世田谷区都市整備方針(世田谷区の都市計画に関する基本的な方針) 第二部、地域整備方針、後期 令和7年(2025年)7月 世田谷区 ここからは、「第2章 北沢地域」になります。 第2章 北沢地域 ローマ数字のT.北沢地域の概況とまちづくりの主な課題 1.概況 (1)地域のなりたち 本地域は区の北東部に位置し、南北に環状7号線が通っており、小田急線、京王線、井の頭線、世田谷線の鉄道等の結節点となっている下北沢、明大前、下高井戸、豪徳寺などの駅周辺で商業地が形成されています。 明治期の北沢地域は純農村の姿をとどめていましたが、大正から昭和にかけての私鉄の開通や関東大震災に伴う罹災者の移住などにより人口が急増し、郊外住宅地へと大きく姿を変えてきました。 昭和のはじめの都市基盤整備は、区画整理や耕地整理に加え、旧松沢村全村に及ぶような面的な建築線指定により行われました。その結果、現在でも良好な住宅地として残されているところが多くあります。 戦後の人口急増の中、環状7号線沿いの地区などで木造賃貸住宅が増加し、木造住宅が密集する地域が形成されました。 北沢地域の町名は、代田、梅丘、豪徳寺、代沢、羽根木、大原、北沢、松原、赤堤、桜上水、池尻四丁目33から39番です。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域の位置の地図を掲載しています) この本区全体のなりたちについては、「第一部 都市整備の基本方針」の12ページに、「市街地形成の沿革」として示しています。 (2)地域の姿 下北沢駅周辺では小田急線の地下化に伴う上部空間を活用したまちづくりが進められています。エリアマネジメントといった新たなコミュニティ形成への動きがあります。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、明大前駅をはじめ各駅周辺のまちづくりが進められています。 木造住宅が密集する地域では、都市基盤が未整備で老朽化した建築物も多いことから、防災性の向上を図るため、建築物の不燃化の促進、延焼遮断帯となる道路の整備等を進めています。 梅ヶ丘駅周辺では、「福祉のまちづくり」が進められてきましたが、「うめとぴあ」、「児童相談所」等の開設を受け、更なる取組みが進められています。 「せたがや梅まつり」や「下北沢音楽祭」など特色ある行事やイベントが行われています。また、「まもりやまテラス」や「さくら花見堂」など、学校跡地を活用したコミュニティづくりが進められています。 (3)地域の現況等のデータ 人口密度は区内5地域で世田谷地域に次いで高く、平均世帯人員は最も少ない状況です。 住居系の土地利用面積割合は5地域で最も高く、平均宅地面積は最も小さい状況です。 耐火率や不燃領域率は改善してきているものの、5地域で最も低い状況です。 みどり率及び地域住民一人当たりの公園面積は5地域で最も低い状況です。 細街路率が5地域で最も高く、都市計画道路の整備率が最も低くなっており都市基盤に課題があります。 ●位置・面積・地勢              ・本区の北東部に位置し、東側は渋谷区と目黒区、北側は杉並区に隣接 ・面積は865.2ヘクタール、5地域で4位 ・本地域の北部は、区内でも標高が比較的高く、北沢川を谷として起伏のある地形を形成 ●人口・世帯 人口(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、153,674人、5地域で4位、平成26年比約9,400人増加 世帯数(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、91,339世帯、5地域で3位、平成26年比約8,900世帯増加 人口密度(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、178人パーヘクタール、5地域で2位、平成26年比 11人パーヘクタール増加 平均世帯人員(令和6年1月1日現在の住民基本台帳)、1.68人パー世帯、5地域で5位、平成26年比 0.07人パー世帯減少 人口増減数(推計値)(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、約3,300人増加、推計時点(令和5年)より10年後までの増加人数(見込み) 高齢者の人口割合(令和5年7月の世田谷区将来人口の推計)、20.2パーセント、推計時点(令和5年)より10年後には21.7パーセントの見込み(区平均23.0パーセント) ●土地利用 住居系の割合、59.4パーセント、区平均50.4パーセント、5地域で最も高い、平成23年比1.4ポイント増加 商業系・工業系の割合、6.3パーセント、区平均7.0パーセント、平成23年比0.3ポイント減少 公園系の割合、4.5パーセント、区平均5.8パーセント、平成23年比2.2ポイント増加 なお、公園系土地利用は、公園のほか運動場など民間施設を含む ●地域資源 ・せたがや百景は、北沢川緑道桜並木と代沢の桜祭り、淡島の灸の森巖寺、梅と桜の羽根木公園など17箇所 ・地域風景資産は、校庭で子どもたちを見守る松の木(池之上小学校内)、北沢地域に隠れている石造物群、代田の丘の61号鉄塔、桜上水「江戸城御囲い松」の兄弟松、緑丘中学校・校庭の大ケヤキなど11箇所 ・主な文化財は、世田谷城跡、豪徳寺仏殿、桜上水・八幡神社旧本殿 ・上記のほか、小田急線上部利用施設など多くの地域資源がある ●建築物・宅地・防災・みどり・道路 建築物 棟数密度、54.2棟パーヘクタール、区平均45.9棟パーヘクタール、5地域で最も高い、平成23年比1.3棟パーヘクタール増加 3階建て専用住宅棟数、6,066棟、平成23年比1,727棟増加 宅地 平均宅地面積、191.7平方メートル、区平均230.9平方メートル、5地域で最も小さい、平成23年比 7.2平方メートル減少 専用住宅の平均宅地面積、138.7平方メートル、区平均143.6平方メートル、平成23年比12.7平方メートル減少 専用住宅の100平方メートル未満の敷地数、9,075敷地、平成23年比23.0パーセント増加 防災 耐火率、58.2パーセント、区平均64.3パーセント、5地域で最も低い、平成23年比5.0ポイント増加 不燃領域率、59.4パーセント、区平均67.8パーセント、5地域で最も低い、平成23年比4.0ポイント増加 木防建ぺい率、21.3パーセント、区平均17.1パーセント、5地域で最も高い、平成23年比1.1ポイント減少 旧耐震木造棟数密度、8.5棟パーヘクタール、区平均6.4棟パーヘクタール、5地域で最も高い、平成23年比3.8棟パーヘクタール減少 みどり みどり率、17.3パーセント、区平均24.4パーセント、5地域で最も低い、平成23年比0.2ポイント増加 地域住民一人当たりの公園面積(令和6年4月1日現在の世田谷区都市公園等調書)、1.10平方メートルパー人、区平均2.94平方メートルパー人、5地域で最も小さい、平成26年比0.02平方メートルパー人減少 生産緑地面積、4.0ヘクタール、区全体の4.8パーセント、平成23年比0.6ヘクタール減少 道路 道路率、17.2パーセント、区平均17.3パーセント、平成23年比0.1ポイント増加 細街路率、41.6パーセント、区平均31.9パーセント、5地域で最も高い、平成23年比3.4ポイント減少 都市計画道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、27.9パーセント、区平均50.8パーセント、5地域で最も低い 主要生活道路の整備率(令和6年4月の世田谷区道路整備白書)、25.1パーセント、区平均38.3パーセント なお、その他の出典は、世田谷の土地利用2021と、世田谷区土地利用現況調査になります。 平成26年比は、平成26年(2014年)から令和6年(2024年)の10年間の変化 平成23年比は、平成23年(2011年)から令和3年(2021年)の10年間の変化 なお、元の値がパーセントで表現している値の変化量は「ポイント」と表現をしている 2.まちづくりの主な課題 「都市整備の基本方針」における世田谷区をとりまく状況や、前項の概況などを踏まえ、本地域のまちづくりの主な課題を、5つのテーマに沿って示します。 (1)テーマT「安全で災害に強いまちをつくる」に関すること 道路や公園などの都市基盤施設が十分に整備されないまま、高密度に市街化が進んでいる地区があり、防災上課題となっています。 老朽木造住宅が密集している市街地や、延焼遮断帯となる都市計画道路が未整備な地区は、避難路の確保や延焼の抑制など防災上の課題があります。 局所的集中豪雨の増加に伴い、更なる対応が求められています。 (2)テーマU「みどり豊かで住みやすいまちをつくる」に関すること みどり率は増加傾向であるものの、区内5地域の中で最も低くなっています。 地域住民一人当たりの公園面積は5地域の中で最も小さく、公園やオープンスペース等を確保し、魅力的な空間にすることが求められています。 住居系の土地利用割合が5地域で最も高く、平均宅地面積は最も小さくなっています。また、低層住宅と中高層住宅の混在や住宅と商業施設の混在など、土地利用の課題があります。 まとまったみどりが比較的少なく、樹林地や農地などのみどりの保全・創出が課題となっています。 (3)テーマV「活動・交流の拠点をもつまちをつくる」に関すること 広域生活・文化拠点である下北沢駅周辺地区や地域生活拠点である明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区においては、商店街などの商業地のにぎわいや活気を誘導するとともに、まちの安全性の確保が求められています。 身近な最寄り駅周辺は、区民の活動・交流の場としての活性化が望まれています。 小田急線の連続立体交差事業により整備された鉄道駅の周辺や、京王線の連続立体交差事業で拠点となる鉄道駅の周辺について、にぎわいのある良好な市街地の形成を図ることが求められています。 みどりの拠点である公園・緑地等は、誰もが自然環境を享受できることが望まれています。 (4)テーマW「地域資源の魅力を高めるまちをつくる」に関すること 羽根木公園や北沢川緑道、桜上水の農地などの身近な自然資源や豪徳寺などの文化財をはじめとする歴史的資産、瀧坂道などの古道、駅周辺のにぎわいのある界わいなどを、地域資源として活用することが望まれています。 連続立体交差事業などの都市基盤の整備により、街の機能や風景の変化が見込まれます。 (5)テーマX「誰もが快適に移動できるまちをつくる」に関すること 踏切での交通渋滞や踏切事故、鉄道による地域分断などの原因となる開かずの踏切の解消に向け、京王線の連続立体交差事業が進められており、それに伴い駅周辺において快適に移動できるまちづくりが求められています。 都市計画道路の整備が遅れており、拠点間の交通ネットワーク形成が課題となっています。また、生活道路に通過交通が流入していることや狭あい道路が多いことから、歩行者や自転車利用者の安全性の向上が求められています。 人口構造の変化や下北沢駅周辺及び豪徳寺などへの外国人観光客の増加に対応するため、更にユニバーサルデザインの観点等によるまちづくりが求められています。 ローマ数字のU.北沢地域の目標、骨格と土地利用の方針 1.目標・地域のまちの姿  「世田谷区地域行政推進計画」の北沢地域経営方針における、本地域のまちの将来像を以下に示します。  ともに支えあい、絆をはぐくみ、健康で活力あるまち  夢(未来)と歴史が共鳴する、多様な人々が交流できるまち  災害に強く、安全・安心で住みよいま  これらのまちの将来像を踏まえ、「都市整備の基本方針」の都市づくりビジョン、前項のまちづくりの主な課題などに基づきつつ、概ね10年後(2035年)を見据えた本地域のまちの姿を、以下のとおり5つのテーマに沿って設定します。 地域のまちの姿 建築物の不燃化・耐震化が進み、道路や公園などが整備され、防災性が向上した、安全で災害に強いまち みどりの拠点を中心として、みどりを保全・創出し、地区の特性に応じて適正な土地利用がなされた、みどり豊かで住みやすいまち 駅周辺の商業地が保有する文化、街並みなどの個性を活かし、にぎわいや活気のある、活動・交流の拠点をもつまち 屋敷林や農地などの自然資源が保全され、暮らしの風景やにぎわいのある風景が活用された、地域資源の魅力を高めるまち 連続立体交差事業や都市計画道路の整備にあわせて地区のまちづくりが進み、交通環境の質が高く、誰もが安全で快適に移動できるまち 2.地域の骨格と土地利用の方針 (1)地域の骨格プラン  「都市整備の基本方針」における都市づくりの骨格プランと、地域のまちの姿に基づき、本地域の基本的骨組みを示します。 下北沢駅周辺地区は、若者をはじめ多くの人が回遊でき、個々の魅力的な商店街や劇場などの商業・文化などの機能が充実し、本区を越えた広域的な交流の場として「広域生活・文化拠点」と位置づけています。 明大前駅周辺地区や下高井戸駅周辺地区などは、地域の「核」となる区民の身近な交流の場として「地域生活拠点」と位置づけています。 代田橋駅、桜上水駅などの各周辺地区は、区民の日常生活に必要な商業・業務機能が集積した、地区の交流の場として、「地区生活拠点」と位置づけています。 地域生活拠点である梅ヶ丘駅周辺地区は、全区的な保健医療福祉である「うめとぴあ」の整備にあわせ、「保健福祉のまちづくり重点ゾーン」と位置づけています。 地域の中央を南北に貫き、等々力から区役所周辺を経由し、明大前に至る補助154号線とその沿道などを、「主要生活交通軸」と位置づけています。 拠点や軸等と位置づける場所について、 生活拠点の広域生活・文化拠点は、下北沢駅周辺地区 生活拠点の地域生活拠点は、明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区 生活拠点の地区生活拠点は、代田橋駅、桜上水駅、東北沢駅、世田谷代田駅、豪徳寺駅・山下駅、池ノ上駅、新代田駅、東松原駅、松原駅の各周辺地区 新たな機能を持つ拠点等の災害対策拠点は、北沢総合支所周辺地区 新たな機能を持つ拠点等の保健福祉のまちづくり重点ゾーンは、梅ヶ丘駅周辺地区 都市軸の都市活力と交通の軸は、環状7号線、甲州街道(国道20号)の各道路とその沿道 都市軸の主要生活交通軸は、茶沢通り(補助210号線)、補助154号線の各道路とその沿道 みどりの拠点及び水と緑の風景軸のみどりの拠点は、和田堀給水所、三宿の森緑地一帯、羽根木公園、区役所一帯、桜上水一帯 (2)地域の土地利用の方針 9つの区分のうち、該当する7つの区分の土地利用ごとの方針を示すとともに、方針図でその位置を概略で示します。なお、大規模な土地利用転換の際は、都市基盤整備を進めるとともに、地区の特性や周辺住宅地と調和した土地利用を誘導します。 @駅周辺商業地区 下北沢駅の周辺地区は、本区を越えた広域的な交流の場として、商業・文化などの機能が充実するよう土地利用を誘導します。 明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区は、区民の日常生活に関わる商業・行政サービス等が集積し、区民の身近な交流の場となるよう土地利用を誘導します。 代田橋駅、桜上水駅、東北沢駅、世田谷代田駅、豪徳寺駅・山下駅、池ノ上駅、新代田駅、東松原駅の各周辺地区は、区民の日常生活における商業・業務機能が集積するよう土地利用を誘導します。 A近隣商店街地区 住宅地等の中にある商店街は、それぞれの特徴を活かし、周囲の住宅地との調和を図りつつ、身近な商業地としての土地利用を誘導します。 B幹線沿道地区 環状7号線と甲州街道(国道20号)の沿道は、主として事務所・店舗・サービス施設等が立地する地区として、後背の住宅地環境と調和を図りつつ、都市の活力を生み出す場として育むとともに、基幹的な避難路、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 C地区幹線沿道地区 補助26号線、補助52号線、茶沢通り(補助210号線)などの沿道は、後背の住環境と調和を図りつつ、住宅と店舗などが共存するとともに、延焼遮断帯を形成する防災性の高い土地利用を誘導します。 D低層住宅地区 戸建て住宅や低層の集合住宅からなる良好な住環境を維持します。 E住宅地区 地域特性に応じた住環境の保全や改善、住宅相互の調和を図りつつ、生活利便施設などが適切に配置された土地利用を誘導します。 F準工業地区 北沢五丁目の準工業地区は、公共公益施設の機能を維持するとともに、周辺の住環境との調和を図ります。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域の骨格と土地利用の方針図を掲載しています) ローマ数字のV.北沢地域のテーマ別の方針                  まちづくりの主な課題を解決するとともに、地域のまちの姿を実現するため、5つのテーマからなる「地域のテーマ別の方針」を示します。  地域の特性や課題などを踏まえ、主要なテーマを中心に記載します。方針図は、テーマTからXの重ね合わせで示します。 1.テーマT 安全で災害に強いまちをつくる 延焼遮断帯や延焼遅延帯の整備を進める 延焼遮断帯を構成する都市計画道路の優先的な整備にあわせ、沿道の不燃化を進めるとともに、緑化の推進や空地の確保を進め、延焼遅延帯の形成の促進を図ります。 防災生活圏内の安全性を向上させる 地区の安全性を高めるため、建築物の不燃化や耐震化、危険なブロック塀や狭あい道路の改善を進めます。 震災時に消防活動が困難とされる区域では、消防活動や避難を円滑にするための地先道路の整備を進め、行き止まり道路や狭あい道路を解消するとともに、消防水利を確保し防災性の向上に配慮した公園などを配置します。 北沢五丁目・大原一丁目地区などの密集市街地では、防災まちづくりの事業などを活用して、建築物の不燃化や耐震化の取組みを強化し、共同化や無接道敷地の解消等を促進します。 避難時の安全性を向上させる 広域避難場所等への避難路の安全性を高めるとともに、周辺の建築物の不燃化や耐震化を進めます。 復興に備える 防災・減災対策を第一に取り組むとともに、被災後の復興まちづくりを円滑に進めていくために、平時から人と人とのつながりを大事にしながら復興手順や役割分担の整理を図ります。被災後は本方針や地区計画等を踏まえて早期の復興まちづくりに取り組みます。 水害を抑制する 浸水被害を軽減するため、グリーンインフラの観点も踏まえた雨水流出抑制施設の設置を進めます。 2.テーマU みどり豊かで住みやすいまちをつくる みどりとみずを守り育てる みどりのネットワークを形成するため、みどりの拠点を核として、樹林地や農地、公園・緑地、緑道のみどりを保全し、道路や住宅地などにおいて連続した緑化を進め、グリーンインフラとしての活用も推進します。 誰もが身近に利用できる場として、公園や緑地を適正に配置し、面積を確保します。また、都市基盤整備とあわせて新たなみどりの創出を図ります。 より住みやすい住環境を確保する みどりのある住みやすい良好な住環境を形成するため、脱炭素地域づくりの視点も踏まえながら地区特性に応じたまちづくりに関するルールづくりを進めるとともに、区民や事業者が進めるみどりの保全や創出の取組みを支援します。 大規模敷地の建て替えや土地利用転換では、都市基盤整備や公園・公開空地の整備、緑化等の環境配慮を誘導します。都市計画事業においては事業期間中の環境保全に努めます。 地域に残された貴重な農地の保全に努めるとともに、農地を宅地化する場合は、良好な住環境の形成に必要な道路などの整備を一体的に進めます。 3.テーマV 活動・交流の拠点をもつまちをつくる にぎわいや活気のある拠点の魅力を高める 広域生活・文化拠点である下北沢駅周辺地区や地域生活拠点である明大前駅、下高井戸駅、梅ヶ丘駅の各周辺地区は、拠点ごとの特性に応じて、様々な機能を充実させるとともに、歴史・文化や街並み・地形等の活用などにより地域の魅力を高めます。 桜上水駅や世田谷代田駅周辺地区などの地区生活拠点は、区民の日常生活に必要な環境を確保するとともに、地域コミュニティの場としての機能を誘導します。 都市計画事業が進められている駅周辺においては、事業期間中のまちのにぎわいや活力の維持に努め、にぎわいや防災、みどり、風景などに配慮した活動・交流の拠点づくりを行います。また、まちの機運や駅前整備等とあわせて官民連携によるまちの維持・管理・運営などに取り組み、まちの安全性や魅力を高めます。 誰もが利用できるみどりの拠点とする みどりの拠点をはじめとする公園・緑地等は、誰もが快適に利用できるようにオープンスペースやみどり、各種施設をバランス良く配置するとともに、アクセス環境を充実させます。 4.テーマW 地域資源の魅力を高めるまちをつくる 自然資源の魅力を高める 良好な風景を形成する屋敷林や社寺林、都市の貴重な資源である農地、富士山の眺めなど、日常生活に身近な自然資源の魅力を区民と共有し、大切にします。 風景の魅力を高める 文化財をはじめとする歴史的資産や古道などを活かし、地域に残る歴史や文化を大切にした暮らしの風景づくりを進めます。 駅周辺のにぎわいのある界わいや各地で行われるイベントなどをまちの風景として、地域の人にも訪れる人にも魅力的な場所となるよう活かし、まちの顔となる風景づくりを進めます。 新たな地域資源を創出する 大規模な土地利用転換の際は、まとまったみどりの創出や公開空地の整備などを進め、新たな地域資源をつくります。 5.テーマX 誰もが快適に移動できるまちをつくる 公共交通の安全性・利便性や快適性を高める 連続立体交差事業にあわせ駅前広場を整備するとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして、駅周辺地区を一体とした沿線まちづくりを進めます。 歩行者や自転車利用者の安全性と快適性を高める 都市計画道路等の整備を進め、地先道路への通過交通を抑制し、歩行者と自転車利用者の安全性の向上を図ります。また、歩道の整備や事業者の協力による歩道状空地などにより安全な歩行空間を確保します。 公共施設等の整備や大規模な土地利用転換の際は座れる場づくりを促進します。 歩行者の安全性を高め、防災性の向上を図るために、まちづくりのなかで地先道路の適切な配置を検討し、整備を進めます。 各拠点や施設をつなぐ 各拠点をつなぐ都市計画道路の整備にあわせ、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用の促進を図ります。 交通環境の質を高める 道路や緑道の整備では、環境や防災、風景などに配慮するとともに、ユニバーサルデザインによる整備を進めます。保健福祉のまちづくり重点ゾーンである梅ヶ丘駅周辺地区では、「世田谷区移動等円滑化促進方針」における「促進地区」として、駅や商店街、各種拠点施設との移動等円滑化などのまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域のテーマ別の方針図を掲載しています) ローマ数字のW.北沢地域のアクションエリアの方針            地域のまちの姿を実現するため、今後、概ね10年間にわたりまちづくりを優先的に進める地区と、その方針を示します。(地区の並びは50音順) 1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区(一部、地区計画や地区まちづくり計画などが策定されている地区を含む) なお、地区名の後の「新規」「継続」「移行1」「移行2」の意味は、次の通りです。 「新規」は、本方針において、新たにアクションエリアに位置づける地区 「継続」は、「地域整備方針(平成27年4月)」に引き続き、「1」または「2」のアクションエリアを継続する地区 「移行1」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「2」といいます。)である地区のうち、新たな手法を活用するなど、更なるまちづくりの検討を行うため、本方針において、「1.地区計画などを策定し、まちづくりを進めていく地区」(本注釈において、「1」といいます。)に移行する地区 「移行2」は、「地域整備方針(平成27年4月)」において、「1」である地区のうち、地区計画などを策定したため、本方針において、「2」に移行する地区 2-1 京王線沿線(新規) 南北・東西のつながりによる街の回遊性・快適性の向上をめざし、にぎわいと交流の軸を育むまちづくりを進めます。 2-2 下北沢駅周辺地区(移行1) 広域生活・文化拠点として、商業・文化などの地域資源を活かすとともに、歩行者が安全で快適に回遊できるまちとして下北沢の魅力を発展させます。 地区計画及び地区まちづくり計画に基づき、良好な街並みと建築物の不燃化を適切に誘導するとともに、歩行者主体のまちづくりを進めるため、駐車場地域ルールの活用を検討します。 小田急線の連続立体交差事業に伴い、交通結節機能、道路ネットワーク機能、防災機能、環境空間機能を強化するため都市計画道路の補助54号線や世区街10号線(駅前交通広場)を整備し、駅周辺まちづくりを地域主体の取組みと連携しながら進めます。 2-3 下高井戸駅周辺地区(移行1) 地域生活拠点として、商業・行政サービス機能等の集積を図り、活気とにぎわいを創出するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業や都市計画道路等の整備に伴う土地利用の変化に対応し、駅周辺の活気ある良好な商業環境の育成と地区の防災性向上、区民まちづくり協定を踏まえたまちづくりを進めるため、地区計画の策定等を検討します。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設け、補助128号線を整備します。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 2-4 代田地区(継続) 地区まちづくり計画の原案提案を踏まえ、良好な住環境の保全・育成等に向けて、地区まちづくり計画の策定等を検討します。 2.既に策定された地区計画などに基づき、まちづくりを進めていく地区 2-5 梅ヶ丘駅・豪徳寺駅・山下駅周辺地区(移行2) 保健福祉のまちづくり重点ゾーンとして、平成27(2015)年4月に策定した「梅ヶ丘駅・豪徳寺駅・山下駅界わいまちづくりデザイン指針」に基づき、ユニバーサルデザインによるまちづくりを進めます。 公共施設や大規模な建築物の建設及び道路などの改修の際には、意匠やユニバーサルデザインなどについて、これまでの「やさしいまちづくり」を継承し、一体感を持つまちづくりを進めます。 2-6 環七沿道地区(継続) 後背地の住環境保全と延焼遮断帯の形成のため、沿道地区計画に基づきまちづくりを進めます。 2-7 北沢三・四丁目地区(継続) 防災まちづくり等を推進するため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、茶沢通りの道路拡幅、公園の整備を進めます。 2-8 北沢五丁目・大原一丁目地区(継続) 防災まちづくり等を推進するため、防災街区整備地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 2-9 経堂駅東地区(継続) 良好な住環境の保全のため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 2-10 区役所周辺地区(継続) 地区内の広域避難場所周辺を災害に強い市街地として誘導するとともに、みどり豊かで暮らしやすい住環境を保全・創出するため、防災街区整備地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 2-11 豪徳寺駅周辺地区(継続) 地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 密集市街地である地区内の防災性向上のため、防災まちづくりの事業や規制誘導の制度を活用し、建築物の不燃化を進めるとともに、道路や公園の整備を進めます。 2-12 桜上水駅周辺地区(継続) 地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設けます。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 2-13 桜上水三・四丁目中部地区(継続) 地区計画に基づき、みどりの拠点としてみどり豊かで落ち着きのある環境を維持します。 集合住宅及び教育文化施設の集積を活かし、地域の防災性能の向上に資する広域避難場所及び防災生活圏の形成を図ります。 2-14 西部地域桜上水地区(継続) 農地などのみどりを保全・育成し、農地と住宅地が共存する土地利用を誘導するため、地区計画に基づきまちづくりを進めます。 地区の防災性、利便性を確保するため、道路などの基盤整備を進めます。 2-15 代田橋駅周辺地区(移行2) 地区生活拠点として、身近な商店街のにぎわいを維持、発展するとともに、良好な住環境の保全のため、地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、交通結節機能を強化するために駅前広場などを設けます。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 代田橋駅周辺地区については、京王線の連続立体交差事業や放射23号線の整備等にあわせ、地区の防災性の向上を図ります。また、和田堀給水所の整備にあわせ、みどりや防災の拠点の形成を図ります。 2-16 放射23号線沿道地区(新規) 2-17 補助26号線沿道代沢・北沢地区(新規) 2-18 補助52号線沿道若林・梅丘・豪徳寺・宮坂地区(移行2) 都市計画道路の整備にあわせ、沿道の建築物の不燃化や土地利用の誘導、周辺の住環境との調和のため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 2-19 明大前駅周辺地区(移行2) 地域生活拠点として、商業・行政サービス機能等の集積を図り、活気ある良好な商業環境を育成するとともに、良好な住環境を保全し地区の防災性を向上するため、地区計画及び地区まちづくり計画に基づきまちづくりを進めます。 京王線の連続立体交差事業にあわせ、区南北の交通ネットワークを充実させるため、都市計画道路の補助154号線や駅前広場を整備します。また、鉄道事業者等と連携して自転車等駐車場などを整備します。 2-20 代々木上原駅から梅ヶ丘駅間の小田急線上部(移行2) 小田急線の連続立体交差事業に伴い平成27年(2015年)8月に策定した「小田急線上部利用計画」に基づき防災性の向上やみどりの創出を図るため、駅前広場、通路、緑地・小広場、防災施設などを整備し、周辺と調和した連続性のあるまちづくりを進めます。 (なお、PDFファイル版では、ここに北沢地域のアクションエリアの地図を掲載しています) 第2章北沢地域の内容は以上となります。 最後に、奥づけになります。 発行は、世田谷区 編集は、総合支所 まちづくり課、都市整備政策部 都市計画課 問い合わせ先は、都市計画課 電話番号:03-6432-7174