分限処分の指針 7世人第17号 令和7年4月1日 第1 趣旨 この指針は、地方公務員法(昭和 25 年法律第 261 号。以下「法」という。)第28条第1項 第1号、第2号、第3号にもとづく免職、降任処分、職員の分限に関する条例第2条第2項に基 づく降給処分を行う場合の具体的な手続き等を定め、一定の事由により職責を十分に果たす ことのできない職員に対して厳正かつ適切に対応することにより、公務の能率の維持およびそ の適正な運営の確保を図ることを目的とする。 第2 分限事由および処分内容等 職員が、次の分限事由に該当すると認められる場合は、それぞれに定める処分を行う。 1 勤務実績不良(法第28条第1項第1号、条例第2条第2項) 「勤務実績がよくない場合」とは次に掲げる場合をいい、免職、降任又は降給とする。 (1)定期勤務評定における第一次評定者の評定が最下位の段階であって、勤務実績が 良くないと認められる場合 (2)担当すべきものとして割り当てられた職務に関しその実績があがらない、出勤状況や 勤務状況が不良な場合など、業務に著しい支障を及ぼしている場合 2 心身の故障(法第28条第1項第2号関係) 将来回復の可能性のない、または病気休職(法第28条第2項第1号に掲げる場合にお ける休職をいう。以下同じ。)の期間中には回復の見込みの乏しい長期の療養を要する 疾病のため、職務の遂行に支障があり、またはこれに堪えない職員は、免職または降任と する。 3 適格性欠如(法第28条第1項第3号関係) 再三にわたり、正当な理由なく上司からの職務上の命令に従わない、職員または区民 に対して暴力・暴言または中傷を繰り返すなど、簡単に矯正することのできない持続性を 有する素質、能力、性格等に起因してその職務の円滑な遂行に支障がある、または支障 が生ずる高度の蓋然性が認められる職員は、免職または降任とする。 4 受診命令違反(法第28条第1項第3号関係) (1) 第4の1及び2の規定により、医師の診断を受けることを命令したにもかかわらず、正 当な理由なくこれに従わない職員は、免職とする。 (2) 第4の3の規定により、医師の診断を受けることを命令したにもかかわらず、正当な理 由なくこれに従わない場合は、同一の疾病により療養する必要があるものとみなす。 5 行方不明(法第28条第1項第3号関係) 原則として1月以上にわたり行方不明(意図的に継続して無断で欠勤するなど懲戒事由 に該当することが明らかな場合又は水難、火災その他の災害によることが明らかな場合を除 く。)の職員は、免職とする。 第3 勤務実績不良又は適格性欠如の職員への対応措置 1 所属長は、勤務実績不良若しくは適格性欠如の職員又はそれらのおそれがあると認 められる職員(以下「要指導職員」という。)に対して、特定指導を行う。 2 特定指導とは、要指導職員に対して、所属長が人事課長及び研修担当課長と協力 し、職員の実情に応じて継続的に注意、指導等を行うとともに、必要に応じて担当職務 の見直し、配置換え、研修等を実施することをいう。 3 所属長は、要指導職員の勤務実績の状況、上司の注意・指導内容やそれに対する 要指導職員の改善状況、その他要指導職員の勤務全般に係る記録(様式3)を作成し、 人事課長にその内容を報告するものとする。 4 総務部長は、前項に定める特定指導によっても、要指導職員の状況が改善されてい ないと判断した場合には、警告書(様式2)により、当該職員に対し早期の改善を求める とともに、改善を求めてもなお勤務実績不良又は適格性欠如が認められる場合には、 分限処分が行われる可能性についても併せて警告する。 5 警告書による警告を行う場合は、総務部長は、対象職員に対し、弁明の機会を付与 した上で、引き続き特定指導を行う。 第4 心身の故障の職員への対応措置 1 勤務実績不良又は適格性欠如の状態が心身の故障に起因することが疑われる場合 には、総務部長は、 受診命令書(様式1)を交付して受診を命ずる。 2 病気休職中または3年間の病気休職期間が満了する職員に対して、総務部長は、必 要に応じて受診命令書(様式1)を交付して受診を命ずる。 3 職員の分限に関する条例第6条の規定による復職の日(以下「復職日」という。)から 起算して1年以内に再び同一の疾病により療養する必要があり、勤務しないことがやむ を得ないと認められる場合は、病気休職の処分を行う。 なお、病名が異なる場合であっても、病状、病因等から疾病の因果関係が疑われる 場合は、別途産業医の面談等を踏まえて、疾病の同一性について医師の診断結果に 基づき決定するものとし、総務部長は、必要に応じて受診命令書(様式1)を交付して 受診を命ずる。 4 復職日から起算して1年以内に再び同一疾病により病気休職の処分を行う場合は、 復職前の病気休職期間を通算し、3年を超えない範囲内とする。 5 心身の故障により免職・降任を行う場合には、区で別に指定する医師の診断を受け させなければならない 6 病気休職の事務手続については、別に定める。 第5 分限処分の実施に関する事項 1 免職、降任又は降給の分限処分を行うときは、あらかじめ世田谷区職員懲戒分限審 査委員会に諮問し、 その答申を得て行うものとする。 2 処分に当たっては、下位の職であれば良好な職務遂行が期待できると判断するとき は、職務遂行能力等に応じた職に降任させるものとし、下位の職でも良好な職務遂行 が期待できないと判断するときは 免職とする(勤務実績が良くない場合は降給とする ことも可能)。 3 心身の故障による免職、降任の処分にあたっては、区で別に指定する医師の診断結 果に基づき決定する。 なお、総務部長は、当該指定医師の診断にあたって、公正な職務遂行の観点を踏ま えた適正な判断に資するよう、勤務継続に必要となる要件等を記載した書面(様式4) を交付するなど、必要な情報提供を行うものとする。 4 第5の3の規定に基づく診断により勤務継続とした職員について、勤務実績不良又は 適格性欠如の状態にあると認められる職員については、第2の1または3に該当するも のとして、同規定で定める処分を行うものとする。 第6 懲戒処分との関係 問題行動が、法で定める職務専念義務違反等の懲戒処分の事由に該当する場合に は、懲戒処分を行う。 第7 条件付採用期間の職員への適用 法第22条の条件付採用期間中の職員に勤務実績不良又は適格性欠如の徴表が認 められる場合は、所属長は、要指導職員に準じて必要な注意、指導等を行う。 第8 会計年度任用職員への適用 本指針は会計年度任用職員にも同様に適用されるが、その任用形態や期間等の状況 により、本指針の規定により難い場合は、この限りではない。