきましては、本庁舎が長きにわたり使用されるため、財政負担の平準化
や、あわせて世代間負担の公平化を図る観点からも有効である。ただし、一方で、後年度
の過度な償還により、他の行政サービスに影響を及ぼすことがあってはならないと考えて
おります。

そうしたことから、基金と起債をバランスよく活用し、一般財源の負担を極力軽減する
財政計画を組み立てる必要がございます。今後、事業費の確定に合わせまして財政見通し
を踏まえてさらに精査をしてまいります。また、国庫補助金など他の活用可能な財源の研
究を引き続き行うとともに、レストラン、売店、駐車場などの施設活用などでは、税以外
での収入確保の可能性についても検討していくということとしております。

以上の考え方を用いまして、財源内訳、想定ですけれども、表のほうでお示しをさせて
いただいています。想定の全体事業費410億円に対しまして、基金がおおむね半分の210億
円、起債が148億円、一般財源が52億円というように見込んでおります。その下、(3)の
資金計画の表なのですけれども、工事期間単年度の欄ですが、事業費財源について工事経
費が生じる年度を7年間として単年度当たりの金額を記入してございます。

続きまして、資料5の別紙2ということで、A3の横のグラフになります。こちらのほう
が特別区債の残高、借入金の残高、償還額ということで返済をしていくもの、基金残高、
いわゆる貯金の残高の推移の見込みをグラフでお示しをさせていただいております。

こちらでは、区全体の財政計画の見込みに今回の本庁舎整備、先ほど説明してまいりま
した想定、影響を反映しております。基金残高の折れ線のほうなのですけれども、区民税
や交付金などが大幅に減少となる場合に補填するための財政調整基金というものがあるの

26



ですけれども、それや庁舎等や学校、都市基盤など用途が特定されたものが全てで13あり
まして、27年度末では約783億円となる見込みです。こちらは決算がまだですので、今は見
込みということです。

28年度以降は、梅ヶ丘の拠点整備や玉川総合支所の改築、本庁舎整備の経費、または公
園用地取得、学校改築などについて一定の活用を見込んでいることから、暫時逓減をして
いくものと考えております。

また、特別区債、いわゆる借入金のほうなのですけれども、その残高の折れ線、こちら
は実線のほうですが、これまでの間、着実な償還と発行水準の抑制などをしてまいりまし
て、27年度末では約466億円となる見込みです。こちらも28年度以降は大型の事業が続くこ
とから、後年度の財政負担を考慮した上で一定程度見込んでいるため、残高が増加となる
ものと見ております。

下の棒のグラフなのですけれども、各年度の区債、借り入れのほうの償還額の見込みを
お示しさせていただいています。

説明は以上です。

○卯月委員長財政計画ということについてご説明をいただきました。この資料5につい
てご質問とかご意見とかございましょうか。
○官尾委員委員長から資料5についてというようにまた限定をしろというご意見であり
ますけれども、どうしても関連性があるのです。私が先ほど申し上げたPFI方式をご検討さ
れましたか、いただけませんかということは、まさにここ、財政との関係があるわけです。
要するにお役所が何かをつくると起債とか基金をつくって410億、どんと出してしまう。あ
とは起債したものを返還していく。それはもうまさに建物に対する投資を回収していくと
言いますか、返していくというイメージがほとんど出てこなくなるのです。PFI方式でやり
ますと、もちろん毎年いろいろなやり方がありますけれども、賃料として支払う。その建
物の賃料を払う。ですから、要するに新しい庁舎についてどれだけのお金が毎年かかって
いるかというのは当然目の前に出てくるわけです。そういうこともありますので、先ほど
のPFI方式をなぜとらないのかという理由をお伺いしたいということ。
もう一つ、戻りますけれども、この資料は今日いただいたばかりなのです。ですから、
私、事前にいただいている検討素材について家で見てきました。そうすると、PFI方式のと
ころでは、今日の資料には何も書いていないのですけれども、PFIにすると、庁舎の場合、
工事中、民間に所有権をとどめる意味合いが薄く、税制上の問題がある。この辺を聞きた
かったのです。

今の2点、よろしくお願いします。

○卯月委員長PFIにしたときの財政計画というのは、表とかグラフはありませんけれども、
今、回答できる範囲で何かございますか。
○岡田総務部長今、お話があったのは検討素材の53ページの事業方式で、PFI方式のケー
スについてメリットがあるかどうかというところを記載した内容についてのご質問だと思
27



います。

○官尾委員2番目ですね。
○岡田総務部長はい。②ですね。
○官尾委員1番目の質問は、起債とか積立金でやると、そこでどんと出て、あとはさら
に債務を償還していくという格好でしか出てこないので、要するに毎年この建物を使うの
に幾らかかっているかということが不透明になりやすい。PFIですとその業者に賃料を払う
わけですから、1年間に幾らかかっているというのがはっきりするわけですね。そういう
ことをご検討いただけましたかというような質問が1点と、それとの関連で、今、部長が
おっしゃったように、要するにPFIを排除する一つの理由として、民間にそういう収益をと
どめる意味合いが薄く、あるいは税制上の問題、どういうことなのだろうということで2
番目のご質問をしたということです。
○岡田総務部長非常に専門的なご質問なのですけれども、2番目のほうから申し上げて
よろしいでしょうか。先ほど松村部長からお話ししたように、何らかの余裕の床があって
そこで収益を生むというようなことで、その床から価値を生み出すことはできるといった
場合に行政のほうとしても財政負担を抑えることができるというのがこのPFIでやった場
合のメリットだと思いますけれども、その辺の余地が非常に少ないということで民間に所
有権をとどめる意味合いは薄いというようなことと、それから税制上の問題ということに
ついては、区の場合は固定資産税を払ったりする必要がございませんので、そういう意味
でも、特にPFIをここでやることによって価値を生み出すことは非常に難しいのではないか
ということのご説明と理解しております。
○久米設計(谷口)基本構想策定支援業務を請け負っております株式会社久米設計の谷
口と申します。技術的なというか専門的な部分でございますので、私のほうから少しご説
明させていただきます。
PFI事業方式には大きくはBTO方式という施設整備が終わった段階で所有権は公共に移管
する方式、それとBOT方式といって所有権は民間に持たせたまま建物を運用していく方式と
大きく2つございます。後者のBOT方式というのは、民間が自由に運用する部分あるいは民
間の収益を生むための部分の比率が大きくて、非常にそれが多くを占めるような複合施設
のような場合には、民間が建物全体を所有したまま公共部分も含めて運用していくという
ことがあるのですけれども、今回のような庁舎の場合において日本ではBOT方式を採用して
いる事例はありません。基本的には公共部分がほとんどを占める場合には、先にもう公共
に所有権を移転するBTO方式を採用いたします。非常に混同しやすいような呼び名で申しわ
けないのですけれども、BTOというものが所有権を先に移転します。BOTは民間が所有しま
す。

それでBOT方式の場合の問題点は、先ほど岡田総務部長も触れましたけれども、民間に所
有権を残した場合には、不動産取得税であったり、固定資産税を民間が負担しなければな
らない。それで、公共の場合はそういったものが発生しないものが、民間が所有権を持っ

28



ているがためにそういうものが発生してしまって、それは結局公共が民間のかかる事業費
に対して支払っていかなければならないというようなことで税制上の問題がございます。
海外においては、そういった税制上の特例措置みたいなものがある国もあるわけですけれ
ども、日本ではそこら辺の税制上のハードルを越えるたてつけにまだなっていないので、
ここでは税制上の問題があると説明させていただいております。

以上です。

○官尾委員よくわかりませんけれども、1つだけ。今おっしゃったようなことが税制上
の問題と言えるのでしょうか。民間がやると確かに取得税、固定資産税はかかりますけれ
ども、これは税金ですから、大きく言えば要するに官、国、自治体で入ってくるものです
ね。別にそれを世田谷区が例えば固定資産税ですと都に入りますね。都と話をしてこうい
うことでやれば良いのではないかということも考えられます。
もう一点、民間がやりますと、恐らくその税金を考えたら、その税金分以上に安くなる
と思います。先ほど丸ビルの話をしました。
以上です。

○卯月委員長 
よろしいですか。他にどうぞ。
手を挙げる方が非常に限られてしまうので、他の方、挙げにくいのかもしれないけれど
も、せっかくの委員会ですので、ぜひ勇気を持ってどんなことでも結構ですので。
多さん、目が合ったので。少し黒木さん待ってください。多さん、何かございますか。
何でも良いです。ここがわからないとかおっしゃってくださっても良いのです。

○多委員もう少し考えてから意見を言います。よろしいでしょうか。
○卯月委員長 
申しわけありません。では、まだ時間がありますので。
他の委員はいませんか。
○三田委員進め方に一言申し上げたいのですけれども、何とか方式、何とか方式、それ
でお金をどういうように持ってくるとかというのは、ほとんど専門家の方は別として、区
民として参加している人は本当によくわからないだろうと思います。そんな中でやりとり
されている言葉を客観的に聞いていますと、その多くが推測なのです。だったら具体的な
数字を出さないと考えられませんよね。丸ビルの場合はどうだったろうとか、東京駅はこ
うなのだろうとかいう説明がされましたが、そうではなく具体的な実際の数字が言及され
なくては先に進まないし、具体的な結果が出ない議論のように思います。専門の知識を持
っている方は抽象的な言い方でもそれなりに対応できますけれども、私ども素人には難し
いのです。そこのところを議論できるような問題の提出の仕方をしてほしいなと思います。
それでなければ、専門性の高い事柄ですから専門の方に一層お任せしたほうが良いと思い
ます。大それたことをすいません。
○卯月委員長なかなか難しいですね。ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思
います。
○岩渕委員質問なのですけれども、資料を別紙2ということでA3の資料を先ほどご説明
29



いただきまして、ありがとうございました。これを見ていますと、この間、資料をいただ
いたのですけれども、数年後には区民の数が100万人を超えるだろうという想定のもとに立
てられた計画なのか、またはそのときに逆に人口が減って区民の数が減っているのではな
いかということも想定されて考えられた計画でしょうか。

以上です。

○卯月委員長これは質問ですので、ご回答をお願いします。
○板谷政策経営部長人口増が100万人を超えるというのは、まち・ひと・しごと創生法の
関係で国のほうから地方版の総合戦略を求められたというところで、国の2050年にも1億
人を例えば維持をするだとか、あるいは都市間の人口の往来ということで、都市から地方
への転出ということも進めている施策のような条件も当てはめた整理なのですけれども、
その中のパターン3つの中で100万を超えるものがあるということをお示しさせていただ
いております。
ただ、人口の関係と財政の関係で言いますと、今後、団塊の世代の方がこれから75歳以
上になっていくというのが大きな課題とされますけれども、世田谷の場合には、今、年齢
構成からいたしますと、どちらかというと団塊ジュニアの世代の方が多くいらっしゃいま
すのでしばらくは安定をされるのですけれども、今後、20年、25年後になりますと、そう
いった団塊ジュニアの世代の方が高齢にかかってくる。そのときにいかに今の人口年齢構
成を整えて、いわゆる生産可能年齢、税金を払っていただく世代の方をどれだけ確保して
いくのかというのは課題になっています。

こういった財政の計画を立てる場合には、我々はできる限り情報を集めて精査をしてい
くわけなのですけれども、長期にわたればわたるほど、それが外れる可能性も高くなって
きますので、今般、そういった中でできる限りのデータの中から本庁舎の現時点から本庁
舎完成ということを想定している年度ということの中でお示しをさせていただきました。

以上です。

○岩渕委員続きまして、区の起債なのですけれども、これは何年位のベースで考えられ
ていますでしょうか。例えば今、平成28年度で世田谷区は90万人位なのですけれども、平
均年齢が大体40歳位と聞いておりますが、合わせてどの位の起債年数を考えてらっしゃい
ますでしょうか。
○加賀谷財政課長A3の表の下にも※印で書かせていただいてございます。本庁舎整備を
初めとした短期債(5年満期一括償還)を前提にということで、現在としましては推計を
しているということでございます。
起債の中では、例えば学校ですとか公園ですとかさまざまハードのお話の整備、それか
ら用地取得がございまして、借り入れる償還の年度が20年、もしくは民間の資金だと10年
とさまざまございますけれども、その条件の中で庁舎の場合ですと5年の満期一括で最大
30年で償還をしていくという想定で考えてございます。

以上です。

30



○黒木委員三田委員のご質問がありましたので、非常にわかりやすい質問をさせていた
だきたいと思います。建設工事費が約385億円となっておりますけれども、これは具体的に
地上部分の事務室と地下駐車場、免震コスト、これについて具体的な数字を挙げていただ
けますか。坪当たりでも良いですし、㎡当たりでも結構です。
○卯月委員長資料5の1ページ目の建設工事費のところですね。
○窪松公共施設マネジメント推進課長建設工事費については、解体を含んで345億円でご
ざいます。新築のほうの地上の部分で306億円でございます。そして免震補正とか免震以外
の耐震補正で段階的建てかえということで26億円でございます。解体工事については15億
円。
以上でございます。

○卯月委員長今、計算合っていないのではないですか。建設工事費の385億円の内訳をわ
かる範囲で教えてください。
○秋山庁舎計画担当課長委員長、数字ですので確認をとりまして、休憩後に改めてお答
えさせてください。
○黒木委員それでは、調べていただけるのでしたら、その質問は地上部分の事務室、こ
れは4万何㎡あるわけですね。それから地下駐車場及び機械室、倉庫、備蓄倉庫等で㎡数
が出ていますから、それで坪当たり幾らなのか。免震で幾らかけているのか。
例えば庁舎を残してレトロフィットした場合にどの位の免震コストがかかるのか。この
レトロフィットというのは既存の建物に免震構造をやる場合に地下にゴムを挟むのです。
これは結構難しい工事なのですけれども、そういうレトロフィットをやったときにどの位
かかるのかという検討をしているのかどうかということを休憩の間にお願いします。

○三田委員家庭人として家計簿のレベルからお聞きします。このA3のグラフ、一番下の
棒グラフですけれども、償還額推移ですね。これは要するに借りたところからお金を返す
額ですね。トータルで幾ら払うことになるのか、実際には幾ら借りているのかというので、
家計を預かる者というのは大体それを考えますから、このように説明していただけると判
りやすいのですが。
それから、先ほどどなたかのご説明の中で気になったのは、これと関係しているのかな
と思ったのは、世代間格差をつくってはいけないとおっしゃったので、その格差というの
は具体的に何になってあらわれるのでしょうか。

○加賀谷財政課長棒グラフでお示ししていますのは、その年度年度ごとに借り入れをし
た償還にかかる、いわゆるローンの返済というものでございます。これまでに借り入れた
ものが当然ありますので、それが年度ごとに積み上がってきて、例えばですけれども、26
年度128億円ほど。それが順次下がってきていまして、38年度には目安ですけれども、79
億円ほどその単年度でお支払いする額が含まれるというものでございます。すでに借り入
れたものと、これから例えば本庁舎整備をすることによって償還が生じてくる、合わさっ
ての合計額でお示しをしています。
31



上のほうのグラフの実線で特別区債残高とお示ししてございます。27年度が全体の借り
入れた総額の466億円の残高がありますので、これを今後お返ししていくというもの。ただ、
今後本庁舎の整備で先ほどの410億円に対しまして148億円ほど起債を予定していますので、
それを新たに借り入れたりしますし、その間、これまでの分は当然返していきますので、
その減る分とふえる分、合わせまして38年度の見込みですけれども、610億円の残高になる
ということでお示ししたものです。

よろしいでしょうか。

○三田委員すみません、頭が単純ですから、そういう数学の世界だか算数の世界だかよ
くわからなくなっているのですけれども、つまり、とりあえず予算としては410億円かかる
と言っているのですね。このうち今お金があるのかというのか、家計から見ていけば、今、
手元の資金が幾らあるかということからいきますね。それが(2)の整備にあたっての財
源の考え方というところで云々と書いてあるのだろうと思います。自分の財源が幾らあっ
て、残りを起債だとか基金とかに借金するわけですね。それが幾らになって、その借金に
利子をつけて返すのだと思うのです。そうすると、トータルで幾ら返すのですかと、全く
マンションのローンを組むのと同じだと思うのですけれども、すでに今まで幾らあってと
いうのは、この場合、考えないほうが良いのではないでしょうかというか、私の頭の中で
はそれは判断する材料にならないのです。ここで切っていただきたいのは、本庁舎を立て
るときの費用として考えていただきたいのですが、そういう質問の仕方はだめですか。
○卯月委員長休憩の後にしましょうか。大丈夫ですか。今でも良いですか。
○加賀谷財政課長先ほどの資料5の裏面に410億円の整備にかかるための財源としてお
示ししていまして、上から2行目の庁舎等建設等基金、これが貯金をしていきまして庁舎
の整備に充てるものということでお考えください。210億円を予定しています。その下の起
債、これは借入のほうです。これがローンのほうですね。148億円を借り入れて410億円の
資金に充てますということです。その下、一般財源は税ですとか交付金が毎年ありますの
で、一部を充てています。それで410億円ということで組み立てを予想しています。
○三田委員それは建てる工事費、お金ですね。だけれども、今度は410億円に利子がかか
ってくるのではないですか。自分でマンションしか買ったことがないから大きなことはわ
からないのですが、そうすると、それに410億円の出費では済まないのではないですかと私
は聞いているのです。そのプラス幾らなるのですか。それが全体のこれを建てるための費
用になるのではないですかとすごく単純な質問をしているのです。そういう考え方で良い
のですか。
○加賀谷財政課長失礼しました。そういう意味では、起債の148億円に対しての利率が幾
らかということでございますけれども、現在、借り入れますと5年満期、5年間固定で0.1%
の利率がかかる。また5年後には満期になりまして、借りかえをすることによって、その
時点の借入の条件でまた利率が変わってくる可能性があります。1つの例で5年です。そ
の他に10年の満期一括ですとか、10年間で順次償還をしていって、10年目には払い終える
32



という手法も実はありますので、それはその時々で組み合わせをしていく必要があると考
えていますけれども、現在は先ほどの0.1%が5年満期という状況です。

○三田委員ということは、5年先しか見通していないということですね。利子を払う410
億と。
○加賀谷財政課長利率条件は5年ごとに見直しをされますが、それが6回借り入れをし
て、トータルで30年間で返し終わるということです。
○三田委員その6回繰り返す中では、利率は同じではないわけですね。
○加賀谷財政課長そうですね。その時々で変わる。
○三田委員家計では入ってくるものはいつも決まっているから。それは税金で賄えると
いう考え方ということですね。それは試算していないのですか。0.1%が5年後に0.2%に
なるか、あるいは零点幾らになるかその辺はわからず、難しいけれども、でも0.1%でいっ
た場合に、つまり410億円とした場合に全体としてこのビルを建てるのに幾らの資金が必要
だったのか。そこが本当は重要ではないかと思うのですけれども、どうなのでしょうか。
行政は利子には配慮しないものなのでしょうか。
○加賀谷財政課長この後、整備計画は事業の手法が固まりまして、当然事業費も確定に
なるかと思いますので、そのときにあわせてそういった実際の返済のシミュレーションも
含めて記載をしていく予定でございます。
○三田委員この後というのはいつということですか。
○加賀谷財政課長この後の素案の段階でまとめた後。
○卯月委員長我々の委員会が7月の末に赤を入れたものを出して、区としては8月いっ
ぱい位に素案を出すということですので、あと1カ月ちょっとということだと思います。
それでは、宿題も出ましたので、少し休憩を挟みたいと思います。10分ほど休憩という
ことで、あの時計の25分まで休憩いたします。ありがとうございます。

(休憩)

○卯月委員長それでは、再開してもよろしいでしょうか。早速、先ほどの宿題はできま
したでしょうか。
○窪松公共施設マネジメント推進課長建設工事の内訳でございますが、地上部が208億円、
地下の部分が150億円、そして免震の部分が12億円で、あと工区分け等がございますので、
その段階補正として15億で、トータルで385億になっております。
そして、先ほど免震、レトロフィットの件のお話がございましたが、今回はその件につ
いては調査をしておりませんが、以前に2年ほど前に行った資料によりますと、第1庁舎
の部分で30.6億円という数字が出ております。

以上でございます。

○卯月委員長黒木さん、どうでしょうか。
33



○黒木委員すみません、私、電卓を持っていないので計算できないのですけれども、208
億円というと㎡当たりにすると幾らになっておりますか。それと、地下部分と。
○窪松公共施設マネジメント推進課長現在の庁舎の地上部については40万4,000円で考
えております。これに物価上昇分と消費税10%を乗せた分が先ほどお示しした地上部での
208億円ということでございます。そのほか、免震と段階補正がその分またそこにかかって
きております。
以上でございます。

○卯月委員長黒木さん、良いですか。
○黒木委員その15億円というのは何補正ですか。
○久米設計(谷口)先ほどもお話しした久米設計が実際作業しておりますので、かわり
にそのあたりを少し補足いたします。
先ほど窪松課長からお話があった地上部の基準単価40万4,000円というのは基準単価で、
それにさらにいろいろ補正が乗ってくる前の単価になっています。それから、地下の基準
単価はその地上部の40万4,000円に実際の地上地下の面積割合とかを勘案した補正値で約

1.3位の補正係数が乗っています。それが地下の庁舎部分の基準単価。地下の駐車場部分の
基準単価は、その庁舎部分に対して一定の比率で、駐車場部分ですから内装工事等の部分
を減じまして32万3,000円というのを基準単価として、それに地下部分の1.3倍位の係数が
乗っているというようなたてつけになっておりまして、それからさらにそれらを全て勘案
した上に段階的に建てかえるための補正を段階補正として、例えば3段階の工事であれば、
一定の係数が3回にわたってかかるというような割増補正をしているということでござい
ます。
○黒木委員そうすると、地上部分は単純に坪数にすると約3.3倍ですから、135万円位と
いう考えでよろしいわけですね。単純に考えると地下がそれに1.3倍、135万円位の1.3倍と
いうことですね。わかりました。大体庁舎建築は130万~140万円、いろいろ仕様によると
あれなので、コスト的な問題として、一応妥当な線ではないかなという気がいたします。
あとレトロフィットが30億円位かかるということですから、これはもしレトロフィット
を使わなくても既存を残すとなると耐震か制震みたいなことを考えて、このコストはもし
残してやるとなるとレトロフィットを免震にしなくても良いのではないかなという気がし
ないでもない。これはもちろん、新築のときはくい工事も含めての話ですね。

庁舎ができましたら中身にいろいろ机とか什器備品を入れると思うのですが、これが予
算に入っていないのですけれども、それはまた別途として考えてらっしゃるのですか。什
器備品に関してはお幾ら位になるのでしょうか。

○秋山庁舎計画担当課長現段階ではこちらのほうに入っておりません。またそちらのほ
うの計算も今の段階ではしておりません。
○黒木委員ということは、プラスされるということですね。
○秋山庁舎計画担当課長そうです。そこの部分はプラスされます。
34



○黒木委員そういうことも含めて、先ほど全部でお幾らかかるのですかということをご
質問なされていると思うのです。だから、その辺、丁寧にお答えしてあげないと410億円プ
ラス起債の利子とどうということになってしまいますので、それ以外にこういうものがプ
ラスされていきますよということをわかりやすく説明してあげたほうが委員の方はわかり
やすいのではないかと思います。
とりあえず私のコストの質問は終わらせていただきます。

○加賀谷財政課長先ほど三田委員のほうから借入金148億円に対する利子が幾ら位にな
るかということで質問がございますので、現在、0.1%、仮にあり得ないと思うのですが、
5回の借りかえを行いまして30年間、その都度0.1%と仮定いたしますと、全体の148億に
対しまして利子分として約5億程度という試算で今のところ見込んでおります。先ほどの
グラフのほうにはそちらの部分も含んで反映をしているということです。
○高谷委員資料5(別紙1)のことで確認させていただければと思いました。今、コス
ト、幾らかかるかという建設費を議論しているわけです。その中でとりあえずは一番高い
ものでということでやられているのだとは思います。ただ、ここに建物、前川建築を残す
とすると、参考案1とか2のような形になるわけですが、私、何回も申し上げているよう
に、既存の前川さんの建物を残すというのは結構工夫とか知恵が要るわけで、実際に詳細
な検討をしないときちっとしたものが出てこないのではないかなと思うのです。そういう
意味で、例えば参考案2ですと面積が9,700㎡不足と書いてあるのですが、西側の斜面をも
う少しうまく段々に利用するとかすれば、恐らく数千㎡はもう少し建つと思います。足ら
ないとしても本当に教育委員会分が足りないとか、そういう結果が出るのではないかなと
漠然と私は思っているのですが、その辺の検討というのは今後同じようにやっていただけ
ると考えて良いわけですね。
建設のプロセスについても、たまたま先ほど黒木委員が、私も前回同じようなことを申
し上げたのですが、広場の部分と耐震補強を一緒にすれば先に丈夫なものができるという
ことがありますので、恐らく仮設庁舎も本当に最低限のもので済むのではないかなと思う
のですが、そういう検討もしていただいて、なるべくレベルをそろえるというのでしょう
か。案1、案2のほうはもう全部壊してしまうわけですからある意味単純なのですが、残
しながらやるというのは相当知恵が要るというのは間違いないので、その辺の作業は、到
達点は同じようにしていただいてはどうかなと思うので、その確認です。いかがでしょう
か。

○板垣副区長先ほども議論がありましたように、基本的に検討素材に案1と案2という
ことを出させていただいて、具体の配置というようなことの段階になったときに、その他
にいろいろご議論があった中で卯月委員長から、案1、2というだけではなく1 ’、2 ’ある
いは参考案というのも出してほしいということがありましたので一応こういう資料のつく
りをしてきたという経緯でございます。ですから、今、議論をしていただく中で、その先
どこまで深めるかということは、私どもとして決めているわけではございませんし、それ
35



はまた委員長のほうとご相談していかないといけないとは考えております。
以上です。

○高谷委員前回も副区長は全く結論ありきの審議会ではないとおっしゃっておりました
ので、いろいろな案を並行して、ある到達点まで同じようにしたほうが良いのかなと思い
ます。ここで何か結論というのは非常に難しいとは思うのですけれども、やはりいろいろ
な可能性を議論して、最終的には区民、区長か、その辺は私よくわかりませんが、区民に
委ねるという。ここで案を限定するということはきっと避けたほうが良いのかなと、その
ための基礎資料はきちっと同じ到達点までやったほうが良いのかなと私は思います。
○岡田総務部長この間、検討素材の資料編のほうにはついておりますけれども、何年か
にわたってさまざまなケースを試算してきております。今回、前回の議論のときに委員長
からも話がありましたけれども、ここでその配置だとか建物のデザインだとかを決めるわ
けではないということで、要は私たちが区民にとって大切な庁舎をどういう条件が満たせ
ればありがたいのかということを整理するというのがこの今やっている作業だと思ってお
ります。
今お話がありました参考案2のようなケースですと、今まで私どもがやってきた検討だ
と、まず工期が非常に長くなる。例えば中庭に仮設を建ててやるというようなことも検討
いたしましたけれども、非常に時間が長くかかる。それから、現在お示ししているように
9,000㎡以上の不足が生じる。こういうことは事実だと思いますので、そういったことを踏
まえて今後検討していくことになりますけれども、ここで何かを決めようとしているわけ
ではないということでご理解いただきたいと思います。

○高谷委員私も何回も申し上げているように、ここは設計条件を決めるということです
ので、建物のこれが良い、あれが良いということではないと思います。ですから、今、出
ているように、先ほども三田委員からも出ましたけれども、前川さんの建築を壊すという
案だけで議論をしていくのは片落ちかなと。そのためには、残しながらやるとこうなると
いう案もきちっと検討しておく。別に形を決めるというわけではないのです。私の感じで
は成立するだろうと思うのですが、ただ、それは難しいと思うのです。やはり1回壊して
20世紀型のスクラップ・アンド・ビルドというほうが建てやすいのは誰でもわかるのです。
しかし、これからの時代、きちっと継承すべきものは継承して建物をつくって、風景をつ
くっていく。それがいろいろなものに、人生そのものにも深みを増していくことだろうと
思うのです。そういう価値観は今、間違いなくふえていますので、ぜひとも残すというと
ころにも一定の到達点までは作業をしたほうが私は良いですし、もし非常に難しいのであ
れば、本当に建築学会とかそういうところに相談して少し作業をお願いするとか、そうい
う手もあると思うので、そういうものも含めてぜひお願いしたい。
私も何回もこうやったらどうかとかそういうこと言っているのですが、なかなか出てこ
ないものですから少し申し上げました。
以上です。

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○卯月委員長そうなると、私も何か言わなければいけないような状況で、だんだん議論
が終盤になってきましたので少しずつ言っているつもりですが、今の例えば資料5で6つ
の案が出ています。私は現段階でどの案でも可能だと思っています。もっと言えば、参考
案2を否定するつもりはありません。ただ、参考案2をやるには相当な難しさが伴うとい
うことをこの委員会の中で理解した上で、それでも、官尾さんがよく言われているように、
民間の設計事務所は最先端のいろいろなことをやっていますので、もしそういうところに
ある課題を出してすばらしいアイデアが出てくるかもしれない。世界とは言えませんが、
なるべく日本中の設計事務所がこの難しい世田谷区役所、区民会館の建てかえに挑戦して
みようというような形での要綱をこの委員会をベースにしてお出しして、競い合って、さ
すが世田谷だと言われるようにしたいというのが私の希望であります。
ただ、本当に無理なのか、工夫すれば大丈夫なのかということを探るために前回6案出
していただいたし、今日もそれのコスト比較をして、判断するのは我々でありますし、最
終的には7月末に出そうとしているものの文章の中にどれだけ、保存と書くかどうかはわ
かりませんけれども、50年、60年培われてきたこの世田谷区らしい世田谷区民の自治と交
流の拠点というようなものをきちんと設計してくださる方々に伝える義務はあるわけであ
りますので、こういった議論をしているというようにご理解いただけたらと思います。最
終的には7月23日に最終の答申の案を皆さんと議論いたしますので、それに向けてそのよ
うなご理解をしていただければ大変ありがたいと思います。

財政計画は大変難しい。この前の設計者選定、施工者選定についても大変難しいという
ご指摘がありました。ごもっともだとお伺いいたしました。7月13日に向けてもう少し工
夫をしたほうが良いというように思いますし、7月23日の最終報告書にももう少しわかり
やすい提示が必要かなと思いました。どうもありがとうございました。

○山﨑(廣)委員私の質問も非常に素人の質問なのですけれども、資金計画のところで
事業費が404億円に対して基金が210億円で半分以上ですね。市庁舎とか区庁舎を建てると
きの事業費と基金の割合はこの程度なのかということと、あと基金がどんな基金か、その
内容を聞きたいと思うのです。
以上です。

○卯月委員長では、この表について説明をお願いします。
○加賀谷財政課長内訳でございますが、現在410億円に対しまして庁舎等建設等基金、こ
れは貯金のほうですけれども、約51%の割合です。起債のほうが借入金、36%ほどで、一
般財源は税や交付金でありますが13%ほどになるかと思います。
庁舎等建設等基金は、本庁舎の整備を初めとしました建物ですけれども、区民センター
ですとか公共施設全般の大規模な整備、改修の際に充てることが可能な基金ということで
設置しているものです。

以上です。

○三田委員話を元に戻して、ここに建築のいろいろなご専門の方がいらっしゃるので、
37



前から知りたいと思っていることを少しお聞きしたいのですが、日本はすぐ建物を壊して
しまいます。私が住んでいたヨーロッパでは200年前の家にガラスを注文して住んでいるな
どという知り合いがたくさんいました。ビッグ・ベンはいつだったのだろうと今、検索し
てみました。ビッグ・ベンと世田谷区の庁舎は比較すると違うレベルかもしれませんけれ
ども、19世紀、1843年なのです。それをどうやって継続して使っているのでしょうか。建
築学的に維持とはどのように行っているのでしょうか。今50年で壊そうよと言っています。
でも、ビッグ・ベンは200年位たってずっと今でもイギリスの議会として機能しているわけ
ではないですか。この差はどういうように生まれてくるものなのですか。すみません、ビ
ッグ・ベンと比べてはいけないかもしれませんが。

○卯月委員長誰が答えたら良いでしょうか。まず区役所に聞いてみようか。
○松村施設営繕担当部長明確なお答えはできないかもしれないのですけれども、まずは
環境もかなり違ったり、建築材とか違ったりという差はあると思いますし、あとは国民と
か利用者の意識の違いもあると思いますし、技術的には要するに維持するためには相当な
コストも必要だし、今、日本でも、今日も出ていますけれども、リノベーション、長寿命
化というような話もあって、60年位で建てかえが来ているものをあと30年位うまく使って
いこうという動きもあるわけですけれども、それが全てできるわけではなくて、いろいろ
な要因の中でそれぞれの建物を判断していくということかなと思います。
○三田委員しつこいけれども、サグラダ・ファミリアなどはどうなってしまうのですか。
ずっと何百年と建てているではないですか。
○卯月委員長では、高谷さんのコメントを聞いて、でも、そろそろこの議論を終わりに
したいと思います。
○高谷委員私も日本型のスクラップ・アンド・ビルドというのは、もう今、地球環境に
とって許されない時代が来ていると思うのですが、ただ、それ以前に自分たちの街の記憶
を大事にしたいと思うかどうかというのが残っているかどうかにかかっていると思うので
す。今、イギリスのお話も出たのですが、日本でも例えば神奈川県庁舎あるいは愛知県庁
舎、名古屋市役所等々、1920年代の建物も立派に今使われているわけです。もちろん、車
椅子用のトイレとかそういうものは付け加えているわけです。
あと私、一番最初の会議のときも申し上げましたが、前川さんがつくられた弘前庁舎は
今でも使っております。今回の世田谷と同じようにやはり増築はしておりますけれども、
今ちょうど工事中ですけれども、増築はしているけれども、元のものもきちっと使ってい
る。ですから、やはり先ほど鉄筋コンクリートだから柱を動かせないではないかと官尾さ
んがおっしゃっていて、それはそのとおりだと思うのですが、それは中をうまく使ってい
くということだろうと思います。

それと先ほど気になったのですが、九段会館はほとんど残らないのではないか、ちょっ
としか残らないのではないかというお話もあったのですが、一応今、報道されているもの
では東側はそっくり残るし、あと南側、あそこもできる限り残すということで検討されて

38



いるというように私は聞いていました。

同じように先ほど岩渕委員がおっしゃっていましたが、近代建築の例えば丹下健三さん
という方がつくられた香川県庁舎、これは私、高校が隣にあったものですからよく知って
いるのですが、それも直して使っております。それはかなりひどい状態だったのです。鉄
筋が爆裂と言うのですけれども、酸化されてかなりひどい状態だったのですが、それも直
してそっくり元のようにして使っております。ですから、当たり前のように皆さんそうし
ていて、ヨーロッパの話も出ましたが、例えばヘルシンキの庁舎などは昔ホテルですね。
そういうものの中を改装して、あそこも19世紀の建物が多いわけですけれども、そういう
ものも使っていける。ですから、やはり意識の問題だと思うのです。自分たちの記憶を大
事にして、それに付け加えて街をつくっていくのか、1回クリアランスして、機能と合わ
なくなったらご破算にしてしまう。結果的にどちらの街が魅力的かということだと思うの
です。

例えば横浜に行って、関内のあたりを歩いて神奈川県庁舎があって、それで新しいもの
もあります。そこに歴史の積み重ねがあると思うのです。そういう街に世田谷をしたいの
か、1回ご破算で、そのほうが空調設備とかやりやすいとは思いますけれども、ご破算に
して、記憶もご破算にしてもう一回スタートするのか、その選択が我々に問われているの
だと私は思います。

以上です。

○三田委員ありがとうございます。
○山崎(節)委員本日配っていただきました資料3-2の案1から参考まで6つあるの
ですが、その中で植栽、いわゆる植物、木の問題について、ケヤキをこちら側、東のほう
の道路側に移すというのはほとんどあるわけなのですが、中庭にあります大木のケヤキ、
ああいうものを移植するには大変時間がかかると思います。すぐ持っていって植えたらほ
とんどが恐らく高齢ですので枯れてしまうと思います。移す場合は根切りとか、2年なり
3年の時間が猶予、あるいは仮植えする仮植の場所を見つけて移すとか、そういう時間と
お金がかかる問題がある。検討素材の中でその問題をどういうように扱っていただけるの
か、その辺を少し記述しておかなければならないのではないかなということを気がつきま
した。
もう一点、財政のところなのですが、資金計画が基金、起債、一般財源という3つだけ
になっておりますが、やはりこの際、大きな事業をやるのに、区が持っている土地で不要
不急なものについては処分しても良いのではないか。特に小規模なものについては利用価
値が少ないものがあるわけでしょうから、そういうものを処分して少しでも充てるという
こと。どういうように表現するか最終案の中での検討になるのですけれども、少しその辺
のことが記述を加えてもよろしいのではないかと思います。

以上です。

○牛山委員今、お話を伺っていて、私もすぐ建物を壊してしまって景色が変わるとか、
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何でも新しくすれば良いのかというのは、本当にそのとおりだと思うのです。ですから、
決してこの現在の庁舎を壊してしまえば良いとは全く思わないのですけれども、非常に価
値のある建物だということだと思うのですが、ただ、一方で、私は地方自治、自治体経営
の研究をしているものですから、議論を少ししたほうが良いのかなと思うのは、これは区
役所なので区民の皆さんのサービスとか、一番心配なのは熊本の地震でもそうでしたが、
庁舎が首都直下地震等、いつ起きるかわからないと言われる中で、これが破壊されたり破
損したり、あるいは住民の救援の拠点になり得ないとか、避難の対象にならないとか、そ
ういったことになると一番困ると思いますので、そういった意味では庁舎としての機能が
十分に発揮できるのかというようなことです。

この行政側の資料を拝見すると実際には1万㎡位不足するというようなことも言われて
おりますので、そういった建築物としての価値とかそういったものを決して否定するもの
ではありませんが、あわせて住民のためのサービス拠点あるいは住民救援、支援の拠点と
して十分な機能を発揮できるかどうかというマネジメントと言いますか、この経営みたい
な観点もぜひ入れながら議論をしていただければと私は思いました。

それと財政のお話は先ほどの三田さんのお話を聞いていて、私もああそうかなと勉強に
なったのですけれども、借金していくということ、通常の家計だと非常に負担になるしよ
ろしくないということもあるわけなのですが、ただ、こういった公共施設の場合は、長年
使う施設ですので、今、住んでいる人たちだけが負担するというような単年度の中で考え
るべきものでもなくて、将来使っていく人たちにも負担してもらうというようなところで
借金していく。ただ、おっしゃられたように、その分がここに入っていないではないかと
いうのはなるほどなと思って伺ったのですが、逆にそれは課長さんのお話もそうだったと
思うのですけれども、全体でどの位区は借金できるのかなというのがあるわけですね。だ
から、今、本当に借金がほとんどなくて、少しここで借金をたくさんしても良いものをつ
くったほうが良いよと考えられるのか、あるいはここで余り大きな借金をしてしまうと将
来にすごい負担になってしまって財政破綻すると困るので考えていかなくてはいけないの
ですが、そこを言ってみれば、逆に借金分も家計の中でどの位返していくかというこちら
の通常の経常的な経費の中から出していくということだと思うのです。

そういった意味では、そういうバランスをとってこういう数字を出していらっしゃるの
かなと思いましたので、少し付け加えさせていただきました。

○三田委員借金があるのかと、だから聞いたのです。
○卯月委員長それでは、すみません、次の議題のほうに移りたいと思います。
資料6-1のほうに移ります。7月13日に予定しています検討委員会の区民に対する報
告会、この委員会としては中間ではないのですが、かなり広範ですが、第1段階のまとめ
ということでありますので、事務局よりご説明をお願いいたします。

○秋山庁舎計画担当課長資料6-1をご覧ください。今、委員長のほうからもございま
したとおり、7月13日に実施いたします、名称は世田谷区本庁舎等整備基本構想検討委員
40



会報告会についてでございます。

まず2番の日時・会場でございます。何回かお話をさせていただいたと思っております
が、18時半から2時間、恐らく2時間半程度かかると思っております。また、場所は世田
谷区民会館の集会室のほうで行います。

参加者数でございますが、通常、この手の規模ですとか30~50名が一般ではございます
が、今回、本庁舎ということで関心も高いだろうということで70名程度ということで考え
てございます。ただ、70名を超えた場合でも柔軟に対応ができればと思います。また、人
数が大幅に超えた場合にもどうにかそこにいらっしゃった区民の方からは意見が記載でき
る等、何らかの対応はしたいと考えております。

4番の内容でございますが、検討委員会から区民の皆様に本検討委員会の議論の内容を
報告するとともに、もう一つの目的が区民の意見を幅広く聞くものでございます。

裏面の「8.進行次第」をご覧ください。そうすると、このような内容を確保するため
に、まず委員長より本検討委員会の議論のポイントの説明をしていただきまして、事務局
より中間まとめにおける資料の説明をいたしまして、その後、区民、今7グループと考え
ておりますが、分かれまして外部の方、ファシリテーターにご協力をいただきまして参加
者から自由に意見を出していただき、それをまとめて発表するものでございます。今回、
参加をされる区民の皆様一人一人が多くの意見を言えるようにと7グループに今回分けて
考えてございます。その際、区民の皆様から意見を出し合ってもらいますので、各委員の
皆様には、その議論の中には加わらず温かく見守りいただいて、どんな意見が出ているの
だろうというものを見ていただければと思ってございます。

当然区民からの意見発表というものがございますので、今回各学識経験者の委員の皆様
にもご協力をいただき、委員の皆様からぜひコメントをいただいて、最後に委員長から総
括をしていただければと考えてございます。

すみません、表面に戻りまして6をご覧ください。そこで7月13日に当然さまざまな意
見が出るかと思ってございます。こちらの意見のほうでございますが、先ほど委員長から
もありましたとおり、7月23日に検討素材に赤入れをしたものが出るということでござい
ますので、そこにどうにか反映をさせた形で皆様のほうにご提示をし、本検討委員会のほ
うでご議論をいただくものであるのではないかと考えてございます。

その際の7番でございますが、配付する資料は今、皆様のお手元にあります本庁舎等の
整備の検討素材、この後、ご説明をさせていただきます資料6-2「世田谷区本庁舎等整
備基本構想検討委員会中間まとめ」、A3の表裏の1枚ですが、こちらの2点を考えてござ
います。

今回参加した区民の皆様が何かテーマに絞って議論するということではなくて自由にご
意見が発言できるようにと思いまして、このような形で実施しようと思っております。ま
た、本報告会における周知でございますが、事前申し込み制とさせていただきまして、す
でにホームページではそのご案内を掲載してございます。その他、区のお知らせの7月1

41



日号、またチラシを用意しまして出張所、街づくりセンターに置くものとしてございます。

また、今回、検討委員会に公募していただいた方や無作為抽出で参加してもよいと意思
表示をお示ししていただきました区民の方で残念ながらご期待に沿えませんでした約160
名の方になりますが、この方たちには直接ご案内をお送りいたしまして参加を呼びかける
ものとしております。

なお、申し込みのほうは7月1日の金曜日から、せたがやコールでとなっております。

私からの説明は以上でございます。

○卯月委員長資料6-2、資料6-3についてはどうしましょうか。
○岡田総務部長では、一緒に説明させていただいてよろしいでしょうか。
○卯月委員長時間もないのでお願いします。
○岡田総務部長時間も押していますので、それでは資料6-2と資料6-3についてご
説明をさせていただきます。
今、担当課長のほうからご説明しましたけれども、本庁舎等整備の検討素材という題材
を基本にして、4月から今日でもう5回にわたりさまざまなご議論をいただいてきました。
その主な意見をまとめたのがこの中間まとめであります。私どもとしては本日の議論、13
日の説明会での議論、こういったものを含めまして23日最終回に検討素材にこれまでの意
見を反映させたものをお示しさせていただいて、この委員会のまとめとしていただきたい
と考えているところです。この中間まとめにつきましては、13日の説明会で活用しまして、
このまとめと検討素材でおいでいただいた区民の方たちにこれまでの経過、検討内容をご
説明してご議論いただく、このような形にしたいと思っております。

資料6-3のほうは、議事録から皆様のご意見をピックアップしたものでございます。
基本的にできるだけピックアップをするということで資料6-3のほうには整理してござ
います。そこから主なものということで中間まとめに整理させていただきました。

初めのところにありますように、この5回にわたる議論の主な視点、意見の整理という
ことで、この中間まとめをもとに検討素材の加除、訂正をして最終的な委員会のまとめに
したいということでございます。

2の主な意見等の整理というところで、章立てごとにこれまでのご議論の中で主立った
ものを載せさせていただいております。特に4章の冒頭のところに書いてありますけれど
も、この1回、2回の議論のときに全体として検討素材が検討するという表現が非常に多
くて、区としての判断というか考えをちゃんと示さないと議論にならないよというような
ご指摘もあったかと思います。そういう意味では5章以降、重要なポイントについては区
としての考え方もお示ししながら議論を進めさせていただいたというように考えておりま
す。

一つ一つご説明すると時間もかかってしまいますが、主な意見の整理ということで第2
章、第3章、第4章と、ポイントとなるご議論について整理をさせていただきました。特
に基本的方針2の防災拠点のところでは、熊本地震のこともございましてかなりさまざま

42



重要な論点が出されたかなと考えております。

また、基本的方針5の環境に配慮した庁舎というところについては、先ほどありました
けれども、小林先生のほうからもここについてはかなり強く打ち出さなければいけないの
ではないかというご意見もいただいたというところであります。

裏面ですけれども、世田谷区民会館、これもかなりご議論としては活発にさまざまなご
議論をいただいたと思っております。私どものほうとして、この区民会館の位置づけとい
うところで多様な区民活動に対応できるということとともに、大規模震災が発生した際の
集積場所等としても対応可能な多目的ホールで、現在と同規模で客席数は全体規模に応じ
て計画するというような考え方をお示しさせていただいて、ここにありますように使いや
すくするべきだとか、バリアフリーについて改善してほしいだとか、かなり利用された立
場からのご意見もいただいたと思っております。

それから、第6章につきましては、区の必要とする面積と考え方として、庁舎機能とし
て行政、災害対策、区民交流、議会機能、5万3,000㎡という数字を出させていただいたと
ころです。これについて右側にあるようなご意見があったということでございます。先ほ
どもありましたように、小林先生からはこの辺についてももう少し環境の面も記載をした
ほうが良いのではないかというご意見もいただいております。

その下には本庁舎の配置と形状ということで、前回、それから今回、ご議論いただいた
内容で、区のほうからお示しさせていただいたもの、それは前回のご意見を踏まえて若干
修正したものを上の段に書かせていただいております。一方、この考え方に対して、道路
について、建物について、広場・緑地について、また、検討にあたって全般について、さ
まざまなご意見をいただいたということで、こちらについてもこちらのほうに記載をさせ
ていただいたというところであります。

本日のご議論も含めて、この中間まとめについて若干修正をさせていただいて、7月13
日の説明会に臨みたいと考えているところでございます。

説明は以上です。

○卯月委員長ちょっとだけ追加いたしますと、先ほど来ご説明があったように、この区
民に対する報告会というのでしょうか、あるいは意見交換会というのは、一応この検討委
員会が主催をしようというように私は考えております。したがって、もちろん区の方にも
ご出席いただいていろいろな情報提供をしていただきますが、あくまでもこの区民の代表
で今まで議論してきましたが、公募の委員の方、それから無作為抽出の方、多くの区民の
方が関心を持たれたということを踏まえて、その方々に回数は1回しかないかもしれませ
んが、我々もお会いして、我々と同じ意見だね、あるいは違う意見もあるねということを、
言葉は悪いですけれども、我々が再度学んでというか、再度お聞きして最終回に臨みたい
ということであります。ですから、できる限り私と齋藤副委員長で進行を務めたいと思い
ますけれども、でも、できないところはもちろん区の方のお手伝いをいただくというスタ
ンスであります。
43



もう一つは、7つか8つかわかりませんが、テーブルに分かれて、もう一言でも二言で
もたくさん、関心のある区民の方々から言っていただくということを目的としております
ので、もし今日お集まりの委員の方でご参加いただけるのであれば、テーブルに座って発
言をするのではなく、テーブルをぐるぐる回ったりして、我々とは違う区民の方はこうい
う発言をしているのだと聞いていただいて、そこで大議論するのではなくて聞いていただ
いて、その結果を最終回、7月23日に持ってきて、ここで披露していただきたいというこ
とでございますので、もちろん、こちらの専門委員の先生方につきましても一緒に聞いて
いただき、時間が許せば最後にちょっとずつコメントを専門の立場からいただくという形
で、やはり多くの区民の方が関心を持っているのに、抽選で選ばれた人だけでここで決め
てしまうというのは忍びないという気持ちからこういう会を考えておりますので、ぜひそ
の辺の趣旨をご理解いただき、ご協力いただきたいと思います。

そういうことで資料6-1、資料6-2、資料6-3について、進め方でも結構ですけ
れども、何かご意見、ご質問等ございましたら、いただきたいと思います。

○秋山庁舎計画担当課長委員長、小林委員からの意見は。
○卯月委員長先ほど岡田さんがもう言われたから良いかなと思ってしまったのだけれど
も、すみません。小林委員からも資料6-2についてのコメントがありますが、先ほど岡
田総務部長のほうから発言があったので、今、省きました。
○岩渕委員予定表では7月9日、土曜日に報告会とあるのですが、これもあるのですか。
○秋山庁舎計画担当課長恐らく第1回目でお配りした予定表の中に、確かに7月9日、
ただ未定ということでありますので、第2回のときに例の参議院選挙等も含めて7月13日
にということで日程を改めて設定させていただいたものでございますので、7月9日はご
ざいません。
○官尾委員これはお願いなのですけれども、今日も私、いろいろ申し上げた中で言いま
したように、いろいろな当日配付資料、できれば事前に送っていただければと思います。
そうしませんと、先ほど私、事業方式で申し上げたように、検討素材で事前にいろいろ勝
手ながら無い知恵を絞ってまいりましたら全然違うものが配られると、その場でと言われ
ても専門家でもないもので困る。前々回か、阿部先生かがご欠席のときにも意見書を出し
ていただきましたね。こういうことは失礼なのですけれども、学識経験者の方には事前に
この資料は行っているのではないか。小林先生の意見書も、今日の資料についてなのです。
6月24日付で、だから学識経験者の方には事前にいっているのかなと思ったものですから、
すみません。
○秋山庁舎計画担当課長小林先生のほうからは、実は今週に入ってからご欠席をすると
いうことで聞いております。そこで小林先生のほうとして、今日ご欠席するのだけれども、
自分としてちゃんと委員の立場として何か意見は言いたいのだということので、実は昨日
の本当に夜遅くだったのですけれども、可能な限りということでこちらのほうからお送り
をさせてもらっています。そういう経緯でございますので、何か事前にということではご
44



ざいませんので、そこはご理解をいただければと思います。

○官尾委員それでは、それこそ事前に1日でも2日でも良いですから前に配れる資料を
いただければ、前の日でも結構皆さん真剣に読まれると思うのです。ただ、恐らくここで
は相当なご専門の方でないと理解はできないと思いますので、よろしくお願いします。
○卯月委員長その辺はずっと私も気になっておりまして、次回、7月23日、最終回にな
りますが、その最終回の資料につきましては、今のところ事務局と19日位に郵送したいと
いうことで進めておりますので、最低1日、場合によっては2日位の余裕があるのではな
いかと思っていますので、まことに申しわけありませんが、ご協力のほどをよろしくお願
いします。
○阿部委員私の意見は、以前いただいたものに対してそれをベースに、欠席なのでとい
うことなので、事前にいただいたものではないです。
○卯月委員長もう前日まで私とメールでやりとりしたりして、きのう言ったことが修正
できていないと朝言っている位のことなので、ぜひご理解いただけたらと思います。
○佐藤(孝)委員これはお願いですが、この13日、私は仕事で出られないかもしれない
のですけれども、この場でも、すみません、失礼な言い方ですが、すごく年配の方が多く、
先ほど歴史の継承という話もあってすごい大事だなと思っているので、ぜひ若い方を集客
していただくようなことをしていただくとありがたい。ツイッターとか入っているので、
そういうものは若い人はなじむのかなと思いますので、ぜひ若い人を念頭に取り入れてい
くというのをしていただければと思います。
○黒木委員13日の件とは違うのですけれども、今、手そろばんでいろいろはじいていま
したら、コストのことを参考までに申しておきたいのです。例えば第1庁舎と第2庁舎と
区民会館をスケルトンのリノベーション改修すると、大体50億円位安くなるのではないか
と思います。それと第3庁舎と世田谷総合支所の面積を外に出す、また第3庁舎をそのま
ま使うとなると約18億円位建設コストが行くのではないか。それと駐車台数を減らすとい
うことと、今、1台当たり42㎡で計算していますけれども、一般的には駐車台数の床面積
の算定は30~35㎡ではないかと思うのです。42㎡の根拠は後でお聞きしたいと思いますが、
30~35㎡位で計算すると10億円位。そうすると、トータルして78億円位の建設コストが工
夫によって出てくるのではないか。結構コストと面積というのは非常に重要ですので、き
ちんと考えるべきだと思います。
以上、参考までです。

○卯月委員長先ほども申し上げたように、やはり結果だけではなくてそのプロセスとい
うのですか。何㎡掛ける単価というような形できちんと区民のほうに出したほうが正直だ
と私も思います。
さて、あと10分ほどになってしまいました。今日、まだご発言のない方にぜひどの資料
に関してでも結構ですし、どのような内容でも結構ですので、ご発言いただけると大変あ
りがたいと思います。

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○岩橋委員事業者選定方式、いろいろ言っていたので、何が良いのかというのはまだ具
体的に検討していかなければいけないのかなという部分ですか。その辺、もう少し具体的
に詰めていきたいという感じです。
○多委員今日は専門用語が多くて、私なんかど素人には難しい言葉とかもたくさんあっ
たのですけれども、こうやって議事録をずっと見ていて、不透明な部分がないようにこう
やって意見が交わされるのは良いかもしれないけれども、時たま、昔の意見がまた戻って
きたり、新しい意見を言ったり、それがかみ合わないとまたどんどんわからなくなってし
まうので、それは自分でもどうしたら良いかわかりませんでした。
終わりです。

○池谷委員資料5のところに戻ってお聞きしたいのですけれども、今日配付された資料
5「財政計画について」という資料なのですが、以前にいただいた検討素材の32ページに
載っているものとほぼ同じですね。
細かいのですが、数字のところは少しずつ違っていまして、例えば今日配付いただいた
資料の合計の金額が410億円、検討素材ですでにいただいているものは408億円となってい
るのです。これはお聞きしたいことは2点ございまして、まず、何でこの数字が違ってい
るのかということと、2点目は、なぜこの検討素材を今日資料として議論をなさらなかっ
たのか。何で改めてこの資料5を配付なさったのかということについて、細かいのですが
教えていただけたらありがたいです。

○岡田総務部長大変重要なことをご説明していなくて申しわけありません。408億円とい
う検討素材に載っている数字ですけれども、昨年9月に3つの案を示しまして、そのとき
は4万5,000㎡の庁舎部分で、それで建築費等を計算しまして、一番それは高いパターン、
免震補強なども既存改修で免震補強するというようなことで高くつくというようなことで
出した数字で408億円と出していたのですが、今回、5万3,000㎡という、㎡数が8,000㎡ほ
どふえております。それとは別に、工期を短くしておりますので、その分安くなっており
ます。差し引きでほぼ同じ位になったということなのですが、前回、検討素材に載ってい
るのが4万5,000㎡を前提とした金額で、今回お示しした案1以降については5万3,000㎡
ということでございます。すみませんでした。
○池谷委員実は私、今日遅刻してしまったものですから、すでにこのことについてはあ
らかじめお話があったのかと思ったのですが、空気を読んでいたらどうやらそうでもなさ
そうだということで今、質問しました。ありがとうございました。
○佐藤(陽)委員私も今日は難しくて、とてもお聞きしているだけでいっぱいいっぱい
でしたが、国立競技場の例でもないのですけれども、1回壊してしまったらもう二度と後
には戻れないということをよくよく考えてこの検討委員会でいろいろ意見とか議論とかし
たものを参考にして進めていっていただきたいなと。もう本当に壊してしまったら二度と
戻らないですものねということです。
○勝守委員非常に専門的なことがよくわからなかったのですが、世田谷区は文化的にも
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とても意味があって大変特色がある区だと思っています。私は愛着があるので、残してい
けるものはできるだけ残すことが良いかなと思いました。そして、できるだけ予算が膨ら
まないように施設をつくることができて、サービスの低下も招かないような形でできれば
良いなと思っております。

以上です。

○大佛委員今までの議論を少し俯瞰しながら、今日議論の中心だったことについて、少
しコメントさせていただきたいと思います。
まず、建物の寿命と工期の関係なのですが、例えばこの建物は60年余り使われてきまし
た。今度新しく建てる建物は100年でも使い続けたいところなのですが、仮に60年、70年と
いうように想定すると、それに対する工期は大体10分の1となってしまいます。建物寿命
を仮に1年に換算すると1カ月位が工期となります。要は非常に長い期間、工事をしてい
るというような中途半端な状態になるわけです。ですから、できるだけ工期をぐっと圧縮
して、できるだけ使える時間を長くしたいということなのです。工期を短くするという条
件のもとで、今日の話にも出てきましたように、我々は超難解パズルを解かなければいけ
ない。つまり、更地に建てるのでしたらすごく簡単なのですが、庁舎機能を維持しながら
建て替えないといけない。さらに、建物を残すとなるともっと難しいパズルを解かないと
いけないということに直面するわけです。ですから、本庁舎の完成後の姿,つまり,最終
形ではなくて、建て替えるプロセス、どうやって建てかえていくかというプロセス自身も
設計だと考えられるわけです。

ですから、そういうことで言うと、今日話題の中心だった事業方式あるいは設計者、施
工者の選定ということについて考えると、最終形というよりも、そのプロセスを大事にき
ちんと丁寧に扱ってくれる、設計してくれる、建てかえのプロセス自身を設計してくれる
ようなところに業者を決めないといけない。今日お話があった中では、プロポーザル方式
というのが1つ提案されていたと思うのですが、そういう超難解なパズルを解く技術を持
っている、アイデアを持っている、そして親身にきちんと対応してくれる、区民の意見を
反映してくれるようなところに頼む必要があるのかなと思いました。

以上です。

○齋藤副委員長13日は報告会という名前になっているのですけれども、幅広い関心を持
っている方々の意見を伺いたい。そのために、今、何が論点になっているかという点では、
皆さんから忌憚のないご意見を出していただくことで、論点のポイントというのか、だん
だん明らかになってきたかなというように思っています。
特に今日は専門的な分野についてわかりにくかったというご意見が多々ありましたので、
今日議論したあたりでは、やはりいかに13日のときにわかりやすく皆さんに報告できるか
という点と、それに対してわかりやすい報告があれば実りある意見、そういうものを出し
ていただけると思いますので、そこに注意していきたいなというように思いました。

今日は本当に皆さんありがとうございます。

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○卯月委員長それでは、その他ということで事務局より何かありますか。
○秋山庁舎計画担当課長最後に2点ほど、事務局からお話をさせていただければと思い
ます。
皆様の机の上に出欠確認票というものが置いてあるかと思います。先ほどございました
7月13日、委員の皆様のご出欠を確認したいと思っておりますので、大変申しわけないの
ですが、こちらのほうにご記入をしていただきまして、後ほど事務局の職員に渡していた
だければと思います。これが1点目でございます。

2点目でございます。今後の日程でございます。7月13日は先ほどご説明したとおりで、
いよいよ次回、最終回ということで、7月23日の土曜日、午後13時半からまた本日と同じ
会場、こちらのほうでと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

委員長のほうにマイクをお返しいたします。

○卯月委員長3時間半という長い時間、お疲れだと思います。どうもありがとうござい
ました。
あと報告会を含めて2回ということですので、この限られた時間で、特に官尾さんも言
い足らなかったと思いますので、メモを私宛てあるいは事務局宛てにいただいても全く構
いませんから、言い切れない部分はぜひ別の手段で言っていただき、悔いのないようにし
ていただきたいと思います。

どうもご協力ありがとうございました。それでは、検討委員会はこれで終了します。

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