世田谷区都市整備方針(世田谷区の都市計画に関する基本的な方針) 第一部「都市整備の基本方針」 平成26年(2014年)4月 世田谷区 このテキストデータは、約59,000文字、標準的な速度での読み上げ時間は、約234分です。 詳細につきましては、都市計画課までお問い合わせください。電話5432−2455 世田谷区都市整備方針 第一部「都市整備の基本方針」(2014年4月) 区長あいさつ 世田谷区では、区民の街づくりに参加する権利と責任を明記した「街づくり条例」を昭和57年に制定し、 また、この条例に基づいて、将来の都市像や街づくりの基本的方向を示した都市整備方針を昭和60年に策定し、 区民主体の街づくりを進めてきました。 平成7年には、街づくり条例の全面改正や地域行政制度の展開を踏まえ、地域整備方針を主体とした新しい都市整備方針を策定し、 地域の特色を活かした街づくりを推進してきたところです。 近年、東日本大震災をはじめとする大規模自然災害の発生、少子高齢化の進展・単身世帯の増加など社会状況は大きく変化し、 個人の意識や価値観も成熟化・多様化しています。 昨年9月、このような社会状況の変化や、将来人口予測などに基づく今後の時代の趨勢を踏まえ、 人口88万人を数える世田谷区というまちが今後目指すべき姿と、そこへ向かう大きな道筋が世田谷区基本構想として策定されました。 このたび、新たに策定された基本構想を踏まえ、策定から19年が経過した都市整備方針のうち、 第一部にあたる都市整備の基本方針を改定し、本区がめざすべき将来都市像などを明らかにしました。 本方針の策定にあたり、パブリックコメントなどを通じて多くの方から貴重なご意見をいただきました。 区民と事業者と区の協働による区民主体の街づくりをより一層進めてまいります。 ご意見をいただいた皆様に、心より感謝を申しあげます。 平成26年3月      世田谷区長 保坂展人 もくじ 序章 はじめに T.位置づけ・体系 U.今回の改定の考え方 V.都市整備方針の目的と役割 W.計画期間と次回の改定について 第1章 世田谷区の現状と街づくりの課題 T.世田谷区の概況 U.世田谷区をとりまく状況 V.世田谷区の特性 W.街づくりの主な課題と対応 第2章 目標とする都市の姿 T.都市づくりビジョン U.都市づくりの骨格プラン V.土地利用構想 W.都市施設配置構想 第3章 将来目標を実現するためのテーマ別方針 T.安全で災害に強いまちをつくる U.みどり豊かで住みやすいまちをつくる V.活動・交流の拠点をもつまちをつくる W.地域資源の魅力を高めるまちをつくる X.誰もが快適に移動できるまちをつくる 第4章 街づくりを実現するための方策 T.区民主体の街づくり U.総合的な街づくり行政の推進 世田谷区都市整備方針「都市整備の基本方針」の体系 資料編 T.検討経緯 U.用語解説 文中で(用語解説あり)を付けた用語については、「資料編 用語解説」に説明文を記載しています。 序章 はじめに T.位置づけ・体系 1.都市整備方針の位置づけ ○都市整備方針は、世田谷区街づくり条例(用語解説あり)を根拠とし、都市計画法(用語解説あり)第18条の2に定められた 「市町村の都市計画に関する基本的な方針(用語解説あり)」として定めるもので、本区の長期的な視点に立った都市づくり・街づくりの総合的な基本方針です。 ○本方針は、世田谷区議会の議決を経て定められた世田谷区基本構想(用語解説あり)および東京都が定める広域的な都市計画である 「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(用語解説あり)」に即すとともに、他の上位計画と整合するものです。 ○本方針に基づき都市計画や地区街づくり計画(用語解説あり)を定め、また、街づくりに関する様々な施策・事業を進めます。 2.体系 ○都市整備方針は、本区の都市整備領域の分野別整備方針・計画(今後策定予定のものも含む)を総括するとともに、これらの分野別整備方針・計画ならびに、 環境、産業、福祉など都市整備領域以外の方針・計画を都市整備の観点から調整する役割を担います。 U.今回の改定の考え方 1.これまでの経緯 ○昭和60年に策定された都市整備方針は、社会経済状況の変化や新たな街づくりの課題などに対応するため、拡充や見直しなどを行ってきました。 都市整備方針の策定等の経緯 昭和60年5月(1985) ◯21世紀の世田谷区を展望した長期的な街づくりに関する将来方向を示すものとして都市整備方針を策定しました。 平成7年4月(1995) ◯平成3年4月より地域行政制度(用語解説あり)を展開したことを受け、昭和60年に策定した都市整備方針を見直して、地域整備方針を主体とした「新都市整備方針」を策定し、 地域行政制度による街づくりの一層の発展を期すこととしました。 平成11年3月(1999) ◯平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災を教訓とし、策定当初より懸案であった防災面での方針の拡充を行いました。 平成13年3月(2001) ◯都市計画法(用語解説あり)第18条の2の「市町村の都市計画に関する基本的な方針(用語解説あり)」が平成4年の都市計画法の改正により導入され、 また、地方分権推進による区の都市計画権限の拡大に対応する必要が生じました。 ◯これらを踏まえ、「世田谷区街づくり条例(用語解説あり)」を根拠とすることに加え、都市計画法に基づく「市町村の都市計画に関する基本的な方針」としても位置づけました。 平成17年4月(2005) ◯都市整備方針のうち「地域整備方針」について、10年が経過した時点で施策の進捗状況の評価を行い、後半10年間を見すえて見直しを行いました。 2.今回の改定の考え方 ○世田谷区基本構想(用語解説あり)を基に、これまでの20年間の本区をとりまく状況を踏まえ全面的な改定を行いました。 改定作業の中で、平成7年策定の都市整備方針の検証や区民アンケート調査などを実施し、課題を整理し反映させました。 V.都市整備方針の目的と役割 ○都市整備方針は、長期的な視点にたって、本区のめざすべき将来都市像を定めた上で、その実現に向けた街づくりの考え方を明らかにするものです。 そして、これらを区民・事業者・区が共有し、協働して実現するための方向性を示す役割や、具体の街づくりの判断材料となる街づくりのガイドラインとしての役割を果たします。 W.計画期間と次回の改定について ○都市整備方針の計画期間は、基本構想に即し平成26年度から概ね20年とします。 1.第一部「都市整備の基本方針」 ○計画期間は平成26年度から概ね20年とします。 ○「都市整備の基本方針」は、本区が持ち続ける都市づくり・街づくりの総合的な方針を示す ものです。区全体に共通する基本的な施策の変更があった場合などは、必要に応じて改定 を行います。 2.第二部「地域整備方針」 ○計画期間は平成27年度から概ね20年とします。 ○「地域整備方針」は、社会情勢の変化や改定から概ね10年を経過した時点の進捗状況を踏まえて評価を行い、必要に応じてその後10年を見据えて見直しを行います。 第1章世田谷区の現状と街づくりの課題 T.世田谷区の概況 1.位置 ○本区は、東京23区中の西南部に位置し、都心(東京駅)まで約9〜18km、副都心(新宿・渋谷)まで約1〜10kmの距離にあります。 ○東は目黒区・渋谷区、北は杉並区・三鷹市、西は狛江市・調布市、南は大田区とそれぞれ接し、さらに多摩川をはさんで神奈川県川崎市と向かい合っています。 世田谷区の位置 2.面積 ○本区の区域の形は、東西約9km・南北約8kmのほぼ平行四辺形をしており、面積は約58.08kuです。東京23区の総面積の約1割を占め大田区に次ぐ広さです。 3.人口・世帯 〇本区の人口・世帯は平成25 年1月現在で、約86 万人・約45 万世帯で、平均世帯人員は1.92人/世帯です(外国人居住者を含む)。 人口は平成8年に増加に転じ、その後は一貫して増加しています。 ○一人または二人など、世帯人員の少ない小規模世帯の推移をみると、一般世帯に占める割合は増加を続け、平成22年は約73%となっています。 4.土地利用現況 ○本区の土地利用は、住宅都市としての特性を反映して、多くを専用住宅(用語解説あり)と集合住宅が占めており、両者で約49%を占めます。 ○土地利用を用途地域(用語解説あり)別にみると、住居系用途地域(用語解説あり)が全体の約91%を占め、このうち第一・二種低層住居専用地域で約52%を占めます。 5.地勢 ○本区の地形は、台地(標高30〜50m)と低地(標高10〜25m)からなっています。成城・大蔵・瀬田・野毛に至るまでの急な崖の連なり(国分寺崖線(用語解説あり))があり、 これより北東側は台地(洪積層)、南西側は低地(沖積層)となっています。 ○武蔵野台地の一部である台地部は、多くの河川によって樹枝状に浸食され、丘や谷の起伏ができています。 6.みどりとみず ○本区には、世田谷区のみどりの生命線とも言われる国分寺崖線(用語解説あり)を骨格として、樹林地や農地、屋敷林など多様なみどりがあります。 また、多摩川や中小河川、それに注ぎ込む湧水があり、様々な生物を育んでいます。 7.道路・交通 ○環状7号線や環状8号線、甲州街道、世田谷通り、玉川通り、目黒通りなどの幹線道路(用語解説あり)等のほかに、中央自動車道や東名高速道路、 首都高速道路などが整備されています。 ○区内には、京王線、小田急線、井の頭線、世田谷線、田園都市線、大井町線、目黒線、東横線の各鉄道があり、三軒茶屋駅や下北沢駅、二子玉川駅などの駅があります。 8.市街地形成の沿革 ○本区が住宅地の様相を呈するようになるのは大正〜昭和初期であり、鉄道の開通と大正12 年に発生した関東大震災とその復興と関係があります。震災で被害を受けた東京下町の 人々が、交通の便のよい近郊へ移住し、本区も急激に人口が増え、鉄道沿線は住宅地に変わ っていきました。 ○大正後期から区画整理等による面的な都市基盤整備が進み、東京オリンピック開催を機に幹線道路(用語解説あり)等の整備が一挙に進みました。 ○昭和50年代以降、全国的に地区レベルの街づくりの重要性が高まり、本区はこれまで市街化区域(用語解説あり)面積の約25%にあたる約1,440haについて 地区計画(用語解説あり)を策定しました。 世田谷区の市街地形成の沿革 明治40(1907)年 玉川電車(現田園都市線)が渋谷〜二子玉川間で開通 大正4(1915)年 京王電車(現京王線)が新宿〜調布間で開通 大正14(1925)年 玉川全円耕地整理事業(用語解説あり)組合が設立認可され、昭和29年の事業完了まで、現在の区内で約1,050haを対象に事業が推進 大正後期〜昭和初期 区画整理が約1,000haで実施 昭和7(1932)年 世田谷町、駒沢町、玉川村、松沢村が合併して世田谷区が誕生 昭和8(1933)年 井の頭線が開通。これまでに世田谷線、小田急線、目蒲線(現目黒線)、東横線、大井町線が開通し、ほぼ今日の区内の鉄道網がこの年に形成 昭和11(1936)年 千歳村、砧村が世田谷区に編入。現在の世田谷区の区域となる 昭和23(1948)年 緑地と農地保全を目的とした緑地地域(用語解説あり)が決定される 昭和39(1964)年 東京オリンピック開催。区内では駒沢公園、馬事公苑が会場となり、その関連事業として玉川通りや環状7号線、世田谷通りがアクセス道路として整備 昭和44(1969)年 緑地地域が廃止され、かわって土地区画整理事業を施行すべき区域(用語解説あり)が決定される 昭和56(1981)年 地区計画制度が施行。区内では昭和62年から現在に至るまでに、約1,440haで決定される 昭和57(1982)年 全国に先駆けて、区民の街づくりに参加する権利と責任を明記した「世田谷区街づくり条例(用語解説あり)」を制定 平成8(1996)年 平成5年の都市計画法(用語解説あり)および建築基準法の改正を踏まえ、工業地域と工業専用地域を除く10種類に細分化された用途地域(用語解説あり)を決定 平成16(2004)年 第一・二種低層住居専用地域を除く住居系用途地域(用語解説あり)に、最高高さを決定。第一・二種低層住居専用地域に、敷地面積の最低限度(用語解説あり)を決定 U.世田谷区をとりまく状況 1.少子高齢化・人口減少時代への突入 ○日本全体としては少子高齢化と世帯の小規模化が進む社会となり、平成17年に日本の人口が初めて自然減に転じ(厚生労働省の人口動態統計による)、人口減少時代に突入しました。 ○東京23 区の人口のピークは平成27 年で、その後減少すると予測されています。(国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計結果による) 2.安全・安心への関心の高まり ○平成23年3月の東日本大震災をはじめとする近年の大規模自然災害の発生を受けて、東京都は、平成24 年4月に「首都直下地震等による東京の被害想定(用語解説あり)」を公表しました。 また福島第一原子力発電所の事故を受けて、エネルギーの安定供給が問題となりました。 ○加えて局所的な豪雨による都市型水害(用語解説あり)の頻発や犯罪に対する不安など、日常生活における安全・安心への関心が高まっています。 ○安全・安心への関心は本区においても高く、毎年実施されている区民意識調査では、本区が積極的に取り組むべき事業として災害対策や防犯が上位を占めています。 3.地球環境問題への関心の高まり ○地球温暖化・海面上昇・凍土融解、生物多様性(用語解説あり)の減退・生態系の破壊、オゾン層破壊、酸性雨など環境面での問題が地球規模で発生しています。東京の年平均気温は、過去100 年の間で約3度上昇しました。 ○国や東京都における温室効果ガス(用語解説あり)排出規制策の強化や、生物多様性に関する国の新たな戦略の推進など、地球環境問題への関心が高まっています。 4.都市の成熟化・意識の多様化 ○全国的には都市化の進行は落ち着きを示しており、地方都市においては集約型都市への再編の動きが見られます。一方、都心周辺区などでは農地の宅地化が依然として続いています。 ○個人の意識や価値観は成熟化・多様化し、自然との調和や生活の質や潤い、安全・安心を求める地域の中での人とのかかわりあいや心の豊かさへの関心が高まっています。 5.地域・住民が主体となる街づくり ○街づくりの進め方については、規制緩和や地方分権の進展などにより、全国一律の基準から地域の実情にあわせた規制の強化または緩和を行うことができるようになり、 街づくりが区民に近い存在となりました。 ○平成25 年に、我が国経済を再生させ、成長を持続的なものとするためには、全員参加のもと自助・共助・公助のバランスのとれた政策を検討していく必要があるとして、 共助社会づくりの重要性が国から示されました。そして、人々が主体的に支え合う活動を進め、活力ある社会にしていくことが必要であることも示されました。 6.都市財政の逼迫 ○戦後、高度成長を遂げた日本は都市基盤の整備も進み、成熟型社会へと移行しています。今後はこれまでのような経済成長が見込めない中で、 福祉部門の支出や公共施設の維持・管理・更新のための支出が増えると想定されています。 V.世田谷区の特性 1.環境に恵まれた住宅地 〇本区は、都心および副都心に近く、交通の便利な都市でありながら、みどりとみずの豊かな住宅地が広がっています。 主に専用住宅(用語解説あり)からなる静かで落ち着いた住宅地、専用住宅と集合住宅からなる住宅地、まとまった集合住宅からなる住宅団地など、 大都市東京における「住宅都市」として様々な顔を持ちます。 2.個性ある拠点 〇三軒茶屋、下北沢、二子玉川では独自の文化やファッションなどを発信する魅力と活気あふれるまちが形成されているとともに、複合商業施設などがにぎわいの風景をつくり出し、 広域からの集客も多い拠点となっています。 ○伝統のある良好な住環境と景観をもつ成城学園前、歴史ある商店街が駅を中心に広がる千歳烏山、周辺に教育施設の多い経堂、 世田谷ビジネススクエアを代表とするオフィスのまち用賀、お洒落な雰囲気のある自由が丘周辺なども、個性ある拠点として発展してきました。 ○幹線道路(用語解説あり)等の沿道は、自動車対応型の事務所・店舗・サービス施設等が立地し、都心部あるいは郊外地域とは違い、 みどりなどの自然環境が残る中で活力ある産業活動がみられます。 3.多様な地域資源 ○国分寺崖線(用語解説あり)をはじめ環状8号線以西を中心に残された緑地や農地は、本区が誇る貴重な自然資源を構成しています。 また、環状8号線以東においては、世田谷の地形の特徴である多くの河川や水路等は大部分が暗渠化されたとはいえ、 市街地の中の貴重な水辺・緑地・オープンスペースとして活用されています。 ○空き家・空き室・空き部屋(以下「空き家等」という)、都市計画道路や連続立体交差事業(用語解説あり)などの都市基盤整備に伴い生み出される敷地などは“資源”ととらえ、 有効に利用することもできます。 ○景観重要公共施設(用語解説あり)や樹林地、文化財、古道など貴重な資源が地域に散在しています。 4.土地・建物利用の変化 土地・建物利用、公園率・みどり率(用語解説あり)、道路率について原則平成3年から平成23年までの変化を示します。 (出典:1〜3は世田谷区土地利用現況調査(用語解説あり)、4は世田谷区道路整備白書(用語解説あり)等) (1)土地利用面積の変化 ○公共系・住居系・商業系・工業系・農業系をあわせた、建築物の敷地として利用されている宅地が約4%増加しました。 ○土地利用ごとの主な変化は、住居系が約8%、交通系(道路、鉄道等)が約6%増加し、農地系が約57%、工業系が約49%減少しました。 (2)建物利用の変化 ○建築物棟数は、10%増加しました。このうち最も多くを占める専用住宅(用語解説あり)は13%増加しました。 ○建築物の利用建ぺい率(用語解説あり)の平均は34%から46%に増加し、利用容積率(用語解説あり)の平均は80%から127%に増加していることから、建て詰まり傾向が進行しています。 ○専用住宅の平均敷地面積は201uから158uに減少し、また、100u未満の敷地数は約21,800 敷地から約37,600 敷地に増加し、宅地の細分化傾向が進行しています。 また、集合住宅の棟数は約28,700 棟から約33,400 棟に増加し、中高層化率(用語解説あり)は3.6%から5.2%に増加しており、比較的規模の大きな集合住宅が増加する傾向にあります。 ○建築物の耐火率(用語解説あり)の平均は46%から60%に増加し、減災・防災に向けて不燃化が向上しています。 (3)公園率・みどり率の変化 ○公園率は、平成18 年の4.20%から平成23 年の4.36%と増加しましたが、都市計画公園・緑地の整備率は53%、区民一人あたりの公園面積は2.79u(目標6u)と、 区内の公園整備は十分ではありません。 ○みどり率は、平成18年は25.6%、平成23年は24.6%であり、直近5年では減少しています。 みどり率や緑被率の変化 (4)道路率の変化 ○道路率は13.2%から14.1%に増加しました。東京23 区中19 位と低い状況にあり、特に区の西側での低さが顕著です。(出典:特別区土木関係現況調書) ○都市計画道路の整備率は約5 割であり、東京23 区中19 位と低く、特に区北西部で南北方向の地区幹線道路(用語解説あり)の整備が遅れています。 なお都市計画道路の計画延長は約144kmであり、このうち整備済みは約68kmです。(出典:国土交通省都市計画年報、世田谷区道路整備白書(用語解説あり)) W.街づくりの主な課題と対応 本区の街づくりのための将来都市像や基本的施策を定めるため、本章の前段で示した「世田谷区の概況」と「世田谷区をとりまく状況」と「世田谷区の特性」を踏まえ、 「街づくりの主な課題と対応」を示します。 上位計画や本区をとりまく状況、区民の意見などを総合的に踏まえ、「新たな都市整備方針に求められる視点」として整理し、「街づくりの主な課題と対応」を示します。 1.人口構造の変化への対応 世田谷区将来人口の推計《速報版》によると、本区の総人口は今後概ね10年間は増加し、その後も増加傾向が続く見込みとなっています。 世代別では、年少人口の推計期間中は増加傾向にあり少子化は進みませんが、その後減少に転じる見込みです。生産年齢人口は概ね現状規模で推移します。 また、高齢者人口は一貫して増加が進みます。地域別では、北沢地域が減少しそのほかの地域は増加します。 【高齢者人口や年少人口増加、小規模世帯増加への対応】 ○高齢者人口や年少人口の増加、小規模世帯の増加など人口構造の変化に対応した土地利用の誘導や住環境の整備が必要です。 ○高齢者人口の増加に伴い、街づくりの観点からの健康維持への対策も必要です。 2.災害への備えと安全・安心な暮らしの確保 本区はこれまで、一時集合所※や避難所、広域避難場所(用語解説あり)の整備等を進めてきました。東京都の防災都市づくり推進計画(用語解説あり)において 重点整備地域(用語解説あり)に位置づけられている世田谷区役所周辺・三宿・太子堂地区(約228ha)の不燃領域率(用語解説あり)は、 平成8年度の46%から平成18年度は55%に上昇しました。さらに新たな防火規制区域(用語解説あり)を10地区指定しました。 平成20年度より都市復興プログラム(用語解説あり)に基づき実践訓練を開催しています。 頻発する局所的集中豪雨による都市型水害(用語解説あり)の軽減を図るため、河川改修や下水道整備のほか、区管理施設において雨水の浸透・貯留施設(用語解説あり) の整備を進めるとともに、その他の公共機関や民間施設にも協力を求めました。 【防災・減災街づくりの一層の推進と復興街づくりの取り組み】 ○全国的に安全・安心への関心が高まる中、区民アンケート調査結果では災害や火災に関する項目が上位に挙がっています。 延焼遮断帯(用語解説あり)にあたる都市計画道路の整備率は低い状況にあります(主要延焼遮断帯(用語解説あり)で49.8%、一般延焼遮断帯(用語解説あり)で28.1%)。 また、世田谷区役所周辺・三宿・太子堂地区においては、防火規制の導入などにより地区全体の不燃領域率は向上しましたが、一部の区域では依然として細街路が残り、 接道不良等により建替えが困難な状況にあります。以上のようなことから、防災生活圏(用語解説あり)の形成や新たな防火規制区域の指定、避難場所へのアクセス確保など 防災・減災街づくりの一層の推進が必要です。また、首都直下型の地震の切迫性が指摘されていることから、震災後すみやかに復旧・復興できるよう仮設市街地(用語解説あり) 整備に関する方針をつくるなど事前の取り組みが必要です。 ○区民アンケート調査結果によると、今後の重要度の高い項目として「水害への対策」や「防犯面での対策」が上位に挙がっています。 雨水浸透施設(用語解説あり)等の整備については、区内全域で時間5mm降雨相当量とした平成29年度の目標対策量に対して、約6割の達成状況となっています。 野川・仙川・谷沢川・丸子川において、時間50mm 相当の整備が完成しておらず、また、下水道は、合流式下水道※区域の整備はほぼ完成しているものの、 区面積の約4割を占める分流式下水道(用語解説あり)区域における雨水管の整備率は、約2割にとどまっています。 以上のようなことから、集中豪雨への対応や、防犯に配慮した道路や公園整備の工夫などが必要です。 【道路・公園等の都市基盤の整備と計画的な維持・更新】 ○全国的に都市財政が逼迫する中、道路・橋梁・公園等の都市基盤の整備とともに、計画的な維持・更新や、日常利用と災害時活用のできる二重化の視点をもつことなどが必要です。 3.良好な住環境の維持・向上 平成7年度以降、平成24年度までに地区街づくり計画(用語解説あり)を89地区(1,662.6ha)策定、地区計画(用語解説あり)を38地区(514.0ha)決定し、 地区特性にふさわしい土地利用の誘導を進めてきました。 平成16年に用途地域(用語解説あり)等の見直しを行い、あわせて第一種・第二種低層住居専用地域を対象に敷地面積の最低限度(用語解説あり)を追加し、 その他の住居系用途地域(用語解説あり)の一部と準工業地域(用語解説あり)を対象に高度地区(用語解説あり)として30mおよび45mの最高限度を追加しました。 「土地区画整理事業を施行すべき区域(用語解説あり)」内での土地区画整理事業(用語解説あり)は、平成7年度以降58.0ha(すべき区域の4.3%)について完成または事業中です。 また、公的団地の建て替えに際しては、平成7年度以降、芦花公園駅前、桜上水、成城、久我山、池尻を対象に一団地の住宅施設(用語解説あり)を廃止し、 地区の特性などに応じた地区計画を策定しました。 【質の高い住環境の維持・向上】 ○集合住宅の棟数はこの20年間で約16%増加しました。また、専用住宅(用語解説あり)の平均敷地面積は約21%減少し、100u未満の敷地数は約72%増加し、 宅地の細分化傾向が進行しています。このようなことから日照や風通し、眺望などの住環境において変化がみられるようになりました。 一方で全国的に成熟型社会への移行の中、自然との調和や生活の質や潤いが求められています。 このため、住宅地においては住環境の悪化を防止し質の高い住環境を維持・向上することが必要です。 【住み続けられる多様な住まいの確保と居住支援】 ○成熟型社会における住宅政策は、住宅を建築する場合の品質や、既存の優良な住宅の活用などが重視され、加えてユニバーサルデザイン(用語解説あり)の視点から子育て世帯や 高齢者、障害者、外国人などへのニーズに対応することが求められています。このため、住み続けられる多様な住まいの確保と居住支援が必要です。 【地区の特性や生活像を大切にした街づくりの推進】 ○より住みやすい住環境を確保するため、都市基盤の整備が十分でない区域では道路事業や土地区画整理事業(用語解説あり)、地区計画(用語解説あり)などによって 都市基盤の整備を進めるとともに、地区計画および地区街づくり計画(用語解説あり)の活用による地区の特性を大切にした街づくりを進めることが必要です。 また、日常の生活行動を踏まえた諸機能の配置が望ましく、生活像を大切にした街づくりも必要です。 4.みどりとみずの保全・創出と環境との共生 平成7年度以降、平成24年度までに、保存樹林地3地区・保存樹木234本が増加し、緑地協定(用語解説あり)9か所を締結しました。 また、区立の都市公園は182箇所、面積で26.7ha増加しました。 平成21年10月に世田谷区農地保全方針を策定し、農地保全重点地区(用語解説あり)として7地区を指定しました。 平成22年10月に、都市緑地法(用語解説あり)に基づく緑化地域制度(用語解説あり)を市街化区域(用語解説あり)全域に導入し、建築時に敷地の一定割合を緑化することを 義務づけました。また、世田谷区水辺の再生計画に基づき、水辺の再生事業を実施してきました。 【「世田谷みどり33(用語解説あり)」の推進、質の高いみどりの保全・創出】 ○本区のみどり率(用語解説あり)は、平成18年から平成23年にかけて1ポイント減少し、農地面積は平成3年から23年にかけて約143ha(57%)減少しました。 また、区民一人あたりの公園面積は約3uと区内の公園整備は十分ではありません。 このため、平成20年3月に策定したみどりとみずの基本計画における「世田谷みどり33」の達成に向けさらに取り組む必要があります。 公園・緑地、樹林地、農地、水辺などのネットワーク化を図り、多様な生物が生息できる空間の創出や、公共施設や民有地の接道部における生垣や壁面緑化などの推進を通じ、 目に触れるみどりや身近に感じられるみどりを増やすことなど、みどりの量とともに質の向上をめざすことが重要で、区民・事業者・区が連携しながら質の高い みどりの保全・創出を進めることが必要です。 ○これまでも生産緑地地区(用語解説あり)の指定などにより農地保全を図ってきましたが、相続によって生産緑地が宅地に転用されるなど農地の減少が依然として続いている 現状に鑑み、引き続き農地保全の取り組みを進めることが必要です。 【環境と共生した低炭素都市づくり(用語解説あり)への対応】 ○本区のCO2排出量は、京都議定書(用語解説あり)の基準年である平成2年と平成20年を比較すると、総量は18.8%増加しました。 特に増加した部門は民生家庭部門(用語解説あり)(36%増)と、民生業務部門(用語解説あり)(61%増)です。民生家庭部門の増加は、 世帯数の増加や1世帯あたりの人員数の減少が主な要因と考えられます。地球環境問題への関心が高まる中、本区は平成22年5月に環境基本計画(調整計画)を策定し 本区がめざすべき環境像を明らかにしました。そしてこの環境像を実現するための街づくりには、生物多様性(用語解説あり)の確保にも寄与するみどりとみずの保全・創出、 省エネルギーや再生可能エネルギー(用語解説あり)に配慮した住まいづくり、公共交通や徒歩・自転車の重視などがあり、環境と共生した低炭素都市づくりへの対応が必要です。 5.区民がいきいきと活動・交流する場づくり 駅周辺の活性化や利便性向上などのため、三軒茶屋駅や二子玉川駅、祖師ヶ谷大蔵駅周辺では市街地再開発事業(用語解説あり)を実施し、三軒茶屋駅や経堂駅、梅ヶ丘駅、 成城学園前駅周辺などでは駅前広場等の整備を進めてきました。 商店街などの商業地のにぎわいを誘導し安全性を確保するため、三軒茶屋駅や下北沢駅、二子玉川駅、経堂駅、明大前駅、自由が丘駅、尾山台駅、成城学園前駅、祖師ヶ谷大蔵駅、 千歳烏山駅周辺に、地区計画(用語解説あり)および地区街づくり計画(用語解説あり)を策定しました。 【拠点となる駅周辺でのにぎわいや活気の誘導、回遊性の向上】 ○区民アンケート調査結果によると、主要な駅周辺のめざすべきイメージは「にぎわい」、「美しい」、「おしゃれ」が多く挙がっています。 また、主要な駅周辺で現在不足している施設や活性化するために重要な施設として「商業・業務施設」、「文化施設」、「医療・福祉サービス施設」などが多く挙がっています。 本区の従業者数は平成12年から22年にかけて、卸・小売業は44%、不動産・サービス業は13%それぞれ減少しました。 このため、拠点となる主要な駅周辺は安全性を確保しつつ様々な機能を充実させ、にぎわいや活気を誘導することが必要です。 ○京王線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、拠点となる主要な駅周辺の整備として、交通結節機能の向上や防災機能の強化、安全で快適な歩行空間による 回遊性の向上により、さらなるにぎわいの形成、良好な市街地の形成へとつなげていく効果的な整備が必要です。 ○区民アンケート調査結果によると、最寄りの駅周辺を身近な交流の場として活性化すべきという意向が多くあり、また今後本区は高齢者人口が増加し世帯は小規模化すると 予想されます。このため、商店街や空き家等を有効活用するなど区民の身近なところに活動・交流できる場をつくることが必要です。 6.世田谷らしい風景・都市の魅力づくり 国分寺崖線(用語解説あり)保全のため、国分寺崖線保全整備地区(用語解説あり)の指定を行い、建築物の構造に係る制限など総合的な取り組みを進めてきました。 平成11年3月に世田谷区風景づくり条例(用語解説あり)を制定し、地域風景資産(用語解説あり)選定(86箇所)や界わい宣言(用語解説あり)(4件)などを進めてきました。 また、平成19年12月に本区は景観法(用語解説あり)に規定する景観行政団体(用語解説あり)となり、景観重要公共施設(用語解説あり)の指定(3施設)や一定規模以上の 建設行為の届出制度などを進めてきました。 【都市の景観形成・魅力づくりへの取り組み】 ○国分寺崖線およびその周辺には樹林や湧水などが多く残り、生物にとって重要な生息空間となっています。多摩川も含め本区が誇る自然資源として魅力を高めることが必要です。 ○農地、屋敷林・社寺林、緑道、歴史的建造物および古道などは、自然や歴史に培われた特性を踏まえた保全や風景づくりなどの有効活用が必要です。 ○日常生活に身近な自然資源としてのみどりとみずを守り育て、風景づくりや魅力づくりを進めるためには、地域コミュニティ単位だけではなく個々の宅地や世帯でできる取り組みが 必要です。 7.誰もが移動しやすい道路・交通ネットワークの充実 道路整備にあわせた自転車歩行者道(用語解説あり)や自転車専用通行帯(自転車レーン)(用語解説あり)などの設置、7箇所のレンタサイクルポート、 8路線のコミュニティバス(用語解説あり)路線などの整備を進めてきました。また、自転車等駐車場の整備などを進めたことにより、放置自転車が激減しました。 平成7年度以降、地区幹線道路(用語解説あり)を約3.5km(世田谷区施行分)整備しました。また、「地先道路(用語解説あり)整備方針」を策定し地域の特性や地域レベルでの 課題に応じた事業を進めてきました。区役所周辺地区や三軒茶屋駅周辺地区などで、面的なバリアフリー整備を進めてきました。 また、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例(用語解説あり)により、特に生活環境の整備を推進する必要がある道路などをはじめとした公共的施設を整備する場合の届出を義務づけました。 【誰もが移動しやすい交通環境の整備、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)の推進】 ○地球環境問題への関心が高まりつつあり、今後も本区は高齢者が増加することが予測されています。一方、区民アンケート調査結果によると、道路・交通に関する関心が高く、 本区の将来都市のイメージ像として「自動車や、鉄道・バス、自転車、徒歩などの移動手段に応じた道路・交通ネットワークの充実したまち」が上位に挙がっており、 課題としては「自転車利用環境の向上」や「狭あい道路(用語解説あり)の拡幅整備や行き止まりの解消」が上位に挙がっています。 このような状況の中、本区の都市計画道路整備率は約5割で、特に区北西部で南北方向の地区幹線道路整備が遅れています。また、延焼遮断帯(用語解説あり)形成の遅れ、 住宅地内への通り抜け車両の流入、公共交通が不便な地域の存在など、道路整備水準が低いことにより防災、住環境、高齢社会への対応など様々な面で課題があります。 放置自転車に関しては、自転車等駐車場の整備や放置禁止区域の指定などに伴い、大幅に減少していますが、歩行者と自転車双方の安全を確保するための自転車走行環境の整備は 十分ではありません。 以上のようなことから、公共交通や徒歩・自転車利用を重視した誰もが移動しやすい交通環境の整備と、駅やバス停、道路などのユニバーサルデザイン(用語解説あり)による 整備の推進が必要です。また、南北方向の交通を確保する道路や、各拠点や施設をつなぐ道路、防災上重要な道路などの整備が必要です。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、駅周辺では駅前広場や都市計画道路等の整備を一体的に進めることが必要です。 8.様々な領域と連携した総合的な街づくりの推進 世田谷区環境基本計画(調整計画)および世田谷区地球温暖化対策地域推進計画により、みどりとみずの環境共生都市をめざし、住まいの省エネルギー化や環境に優しい都市交通の 実現などを進めてきました。また、公営の住宅団地の建て替えの際に、福祉施設や保育所などの設置を誘導してきました。 【保健福祉や教育など様々な領域と連携した施策の推進】 ○都市整備方針は都市整備領域に関わる方針ですが、対象とする街づくりは広範であり領域を跨いで進められる場面が多くあります。 このため、保健福祉や教育など様々な領域と連携した施策の推進が必要です。 9.区民主体の街づくりの充実 本区では区民の参加と協力のもとに街づくりを進めていくための独自のルールとして、昭和57 年7月に世田谷区街づくり条例(用語解説あり)を策定しました。 その後、平成3年の地域行政制度(用語解説あり)の発足、平成6年の基本構想の改定などを受け、各地区の特性に応じた街づくりや世田谷まちづくりセンター (現在の世田谷トラストまちづくり)・世田谷まちづくりファンドの設置等へ対応するため、平成7年に条例を改正しました。 平成22年9月に世田谷区街づくり条例を改正し、区民主体の街づくりを進めるため、区民街づくり協定制度(用語解説あり)を創設するとともに、地区街づくり協議会(用語解説あり) への支援などを拡充しました。また、大規模な土地取引や建築を行う場合には一定の手続きが必要となり、取引後の適正な土地利用や建築計画を誘導することができるようになりました。 【区民主体の街づくりの充実】 ○人々が主体的に支え合う活動を進め、活力ある社会にしていくことが求められており、区民が街づくりに主体的に関わり、区民一人ひとりがまちをつくる気運を醸成していくなど、 区民主体の街づくりを支援し、更に充実させることが必要です。 第2章目標とする都市の姿 T.都市づくりビジョン 都市づくりビジョンは、第1章の街づくりの主な課題と対応を踏まえつつ、基本構想に基づき、基本計画の都市整備領域に関する内容等を踏まえて設定します。 都市づくりビジョンは、本区がめざすべき将来都市像および4つのまちの姿の具体像を明らかにします。 1.将来都市像 安全で快適な暮らしをともにつくる都市 世田谷 大都市東京がめざす広域的な都市の将来像の実現を担う本区の役割を踏まえつつ、本区の特性を踏まえた都市づくり、街づくりを進めます。 今後20 年を見据えると、首都直下型大地震の発生が危惧されることから、まず第一に区民が安全・安心に暮らせるまちをめざします。 また、近年、建て詰まり傾向の進行、みどりの減少などの変化が見られ、世田谷区が誇るみどりとやすらぎのある住宅地の環境の悪化が懸念されることから、 みどりとみずに恵まれた良好な住環境で暮らし続けられるまちをめざします。 そして、安全で快適な環境のなかで、すべての人がいきいきと活動でき、人と人のつながりを大切にする暮らしを支える都市を区民、事業者、区がともにつくります。 2.4つのまちの姿 @安全で、災害に強く復元力のあるまち 災害に強く、災害が発生した時は、すみやかに復旧・復興できるまちとするため、地域社会において日常からの備えを重視するとともに、建築物の耐震化を進め、 自主防災力を向上させます。延焼遮断帯(用語解説あり)や緊急輸送道路(用語解説あり)等の都市基盤整備と建築物の不燃化を進めるとともに、豪雨対策や日常の安全対策を進めます。 また、老朽化しつつある都市基盤を適切に維持・更新し、次世代に引き継ぐ安全・安心なまちをつくります。 Aみどりとやすらぎがあり、住みたくなるまち みどりとやすらぎがあり、良好な住宅都市とするため、適切な土地利用の誘導と、暮らしを支える都市基盤の充実や安全面の確保とともに、区民主体の街づくりを進めます。 また、国分寺崖線(用語解説あり)や屋敷林、農地など、世田谷らしいみどりとみずを保全するとともに、人々の多様な暮らしに対応しつつ環境負荷を抑えた住宅の誘導などを進め、 誰にとっても住みやすく住みたくなるまちをつくります。 B活動と交流の場をもち、魅力を高めるまち いきいきと活動ができ、人と人のつながりを大切にする場をもつまちとするため、にぎわいの拠点やみどりの拠点を整備し、区の産業活動を支える土地利用の誘導を進めます。 また、世田谷らしい風景を保全・創出しつつ、地域特性に応じた街づくりを進めるとともに地域資源の有効活用を図るなど、区民が主体となって魅力を高めるまちをつくります。 C誰もが快適に移動できるまち 誰もが安全で快適に移動できるまちとするため、安全で歩きやすい道路環境の整備や自転車利用環境の整備、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)を踏まえた公共施設等の整備を進めます。 また、駅周辺や公園・緑地等と商業・文化・芸術・スポーツ施設等をつなぎ、都市の軸となる道路網の整備を進め、公共交通環境が充実したまちをつくります。 U.都市づくりの骨格プラン 〜広域的な都市構造を形成する役割〜 東京都の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(用語解説あり)において、本区は、都市環境再生ゾーン(用語解説あり)の中に位置しています。 また、大都市東京からみて、本区には広域的な都市構造を形成する以下の役割があります。 【広域的な交通に関わる交通施設を整備する役割】 ○本区は都市計画で定められた広域交通網が放射・環状方向に配置され、鉄道は京王線や小田急線、田園都市線があります。また道路は高速道路のほか、 幹線道路(用語解説あり)等として環状7号線、環状8号線、甲州街道、世田谷通り、玉川通り、目黒通りがあります。本区は広域的な交通ネットワークを形成する一員として、 今後整備が必要な区内の交通施設の整備を進める重要な役割も担います。 【骨格となる景観を形成する役割】 ○国分寺崖線(用語解説あり)は東京全体からみて景観構造の主要な骨格となるため、関係する区市町村と連携し、特色ある自然や地形を保全するという重要な役割を担います。 〜基本的な考え方〜 ○都市づくりの骨格プランは、都市づくりビジョンに基づいて、本区の都市としての骨格を示すものです。 ○骨格は、商業・文化・行政サービスや区民生活の中心としての「生活拠点」、災害対策や保健福祉など「新たな機能を持つ拠点等」、 都市としての活力を育み交流を促す軸としての「都市軸」、本区の特性の一つであるみどりとみずや本区の貴重な自然資源である国分寺崖線(用語解説あり)や多摩川沿いの空間などからなる 「みどりの拠点および水と緑の風景軸(用語解説あり)」で構成されます。 1.生活拠点 (1)広域生活・文化拠点 主として商業業務機能および文化情報発信機能が集積し、全区的な「核」であると同時に、本区を越えた広域的な交流の場を広域生活・文化拠点とし、 三軒茶屋、下北沢、二子玉川駅周辺地区の3地区を位置づけます。 ○三軒茶屋駅周辺地区は、再開発事業によって建築されたキャロットタワーが本区の文化や観光の発信地となっており、渋谷副都心に近接し、 道路・交通の集散する拠点であることを活かし、商業・サービス、業務、文化などの機能が充実した、親しみやすく庶民的雰囲気をもつ拠点とします。 ○下北沢駅周辺地区は、新宿・渋谷両副都心に近接し、歩行者主体のにぎわいのあるまちであることを活かし、小田急線の連続立体交差事業(用語解説あり) にあわせた街づくりにより、若者をはじめ多くの人が徒歩で回遊でき、個々の魅力的な商店街や劇場などの商業・文化などの機能が充実した、 個性的な文化をもつ活気にあふれた拠点とします。 ○二子玉川駅周辺地区は、多摩川の自然を身近に感じることのできる立地であることを活かし、再開発事業エリアや二子玉川公園を中心とした商業・業務、文化・交流・ レクリエーションなど多様な機能が充実した、みどりとみずに恵まれた魅力ある拠点とします。 (2)主要な地域生活拠点 広域生活・文化拠点に次いで商業・行政サービス等が多様に集積し、区民の交流の「核」となっているとともに、地域間をつなぐ主要な交通結節機能を有し、 バス交通や自転車利用などにより地域外に居住する区民も多く利用する拠点を「主要な地域生活拠点」とし、成城学園前と千歳烏山駅周辺地区を位置づけます。 ○成城学園前駅周辺地区は、駅西口の駅前広場や砧区民会館、まちの玄関口となる複合的な駅ビルなどが整備されたこと、成城学園・成城大学とともに落ち着いた雰囲気を持つ住宅地 があることなどを活かし、商業などの機能が充実した、お洒落でみどり薫る拠点とします。 ○千歳烏山駅周辺地区は、鉄道の南北両側にそれぞれ複数の商店街が密度高く広がっていることや、多目的な活動が可能な広場と一体となった烏山区民センターが駅前に立地している ことなどを活かし、商業・サービス、交流などの機能が充実した、区北西部において中心となるにぎわいの拠点とします。 (3)地域生活拠点 区民の日常生活に必要な商業・行政サービス等が集積し、地域の「核」となる区民の身近な交流の場を地域生活拠点とし、以下の駅等の周辺地区を位置づけます。 経堂 区役所 明大前 下高井戸 梅ヶ丘 用賀 等々力・尾山台 奥沢・自由が丘 祖師ヶ谷大蔵 なお、広域生活・文化拠点と主要な地域生活拠点は、地域生活拠点の機能をあわせもつものとします。 2.新たな機能を持つ拠点等 (1)災害対策拠点 ○地域の防災に関する機能を備える区役所および各総合支所周辺地区を災害対策拠点とし、庁舎等の災害対策機能の強化や防災および災害対策を踏まえた街づくりを進めます。 (2)保健福祉の街づくり重点ゾーン ○これまで「やさしいまちづくり」のモデル地区として福祉的環境整備を進めてきた梅ヶ丘駅周辺地区を、全区的な保健医療福祉の拠点となる梅ヶ丘病院跡地整備にあわせ、 保健福祉の街づくり重点ゾーンとし、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による街づくりを重点的に進めます。 3.都市軸 生活拠点を相互に連絡するなど本区の都市としての骨格をなす軸を都市軸とします。このうち交通を区内外にわたり広域的に連絡する軸を都市活力と交通の軸とし、主として地域間の 交通を担う軸を主要生活交通軸とします。 (1)都市活力と交通の軸 軸上に自動車対応の沿道型の施設などが立地し、交通を区内外にわたり広域的に連絡するとともに、都市としての活力を育み交流を促す軸を都市活力と交通の軸とし、以下に示す幹線 道路(用語解説あり)とその沿道を位置づけます。 各道路は景観面や防災面で本区の骨格を形成し、沿道は後背の市街地と調和した活力ある業務・商業・サービスなどの活動を支えます。 環状7号線 環状8号線 甲州街道(国道20号) 玉川通り(国道246号) 目黒通り ○環状7号線は、後背地へ道路交通騒音が伝わることを抑制するため沿道建築物の適切な誘導を図るとともに、沿道の土地の高度利用を誘導します。 ○環状8号線は、環状7号線と同様に道路交通騒音が伝わることを抑制するほか、沿道の緑化を進め全体として潤いのあるみどりの帯を形成します。 ○甲州街道は、後背地へ道路交通騒音が伝わることを抑制するための取り組みを進めるとともに、ゆとりある沿道土地利用を誘導します。 ○玉川通り沿道は、後背の住環境に配慮したゆとりある商業・業務地区として土地利用を誘導します。 ○目黒通り沿道は、市街地大火を抑制するため不燃化を進めるとともに、環状8号線との交差部以北では住宅と商業・業務が共存する地区とし、 以南では国分寺崖線(用語解説あり)の自然資源の保全・育成に配慮した住宅主体の地区として土地利用を誘導します。 (2)主要生活交通軸 ○主として区内の地域間の交通を担い、主要な公共公益施設を結ぶバス交通網を支える軸を主要生活交通軸とし、以下に示す道路および沿道を位置づけます。 ○沿道では、地域間交流のシンボル軸として景観向上や緑化などを進めます。また、世田谷通りなどの沿道においては、生活利便施設の立地を誘導します。 茶沢通り(補助210号線) 補助154号線 補助216、217号線および多摩堤通り(補助125号線) 世田谷通り(補助51号線) 4.みどりの拠点および水と緑の風景軸(用語解説あり) 自然環境の視点から本区の骨格的な要素となるもののうち、拠点性が高い要素をみどりの拠点とし、軸またはゾーンとしての評価が高い地域を水と緑の風景軸または環境保全ゾーンと します。 (1)みどりの拠点 ○自然環境の骨格的な要素となる拠点をみどりの拠点とし、大規模な公園やまとまりのあるみどりを位置づけます。 このうち核となるみどりがなく、比較的小さなみどりのまとまりが集積する場合を点在型とします。 (2)水と緑の風景軸(国分寺崖線(用語解説あり)とその周辺) ○みどりに恵まれ、様々な生物が生息し、みどりやみずの風景が連なった地域を水と緑の風景軸とします。 (3)環境保全ゾーン(多摩川) ○国分寺崖線とともに東京23区でも貴重な自然環境を有し、区民に憩いとやすらぎを与えるゾーンを環境保全ゾーンとします。 V.土地利用構想 〜基本的な考え方〜 ○大都市東京の中で、本区は基本的に「住宅都市」であることから、区民が安全で良好な環境のもと、安心して住み続けられる市街地をめざすことを基本とします。 あわせて、区民の生活を支え、活動や交流の拠点となる商業・業務などの立地や生産環境の保全を住宅地との調和に配慮しながら適切に誘導する考え方を加えて、 以下の土地利用構想を示します。 ○みどり豊かなゆとりある住環境を保全・創出します。 ○住宅地は、今後予想される人口増加によって発生する課題や問題点を整理し、区民が快適に暮らすことができる住環境の形成を図ります。 また、専用住宅(用語解説あり)と集合住宅が共存し、互いに配慮しあった住環境の構築をめざします。 ○大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 ○商業・業務地は、都市の活力を醸成する場や区民交流の拠点として機能を維持・向上させるとともに、周辺の住宅地との調和を図ります。 1.土地利用ごとの方針 (1)駅周辺商業ゾーン ○鉄道駅周辺の商業・業務が集積している地区を、駅周辺商業ゾーンとします。 ○駅周辺商業ゾーンは活力ある商業等の活動と区民の交流の場として、地区ごとに特徴ある拠点形成のための土地利用を誘導します。 (2)幹線沿道ゾーン ○主として事務所・店舗・サービス施設等が沿道に立地する環状7号線、環状8号線、甲州街道、玉川通り、目黒通り沿道を、幹線沿道ゾーンとします。 ○幹線沿道ゾーンは後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯※を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 (3)住宅ゾーンT ○閑静で良好な低層住宅地が形成されている地区を、住宅ゾーンTとします。 ○住宅ゾーンTは農地や屋敷林の保全や宅地内のみどりの保全・創出により、みどり豊かなゆとりある住環境を維持します。また、戸建住宅と集合住宅の共存に配慮します。 (4)住宅ゾーンU ○住宅ゾーンT以外の住居系土地利用(住居系用途地域(用語解説あり))が形成されている地区であり、低中層の建築物を主体とし一部中高層の建築物がみられる住宅地を、 住宅ゾーンUとします。 ○住宅ゾーンUは、低中層住宅と中高層住宅との調和を図り、市街地の住環境を保全するため、高さや敷地規模に関する新たな規制の導入をめざします。 ○住宅ゾーンTおよび住宅ゾーンUいずれについても、地区計画(用語解説あり)の策定などにより、適切な土地利用を誘導します。 (5)準工業ゾーン ○点在的に工場がまとまって立地する準工業地域(用語解説あり)を、準工業ゾーンとし、生産環境の保全とともに住環境との調和を図ります。 (6)河川環境ゾーン ○多摩川およびその河川敷を、河川環境ゾーンとし、自然環境の保全やみどり豊かで水辺に親しめる環境の創出を図ります。 地区の現状や将来のまちの姿に応じた土地利用の詳細については、「地域整備方針」で示します。 2.大規模な土地利用転換などに係る対応方針 大規模な土地利用転換などについては、地区計画制度等の活用により、地区の特性などに応じた土地利用を誘導します。 (1)大規模な土地利用転換 ○大学・企業・官舎の跡地など大規模な土地利用転換の際は道路・公園などの都市基盤整備を行い、防災施設の設置など地域に貢献する機能等を確保するとともに、地域の特性を踏ま えて、周辺と調和した適切な土地利用が図られるよう誘導します。 ○公共公益施設の土地利用転換にあたっては、周辺環境に配慮しつつ、公共公益施設の再配置を図るため、適切な土地利用を誘導します。 (2)大規模住宅団地の建て替え ○大規模住宅団地の建て替えにおいては、居住水準の向上を図るとともに、道路・公園などの都市基盤整備や防災施設の設置など地域に貢献する機能を確保するとともに、周辺と調和 した適切な土地利用を誘導します。 (3)土地区画整理事業を施行すべき区域(用語解説あり) ○土地区画整理事業(用語解説あり)を施行している地区は、都市基盤整備の状況に応じた適切な土地利用を誘導します。 ○土地区画整理事業による整備が困難な地区については、東京都の「周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン」に基づき、 土地区画整理事業に代わる整備手法を検討し、無秩序な市街化を抑制します。 (4)都市計画事業等により土地利用の変化が想定される地区 ○事業が長期にわたる都市計画事業等にあっては、周辺街づくりの将来目標を見据え、土地利用などを適切に誘導します。 ○都市計画道路事業による土地利用の変化に対応するため、周辺の住宅地との調和を図りながら、沿道の土地利用などを適切に誘導します。 特に東京都の木密地域不燃化10 年プロジェクトにおける特定整備路線(用語解説あり)や延焼遮断帯(用語解説あり)を構成する都市計画道路周辺の市街地については、 事業の進捗に応じて、沿道市街地の不燃化、耐震化を進めます。 W.都市施設配置構想 〜基本的な考え方〜 ○都市施設(用語解説あり)配置構想は、都市づくりの骨格プランを具体化し、将来的に配置していくべき道路・公園・防災施設等を示すものです。 「道路」、「鉄軌道」、「公園・緑地」、「防災施設」、「供給処理施設」の各都市施設について役割と方向性を示します。 ○首都直下の地震の切迫性が指摘される中、都市施設は防災上重要な役割も果たすことから、東京都の防災都市づくり推進計画(用語解説あり)における骨格防災軸(用語解説あり) や主要延焼遮断帯(用語解説あり)を、都市施設に重ねあわせて示します。 ○既存の都市施設は、適切な維持管理・更新を図ります。 1.道路 ○都市における道路は、自動車の通行だけではなく、子供から高齢者、障害者など様々な人が色々な目的や手段で移動します。 また、道路は災害時の防災空間や、にぎわいの創出や交流の場などの生活活動空間として貴重な公共空間でもあります。 本区は、このような利用者の多様性や道路の機能の多面性を考慮し、地域特性を踏まえた道路の配置計画により将来道路網の形成をめざします。 ○本区の将来道路網計画では、都市計画道路で囲まれた区域内の交通を集散させるため、その内部に主要生活道路(用語解説あり)を配置し、 さらに都市計画道路と主要生活道路で囲まれる区域内における消防活動困難区域(用語解説あり)の解消などのため、地先道路(用語解説あり)を配置します。 道路の区分 幹線道路(都市計画道路) ・区内においては全区レベルでの骨格の軸となり、また、防災生活圏(用語解説あり)を構成する骨格防災軸または主要延焼遮断帯となるとともに、 広域にわたり都市間をつなぐ道路となります。 ・環状7号線、環状8号線、井ノ頭通り、甲州街道、玉川通り、目黒通りが該当します。 地区幹線道路(都市計画道路) ・地区のバス交通や隣接する区や市を結ぶ役割を担う道路です。歩行者の空間を確保するとともに、一部の路線においては自転車利用の空間に資する道路となります。 ・防災生活圏を構成する主要延焼遮断帯または一般延焼遮断帯(用語解説あり)となります。 主要生活道路・幹線道路と地区幹線道路に囲まれた区域内の交通を集め、幹線道路や地区幹線道路に連絡する道路です。 地先道路・各宅地から主要生活道路や地区幹線道路に接続する道路で、日常生活の中で利用する最も基本となる道路です。 ○道路整備にあたっては交通機能のほか、防災機能、空間機能、市街地形成機能(用語解説あり)といった道路が持つ多様な機能を踏まえ、その役割に応じた整備を進めます。 ○幹線道路(用語解説あり)は都市間や地域間のネットワーク形成や、延焼遮断帯(用語解説あり)の形成を重視した効果的な整備を進めます。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)など大規模な都市基盤の整備にあわせて、駅前広場や都市計画道路等の整備を進めるとともに、周辺の街づくりの中で必要な道路の整備を進めます。 ○ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。 2.鉄軌道 ○鉄道は区民生活を支え沿線都市を結ぶ、極めて公共性の高い交通機関であることを踏まえて、開かずの踏切における交通渋滞や踏切事故、地域分断の解消、定時性確保や輸送力増強 のため、東京都および鉄道事業者と連携し連続立体交差事業を進めます。 ○駅はユニバーサルデザインによる整備、乗り継ぎ利便性の向上、地域情報サービスの充実などを進めます。 ○環状8号線を基本的な導入空間とする新しい公共交通(エイトライナー※)について、区内の南北交通の軸として、また、広域的には羽田空港から赤羽方面を結ぶ交通の軸として、 その導入について検討を進めます。 3.公園・緑地 ○公園・緑地は都市環境や景観の改善、防災性の向上、健康・レクリエーションの場、自然環境の保全、地域コミュニティ形成の場など、多様な役割を担うことを踏まえて、 整備や再整備を進めます。 ○大規模な総合公園・地区公園から身近なぽけっと公園まで区内にバランスよく配置し、未開設の都市計画公園・緑地については、優先整備区域を定め計画的に整備を進めます。 ○ユニバーサルデザインによる整備を進めます。 公園の種類(ただし基幹公園と特殊公園のみを表示) ぽけっと公園 ・世田谷区立公園条例に基づき、主として街区公園の機能を補完することを目的とする公園で、街区内に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は300uを標準とします。(面積の目安:500u未満) 街区公園 ・主として街区内に居住する人の利用に供することを目的とする公園で、街区内に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は2,500uを標準とします。(面積の目安:500u以上1ha未満) 近隣公園 ・主として近隣に居住する人の利用に供することを目的とする公園で、近隣に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は2haを標準とします。(面積の目安:1ha以上3ha未満) 地区公園 ・主として徒歩圏域内に居住する人の利用に供することを目的とする公園で、徒歩圏域内に居住する人が容易に利用することができるように配置します。 ・面積は4haを標準とします。(面積の目安:3ha以上10ha未満) 総合公園 ・区民の休息、観賞、散歩、遊戯、運動など総合的な利用に供することを目的とする公園です。 ・面積は10 〜 50haを標準とします。 運動公園・区民の主として運動の用に供することを目的とする公園です。 ・面積は15 〜 75haを標準とします。 特殊公園・風致公園、動植物公園、歴史公園、農業公園などの特殊な公園です。 4.防災施設 ○逃げなくてもすむ災害に強いまちの形成を基本とし、延焼遮断帯(用語解説あり)(骨格防災軸(用語解説あり)、主要延焼遮断帯(用語解説あり)、一般延焼遮断帯(用語解説あり)) の中心となる道路や河川、公園などの都市施設(用語解説あり)等の整備を進めます。 5.供給処理施設 ○上下水道、ごみ焼却場・ごみ処理場、市場など生活を支える基本的な供給処理施設は、その機能の維持・改善や耐震性の向上を図るとともに、大規模な施設は周辺環境への寄与を 図ります。 第3章将来目標を実現するためのテーマ別方針 〜4つのまちの姿を実現する5つのテーマ〜 都市づくりビジョンの4つのまちの姿を実現する方針として、区民の生活像を重視する観点から5つのテーマ別方針を設定し、各方針の主要な施策の方向性を示します。 今回の改定においては、まちの姿を実現する方針を、平成7年に策定した都市整備方針における5つの「分野別の基本的な整備方針」から5つの「テーマ別方針」に変更しました。 なお「分野別の基本的な整備方針」は、以下の分野別に構成されていました。 1.市街地整備の基本的方針 2.道路・交通体系の基本的整備方針 3.水と緑の基本的整備方針 4.防災および生活環境整備の基本的方針 5.都市景観形成の基本的方針 T.安全で災害に強いまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○震災に強いまちとするため、延焼遮断帯(用語解説あり)の整備や防災生活圏(用語解説あり)内の防災性の向上、新たな防火規制区域の指定、避難場所への安全なアクセス確保など を進めます。また、震災後の復旧・復興を重視し、仮設市街地(用語解説あり)・仮設住宅等の検討を行います。 ○震災のみならず、災害に強いまちとするため、豪雨対策などに取り組みます。 ○日常の安全・安心を確保するため、まちなかの防犯対策や老朽空き家対策などを進めます。 ○道路・橋梁や公園などは適切に維持・更新します。 1.震災に強いまちとする (1)防災生活圏(用語解説あり)を形成する ○大地震に伴う市街地火災の燃え広がりを抑え「震災に強く、逃げないですむ街づくり」を進めるため、周囲を幹線道路(用語解説あり)等の延焼遮断帯(用語解説あり)で囲まれた 防災生活圏の形成をめざします。 ただし、延焼遮断帯の整備は実質的に長期間を要するため、防災生活圏形成にあたり課題の多い地区から優先的に主要生活道路(用語解説あり)や緑道、鉄道敷、河川などを活用した 延焼遅延帯(用語解説あり)の整備を進め、延焼遅延帯に囲まれたミニ防災生活圏(用語解説あり)を形成します。 (2)延焼遮断帯を整備する ○延焼遮断帯を構成する都市計画道路の整備について、東京都との連携を強化し、早期形成をめざします。また、沿道の不燃化を進めます。 ○主に延焼遅延帯を構成する主要生活道路の整備と、鉄道・河川・公園など延焼遅延効果を持つ空間のネットワーク形成を図ります。 ○台風や地震などによる災害時において、電柱倒壊による危険性や、倒壊した電柱による緊急車両の通行の阻害をなくすため、電線類の地中化(用語解説あり)などを進めます。 (3)防災生活圏内の安全性を向上させる 【面的な安全性の向上】 ○防災生活圏内では、地区計画制度(用語解説あり)の活用や狭あい道路(用語解説あり)の拡幅整備などにより、地区の安全性を高めます。 ○建築物の耐震診断(用語解説あり)・耐震化を支援して区内の建築物の耐震化率の向上を図るとともに、震災時の火災などの危険性が高い地区等には、 新たな防火規制区域(用語解説あり)の指定を拡大します。 特に老朽木造住宅が密集している木造住宅密集地域(用語解説あり)では、防災街づくりの各種事業や東京都の木密地域不燃化10 年プロジェクトによる不燃化特区制度(用語解説あり) などを活用して、建築物の不燃化・耐震化の取り組みを強化します。 ○都市基盤が未整備で防災上課題のある地区では、個々の開発行為や建築行為に伴う都市基盤整備の誘導、地区計画制度などの活用による改善、土地区画整理事業を施行すべき区域(用語解説あり) の都市基盤整備などを進めます。また、市街地の新たな密集化を予防するため、農地や大規模敷地の土地利用転換にあたっては、防災に配慮した整備・開発を誘導します。 ○京王線各駅周辺地区などでは、新たに防災街づくりを進めます。 【身近な道路・公園の整備による安全性の向上】 ○震災時に消防活動が困難とされる区域(用語解説あり)では、地区計画などを活用し、区民・事業者と連携して消防活動や避難を円滑にするための地先道路(用語解説あり) の整備を進め、行き止まり道路や狭あい道路を解消するとともに、防災性の向上に配慮した公園等を配置します。 【建築物の耐震性の向上】 ○建築物の耐震診断(用語解説あり)に対する支援の充実や耐震改修の誘導、落下物による危険箇所の改善などを進めます。また、分譲マンションや民間特定建築物(用語解説あり)、 その他防災上重要な建築物を重要建築物とし耐震化を進めます。 【防災設備の充実】 ○駅前広場、公園、区施設や公的住宅・集合住宅などの整備にあわせた防火水槽などの消防水利(用語解説あり)の整備を進め、消防署と連携し、震災時に必要な水量が不足している 地域の解消に努めます。また、受水槽、河川などの新たな水利の有効活用や、災害時における飲料水等の確保、防災倉庫の設置などを進めます。 ○自主防災組織(用語解説あり)や消防団が水源として利用しやすい消火栓・排水栓や井戸、プールなどを活用するほか、水辺の再生に伴う親水空間(用語解説あり)の確保など 災害時の水利として役立つ整備に努めます。 (4)避難時の安全性を向上させる 【避難先の安全性の向上】 ○広域避難場所(用語解説あり)となる大規模な公園などについては、災害用トイレ(用語解説あり)など必要な設備等の整備を進めるとともに、避難場所としての機能を高めます。 また、広域避難場所の拡張や新規指定および既存施設の充実のため、東京都との調整を進めます。 ○各種公共施設等においては、避難や救援活動の場となる空地の確保や、災害用トイレの整備など、防災の視点を取り込んだ整備および再整備を進めます。 特に学校は、震災時には避難空間および避難生活の場となり、日常は児童・生徒を含めた地域住民の防災訓練や防災意識向上のための防災教育などの各種活動の場ともなります。 このため、防災活動拠点と位置づけ各種防災設備を改善します。 ○震災時の区内滞留者や徒歩帰宅者の安全性を確保するために、駅周辺の混雑防止と安全な帰宅の支援という観点を反映し、公共施設の整備を進めます。 【避難経路の安全性の向上】 ○広域避難場所や官公庁施設・病院等の防災拠点へのアクセス路となる、道路や緑道などの整備・改修を進めます。 また、震災時の避難を円滑に行うため、東京都が指定する緊急輸送道路(用語解説あり)のほかに、避難などに重要な道路の沿道の耐震化を進めます。 ○子育て世帯や高齢者、障害者、外国人なども含め、誰もが平常時と災害時に必要な情報が得られ適切な避難ができるよう、サイン等の整備を進めます。 (5)協働による防災街づくりを進める ○世田谷区街づくり条例(用語解説あり)による地区街づくり協議会(用語解説あり)や自主防災組織、消防団などと防災街づくりを進めます。 ○避難ルートの安全性を高めるため、危険なブロック塀の補強および改善を進めます。また、地震発生時の揺れやすさや地域の危険度や災害時の帰宅支援に関する情報を、 事前の備えに役立つよう提供します。 2.震災後はすみやかに復旧・復興に取り組む (1)復旧に備える ○震災後は、震災前の地域コミュニティを維持しながら住民の生活再建を進めつつ、本格的な市街地復興へ円滑に移行できるよう体制を整えるため、 被災した市街地で復興までの数年間を過ごす仮設市街地(用語解説あり)の検討を行い、仮設市街地づくりの方針・計画の策定に努めます。 ○被災者の仮設住宅を確保するため、生産緑地※などの農地や公園・緑地、空き家等などを活用します。 また、被災者の食料を確保するため、都市農地を農産物の提供拠点とします。 ○震災時におけるがれき等による道路通行止めの抑制などのため、がれき仮置場の一層の確保に向けた検討を行います。 (2)復興に備える ○震災後の復興に向けてすみやかな行動ができるよう、区民・専門家・職員等による復興訓練を実践的・継続的に進め、災害時の協力体制を構築します。 また、震災後、迅速かつ計画的に復興ができるよう、あらかじめ震災後の都市づくりのあり方を示す復興街づくり基本方針 を策定します。 ○震災後のすみやかな復旧・復興に資する地籍調査(用語解説あり)を進めます。 (3)地域のつながりを重視した復旧・復興街づくりの準備を行う ○自主防災組織(用語解説あり)や消防団、防災ボランティアなどを活用し、地域コミュニティの形成・充実を図り、復旧・復興の街づくりの準備を行います。 (4)災害対策拠点として防災・災害対策を踏まえた街づくりを進める ○地域の防災に関する機能を備える区役所および各総合支所周辺地区を災害対策拠点とし、庁舎等の災害対策機能の強化や防災および災害対策を踏まえた街づくりを進めます。 3.水害や土砂災害を抑制する (1)下水道や河川への雨水の流出を抑える ○雨水流出による下水道や河川の負担を軽減させるため、道路・公園などの公共施設は、雨水を一時的に貯留または分散的に浸透させる雨水流出抑制施設(用語解説あり)の設置を 計画的に進めます。 また、民間施設の建築時に、区民や事業者と協力し、敷地内への雨水流出抑制施設の設置を進めます。 ○過去の浸水状況などを踏まえて選定した豪雨対策モデル地区※等をはじめとする分流式下水道(用語解説あり)区域では、雨水管の早期整備を進めます。 また、浸水被害を軽減する家づくりを進めるため、道路より低い宅地の盛土や外壁の防水などの建築物の耐水化、排水ポンプ設置、止水版の設置などのほか、 具体的な対策についての周知を図り啓発を行います。 (2)河川の治水能力や下水道の処理能力を高める ○大規模水害や内水氾濫(用語解説あり)を防止するため、東京都や他区市と連携・協力し、野川や仙川などの河川や下水道の早期整備を進めるとともに、下水道の処理能力を高めるため、 事業の進め方の見直しなどにより雨水管整備のスピードアップを図ります。 (3)がけや擁壁の安全性を高める ○がけや擁壁の安全性を高めるため、現況を把握し、区民や事業者との情報共有を進め、土地所有者等による補修・修繕の誘導などを通じて、土砂災害の抑制に努めます。 4.日常の安全・安心を確保する (1)まちの防犯能力を高める ○道路や公園は、まちの防犯に配慮し、夜間も安心して利用できるよう整備を進めます。また、住宅地等は空き巣などの犯罪を抑制するため、道路と敷地の間で視線が行きかうよう外構 整備の工夫を進めます。 ○犯罪者が近づきにくく犯罪が起きにくいまちとするため、自主的防犯活動団体や地域防犯リーダーなどによる活動を支援します。 また、不審者の出入りや放火など防犯上の不安のある老朽空き家は、所有者に改善を求めるなど安全対策を進めます。 (2)交通安全対策を進める ○交通安全施設は、歩行者が安全に歩けるよう景観に配慮しつつ、すべり止め舗装やカーブミラー、防護柵、道路標識などを充実させます。 ○通学路や商店街周辺の買物道路などは、警察との連携や地区住民との合意形成を図りながら、交通規制等による交通安全対策を進めます。 ○自転車利用者のルール・マナーの向上をはじめとし、自転車走行環境の整備など歩行者や自転車利用者の交通安全対策などを進めます。 5.都市基盤を維持・更新する ○道路・公園などの公共施設は適切に維持管理するとともに、災害時にも機能を発揮するよう老朽化の状況を踏まえた計画的な改修に努めます。 また、上下水道、電気、ガス、通信などのライフライン(用語解説あり)については、震災時において区民生活や救援・復旧等の活動への影響を最小限にとどめるよう、 耐震化に向け、各企業者と連携を図ります。 ○今後一斉に老朽化が進む橋梁の安全性・信頼性を確保するため、適切な点検を進めるとともに、計画的な修繕・耐震化と架替えを進めます。 U.みどり豊かで住みやすいまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○環境共生都市世田谷の実現に向け、「世田谷みどり33(用語解説あり)」を進め、世田谷らしいみどりとみずを守り育て、量の確保とともに質の向上に努めます。 また、農地保全や多様な生物が生息できる緑・水環境の創出を図ります。 ○新たに建築物の高さや敷地面積等の規制の導入を進め、より住みやすい住環境を確保します。 ○都市基盤整備事業を進める際や大規模敷地の転換の際は適正な土地利用に誘導します。 ○低炭素都市(用語解説あり)化への対応として環境に配慮した住環境を確保します。また、健康づくりに配慮した緑道整備などを進めます。 1.みどりとみずを保全し、再生・創出する 「世田谷みどり33※」の達成をめざして、国分寺崖線(用語解説あり)や多摩川、農地、公園・緑地などまとまったみどりとみずの空間について、緑道や街路樹、河川、 敷地内のみどりなどでネットワークの形成を図り、多様な生物が生息できる緑環境と水環境の創出を図ります。 (1)みどりを守り育てる 【公共用地と民有地のみどりの保全、再生・創出】 ○公園・緑地の整備・改修にあたっては自然環境や景観の保全に努めます。また、都市計画道路や主要生活道路(用語解説あり)の整備にあたっては道路の緑化に努めます。 ○公共施設について、空地や駐車場の緑化、区立小・中学校の屋上・壁面緑化や校庭芝生化など緑化を進めます。 ○屋敷林をはじめとした民有地のみどりを保全するため、保存樹木・保存樹林地(用語解説あり)・市民緑地(用語解説あり)・特別緑地保全地区制度(用語解説あり)など 各種制度を活用します。また、民間住宅等の建築に際してみどりを保全・創出するため、緑化地域制度(用語解説あり)の運用や条例による緑化指導などを進めます。 ○農地保全のため、農地の生産緑地地区(用語解説あり)への追加指定を進めるとともに、農地保全重点地区(用語解説あり)を中心に都市計画公園・緑地に指定し、 農業公園などとして整備を進めます。また、体験農園(用語解説あり)の拡充などを進めながら農の豊かさを守り伝えます。 ○講習会や実践学習等のイベント、花苗の提供などにより、みどりの街づくりの普及啓発を進めます。 【みどりの質の向上】 ○多様な生物が生息できる空間を広げるため、住宅の庭木や住宅地に残る生物多様性(用語解説あり)の核となる民有樹林地や公園・緑地のみどりを保全し、 これを相互につなぐ国分寺崖線や河川・緑道などのほか、幹線道路(用語解説あり)沿道や住宅地等において連続した緑化を進め、みどりとみずのネットワーク形成を図ります。 ○公共空間において身近に感じることのできるみどりを創出しまちの美観を高めるため、駅やバス停、道、公園などは、施設や設備の緑化、シンボルツリーや花壇の設置などを進めます。 ○公共施設や民有地の接道部における生垣や壁面緑化などの推進により、目に触れるみどりや身近に感じられるみどりを増やします。 ○地域ぐるみの緑化によるみどりの街づくりを進めます。また、環境の維持・改善、防災、健康および教育などに寄与する、みどりの多様な機能に配慮した質の高い緑化を進めます。 (2)みずを守り育てる 【水辺の再生と親水空間(用語解説あり)の整備】 ○国分寺崖線と多摩川や野川、仙川などの中小河川を中心に、かつての姿を意識した水辺の再生整備に取り組みます。 また、整備にあたっては水辺をより身近に感じられるよう地域の特性にあった親水空間を確保できるように配慮します。 【湧水・地下水のかん養(用語解説あり)・保全】 ○湧水・地下水の一層のかん養・保全のため、道路・公園その他の公共施設敷地内や民有地において雨水浸透施設(用語解説あり)の設置を進めるとともに、 自然のみずとのふれあいの場や災害時のみずの供給源などとして活用します。 (3)誰もが利用できる公園や緑地、広場を確保する ○公園や緑地は、計画的な整備により適正な配置と面積を確保します。また、みどりとみずのネットワーク形成や多様な生物を育む場、風景を守り育てる場であることを踏まえつつ、 地域の特性にあった整備を進めます。 ○公園や緑地、広場は、誰もが利用できる場とするため、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。また、より区民に愛される公園とするため、 計画や整備・改修、管理運営への区民参加を進めます。 ○借地公園の活用や民間活力の導入などにより、都市公園・緑地の整備を進めます。 2.より住みやすい住環境を確保する (1)世田谷らしい住みやすい住宅地を形成する ○良好な住環境を維持し、世田谷らしい住みやすい住宅地を形成するため、住居系用途地域(用語解説あり)内の建築物・敷地に関して、 建築物等の高さの最高限度や敷地面積の最低限度(用語解説あり)など、新たな規制の導入をめざします。 ○都市の風致を維持するため風致地区制度(用語解説あり)を活用し、都市の中に自然環境を持つ良好な住環境を確保します。 (2)地区特性に応じたみどり豊かな住宅地整備を進める ○地区の特性に応じて、地区計画制度(用語解説あり)などの活用により、みどり豊かな住宅地整備を進めます。 【都市基盤が整った地区】 ○都市基盤が整った良好な住環境に恵まれた住宅地は、現在の環境を維持するとともに、より高い水準の住環境を実現するため、敷地内緑化に加え、 みどりが調和した街なみ形成による景観の向上を図ります。また、地区特性にあった街なみ保全のルールづくりを進めます。 ○土地区画整理事業※等により都市基盤が整った地区は、住環境の維持・保全を図るため、地区計画などによる街づくりに関するルールづくりを進めます。 ○都市基盤は比較的整っているが、単発的な開発行為や建築物の規模・用途の混在などの発生が予想される住宅地においては、個々の建築行為や開発行為は周辺環境に配慮し街なみ 向上に寄与するよう誘導するとともに、こうした改善の積み重ねを地区全体に広げます。 【都市基盤整備に課題のある地区】 ○東名ジャンクション(仮称)(用語解説あり)の周辺地区など、都市基盤整備事業に伴い周辺土地利用の改変が想定される住宅地の整備にあたっては、周辺環境に配慮しながら、 整備される道路や公園などの配置と規模を踏まえ、必要に応じ、都市計画の決定・変更も検討しながら、適正な土地利用を誘導します。 ○今後、建て替えが見込まれる比較的大規模な公的団地や国家公務員宿舎などは、建て替えにあわせて周辺環境や周辺地域への貢献を誘導し、都市基盤整備や公園の充実、 緑化を進めます。また、周辺住宅地も含めた街づくりを進めます。 ○区西部など市街化が先行し都市基盤が未整備で農地が点在する住宅地は、都市基盤未整備地区の解消のため、従来からの土地区画整理事業(用語解説あり)に加えて 地区計画制度(用語解説あり)の導入を進めます。 また、農地保全に努めるとともに農地を宅地化する場合は、地区の特性に応じた良好な住環境の形成に必要な都市基盤整備を一体的に進めます。 (3)歩行者主体の安全で快適な生活道路を整備する ○通り抜け車両による住環境の悪化を防止するため、都市計画道路を中心に適切な道路ネットワーク形成を図ります。 また、地区幹線道路(用語解説あり)や主要生活道路(用語解説あり)の歩行空間を充実するため、交通安全施設の整備や道路の整備・改修にあわせた歩道整備などを進めます。 ○狭あい道路※は、通風や日照などの住環境の改善、緊急車両の通行の確保、日常のサービス交通の確保などのため、拡幅整備を進めます。 また、安全で快適な歩行環境を確保するため、 ブロック塀の生垣化などを進めます。 (4)公害のない環境をつくる ○自動車や二輪車の渋滞による排気ガスを低減するため、道路ネットワーク形成や交差点の改良などを進めます。 また、交通騒音・排気ガスによる健康や日常生活への影響を低減するため、幹線道路(用語解説あり)・地区幹線道路およびその沿道は、舗装の改善や大気環境改善効果の高い 植栽などを進めます。 3.誰もが住める住まいを確保する (1)地域と連携した取り組みを進める ○安心して高齢者が暮らせるよう、自治会等と連携した見守りネットワーク形成を図ります。 ○分譲マンションの適切な維持管理のため、管理組合ごとで情報交換する交流会などの活動を進めます。 また、良質な住宅の確保のため、住宅性能表示(用語解説あり)、リフォームの履歴情報の活用、地域の住宅関連事業者との連携などを進めます。 (2)子育て世帯や高齢者、障害者、外国人などへのニーズに対応する ○住宅のユニバーサルデザイン※による整備を進めます。また、子育てしやすい住宅、単身者用住宅など多様な住まいづくりを進めます。また、公的住宅ストックを有効活用します。 (3)地域に開かれた住まいをつくる ○地域の交流の場として活用されている地域共生のいえ(用語解説あり)など、地域に開かれた住まいをつくります。 4.環境に配慮し、豊かに暮らし続ける ○ヒートアイランド現象の緩和や住宅の冷房効率向上のため、屋上緑化や壁面緑化、敷地緑化などを進めます。 ○民生家庭部門(用語解説あり)でのCO2 排出量を削減するため、住宅の省エネルギー化を進めます。 また、太陽熱温水器の設置など住宅の再生可能エネルギー(用語解説あり)の導入を進めます。 ○住宅に係る産業廃棄物の排出量削減とともに、安心して住み続けられる長期優良住宅(用語解説あり)の建設を進めます。 ○環境負荷を低減するため、公共施設の省エネルギー化を進めるとともに再生可能エネルギーを導入します。 5.健康に暮らし続ける (1)高齢者や障害者が外出しやすいまちにする ○歩いて楽しく移動しやすいまちとするため、道路および沿道の緑化や緑道の整備などにより景観に配慮した歩行空間を確保するとともに、ユニバーサルデザインによる移動しやすい 空間の確保を進めます。 ○誰もが安心して出かけられるよう、まちなかに休憩できるベンチ等の設置や多機能型トイレの普及を進めます。 (2)健康を維持・増進する施設・設備をつくる ○公園や広場、緑道においては、身近な運動の機会を増やすため、運動施設などを充実させるとともに、健康づくりや介護予防の場としても活用できるよう健康遊具の設置を進めます。 ○緑道など散歩やジョギングができる道や、サイクリングロードなど体力づくりのできる道の整備を進めます。 V.活動・交流の拠点をもつまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○にぎわいのある拠点創出のため、生活拠点ごとに特徴ある街づくりを進めます。また、連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、にぎわいを形成し回遊性を高めます。 ○区民に身近な活動・交流の場をつくるため、道路・公園等の公共施設や空き家等の活用、コミュニティの場としての商店街の充実などを進めます。 ○幹線沿道ゾーンや準工業ゾーンにおいては、産業活動を支える土地利用を誘導します。 1.活力ある広域生活・文化拠点とする ○広域生活・文化拠点である三軒茶屋、下北沢、二子玉川駅周辺地区は拠点ごとの特性に応じて、様々な機能を充実させます。 また、歴史・文化や街なみ・地形等の活用などにより地域の魅力を高めます。 ○拠点等へのアクセスを向上させるため、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による道路・交通ネットワーク形成を図ります。 また、駅周辺整備では歩行者や自転車利用者のため安全な空間を確保し回遊性を高めます。 【三軒茶屋駅周辺地区】 ○三軒茶屋の歴史を活かし庶民的雰囲気のにぎわいと活気にみちた街づくりを進めます。 ○商業・業務・文化など多様な機能を備えた拠点とするため、再開発事業等を進めるとともに、駅周辺の小規模な木造商業地区を更新し高度利用を図ります。 また、まちの発展と防災性向上に必要なオープンスペース、自転車等駐車場、防災性をもつ拠点等を確保します。 【下北沢駅周辺地区】 ○小田急線の連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、交通結節点機能を強化するとともに、小田急線の上部利用や井の頭線の盛土部分の活用など防災・みどり機能の充実を図ります。 ○良好な街なみと建築物の不燃化を適切に誘導するとともに、商業・文化等の地域資源を活かした拠点とするため、歩行者が主体で活気あるまちとして、安全・快適な回遊性を高め、 下北沢の魅力を発展させます。 【二子玉川駅周辺地区】 ○商業・業務・文化・交流・レクリエーションなど様々な機能を備え、にぎわいと居住の調和が図れた魅力ある拠点とするため、駅東側での再開発事業による都市基盤の整備や 土地の高度利用、都市機能の更新を活かし、西側との一体的な街づくりや周辺地区の整備を進めます。 ○二子玉川公園などを活用し、多摩川に面した拠点として自然環境との調和を図ります。 2.活力ある地域生活拠点とする (1)にぎわいや活気のある拠点の魅力を高める ○拠点ごとの特性に応じて様々な機能を充実させます。また、歴史・文化や街なみ・地形等の活用などにより地域の魅力を高めます。 ○主要な地域生活拠点である成城学園前および千歳烏山駅周辺地区においては、駅前広場の整備や自転車等駐車場の整備などにより、地域間をつなぐ交通結節機能の強化を図ります。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、駅前広場や都市計画道路等の整備、東京都および鉄道事業者と連携し高架下や上部利用を進めるとともに、駅周辺のにぎわい形成や街なみの改善など を進めます。 (2)駅前広場・周辺道路などの安全性や利便性を高め、回遊性を確保する ○駅周辺の商業集積を進めるため、道路整備などにあわせて必要に応じて面的整備(用語解説あり)の導入を進めます。 また、拠点の特性にあわせて自転車等駐車場・駐車場や広場の整備、緑化や景観の向上などを進めます。 ○拠点等にアクセスするための道路・交通ネットワーク形成を図ります。また、歩行者や自転車利用者のため安全な空間を確保し回遊性を高めるとともに、 ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による駅周辺整備を進めます。 ○明大前、千歳烏山駅周辺などでは、京王線の連続立体交差事業にあわせて、駅前広場や都市計画道路等の整備を進めるとともに、拠点ごとの特性に応じて面的整備の検討も進めます。 また、梅ヶ丘駅周辺地区は、梅ヶ丘病院跡地の保健医療福祉機能の整備にあわせ、周辺地区を含めた街づくりを進めます。 3.身近に活動・交流の場をつくる (1)誰もが利用できるみどりの拠点とする ○みどりの拠点をはじめとする公園・緑地等は、誰もが快適に利用できるよう、オープンスペースやみどり、各種施設をバランス良く配置するとともに、 ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。また、公園・緑地等へのアクセス環境を充実させます。 (2)コミュニティの場としての商店街とする ○商店街はコミュニティの場となるよう、高齢者や子育て世帯に必要な休憩や交流、活動などの機能を誘導します。 また、ユニバーサルデザインによる整備を進め、商店街周辺の歩行環境を改善します。 ○日常生活圏の範囲に、日用品を扱う小売店舗が整った環境を確保します。 (3)区民がいきいきと交流できる場を確保する ○道路など地域を支える公共施設は、にぎわい・交流施設の設置のため道路占用許可の特例制度などを活用し、必要に応じて活動・交流や健康・体力づくりができる場を確保します。 また、公園などでは、計画から管理運営の各段階でできるだけ多くの区民が参画できるようにすることで、地域住民の交流のきっかけとなるよう工夫します。 ○街づくりに関するイベントをはじめ、様々な交流の機会を提供します。 (4)コミュニティと日常生活を支える公共施設を確保する ○出張所・まちづくりセンターや小・中学校など地域を支える公共施設は、整備・改築・運営見直しなどを定めた「公共施設整備方針」を踏まえ、 地域コミュニティと日常生活を支える場となるよう空間を確保します。 (5)空き家等の活用を進める ○福祉的な活動の場や地域交流の場となるよう、空き家等や商店街の空き店舗を活用します。 4.活力ある産業環境とする (1)幹線沿道ゾーンの産業環境を高める ○幹線沿道ゾーンは、土地や建築物、街区規模、後背の市街地状況などを踏まえ、沿道の特性に応じた産業の立地を進めます。 このうち環状7号線、環状8号線、甲州街道および玉川通り沿道は、土地の高度利用を図り、魅力ある沿道型商業・業務・サービス施設等の立地を進めます。 また、後背の住宅地からのアクセスの充実、魅力ある歩行空間の整備に努め、道路両側の市街地の一体性を高めます。 ○幹線沿道ゾーン以外で路線型用途地域※が指定されている道路沿道は、周辺の住環境との調和が図られ沿道特性に応じた産業の立地を進めるなど、適正な沿道市街地を誘導します。 (2)準工業ゾーンにおいて生産環境の保全と住工共存の街づくりを進める ○工場の産業環境の整備・充実や、新たな産業の立地による工業の維持を図ります。また、生産環境の保全と共に住環境と調和した住工共存の街づくりを進めます。 (3)都市農地を保全・活用する ○農地保全のため関係する法令や税制の改正に向けた要望を国等に対して行い、区民農園(用語解説あり)や体験農園(用語解説あり)などを活用します。 W.地域資源の魅力を高めるまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○本区が誇る自然資源である国分寺崖線(用語解説あり)や、屋敷林・社寺林などの民有樹林地を保全します。 また、農のある風景を保全・育成します。 ○世田谷らしい風景の魅力を高めるため「地域の風景資産を区民が守り・育て・つくる」という視点をもち、そのための活動を進めます。 ○旧河川、都市基盤の整備で生み出される敷地、空き家等を地域資源ととらえ、有効活用します。 1.世田谷区が誇る自然資源の魅力を高める (1)国分寺崖線(用語解説あり)や屋敷林、社寺林、農地などを日常生活に身近な自然資源とする ○国分寺崖線や屋敷林、社寺林などは、地域の歴史を伝える民有樹林地・樹木等の保全のため維持管理の支援を行うとともに、諸制度を活用し、 良好な景観形成や住環境の保全を図ります。また、農地が比較的まとまって残っている地区は、農地を都市の貴重な資源ととらえ農のある風景として保全に努めます。 ○公園・緑地内の樹林、湧水などの自然環境は、多様な生物を育む場として、また貴重な地域景観の一部として、後世に残していけるよう保全します。 また、民有樹林地や水辺についても、公有化に努め、公園・緑地とすることで、自然資源の確保を進めます。 ○多摩川は自然環境再生などによる一層の魅力向上のため、環境保全に配慮しつつ国や東京都の進める水際の各種施設整備と連携した施策を進めます。 (2)自然資源の魅力を知り、楽しむ機会を提供する ○世田谷・みどりのフィールドミュージアム(用語解説あり)の活用などによる身近なみどりとみずの魅力に触れることのできる学習・体験の場を提供します。 また、本区の生物の生息空間を次世代に継承するため、保全の重要性を学び魅力を知り、楽しむ学習・体験の場を提供します。 ○みどりの生命線とも言われる国分寺崖線への関心を高めるため広く情報発信します。また、区内農業への関心を高め、区民の農業体験のニーズに対応するため、 農地にふれあう機会を拡充します。 (3)みどりとみずを守り、育てる活動を広める ○みどりとみずを守り育てる区民の輪や地域活動を広めるため、トラスト運動やボランティア活動などの情報を発信するとともに、 人材育成の場づくりやみどりの推進員制度(用語解説あり)等を活用します。 2.風景の魅力を高める 地域の風景資産や自然・歴史的資産を活かすとともに、まちの魅力を高める風景をつくるため、区民が地域の資産を守り・育て・つくるための風景づくり活動を進めます。 また、建築物や工作物が街なみに調和するよう、外壁等の色彩などきめ細かな基準による風景の指導・誘導を通じて、風景の魅力を高める施策を進めます。 (1)地域の風景資産や自然・歴史的資産を活用する ○風景を構成する上で重要な建造物や樹木、公共施設などを活かし、骨格的な風景づくりを進めます。 ○世田谷の原風景の基礎となる武蔵野台地の斜面地や坂道、さらには高台などの地形を活かし、多くの人が見晴らしや眺望を確保し、楽しむことができる風景づくり、 特別保護区(用語解説あり)や水辺および緑道などを活かしたみどりやみずの風景づくりを進めます。 ○文化財をはじめとする歴史的資産や古道などを風景づくりに活かし、農のある風景や地域に残る歴史を大切にした暮らしの風景づくりを進めます。 (2)まちの魅力を高める風景をつくる ○駅周辺や商店街等のにぎわいのある界わいを、地域の人にも訪れる人にも魅力的な場所となるよう活かすとともに、地域風景資産(用語解説あり)や 界わい宣言(用語解説あり)などを活かし、まちの顔となる風景づくりを進めます。 ○幹線道路(用語解説あり)や地区幹線道路(用語解説あり)において視覚的にも連続する道路緑化や沿道緑化、バス停や休憩スペースでの緑化、沿道の街なみの統一や、 電線類の地中化(用語解説あり)などにより、まちの骨格となる風景づくりを進めます。 3.地域資源を有効活用する (1)旧河川を活用する ○台地を樹枝状に浸食した旧河川の名残を伝える緑道や遊歩道等の整備とともに、みずの記憶を残す取り組みを進めます。 (2)大規模な土地利用転換で地域の新たな魅力を創出する ○大規模な土地利用転換の際は地区計画制度(用語解説あり)を活用して、まとまったみどりの創出や沿道のみどりの保全・創出、公開空地(用語解説あり)の整備などを進めます。 また、連続立体交差事業(用語解説あり)や東京外かく環状道路(用語解説あり)などの都市基盤の整備で生み出される敷地は、関係機関等と連携し、地域の魅力づくりや 防災性の向上に寄与するよう、みどりの創出や施設整備などを進めます。 (3)空き家等を活用する ○地域の人々やゆるやかなつながりを持ちながらともに暮らしていける、地域コミュニティの活性化・再生の場として、空き家等を活用します。 (4)まちなか観光(用語解説あり)資源として活用する 〇まちに対する区民や来街者の親しみを育むため、自然や風景資産、まちのにぎわい空間などを、PRの充実やレンタサイクルの活用等により、まちなか観光資源として活用します。 X.誰もが快適に移動できるまちをつくる 〜基本的な考え方〜 ○誰もが安全で快適に移動できるよう、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用を進めることにより、自動車に依存しない社会への転換を図ります。 ○連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、駅前広場や都市計画道路等を整備し、交通結節機能を強化します。 ○区民に身近な交通手段としてコミュニティバス(用語解説あり)路線を充実させます。また、自転車走行環境の整備を進めネットワーク形成を図ります。 ○各拠点や施設をつなぎ、都市の軸となる都市計画道路等の整備を進めます。 ○交通環境の質を高めるため、環境や景観に配慮した道路整備や駅舎整備などを行うとともに、ユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。 1.公共交通の安全性・利便性や快適性を高める (1)公共交通ネットワークを充実させる ○南北公共交通の強化や公共交通利便性の向上のため、道路整備にあわせたバス路線の導入などを進めます。 また、バス交通導入が可能な地区幹線道路(用語解説あり)などの整備を進めます。 ○環状8号線を基軸とした南北方向の新たな公共交通機関(エイトライナー(用語解説あり))の早期実現に向け、環状8号線沿道の関係区と連携し、検討を進めます。 (2)連続立体交差事業(用語解説あり)にあわせ、沿線街づくりを進める ○連続立体交差事業にあわせ、踏切での交通渋滞や踏切事故、鉄道による地域分断を解消するとともに、これにあわせた沿線街づくりを進めます。 (3)コミュニティバス(用語解説あり)を充実させる 〇南北公共交通の強化や高齢社会における地域交通の利便性の向上のため、コミュニティバスの新規導入を進めます。 2.歩行者や自転車利用者の安全性と快適性を高める (1)安全な歩行空間を確保する ○道路の新設、拡幅整備や改修にあわせた歩道の整備や、舗装等の工夫による歩車道の区分などにより、連続した歩行空間を確保します。 ○地先道路(用語解説あり)への通過交通を抑制し、歩行者の安全性を確保するため、都市計画道路等の整備を進めるとともに、歩道のないバス通りなどにおいて 歩行空間を確保するため、道路拡幅などを進めます。 ○安全で快適な歩行空間を確保するため、電線類の地中化(用語解説あり)などを進めます。 ○緑道は、散歩道としてだけではなく、公共施設や公園などを結ぶネットワークの形成のため活用します。 ○地区計画(用語解説あり)や建築に関する各種条例などを活用し、事業者による歩道状空間などの整備を進めます。 (2)自転車走行環境を確保し、ネットワークを形成する ○安全で快適な自転車走行環境とするため、都市計画道路等の整備や道路状況に応じた排水施設のスリム化などにより、自転車専用通行帯(自転車レーン)(用語解説あり)などの設置や、自転車走行 環境のネットワーク形成を図ります。 ○自転車利用者のルール・マナーの向上のため、世田谷区民自転車利用憲章(用語解説あり)に基づき、区民が自主的に取り組む自転車安全利用推進員制度などを進めます。 3.各拠点や施設をつなぐ (1)各拠点や主要施設に快適にアクセスできる交通ネットワークを形成する ○各拠点をつなぐ主要生活交通軸など都市軸となる都市計画道路の整備を進めるとともに、各拠点や主要施設へのアクセス確保のため、バス路線の導入などを進めます。 (2)駅前広場を整備する ○鉄道駅において交通結節機能を強化するため、駅前広場の整備を進めます。また、連続立体交差事業(用語解説あり)とあわせて駅前広場や都市計画道路等の整備を進めます。 (3)自転車等駐車場や駐車場を整備する ○自転車等駐車場や駐車場の需要の高い地区を対象に駐車施設を充実させます。また、連続立体交差事業にあわせて、鉄道事業者との協働により自転車等駐車場の整備を進めます。 (4)コミュニティサイクル(用語解説あり)を拡充する ○自転車利用の面から交通結節機能を強化し、南北交通を補完する機能としてコミュニティサイクルを拡充します。 4.円滑な自動車交通を確保する (1)渋滞対策を進める ○交通集中による渋滞を緩和し、円滑な自動車交通を確保するため、骨格となる都市計画道路を中心とした道路ネットワークの形成や、東京都および鉄道事業者と連携した 連続立体交差事業による踏切の除却などを進めるとともに、ボトルネック(用語解説あり)となっている交差点を改良します。 (2)商店街等での荷さばきスペースを確保する ○商店街等においては、消費の多様化による商品納入の小口化などに伴い、トラック配送等が増加する傾向にあります。 このため、商店街等との協働による円滑な道路交通を確保するための荷さばきスペースを確保します。 5.交通環境の質を高める (1)環境・防災・景観に配慮した交通基盤を確保する ○環境と共生した低炭素都市づくり(用語解説あり)の一環として、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用を進めることにより、 過度に自動車に依存しない社会への転換を図ります。 ○東京外かく環状道路(用語解説あり)の整備にあたっては、国分寺崖線(用語解説あり)や野川などの自然環境を保全し、周辺の交通や環境に与える影響が極力小さくなるよう対策を求めます。 ○にぎわいのある界わいとなる駅舎および周辺は、まちの顔となる風景や防災に配慮した整備を進めます。 また、幹線道路(用語解説あり)や地区幹線道路(用語解説あり)を中心に道路緑化や沿道緑化、沿道の街なみの統一などを進めます。 ○道路は、雨水の貯留や地中への浸透、路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装、リサイクル材の活用など環境に配慮した整備を進めます。 ○電気自動車や燃料電池車の普及に努めます。 (2)誰もが安全・快適に利用できる交通基盤とする ○道路や緑道、公共交通施設などの交通基盤は、誰もが利用できるようユニバーサルデザイン(用語解説あり)による整備を進めます。 また、建築物や道路、緑道、公共交通施設などの相互の移動の連続性を重視したユニバーサルデザインによる整備を進めます。 ○誰もが安全・快適に利用しやすい交通手段の充実を交通事業者へ働きかけます。 第4章街づくりを実現するための方策 T.区民主体の街づくり 区民主体の街づくりを実現するため、区民と事業者と区の責務を明確化するとともに、区民・事業者・区の協働の街づくりを進めます。 また、子ども・若者を含むすべての区民が街づくりに関心を持ち、一人ひとりが街づくりの担い手となる区民主体の街づくりを実現します。 1.協働の街づくりを進める ○区民生活の多様化が一層進む中、街づくりの課題に取り組むためには、区民一人ひとりが身近にできることにしっかり取り組み、さらに地域が協力しあい、 区が適切に役割分担を果たす協働の取り組みが重要です。このため、多様な主体が共に理解し合い、知恵を出し合い、協力しながら、 災害時にも対応しうる自助・共助・公助の視点を持った協働の街づくりを進めます。 ○世田谷区街づくり条例(用語解説あり)では、街づくりにおける各主体の責務として、区民・事業者は、安全で住みやすい快適な環境の街づくりに自ら努めるとともに、 区と協力して街づくりの推進に努めるべきこと、区は基本的かつ総合的な施策を策定し、区民および事業者の理解と協力を得て、 区民の意見を十分に反映するよう努めなければならないことなどを定めています。 これらを踏まえ、街づくりの様々な場面ごとに、街づくりを担う区民・事業者・区の責務を明確化し、パートナーシップを確立します。 ○広域生活・文化拠点などにおいては、にぎわいや魅力、良好な市街地環境を維持し、地域活力の増進と地域の発展を図るため、区民・事業者等が、 道路・公園等の公共施設も含めたまちの維持・管理・運営などについても担う、新しい総合的な街づくりの取り組みを進めます。 ○街づくりにおいては、防災や地球温暖化対策など、これまで以上に専門的な知識や実効性につながる知恵が重要となる課題が増えています。 また、これまでの区民参加の街づくりを一層進めるために参加の輪を広げていく必要があります。 このため、大学や研究機関等の知的資源の活用や学生との協働を進めます。 2.区民主体の街づくりを進める ○区民主体の街づくりを進めるためには、第一に、区民の一人ひとりがまちの特性や課題、街づくりに関する知識を身につけることが必要です。 このため、区は街づくりに関する情報について様々な機会を設けて提供し、区民や事業者との共有に努めます。 ○街づくりの検討や実践などに関する参加の場を増やし、区民相互の意見交換を通じて主体性を高める取り組みを進めます。 ○区民主体の街づくりを進めるためには、まちに関する理解や関心を養い、区民参加の街づくりの大切さや街づくりへの関わり方などに触れ、学ぶことが重要です。 子どもや若者をはじめ、様々な人々が街づくりを学ぶ機会を増やし、将来の街づくりの担い手を育てます。 ○これまでの街づくりへの住民参加の実績と成果を踏まえ、街づくりのリーダー・組織への支援、身近な地区の区民主体の街づくり、 さらに個々の宅地でもできる区民一人ひとりが行う街づくりを支援していくことを、本区の都市整備行政における区民参加の基本とします。  例えば、 ・個々の宅地に木を1本ずつ植えると区の木は16万本増えます。 ・個々の宅地300リットルの雨水タンク(用語解説あり)を設置すると、区全体で47,800リッポウメートルの雨水貯留ができます。 ○世田谷区街づくり条例(用語解説あり)では、区民は自己に関係する街づくりに参加する権利と責任を有すると定めており、地区街づくり計画(用語解説あり)の原案の提案や 区民街づくり協定の届出などの制度を活用し、区民主体の街づくりを進めます。 ○身近な地区を単位とし、世田谷区街づくり条例で定められている地区街づくり計画制度などを活用し、地区の特性および多様な地域住民の意見を踏まえ、区民相互、 区民と区の合意形成をめざす街づくりを進めます。また、都市計画提案制度(用語解説あり)などを活用します。 ○区は施策の策定や事業の実施にあたっては、計画や事業の性格や段階に応じ、区民および事業者の理解と協力を得るよう適切に対応します。 また、身近な地区の街づくりでは、区民一人ひとりが街づくりの担い手となるよう、より早い段階での区民参加を進めるとともに、地域や全区レベルの施策・方針などにおいても 区民の参加の機会を増やします。(参考:区内宅地数159,490。平成23 年度世田谷区土地利用現況調査(用語解説あり)より) 3.事業者と適切に連携する ○都市整備方針の内容を実現していくためには、事業者も主体的に街づくりに協力するとともに、その活力を適切に活用していくよう連携していくことが重要です。 このため、区は事業者に街づくりに関する方針等を伝え、理解を促します。 ○事業者は、区民に適切に建築構想等の情報を提供し、十分な説明や区民との合意形成に努めるなど、良好な街づくりに向けたパートナーシップの形成を進めます。 U.総合的な街づくり行政の推進 街づくりを実現するためには、総合的な街づくり行政を進めることが必要です。本区は以下に示す4つの取り組みを大きな柱とします。 1.戦略的かつ効果的に進める ○都市基盤の整備にあたっては、限られた都市財政のなかで、経営的な観点から事業や手法の選択、集中的な投資および関連するソフトな施策・事業の実施などにより、 効率的かつ効果的に進めます。 ○都市施設(用語解説あり)の維持管理にあたっては、環境負荷軽減への配慮や長寿命化(用語解説あり)修繕計画の策定などによるライフサイクルコスト(用語解説あり) の軽減を図るとともに、従来の対処療法型の維持管理から計画的な予防保全型の維持管理へ転換します。 ○今後の高齢者の増加などにより利用者のニーズが変わっていくと考えられ、区民等の意見を取り入れ施設の複合化、日常利用と災害時活用などの二重化により、 長期的に区民のニーズに対応した利用ができる柔軟で戦略的な施設整備に努めます。 2.執行能力を高める ○協働の街づくりを進めるためには、熱意と知識を持った区職員等の存在が不可欠です。 このため、意識の啓発や、計画づくりや様々な施策・事業に関する研修・実践体験の一層の充実など、区職員等の計画的な育成と配置を行います。 ○区民の生活像を重視したテーマ別方針を実現するため、都市整備領域内の各所管が連携し、横断的・総合的に対応する体制を充実させます。 ○国・東京都はもとより、隣接区市および警察署、消防署など関係機関との連携を一層強化します。 また、事務処理の迅速化、事務の一元化などによる街づくり行政の効率化や、本区独自の個性を活かした街づくりの一層の推進のため、 都市計画権限の区へのさらなる委譲に努めます。 分野別整備方針 3.様々な領域との連携を図る ○街づくりには、道路や公園の整備や建築物の建築、土地利用の誘導などに加えて、区民主体の防災・防犯街づくり、環境や健康への配慮、産業振興など、都市整備領域だけでは解決で きない広範な内容が含まれます。また、国分寺崖線※などの自然資源の継続的な保全のためには教育などを通じた区民の認識と理解も必要です。 このように、ますます多様化する区民ニーズに的確に応えていくため、領域を超えてソフトとハードの一体化の視点から、防災や防犯、環境、産業、福祉、教育など 横断的・総合的施策に取り組む必要があります。 ○特に以下の施策には積極的に取り組みます。 (1)地域力を高める ○災害対策はもとより、高齢社会への対応、子育て支援などは地域や地区で支えあう地域力を高めることが重要です。 このため、町会・自治会や街づくり協議会、防災・防犯その他の課題に関わるまちづくり活動団体の支援など地域のコミュニティ形成を進めます。 ○復旧・復興に際しての地域の力を高めるため、総合支所や出張所・まちづくりセンターが連携し、避難所運営訓練や都市復興プログラム(用語解説あり)実践訓練の共同開催等により、 地域の防災力の強化を進めます。 (2)低炭素社会(用語解説あり)をつくる ○環境に配慮した住まいづくりに取り組むため、長期優良住宅(用語解説あり)の建設など住宅の省エネルギー化、再生可能エネルギー(用語解説あり)の利用促進、 既存住宅の環境配慮型リノベーション(用語解説あり)の推進、敷地内の緑化や雨水タンク(用語解説あり)の設置誘導などに加え、環境に配慮した住宅の建設を進めます。 ○自動車に過度に依存しないまちへの転換を図るため、公共交通の整備や自転車利用の促進、歩きやすい歩道の整備などを進めます。 ○みどりの保全・創出を推進するため、公園・緑地の整備、民有樹林地の保全などを進めます。 (3)地域福祉を支えるまちをつくる 世田谷区地域保健医療福祉総合計画と連携し、区の地域福祉を支えるまちをつくります。 ○高齢者、障害者をはじめとして、すべての人が、それぞれの暮らし方に対応できるよう、多様な住まいを確保します。 ○今後、増加を続ける高齢者人口や当面の年少人口の増加予測を踏まえ、大規模集合住宅の建設や住宅団地建て替えの際は、福祉施設や保育所などの設置を誘導します。 ○気軽に集える地域活動の拠点として、公共施設、空き家等の社会資源を活用します。 ○すべての人が社会の様々な活動に参加でき、安心して暮らせるようユニバーサルデザイン(用語解説あり)推進計画に基づき、誰もが利用しやすい社会環境を構築します。 ○高齢者をはじめとするすべての人が健康に暮らせるよう、歩きやすい歩道、健康づくりに配慮した緑道や公園の整備、自転車走行レーンの整備などを進めます。 ○地域包括ケアシステム(用語解説あり)を推進する身近な地区の視点を踏まえ、街づくりとの連携に努めます。 (4)文化を身近に感じることができるまちをつくる ○世田谷区文化・芸術振興計画に基づく取り組みを踏まえ、歴史的資産や古道を大切にする、文化的資源などを活かした風景づくりを進めるなど、文化を身近に感じることのできるまちを つくります。 4.施策の進行を管理する ○都市整備方針において目標とするまちの姿を実現するため、本方針の各施策の進行状況を管理し、「地域整備方針」については、社会情勢の変化や概ね10年を経過した時点の施策 の進捗状況を踏まえて評価を行い、必要に応じてその後の10 年間を見据えて見直しを行います。 評価にあたっては、区民参加や区民意見の反映を一層進めるとともに、費用面や施策の影響と効果についても検討を行います。 資料編 T.検討経緯 1.区民参加の経緯 平成24年 9月 区民アンケート配付・回収 平成25年 2月15日 現行の都市整備方針の検証結果について、区のおしらせ等で公表し、区民意見を募集 2月24日 第1回 街づくりセミナー(参加者:24名) テーマ:都市の将来像、住まいと住環境 講師:中川義英/早稲田大学理工学術院創造理工学部 教授 講師:小林秀樹/千葉大学大学院工学研究科 教授 3月9日 第2回 街づくりセミナー(参加者:20名) テーマ:大災害に備えた環境整備 講師:原昭夫/自治体まちづくり研究所 所長 4月7日 第3回 街づくりセミナー(参加者:18名) テーマ:みどりの保全と創出 講師:阿部伸太/東京農業大学地域環境科学部造園 科学科 准教授 4月20日 第4回 街づくりセミナー(参加者:15名) テーマ:都市交通〜自転車利用に注目して 講師:小嶋勝衛/(財)建築・まちづくり協力研究所 理事長 5月11日 第5回 街づくりセミナー(参加者:24 名) テーマ:景観を巡る思考 講師:後藤春彦/早稲田大学理工学術院創造理工学部 教授 9月15日 都市整備の基本方針骨子を区のおしらせ等で公表 11月15日〜12月9日において、都市整備の基本方針(素案)についてパブリックコメント募集(受付数:人数169 人・意見数315 件) 12月1日 都市整備の基本方針(素案)およびせたがや道づくりプラン(素案)の合同説明会(参加者:30 名) 【区民アンケート】 今回の改定にあたって実施したアンケート。平成24 年8月1日現在で満16 歳以上の区民の中から、2,500 名を無作為に抽出し、郵送による送付・回収で実施した。 有効配付数2,469 票に対して回収数は723 票、回収率約29% 【街づくりセミナー】 都市整備方針の改定にあたり、より多くの区民に都市整備方針を"知ってもらう・学んでもらう・関心をもってもらう"機会として、テーマ別連続講座と意見交換による 街づくりセミナーを開催(全5回) 2.検討経緯 平成24年 9月19日 第1回世田谷区都市整備方針改定検討委員会 主な議題:現行方針の検証・評価 12月7日 第2回世田谷区都市整備方針改定検討委員会 主な議題:改定にあたって盛り込むべき視点 平成25年 5月9日 第3回世田谷区都市整備方針改定検討委員会 主な議題:都市づくりビジョン 6月14日 第4回世田谷区都市整備方針改定検討委員会 主な議題:都市整備の基本方針(骨子)案 7月12日 第5回 世田谷区都市整備方針改定検討委員会 主な議題:都市整備の基本方針(骨子)案 9月24日 第6回 世田谷区都市整備方針改定検討委員会 主な議題:都市整備の基本方針(素案) 12月13日 第7回 世田谷区都市整備方針改定検討委員会 主な議題:都市整備の基本方針(案) 【世田谷区都市整備方針改定検討委員会】 世田谷区都市整備方針の改定にあたり、課題や方針の内容・改定手続きなどについて検討するために庁内に設置 3.審議経緯 平成24年 8月1日 第71回世田谷区都市計画審議会 世田谷区都市整備方針の改定について諮問 11月1日 第72回世田谷区都市計画審議会 区民アンケート調査結果について報告 平成25年 1月15日 第1回世田谷区都市整備方針改定検討部会 改定にあたって盛り込むべき視点等について審議 1月28日 第73回世田谷区都市計画審議会 現行の都市整備方針の検証結果について報告 3月25日 第2回世田谷区都市整備方針改定検討部会 改定にあたって盛り込むべき視点、都市整備の基本方針の構成、都市づくりビジョン等について審議 5月27日 第3回世田谷区都市整備方針改定検討部会 都市整備の基本方針骨子(案)等について審議 7月9日 第75回世田谷区都市計画審議会 都市整備の基本方針骨子(案)について報告 8月2日 第4回世田谷区都市整備方針改定検討部会 都市整備の基本方針骨子(案)等について審議 8月19日 第76回世田谷区都市計画審議会 都市整備の基本方針骨子(案)について報告 10月3日 第5回世田谷区都市整備方針改定検討部会 都市整備の基本方針素案(案)等について審議 10月23日 第77回世田谷区都市計画審議会 都市整備の基本方針素案(案)について報告 12月24日 第6回世田谷区都市整備方針改定検討部会 都市整備の基本方針(案)について審議 平成26年 1月10日 第78回世田谷区都市計画審議会 都市整備の基本方針について審議・答申 【世田谷区都市整備方針改定検討部会】 世田谷区都市整備方針の改定に関して、都市計画審議会で審議を効率的に行うため、改定に係る専門的事項をより具体的かつ詳細に調査、審議する部会を、都市計画審議会に設置 構成委員名: 中川義英/早稲田大学理工学術院創造理工学部 教授(部会長) 金子忠一/東京農業大学地域環境科学部造園科学科 教授(平成25年3月まで) 阿部伸太/東京農業大学地域環境科学部造園科学科 准教授(平成25年4月より) 後藤春彦/早稲田大学理工学術院創造理工学部 教授 原昭夫/自治体まちづくり研究所 所長 小林秀樹/千葉大学大学院工学研究科 教授 小林正美/明治大学理工学部建築学科 教授 U.用語解説 あ行 新たな防火規制区域 災害時の危険性が高い地域のうち、特に震災時に発生する火災等による危険性が高い区域について、建築物の耐火性能を強化するため、 都知事が東京都建築安全条例に基づき指定する区域。区域内においては、原則として耐火建築物または準耐火建築物以上としなければならない。 一団地の住宅施設 都市計画法で定められた都市施設の一つであり、住宅難を解消するために設けられた施設で、道路、公園、学校、病院などの公共公益施設を計画的に配置した良好な住宅団地。 いっとき集合所 世田谷区地域防災計画で定められた、災害時に近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場所。公園・緑地、学校、神社などから、町会・自治会等が事前に選定する。 一般延焼遮断帯 延焼遮断帯の一つであり、骨格防災軸と主要延焼遮断帯以外で、防災生活圏を構成する帯状の路線。約1kmメッシュで構成されている。 雨水タンク 屋根に降った雨を貯めて、植木や庭への散水など、生活用水として利用するための一時貯留槽。 雨水タンクの設置により、雨水を有効活用することができ、大雨の時は河川への雨水の流入を抑え洪水対策にも役立つ。 雨水流出抑制施設/雨水浸透施設/雨水の浸透・貯留施設 地表に降った雨水が短時間で一挙に下水道管や河川に流れ込むのを防ぎ、河川への負担を軽減するための施設。 主に雨水を地下へ浸透させる雨水浸透施設(雨水浸透ますや雨水浸透トレンチ等)と、雨水を一時的に貯留して流出を抑制する雨水貯留施設(貯留槽や貯留池、調整池等)がある。 エイトライナー 環状8号線を基本的な導入空間として、羽田空港からJR 赤羽駅間までを公共交通システムで結ぶ構想。 運輸政策審議会が平成12 年1月に行った第18 号答申で、メトロセブン(環七高速鉄道)とともに、区部周辺部環状公共交通として 「今後整備について検討すべき路線」に位置づけられている路線。 延焼遮断帯 東京都の防災都市づくり推進計画で定められた、地震に伴う市街地火災の延焼を阻止する機能を果たす道路、河川、鉄道、公園等の都市施設およびこれらと近接する 耐火建築物等からなる帯状の不燃空間。震災時の避難経路、救援活動時の輸送ネットワークなどの機能も担い、防災上の重要度から骨格防災軸、主要延焼遮断帯、 一般延焼遮断帯に区分されている。 延焼遅延帯 世田谷区防災街づくり基本方針で定められた、主要生活道路、幅員8mの既存道路、鉄道敷・河川、広域避難場所、大規模施設用地、一団地の住宅施設、公園・運動場、 公共施設といった不燃的要素からなる帯状の不燃空間。延焼遅延効果を線的または面的に持つ。 温室効果ガス 京都議定書が対象としている温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄で構成。 本区における平成20 年度の温室効果ガスのうち約97%を二酸化炭素が占める。 か行 界わい宣言 世田谷区風景づくり条例に基づき、区民が自宅周辺で魅力的な風景をつくるため、近隣の住民と一緒に風景づくりを進める活動を宣言する制度。 仮設市街地 被災を受けた市街地において、被災者が生活するための場として暫定的に形成される、応急仮設住宅、自力仮設住宅、仮設店舗・事務所などからなる市街地。 幹線道路 区内においては全区レベルでの骨格の軸となり、また、防災生活圏を構成する骨格防災軸または主要延焼遮断帯となる道路。また、広域にわたり都市間をつなぐ道路。 既存住宅の環境配慮型リノベーション 外壁や窓等の断熱改修、太陽熱利用の給湯システムの設置、省エネ家電等の省エネ機器の設置など、環境に配慮した建築物の改修。 狭あい道路 幅員4m 未満の道路で、一般交通の用に供されているもの。 京都議定書 平成9(1997)年12月に京都で開催された第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)において採択された議定書。 緊急輸送道路 東京都地域防災計画で定められた、震災時の救助や物資輸送などを円滑に行うため、応急活動の中心となる防災拠点や庁舎等を相互に結ぶ道路。 避難や消火活動等を行う上でも有効な空間となることが期待できる。 区民農園 区民に野菜づくりなどを通して土に親しむ機会を提供し、区内農業への関心と理解を深めるため、区が設置する貸農園。 区民街づくり協定制度 世田谷区街づくり条例に基づく制度で、区民や自治会等が地域で定めた街づくりに関するルールを、区民街づくり協定として届出を受け、区が一定の要件を確認して登録するもの。 景観重要公共施設 景観法に基づき指定された、まちの魅力を高める核となる道路、公園などの公共施設。 景観行政団体 景観法に基づき、良好な景観形成のための具体的な施策を実施していく自治体。景観行政団体になると、法的に強制力を持つ取り組みができるなど、効果的で実効性のある景観行政を行うことができる。 景観法 良好な景観形成を図るため、基本理念や住民・事業者・行政の責務等を規定した景観に関する総合的な法律であり、景観行政団体が景観計画(本区の場合は風景づくり計画)や 条例(本区の場合は世田谷区風景づくり条例)を作る際の根拠となる法律。 建ぺい率 一つの建築敷地における敷地面積に対する建築面積の割合。 広域避難場所 大学敷地や都立公園など、火災の延焼などにより自宅、一時集合所が危険な状態になった時に避難する大規模な空地等。 豪雨対策モデル地区 過去の浸水状況などから豪雨対策の効果を早期に発現するため、流域対策、家作り対策・街づくり対策の強化を図る地区。平成22年3月策定の世田谷区豪雨対策行動計画において 2地区が指定された。 公開空地 広義には、オープンスペース(公園や広場など、道路や建築物に利用されていない空地)と同様であるが、狭義には都市開発諸制度等を活用して事業者が計画する建築物の敷地内の 空地のうち、日常一般に開放され、歩行者が自由に通行または利用することができる部分。 高度地区 都市計画法に基づく地域地区の一つで、北側敷地への日照確保や圧迫感を抑えるめに指定する地区。真北方向から勾配をつけて高さを制限する第一種〜第三種高度地区がある。 あわせて、建築物の高さの最低限度及び最高限度を定めることもできる。 合流式下水道 家庭などから排出される汚水と雨水を同一の管で排除する方式の下水道。 国分寺崖線 立川市から大田区まで豊かなみどりに覆われた崖の連なりのこと。多摩川が10万年以上の歳月をかけて武蔵野台地を削り取ってできた段丘で、その周辺には樹林や湧水などが多く残り、 生物にとっても重要な生息空間になっている。「みどりの生命線」とも言われる。 国分寺崖線保全整備地区 世田谷区国分寺崖線保全整備条例に基づき、国分寺崖線のみどりと景観の保全を目的として、敷地面積500 u以上の建築物の構造に係る制限(階段状の建築物を制限)および 建築物の外壁の色彩への配慮を定めている地区。 骨格防災軸 延焼遮断帯の一つであり、広域的な都市構造から見て骨格的な防災軸の形成を図る路線。約3〜4kmメッシュで構成されている。 コミュニティサイクル レンタサイクルシステムの発展形。レンタサイクルが借りた場所に返す方式であるのに対し、他の駐輪場(サイクルポート)でも貸出・返却を可能としたもの。 コミュニティバス 一般に、市区町村などの自治体が住民の移動手段を確保するために運行するバスサービス。地域の住民の利便性向上等のため一定地域内を運行するバスで、車両仕様、運賃、ダイヤ、 バス停留所の位置等を工夫したバスサービス。本区のコミュニティバスの特徴としては、バス事業者の自主運行を基本としており、区は走行環境支援や区民・関係機関との調整、 広報等を行っている。 さ行 災害用トイレ 避難所等において災害時に機能するトイレ。 再生可能エネルギー 石油、石炭などの枯渇性エネルギーに対して、資源枯渇のおそれのない太陽、水、風、波、地熱、氷雪などの自然物や自然現象、再生産が可能なバイオマスを利用するエネルギー またはその資源。 市街化区域 都市計画法第7条第2項に規定されており、すでに市街地を形成している区域および概ね10 年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域。本区は多摩川河川敷を除き全域が市街化区域。 市街地開発事業 土地区画整理事業や市街地再開発事業、防災街区整備事業などの総称。 市街地再開発事業 都市再開発法に基づき、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るために、公共施設の整備、建築物および建築敷地の整備などを行う事業。 敷地面積の最低限度 住宅地の住環境保全などのために定める建築敷地の面積の最低限度。都市計画では、用途地域、地区計画などによって定めることができる。 自主防災組織 住民一人ひとりが「自分の命を自分で守る、自分たちの地域は自分たちで守る」という考え方にたって、自主的に防災活動を行う組織。災害対策基本法で、その育成が行政の責務として 位置づけられている。 市町村の都市計画に関する基本的な方針 区市町村が、都市計画区域マスタープランおよび基本構想に即し、区市町村の区域を対象として、地域に密着した見地から、都市計画法第18 条の2に基づき定めた 都市計画に関する基本的な方針。 自転車専用通行帯(自転車レーン) 道路交通法により、車道上の自転車通行部分が指定された専用通行帯。進行方向に向かって最も左側部分の第一通行帯を青く着色し確保することから、自転車レーンともいわれる。 自転車歩行者道 専ら自転車および歩行者の通行の用に供する道路。 市民緑地 都市緑地法に基づき、都市に残された民有地のみどりを保全し、地域に憩いの場を提供することを目的として定められた制度。 住居系用途地域 12種類からなる用途地域のうち、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、 準住居地域の総称。 住宅市街地の開発整備の方針 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法に基づき、良好な住宅市街地の開発整備を図るため、東京都が策定する長期的かつ総合的なマスタープラン。 住宅性能表示 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、住宅の性能に関する表示の適正化を図るための共通ルールを設け、消費者による住宅の性能の相互比較を可能とする制度。 重点整備地域 東京都の防災都市づくり推進計画において、地域危険度が高く、かつ、特に老朽化した木造建築物が集積するなど、震災時の大きな被害が想定される地域を整備地域とし、 このうち都市基盤整備型事業などを重点化して展開し、早期に防災性の向上を図ることで波及効果が期待できる地域。 首都直下地震等による東京の被害想定 首都直下地震等が発生した際の被害想定を算出したもので、東日本大震災を踏まえて見直しを行った。 主要延焼遮断帯 延焼遮断帯の一つであり、骨格防災軸に囲まれた区域内で特に整備の重要度が高いと考えられる帯状の路線。約2km メッシュで構成されている。 主要生活道路 幹線道路と地区幹線道路に囲まれた区域内の交通を集め、幹線道路や地区幹線道路に連絡する道路。 準工業地域 都市計画法による用途地域の一つで、住宅と工場が共存する地域。周辺環境を著しく悪化させるおそれのない工場の他、住宅や商店など多様な用途の建築物が建てられる。 消防活動困難区域/消防活動が困難とされる区域 震災時に、消防車両の通行不能や消防に使用可能な水の不足などによって、消防活動が困難と予想される区域。ここでは、幅員6m以上の道路から消防ホースが到達しない 140m以遠の領域を示す。 消防水利 火災が発生した時に消火活動を行うため、消防隊や消防団が使用する消火栓や防火水槽。 親水空間 水に触れる、接する、眺める等水と親しむことができる空間。 生産緑地/生産緑地地区 都市における農地等の適正な保全を図ることにより、良好な都市環境の形成に資することを目的として都市計画に位置づける地域地区。 生物多様性 様々な自然があり、そこに特有の個性を持つ生物がいて、それぞれの命がつながりあっていること。 世田谷区基本構想 世田谷区の望ましい将来像の実現に向けて区民主体のまちづくりを進め、自治の発展をめざす区政の基本的な指針。 なお基本構想は、地方自治法第2条第4項において、議会の議決を経て定めることが義務付けられていたが、平成23年5月に公布された「地方自治法の一部を改正する法律」により 法的な策定義務がなくなり、策定および議会の議決の有無は自治体の独自の判断に委ねられることとなった。 世田谷区道路整備白書 世田谷区の道路に関する各種数値データを取りまとめたもの。 世田谷区土地利用現況調査 本区が、概ね5年ごとに、区内の全ての建築物と敷地について、形態や利用状況などを把握するために実施している調査。 世田谷区街づくり条例 安全で住みやすい快適な環境の市街地の整備、開発及び保全を推進することを目的に、昭和57 年に本区が全国に先駆けて制定した条例。 世田谷区風景づくり条例 景観法に基づく景観計画の策定、行為の規制その他の風景づくりに関して必要な事項を定め、もって区民一人ひとりが愛着と誇りを持てるような魅力あるまちの形成を図ることを目的に、 平成11年3月に制定された条例。 世田谷区民自転車利用憲章 自転車を利用する区民一人ひとりが、歩行者を思いやる精神や互いに譲り合う心に基づき、ルールの順守、マナーの向上に努め、自転車による事故を減らし、誰もが安全で安心、 かつ快適で楽しく行き交う地域社会の実現をめざすため、世田谷区自転車等の利用に関する総合計画に基づき、平成24年4月に定められた憲章。 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例 「どこでも、どれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインに基づいた生活環境の整備を推進するために「福祉のいえ・まち推進条例」(平成7年制定)にかわり 平成19年に制定された条例。建築物や道路、公園などの整備上の基準を定めている。 世田谷みどり33 「みどりとみずの環境共生都市・世田谷」の実現をめざして、区制100周年となる2032年(平成44年)にみどり率33%とする長期目標。 世田谷・みどりのフィールドミュージアム 身近な自然の豊かさやすばらしさを知り、区民共有の財産として守り育んでいく取り組み。地域(フィールド)全体を一つのミュージアム(博物館)としてとらえ、 学習・体験の場とする。 専用住宅 居住を目的とした建築物のうち集合住宅以外の、戸建住宅や、住宅を主とする塾・教室・医療等の併用住宅(店舗や作業場などを除く)。 た行 耐火率 耐火建築物と準耐火建築物の建築面積が、全建築物の建築面積に占める割合。 体験農園 農家が自らの農業経営の一環として開設する区民農園。利用者は、園主の指導のもと一連の農作業や収穫などを行う。 耐震診断 昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた建築物について、昭和56年以降の新耐震基準と同程度以上の耐震性を有するかどうかを判定するための調査。 玉川全円耕地整理事業 昭和29 年の事業完了まで30年をかけ、旧玉川村全域(全円)を対象に施行された耕地整理事業。自動車時代に適合する広幅員道路や街区を形成する区画道路の整備など、 現在の玉川地域の都市基盤を築いた。 地域行政制度 都市としての一体性を保ちながら、住民自治の実をあげるため、区内を適正な地域に区分して地域の行政拠点を設置し、これを中核として総合的な行政サービスやまちづくりを 実施するしくみ。平成3 年4 月から、5つの総合支所を設置し、スタートした。 地域共生のいえ 所有者の意志により、地域の公益的なまちづくり活動の場として、活用されている私有の建物。(財)せたがやトラストまちづくりが立ち上げや運営を支援する。 地域地区 都市計画区域内の土地を利用目的によって区分し、建築物などについて必要な制限を課すことにより、地域、地区、街区を単位として一体的かつ合理的な土地利用を実現するための 都市計画法に基づく制度。用途地域、特別用途地区、高度地区、高度利用地区、防火地域または準防火地域、風致地区などがある。 地域風景資産 世田谷区風景づくり条例に基づき、区民等が地域の個性や魅力を共有し、風景づくりを推進する手掛かりとなるような風景で、区民等の参加を得て選定されたもの。 地域包括ケアシステム 国等が進める高齢者支援策の一つ。高齢者の尊厳の保持と自立生活を支えることを目的として、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように 地域の包括的な支援・サービスを提供する体制。本区では、安心すこやかセンター(地域包括支援センター)が中心となって行っている。 地下水のかん養 雨水や河川水などが地下に浸透して帯水層に流れ込み、地下水をゆっくりと養うこと。 地区幹線道路 地区のバス交通や隣接する区や市を結ぶ役割を担う道路。歩行者の空間を確保するとともに、一部の路線においては自転車利用の空間に資する道路。 また、防災生活圏を構成する主要延焼遮断帯または一般延焼遮断帯となる。 地区計画/地区計画制度 都市計画法に基づく制度。比較的小さな範囲の地区を対象に、地区の方針と建築物の用途や形態などのルールや道路・公園などの配置を細かく定めることで、その地区にふさわしい 良好な街づくりを進めることができる。 地区街づくり協議会 世田谷区街づくり条例に基づく団体。地区住民等が、地区街づくり計画の原案の作成や地区街づくりの実現に向けた、自主的な活動を行うことを目的とする。 地区街づくり計画/地区街づくり計画制度 世田谷区街づくり条例に基づいて、区民参加で策定する街づくり計画。地区の特徴に応じて、きめ細かい街づくりのルールを定めることができる。 地先道路 各宅地から主要生活道路や地区幹線道路に接続する道路で、日常生活の中で利用する最も基本となる道路。 地籍調査 国土調査法に基づく「国土調査」の一つで、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調査。 中高層化率 全建築物棟数に対する地上4階建て以上の建築物棟数の割合。 長期優良住宅 劣化対策、耐震性、可変性、省エネルギー性などの性能を有し、長期にわたり良好な状態で使用できる住宅。この住宅を普及させるため、平成20年に長期優良住宅の普及の促進に関する 法律が制定された。 長寿命化 構造物が施工されてから、物理的、機能的など何らかの理由で使用が停止され、撤去されるまでの期間を長くしようと努めること。 低炭素都市づくり/低炭素社会/低炭素都市 環境負荷の小さな都市構造に転換するため、これまで都市に関わる交通やエネルギー、みどりなどの各部門において取り組んできた温室効果ガスの排出削減効果を一層高め、 都市構造全体を見据えた総合的な都市づくり。 電線類の地中化 安全で快適な歩行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止及び情報通信ネットワークの信頼性の向上などのために、電柱および電力線や通信線などの電線類を地中に埋設すること。 東京外かく環状道路 都心から約15km 圏を環状方向に結ぶ延長約85km の自動車専用道路。 東名ジャンクション(仮称) 東京外かく環状道路と東名高速道路の合流地点。 特定整備路線 東京都の木密地域不燃化10 年プロジェクトを実施するにあたり、東京都の防災都市づくり推進計画における整備地域内の都市計画道路のうち、延焼遮断帯や避難・救援路の形成に資する など、防災上整備効果の高い区間として選定された路線。 特別保護区 区内にある樹林地、水辺地および動物生息地と一体となったみどりのある土地で特別に保護する必要がある一定の緑地。区が指定し建築行為など一定の行為を制限し、緑地の保全を図る 制度。 特別緑地保全地区制度 都市緑地法に基づき都市計画に位置づける地域地区のひとつで、都市の良好な緑地を永続的に保全し、将来に継承していくことを目的とし、建築や造成などの行為を規制(許可制)する とともに、土地所有者への税の優遇などを設けている。 都市型水害 都市化された地域において、河川や下水道の排水能力を超える雨が短時間で降った時に起きる建築物の浸水被害や道路冠水などの水害のこと。 都市環境再生ゾーン 住宅地を主体としつつ、地域の中心としてにぎわいを見せる個性的なまち、河川、農地、大規模な公園など、うるおいのある水と緑に恵まれたまち、住と工の融合した活気あるまちなど 多様な表情を持つ地域。 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 都道府県が広域的な見地から定めた、市街化区域と市街化調整区域の区域区分をはじめとした都市計画の基本的な方針。都市計画区域マスタープランともいう。 都市計画提案制度 都市計画法に基づき、土地所有者などが一定の条件を満たした上で、都市計画の決定や変更をすることを、区や東京都に提案することができる制度。 都市計画法 都市計画の内容及びその決定手続き、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、 もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とした法律。土地利用や都市施設の整備、市街地開発事業などの都市計画の内容およびその決定手続などに関し 必要な事項が定められている。 都市再開発の方針 東京都が、都市再開発法に基づき、計画的な再開発が必要な市街地における再開発の各種施策を長期的かつ総合的に体系づけたマスタープラン。 都市施設 都市の中で安全で快適な生活をするために必要不可欠な施設で、良好な都市環境を保持するための施設の総称。都市計画法では、道路、都市高速鉄道、公園、緑地、水道・電気・ガス等の 供給施設、下水道、ごみ焼却場、河川、一団地の住宅施設などが列挙されている。 都市復興プログラム 世田谷区地域防災計画に基づき、ハード面の計画としての都市復興について、区民・事業者・区が協働して震災復興に取り組むための方針や行動手順などを、街づくりの視点から 復興プロセスの時間経過を踏まえて示したもの。 都市緑地法 都市において緑地を保全するとともに緑化を進めることにより、良好な都市環境の形成を図り、健康で文化的な都市生活の確保に寄与することを目的とする法律。 市民緑地や緑化地域などの制度等が定められている。 土地区画整理事業 市街地開発事業の1つ。土地区画整理法に基づき、公共施設の整備改善および宅地の利用増進を図るために行われる事業。土地所有者が土地の一部を提供し、道路や公園などの公共施設を 生み出すとともに、宅地の形状を整え、再配置する。 土地区画整理事業を施行すべき区域 昭和44年に緑地地域(昭和23年指定)の全域が指定解除され、同時にその地域を対象に、公共施設の整備改善や宅地の利用増進を図ることを目的として、都市計画法に基づき決定された 土地区画整理事業の区域。 な行 内水氾濫 下水道管渠の能力を上回る降雨や河川の水位上昇により、下水道管渠や水路等から水が溢れ、その水が低地に集まる現象。 農地保全重点地区 世田谷区みどりの基本条例に定めるみどりの重点地区の一つ。農地保全のため、積極的にみどりの保全および創出の推進を図る必要があると認められる地区。 世田谷区農地保全方針に基づき7地区を指定。 は行 風致地区制度 都市計画法に基づく地域地区のひとつで、都市の風致を維持するために定められる制度。建築物の建ぺい率、高さの最高限度、壁面の位置が制限される。 区内では国分寺崖線を中心とした地域に、多摩川風致地区が指定されている。 不燃領域率 市街地の「燃えにくさ」を表す指標。建築物の不燃化や道路、公園などの空地の状況から算出し、東京都の防災都市づくり推進計画では、不燃領域率が70%を超えると 延焼による焼失率はほぼ0となる。 分流式下水道 家庭などから排出される汚水と雨水を別々の管で排除する方式の下水道。 防災街区整備方針 阪神・淡路大震災を受け公布された、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集法)に基づき、東京都が策定したマスタープラン。 防災上危険性の高い木造住宅密集地域について、計画的な再開発または開発整備により、延焼防止機能及び避難機能の確保と土地の合理的かつ健全な利用が図られる防災街区の整備を 促進し、安全で安心して住めるまちとして再生を図ることを目的とする。 防災生活圏 東京都の防災都市づくり推進計画で定められた、延焼遮断帯に囲まれた圏域。火を出さない、もらわないという視点から、市街地を一定のブロックに区切り、 隣接するブロックへ火災が燃え広がらないようにすることで大規模な市街地火災を防止する。防災生活圏は、日常の生活範囲を踏まえ、おおむね小学校区程度の広さの区域としている。 防災機能、空間機能、市街地形成機能 防災機能は主に、延焼防止(延焼遮断帯および延焼遅延帯)、緊急輸送道路、避難路、防災拠点へのアクセス、消防活動のスペース。 空間機能は主に、緑化・通風・採光等を確保するための都市環境維持空間、電気・電話・ガス・上下水道・地下鉄等の施設を収容・設置するための施設収容空間、 イベント・散策・交流等の場となる生活活動空間。 市街地形成機能は主に、都市の骨格の形成、土地利用を誘導する都市の構造の形成、生活空間を確保する地区や街区等の形成、都市の主要景観要素や景観軸線の形成。 東京都の防災都市づくり推進計画 災害に強い都市の早期実現をめざし、市街地火災の延焼を防止する延焼遮断帯の整備、木造住宅密集地域等の防災上危険な市街地の整備等についての整備目標や整備方針、 具体的な整備プログラムを定めた計画。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、平成7年度に東京都が策定した計画で平成15年度と平成21年度に改定された。 保存樹木・保存樹林地(制度) 区内にある樹木や樹林地のうち、貴重なものやまちのシンボルとなるものを所有者の申し出に基づき指定し、樹木保存の援助等の支援を行う制度。 ボトルネック 瓶の先端部の大きさがすぼんでいるように、道路の幅員が急に狭くなったり、車線数が減少したりする箇所や、橋梁、鉄道と平面交差する踏切等、交通の容量が小さくなることにより 渋滞が発生する箇所。 ま行 まちなか観光 区民がまちの中を散策して、区内に点在する見所・魅力を再発見する取り組みを世田谷独自の観光事業の一つとして提案し、これにより世田谷のまちを将来に向けて守る区民意識を 醸成するとともに、区外からの集客にもつなげること。 水と緑の風景軸 世田谷区風景づくり条例に基づく風景づくり重点区域の名称。国分寺崖線とその周辺に指定されている。 みどりの推進員制度 地域でみどりを守り、育てる活動をしている区民や団体を、みどりの基本条例に基づき、「みどりの推進員」として認定し、区民、事業者と区が連携し、みどりとみずの普及活動を 推進する制度。 みどり率 一定地区の総面積に占める、樹木・草・農地などのみどりで被われた土地面積と、水面と公園内のみどりで被われていない部分を合計した土地面積を合算した割合。 ミニ防災生活圏 世田谷区防災街づくり基本方針で定められた、防災生活圏内において延焼遮断帯の整備が不十分で、概ね500mメッシュの広さの、かつ主要生活道路や緑道など既存のストックを活用した 延焼遅延帯で囲まれた一定の地区で、居住環境の改善と防災性能の向上を図る圏域。 民間特定建築物 耐震改修促進法第6条に定める特定建築物(一定規模以上の幼稚園・保育所、学校、老人ホーム、病院・診療所、集会所・公会堂、百貨店、ホテル、飲食・サービス店、郵便局、 事務所、工場、体育館など)のうち、民間が所有する建築物。 民生家庭部門/民生業務部門 都内62市区町村における二酸化炭素の排出量の部門は、民生家庭部門、民生業務部門、産業部門、運輸部門、廃棄物部門に分けられている。このうち家庭内での電気、ガス、灯油等の エネルギー消費からの排出が民生家庭部門であり、産業部門、運輸部門に属さない企業・法人の事業活動からの排出が民生業務部門である。 面的整備 整備に対する取り組みを空間的に示す概念。広場等の整備を示す点的整備や、道路等の整備を示す線的整備と対比される。手法としては市街地再開発事業や土地区画整理事業などがある。 木造住宅密集地域 東京都の木造住宅密集地域整備プログラム(平成9年)で指定された木造住宅密集地域のうち、平成18・19 年の土地利用現況調査により算出した不燃領域率60%未満の地域。 木密地域不燃化10年プロジェクトによる不燃化特区制度 木密地域不燃化10年プロジェクトとは、地域危険度が高く、かつ、特に老朽化した木造建築物が集積するなど、震災時に大きな被害が想定される整備地域について、平成32年を目標として 、重点的・集中的に市街地の整備改善を進めている東京都の取り組みのこと。このうち不燃化特区制度とは、同プロジェクトの取り組みの一つとして、区からの整備プログラムの提案に基づき、 東京都が不燃化特区に指定し不燃化を強力に進める制度。 や行 ユニバーサルデザイン 年齢、性別、国籍、能力等に関わらず、できるだけ多くの人が利用しやすい生活環境とする考え方。 容積率 敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合。 用途地域 都市計画法に基づき、市街地の大枠として定める土地利用。区内では10種類指定されており、地域ごとに建築物の用途が定められている。また、用途地域は建ぺい率、容積率、高さなど の制限とセットで定められ、地区の特性に応じて詳細に指定されている。 ら行 ライフサイクルコスト 施設や製品の企画・設計、建設・製作、維持管理・修繕、撤去・処分までに要する総費用。一般の製品・産物などでも幅広く用いられる考え方。 ライフライン 都市における生活や各種活動を支えるため、必要な都市基盤として整備される供給処理・情報通信の施設。 緑地協定 都市緑地法に基づき、土地所有者等が生垣の設置など自らの土地の緑化や緑地の保全の取り組みを、法的な根拠をもつ地域のルールとして位置づける制度。 緑地地域 戦災都市の復興計画を目標とした特別都市計画法に基づき、昭和23年に東京区部の周辺部に指定された地域。郊外部に自然環境と生産農地の保全を目的とした地域を確保するとともに、 区部における市街地が際限なく連担して膨張することを防止しようとしたもの。昭和44 年に全域が指定解除され、同時に土地区画整理事業を施行すべき区域として都市計画決定された。 緑化地域制度 都市緑地法に基づき、みどりが不足している市街地などにおいて、一定規模以上の建築物の新築や増築を行う場合に、敷地面積の一定割合以上の緑化を義務づける制度。 連続立体交差事業 市街地において道路と交差している鉄道を、一定区間連続して高架化または地下化することで立体化を行い、多数の踏切の除却や新設交差道路との立体交差を一挙に実現する都市計画事業。