せたがや自治政策研究所Newsletter 2025年7月号 2025年6月18日発行 令和7年度せたがや自治政策研究所メンバー(AIでアニメ風にしてみました) 目次 大杉覚所長(前方中央)と研究員一同 せた研写真ニュース 令和7年度せた研メンバーと研究プロジェクトの紹介 社会調査マスター続 『都市社会研究2 0 2 5 』第1 7 号を刊行しました 『せたがや自治政策』Vol. 1 7 を刊行しました 令和7年度せた研メンバーと研究プロジェクトの紹介 研究所所長大杉覚 調査研究を職務の一環としてこなし、チーム・ビルディングを大切にする、プロの自治体職員といえる人材づくりの発信拠点の役割をせた研が着実に果たせるよう尽力します。 研究所次長大谷昇 今年度から、せたがや自治政策研究所次長となりました。世田谷区の様々な課題について、関心を持ち、区の政策立案に貢献できるような調査・研究に職員一丸で取り組めるような環境づくりに努めてまいります。庁内の皆様に頼りにされる研究所を目指して頑張ります。 主任研究員小薗井良太 研究所では何を取り組んでいるのか、少しでも解像度を上げてお伝えできるよう情報発信に努めつつ、みなさんに頼られる・開かれた研究所を目指して日々の調査研究活動に努めます。 主任研究員堀江博昭 今年度より、「主任研究員(係長)」として着任しました。この肩書に見合うように調査・研究・分析手法を身に着け、区の政策形成能力の向上に資する人材となれるよう精進いたします。皆様と互学互習できることを楽しみにしています 研究員内海大輔 せた研では、調査研究以外にもデータを利活用した政策形成の手法を習得する場や研究所の研究成果、研究プロセスで得られた知識を共有する場などを庁内の皆様へ提供しております。お気軽にせた研のコンテンツをご利用ください! 研究員西田祐志郎 研究員2年目とまだまだ若輩の身ですが、統計知識の重要性を痛感しております。皆様にも、せた研の報告物や企画を通して少しでも統計やデータの重要性を感じてもらえたら幸いです! 研究員戸畑粧子 昨年度実施した「地域生活とコミュニティに関する調査2024」を基に調査・分析を進めていきます。また、せた研ゼミでは文献やインタビュー等から調査を行う『質的調査』をテーマに実施しますので、ご興味ある方は是非ごひご参加ください。 特別研究員鈴木颯太 特別研究員に着任して3年目になります。「行政」と「研究」のいわば交差点に位置する当研究所に対して、多くの可能性を感じている今日この頃です。多様な視座から、世田谷区を眺め、その実態を明らかにしていくために尽力してまいります。 主な研究プロジェクト コミュニティ検討会 次期(2029年)コミュニティ調査に向けて、調査の趣旨や実施体制・手法について有識者を交えて根本的に検討する。 社会調査・データ活用研究会 2024年の地域コミュニティの調査の分析を通じて世田谷区民が思う「地域コミュニティ」とは何かを考える。 自治制度研究会 自治権拡充の枠組みの中の児童相談所業務の移管の経緯、背景を整理することで、今後世田谷区が自治権を拡充する際の一助となる研究を行う。 社会調査マスターへの道《質的調査編》特別研究員鈴木 当研究所の特別研究員を務めていた金澤良太先生は、2021年度から2023年度までの『NewsLetter』の連載「社会調査マスターへの道」を通し、社会調査の手法を庁内外に向け発信されてこられました。ここで金澤先生が紹介されたのは、いくつかの選択肢が設けられた複数の質問項目から成るアンケート用紙を使った調査手法でした。 ところで、いまここで何も断りもなく私は「データ」という言葉を用いました。これをお読みのみなさんは「データ」と聞いてどんなものを連想するでしょうか。最近では国勢調査や、世論調査等に代表される、数値に基づくものがイメージされることが多いでしょうか。こうしたものは、一般的に「量的データ」と呼ばれます。近年、これらはDX化の推進等、さまざまな場面で重視されており、区政課題を明らかにするうえでかかせないものです。金澤先生が「社会調査マスターへの道」で紹介されたのも、この「量的データ」扱う「量的調査」のやり方でした。 他方で、「データ」は数字に置き換えられるものだけを指すわけではありません。普段私たちが読んだり書いたりする文章などはもちろん、画像や映像、音声といったあらゆる雑多なものもその一つとして考えることができます。これらもまた私たちが人びとの行為や語りに含まれている意味の世界を理解していくカギとなる「データ」の一種であり、一般に「質的データ」と呼ばれます。 ところで、こうした「質的データ」も、「量的データ」と同様、普段の公務の改善や、区政課題に関する政策立案に生かすことはできないでしょうか。また、インタビューに代表されますが、「質的データ」の収集手法としての「質的調査」もまた、視察や聞き取りといった職務に生かせる部分が多分はないでしょうか。さらには、すでに世田谷区で蓄積されてきた「量的調査」の結果と質的な手法を融合させることで、普段の業務遂行に新たな視点が生まれないでしょうか。そんなことを考えだしたらなんだかワクワクしてきました。 そこで、今年度からは金澤先生が「量的調査」を中心に連載されてきた、「社会調査マスターへの道」を勝手に引き継ぎ、「社会調査マスターへの道質的調査編」の連載を開始したいと思い立ちました。この連載を通し、@「『質的データ』を中心に、これらをいかに集め、まとめ、分析し、普段の務に生かしていくか?」、A「自治体職員としてインタビューを中心とした『質的調査』はどのように 実施していけるか」の2点を考えてみたいと企んでいます。ぜひこれからお付き合いいただけますと幸いです。 また、同時並行で実施されるせた研ゼミ「自治体職員の調べ方入門?「探す・読み取る・聞き取る・分析する技術」」でも、同様のテーマを参加者のみなさんと考えていく予定です。ここで共有された参加者のみなさんの知恵を生かしつつ、既存の社会調査法の蓄積を再構成することで、自体職員だからこそ実践できる質的調査の在り方を構築していきたいと思います。ご関心のある方 はぜひ、せた研ゼミにもご参加いただき、データ活用の未だ見ぬ可能性を一緒に開拓していきましょう。 --------------------------------------------------------------------------------------- 【参考文献】 ・佐藤郁哉,2017,『質的データ分析法』新曜社 『都市社会研究2025』第17号を刊行しました せたがや自治政策研究所では、2008年度より学術機関誌『都市社会研究』を刊行しております。この度、「都市社会研究2025」第17号を刊行しました。 本号では、「シビックプライドとまちづくり」を特集テーマとし、有識者による論文を掲載しております。また公募論文として、投稿いただいた都市社会等の分野における論文を査読の上、掲載しております。 その他にも、地域活動を実施している団体及び個人からの活動報告を掲載しております。区ホームページおよび庁内公開サイトで公開していますので、ぜひご覧ください。 刊行にあたって松井望(学術機関誌「都市社会研究」編集委員長/東京都立大学都市環境学部都市政策科学科教授) <特集論文【シビックプライドとまちづくり】> ・シビックプライドの解釈 伊藤香織(東京理科大学総域理工学部教授) ・ウォーカブルな公共空間活用による新しい縁繋ぎの取組み 中島伸(東京都市大学都市生活学部准教授) ・地域の企業とまちづくり 許伸江(跡見学園女子大学教授) ・ソーシャル・イノベーションとしての都市緑地のコモンズ化 三浦倫平(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究員准教授) ・みどりの風景が繋ぐ地域とのかかわり 高木加津子(一般財団法人世田谷トラストまちづくり理事長) ・地域への想いを育てる場と仕組み 小柴直樹(一般財団法人世田谷トラストまちづくり常任理事) <論文> ・広域連携のこれから阿部泰則 ・コミュニティガーデンにおいて組織に縛られず菊地隆聖 参加者の自由な活動が確保される条件堂免隆浩 ・レジ袋有料化の過程と自治体鈴木洋昌 ・ミニパブリックス熟議の社会的受容性辰巳智行 中澤高師 <活動報告> ・世田谷ボランティアビンゴツアーズで巡る地域活動鈴木景子 ・世田谷パン祭り実行委員会の活動報告金子愛美川越心情 高橋怜那木原菜桜 桑野愛子 投稿規定・執筆要領、奥付 『せたがや自治政策』Vol.17を刊行しました せたがや自治政策研究所では区民の方々や庁内外への情報発信を目的として、研究成果や活動内容の成果をとりまとめた研究・活動報告「せたがや自治政策」を年1回発行してます。 本号は、2024年に実施しました「地域生活とコミュニティに関する調査」の報告や各所管で実施する「調査・研究」のデータベースの有効活用について等、実務でも活かすことの出来る有用な報告を掲載しております。 区のホームページおよび庁内公開サイトで公開しています。是非ご覧ください。 T 研究報告・活動レポート ・せたがや自治政策研究所研究プロジェクト 「地域生活とコミュニティに関する調査2024」の報告と今後の展望 ーー「地域生活とコミュニティに関する調査2024」中間報告書ーー鈴木颯太戸畑粧子 速報値、単純集計結果(研究活動報告会資料)、調査依頼状・送付用封筒 「居住と地域社会に対する意識に関するWeb調査」の分析結果 ――移動理由と価値観から住民の特徴を捉える―― 西田祐志郎 各所管で実施する「調査・研究」データベースの作成 ――「調査・研究」成果の有効活用に向けて―― 小薗井良太 データ活用を推進するためのダッシュボードPower BI版の作成小薗井 良太 世田谷区の住みやすさ・住みにくさの背景を探る ――公開ローデータを用いた分析として―― 平原幸輝 ・資料 U 活動記録 せたがや自治政策研究所有識者懇談会 調査研究プロジェクトの実施記録 庁内外との連携 情報収集・発信 せた研ゼミの記録 V 資料 有識者による懇談会指摘事項および対応方針、運営方針、2か年計画、規則・要綱、その 他資料